複素関数論
正則関数の強力な性質(コーシーの積分定理、一致の定理)を強調する。
想定読者: 大学生(理系)
前提テーマ:微分積分学
目次
- 第 1 章複素数と複素平面無料三次方程式の実数解を求める過程で虚数が不可避になった経緯から出発し、複素数体の構成、共役と絶対値、極形式とオイラーの公式、ド・モアブルの定理と 1 の n 乗根、複素平面の開集合と領域までを証明付きで整理します。
- 第 2 章正則関数とコーシー・リーマンの関係式無料複素微分可能性を「どの方向から近づいても同じ極限」という要求として読み解き、コーシー・リーマンの関係式を導く。偏微分の存在だけでは足りない反例を挙げ、全微分可能性を加えれば必要十分になることを証明し、指数関数・三角関数・対数の主枝の正則性を確かめる。
- 第 3 章コーシーの積分定理と積分公式本複素線積分を定義から積み上げ、グリーンの定理とコーシー・リーマンの関係式からコーシーの積分定理を証明する。グルサの定理で導関数の連続性の仮定を外し、積分路の変形を経てコーシーの積分公式を導き、正則関数が境界の値だけで決まることを示す。
- 第 4 章正則関数の強力な性質本コーシーの積分公式から「正則関数は無限回微分可能」を導き、コーシーの評価式・リューヴィルの定理・代数学の基本定理、テイラー展開とローラン展開、そして一致の定理までを、実関数論との違いを対比しながら証明します。
- 第 5 章留数定理と定積分への応用本孤立特異点を除去可能・極・真性の三つに分類し、留数を定義して留数定理を証明する。さらに有理関数の広義積分、三角関数の周期積分、ジョルダンの補題を使うフーリエ型積分を、輪郭の選び方から計算例まで具体的に扱う。
- 第 6 章等角写像とリーマン写像定理本正則関数が角度を保つ理由をコーシー・リーマンの関係式から示し、メビウス変換の円円対応と交比、シュワルツの補題による単位円板の自己同型の決定を経て、リーマンの写像定理の主張と意義までを追う。
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