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Banach 空間の基本定理:Hahn–Banach・一様有界性・開写像・閉グラフ

対象読者: 本テーマ第 1 章の Hilbert 空間(射影定理・リースの表現定理)と、距離空間の完備性・開集合・閉集合を学んだ人。Baire のカテゴリー定理は本文で扱います。

前提となる記事:Hilbert 空間の基礎:射影定理・リースの表現定理・正規直交基底

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ベクトルの「長さ」だけが決まっている空間で、どこまで線形代数や解析のような議論ができるかを調べる記事です。内積がなく角度や直交が使えなくても、「極限を取っても空間の外に出ない」という性質(完備性)さえあれば、関数を別の空間へ広げる、各点での様子から全体の大きさを押さえる、逆向きの対応が自動的に連続になる、といった強い結論が得られます。読み終えると、この 4 つの原理の主張と、それぞれがどこで完備性を使うかがわかります。

  • Banach 空間は完備なノルム空間です。Hilbert 空間から内積を取り去っても残る構造で、LpL^p(p≠2p\ne2)、連続関数の空間 C(K)C(K)、有界作用素の空間 B(X,Y)\mathcal{B}(X,Y) がその代表です。
  • Hahn–Banach の定理は、部分空間上の有界線形汎関数をノルムを増やさずに全体へ拡張できることを保証します。これにより双対空間 X∗X^* は「点を分離できるほど大きい」ことがわかります。内積がないので射影定理は使えず、代わりにツォルンの補題(これ以上広げられない拡張の存在を保証する道具)を使います。
  • Baire のカテゴリー定理(完備距離空間は可算個の疎な閉集合、つまり内点をもたない閉集合で覆えない)から、一様有界性原理・開写像定理・逆写像定理・閉グラフ定理の 4 つが出ます。どれも「各点ごとの性質が一様な性質を導く」型の主張で、完備性が本質的です。
  • 閉グラフ定理の帰結として、Hilbert 空間全体で定義された対称作用素は必ず有界です(Hellinger–Toeplitz)。量子力学のハミルトニアンが非有界である以上、定義域を全体に取れないのはこのためです。
  • 弱位相・弱 * 位相を導入し、双対空間の閉単位球が弱 * コンパクトであること(Banach–Alaoglu)を述べます。前章の「有界列の弱収束部分列」の一般化です。

前章の Hilbert 空間の基礎 では、内積から来る直交性がすべての議論を支えていました。最近点は平行四辺形則で一意に決まり、有界線形汎関数はリースの表現定理で具体的なベクトルに対応しました。ところが解析で自然に現れる空間の多くは、内積を持ちません。最大値ノルムの C([0,1])C([0,1])、可積分関数の L1L^1、測度の空間などがそうです。偏微分方程式の解の存在や、作用素の性質の証明は、これらの空間の上でも行う必要があります。

内積を持たない空間でも、ノルムと完備性があれば驚くほど多くのことが言えます。20 世紀前半の Banach を中心とするポーランド学派は、これを 4 つの基本原理にまとめました。「拡張」の原理である Hahn–Banach の定理と、「各点ごとから一様へ」の原理である一様有界性原理・開写像定理・閉グラフ定理です。後者 3 つはすべて、完備距離空間の位相的な性質である Baire のカテゴリー定理から出ます。

数理物理の立場から見ると、これらの定理はこのテーマの後半で繰り返し顔を出します。非有界作用素の閉性、レゾルベントの有界性、作用素列の強収束の極限が有界であること、そして「Hamiltonian の定義域をどう選ぶか」という問題そのものが、閉グラフ定理と一様有界性原理の言葉で語られます。この章では、それらの定理を仮定を省略せずに証明し、完備性を外したときに何が壊れるかを反例で確かめます。

2. ノルム空間・有界作用素・双対空間

Section titled “2. ノルム空間・有界作用素・双対空間”

係数体 K\mathbb{K} は R\mathbb{R} または C\mathbb{C} とします。

定義 2.1(ノルム空間・Banach 空間)↗

K\mathbb{K} 上のベクトル空間 XX 上の関数 ∥⋅∥:X→[0,∞)\|\cdot\|:X\to[0,\infty) が、すべての x,y∈Xx,y\in X、α∈K\alpha\in\mathbb{K} について

  1. ∥x∥=0  ⟺  x=0\|x\| = 0\iff x = 0
  2. ∥αx∥=∣α∣ ∥x∥\|\alpha x\| = |\alpha|\,\|x\|
  3. ∥x+y∥≤∥x∥+∥y∥\|x + y\|\le\|x\| + \|y\|

を満たすときノルムといい、(X,∥⋅∥)(X,\|\cdot\|) をノルム空間という。1 を外して 2, 3 だけを満たすものを半ノルムという。ノルム空間が距離 d(x,y)=∥x−y∥d(x,y) = \|x - y\| について完備であるとき、Banach 空間という。

例 2.2(代表的な Banach 空間)

(1) Hilbert 空間は Banach 空間です(前章の 命題 2.2[Hilbert 空間の基礎] で内積からノルムが定まります)。

(2) 1≤p≤∞1\le p\le\infty に対する Lp(X,μ)L^p(X,\mu) と ℓp\ell^p は Banach 空間です(L^p空間と関数解析への導入 のリース–フィッシャーの定理)。

(3) コンパクト・ハウスドルフ空間 KK 上の連続関数全体 C(K)C(K) は、∥f∥∞=sup⁡t∈K∣f(t)∣\|f\|_\infty = \sup_{t\in K}|f(t)| で Banach 空間です(一様収束極限は連続:関数列と一様収束)。

(4) c0={x∈ℓ∞:xn→0}c_0 = \{x\in\ell^\infty : x_n\to0\} は ℓ∞\ell^\infty の閉部分空間なので Banach 空間です。一方、有限個を除いて 00 である数列の空間 c00c_{00} は c0c_0 で稠密な真部分空間なので、∥⋅∥∞\|\cdot\|_\infty について完備ではありません(∑k≤nk−1δk\sum_{k\le n}k^{-1}\delta_k は c00c_{00} のコーシー列で、極限 (1/k)k(1/k)_k は c00c_{00} の外にあります)。

定義 2.3(有界線形作用素と作用素ノルム)↗

X,YX, Y をノルム空間とする。線形写像 T:X→YT:X\to Y が、ある C≥0C\ge0 について全 x∈Xx\in X で ∥Tx∥≤C∥x∥\|Tx\|\le C\|x\| を満たすとき、有界であるという。有界線形作用素の全体を B(X,Y)\mathcal{B}(X,Y)(Y=XY = X のとき B(X)\mathcal{B}(X))と書き、

∥T∥=sup⁡x≠0∥Tx∥∥x∥=sup⁡∥x∥≤1∥Tx∥\|T\| = \sup_{x\ne0}\frac{\|Tx\|}{\|x\|} = \sup_{\|x\|\le1}\|Tx\|

を作用素ノルムという。

命題 2.4

ノルム空間の間の線形写像 T:X→YT:X\to Y について、次は同値である。(a) TT は有界。(b) TT は XX 全体で(一様)連続。(c) TT は 00 で連続。

証明(命題 2.4)

(a)⇒(b): ∥Tx−Tx′∥=∥T(x−x′)∥≤C∥x−x′∥\|Tx - Tx'\| = \|T(x - x')\|\le C\|x - x'\| なのでリプシッツ連続です。(b)⇒(c) は明らかです。(c)⇒(a): 00 での連続性から、ε=1\varepsilon = 1 に対し δ>0\delta>0 があって ∥x∥≤δ\|x\|\le\delta なら ∥Tx∥≤1\|Tx\|\le1 です。x≠0x\ne0 に対し x′=δx/∥x∥x' = \delta x/\|x\| と置けば ∥Tx′∥≤1\|Tx'\|\le1、線形性で ∥Tx∥≤δ−1∥x∥\|Tx\|\le\delta^{-1}\|x\|。

命題 2.5(作用素空間の完備性)✓

XX をノルム空間、YY を Banach 空間とする。B(X,Y)\mathcal{B}(X,Y) は作用素ノルムについて Banach 空間である。

証明(命題 2.5)

作用素ノルムがノルムであることは定義から直接確かめられます(三角不等式は ∥(S+T)x∥≤∥Sx∥+∥Tx∥\|(S+T)x\|\le\|Sx\| + \|Tx\| の上限を取る)。(Tn)(T_n) を作用素ノルムでのコーシー列とします。各 xx について ∥Tnx−Tmx∥≤∥Tn−Tm∥∥x∥\|T_nx - T_mx\|\le\|T_n - T_m\|\|x\| なので (Tnx)(T_nx) は YY のコーシー列であり、YY の完備性から極限 TxTx が存在します。TT は線形です(極限の線形性)。ε>0\varepsilon>0 に対し NN を n,m≥Nn,m\ge N で ∥Tn−Tm∥<ε\|T_n - T_m\|<\varepsilon となるように取ると、∥Tnx−Tmx∥≤ε∥x∥\|T_nx - T_mx\|\le\varepsilon\|x\| で m→∞m\to\infty として ∥Tnx−Tx∥≤ε∥x∥\|T_nx - Tx\|\le\varepsilon\|x\|(n≥Nn\ge N)。よって TN−TT_N - T は有界で、T=TN−(TN−T)T = T_N - (T_N - T) も有界、さらに ∥Tn−T∥≤ε\|T_n - T\|\le\varepsilon(n≥Nn\ge N)なので Tn→TT_n\to T です。

定義 2.6(双対空間)↗

ノルム空間 XX に対し X∗=B(X,K)X^* = \mathcal{B}(X,\mathbb{K}) を XX の双対空間といい、その元を有界線形汎関数という。命題 2.5 により、XX が完備でなくても X∗X^* は Banach 空間である。

Hilbert 空間 H\mathcal{H} では、定理 4.2[Hilbert 空間の基礎] により H∗\mathcal{H}^* は(共役線形に)H\mathcal{H} 自身と同一視されます。一般の Banach 空間ではそうはならず、たとえば 1≤p<∞1\le p<\infty で (ℓp)∗≅ℓq(\ell^p)^*\cong\ell^q(1/p+1/q=11/p + 1/q = 1)、(c0)∗≅ℓ1(c_0)^*\cong\ell^1、(ℓ1)∗≅ℓ∞(\ell^1)^*\cong\ell^\infty となりますが、(ℓ∞)∗(\ell^\infty)^* は ℓ1\ell^1 よりも真に大きくなります。

定義 3.1(劣線形汎関数)↗

実ベクトル空間 XX 上の関数 p:X→Rp:X\to\mathbb{R} が、全 x,y∈Xx,y\in X と t≥0t\ge0 について p(x+y)≤p(x)+p(y)p(x + y)\le p(x) + p(y) かつ p(tx)=tp(x)p(tx) = tp(x) を満たすとき、劣線形であるという。半ノルムは劣線形である。

定理 3.2(Hahn–Banach の拡張定理(実))✓

XX を実ベクトル空間、pp を XX 上の劣線形汎関数、MM を XX の線形部分空間、f:M→Rf:M\to\mathbb{R} を全 m∈Mm\in M で f(m)≤p(m)f(m)\le p(m) を満たす線形汎関数とする。このとき、線形汎関数 F:X→RF:X\to\mathbb{R} で、F∣M=fF|_M = f かつ全 x∈Xx\in X で F(x)≤p(x)F(x)\le p(x) を満たすものが存在する。

証明の方針は、まず部分空間を 1 次元だけ広げる拡張が不等式 F≤pF\le p を保ったままできることを示し(ステップ 1)、それを繰り返して全体まで広げる(ステップ 2)というものです。ステップ 1 では、新しい方向での値 cc に「これ以下」という条件と「これ以上」という条件が課されます。どちらの条件も mm を動かした集まりなので、下側の条件の上限が上側の条件の下限以下であることを示せば、その間に cc が取れます。1 次元ずつの拡張を無限に繰り返すことは数え上げでは尽くせないので、ツォルンの補題(これ以上広げられない拡張の存在を保証する道具)を使って一度に済ませます。

証明(定理 3.2)

ステップ 1(1 次元だけ広げる). x0∉Mx_0\notin M とし、M1=M+Rx0M_1 = M + \mathbb{R}x_0 上に F1(m+tx0)=f(m)+tcF_1(m + tx_0) = f(m) + tc で拡張することを考えます(m+tx0m + tx_0 の表し方は一意なので well-defined です)。F1≤pF_1\le p となるための条件は、全 m∈Mm\in M, t∈Rt\in\mathbb{R} で f(m)+tc≤p(m+tx0)f(m) + tc\le p(m + tx_0) です。t>0t>0 なら tt で割り m/tm/t を改めて mm と書くと c≤p(m+x0)−f(m)c\le p(m + x_0) - f(m)、t<0t<0 なら ∣t∣|t| で割って c≥f(m′)−p(m′−x0)c\ge f(m') - p(m' - x_0) となります(t=0t = 0 は仮定そのもの)。したがって

sup⁡m′∈M(f(m′)−p(m′−x0))≤inf⁡m∈M(p(m+x0)−f(m))\sup_{m'\in M}\bigl(f(m') - p(m' - x_0)\bigr)\le\inf_{m\in M}\bigl(p(m + x_0) - f(m)\bigr)

を示せば、その間に cc を取れます。ff の線形性、f≤pf\le p on MM、劣線形性から

f(m)+f(m′)=f(m+m′)≤p(m+m′)=p((m+x0)+(m′−x0))≤p(m+x0)+p(m′−x0)f(m) + f(m') = f(m + m')\le p(m + m') = p\bigl((m + x_0) + (m' - x_0)\bigr)\le p(m + x_0) + p(m' - x_0)

となり、移項すれば上の不等式です。

ステップ 2(ツォルンの補題). ff の拡張 (N,g)(N, g)(M⊂NM\subset N は部分空間、gg は NN 上の線形汎関数で g∣M=fg|_M = f、g≤pg\le p on NN)全体の集合 E\mathcal{E} を、「(N,g)⪯(N′,g′)  ⟺  N⊂N′(N,g)\preceq(N',g')\iff N\subset N' かつ g′∣N=gg'|_N = g」で順序づけます。全順序部分族 {(Nλ,gλ)}\{(N_\lambda, g_\lambda)\} に対し、N=⋃NλN = \bigcup N_\lambda(全順序なので部分空間)上に g(x)=gλ(x)g(x) = g_\lambda(x)(x∈Nλx\in N_\lambda)と定めると well-defined で、上界になります。ツォルンの補題より極大元 (N,F)(N, F) が存在します。N≠XN\ne X ならステップ 1 でさらに広げられて極大性に反するので、N=XN = X です。

定理 3.3(Hahn–Banach の拡張定理(複素・ノルム空間版))✓

XX を K\mathbb{K} 上のベクトル空間(K=R\mathbb{K} = \mathbb{R} または C\mathbb{C})、pp を XX 上の半ノルム、MM を部分空間、f:M→Kf:M\to\mathbb{K} を全 m∈Mm\in M で ∣f(m)∣≤p(m)|f(m)|\le p(m) を満たす線形汎関数とする。このとき線形汎関数 F:X→KF:X\to\mathbb{K} で F∣M=fF|_M = f かつ全 xx で ∣F(x)∣≤p(x)|F(x)|\le p(x) を満たすものが存在する。

とくに XX がノルム空間、MM が部分空間、f∈M∗f\in M^* なら、F∣M=fF|_M = f かつ ∥F∥=∥f∥\|F\| = \|f\| を満たす F∈X∗F\in X^* が存在する。

証明(定理 3.3)

実の場合. f≤∣f∣≤pf\le|f|\le p なので 定理 3.2 で F≤pF\le p となる拡張が得られ、−F(x)=F(−x)≤p(−x)=p(x)-F(x) = F(-x)\le p(-x) = p(x) から ∣F∣≤p|F|\le p です。

複素の場合. XX を実ベクトル空間とみなし、u=Re fu = \mathrm{Re}\,f と置くと、uu は MM 上の実線形汎関数で u≤∣f∣≤pu\le|f|\le p です。複素線形性から Im f(m)=−Re (if(m))=−u(im)\mathrm{Im}\,f(m) = -\mathrm{Re}\,(if(m)) = -u(im) なので

f(m)=u(m)−iu(im)f(m) = u(m) - iu(im)

です。実の場合の定理で uu を U≤pU\le p を満たす実線形汎関数 U:X→RU:X\to\mathbb{R} に拡張し、F(x)=U(x)−iU(ix)F(x) = U(x) - iU(ix) と置きます。FF は実線形で、F(ix)=U(ix)−iU(−x)=U(ix)+iU(x)=iF(x)F(ix) = U(ix) - iU(-x) = U(ix) + iU(x) = iF(x) なので複素線形です。上の式から F∣M=fF|_M = f です。最後に、F(x)=eiθ∣F(x)∣F(x) = e^{i\theta}|F(x)| と書くと、F(e−iθx)=∣F(x)∣F(e^{-i\theta}x) = |F(x)| は実数なので

∣F(x)∣=Re F(e−iθx)=U(e−iθx)≤p(e−iθx)=p(x).|F(x)| = \mathrm{Re}\,F(e^{-i\theta}x) = U(e^{-i\theta}x)\le p(e^{-i\theta}x) = p(x) .

ノルム空間版. p(x)=∥f∥ ∥x∥p(x) = \|f\|\,\|x\| と置けば ∣F(x)∣≤∥f∥∥x∥|F(x)|\le\|f\|\|x\| なので ∥F∥≤∥f∥\|F\|\le\|f\|、拡張なので逆向きの不等式も成り立ちます。

系 3.4(ノルムを実現する汎関数)✓

XX をノルム空間とする。任意の x0∈X∖{0}x_0\in X\setminus\{0\} に対し、∥F∥=1\|F\| = 1 かつ F(x0)=∥x0∥F(x_0) = \|x_0\| を満たす F∈X∗F\in X^* が存在する。したがって全 x∈Xx\in X で

∥x∥=sup⁡F∈X∗, ∥F∥≤1∣F(x)∣\|x\| = \sup_{F\in X^*,\ \|F\|\le1}|F(x)|

であり(上限は達成される)、X∗X^* は XX の点を分離する:x≠yx\ne y なら F(x)≠F(y)F(x)\ne F(y) となる F∈X∗F\in X^* がある。

証明(系 3.4)

M=Kx0M = \mathbb{K}x_0 上に f(tx0)=t∥x0∥f(tx_0) = t\|x_0\| と定めると ∥f∥=1\|f\| = 1 です。定理 3.3 で ∥F∥=1\|F\| = 1 の拡張を取ればよいです。等式は、∣F(x)∣≤∥F∥∥x∥|F(x)|\le\|F\|\|x\| から ≤\le が、いま作った FF(x0=xx_0 = x)から ≥\ge が出ます。分離は x−y≠0x - y\ne0 に適用します。

拡張定理には、凸集合を超平面で分ける「幾何学的な形」があります。凸解析や、後の章で Banach 空間の弱閉集合を調べるときに使います。

定理 3.5(Hahn–Banach の分離定理)✓

XX を K\mathbb{K} 上のノルム空間、A,B⊂XA, B\subset X を空でなく互いに交わらない凸集合とする。

  1. AA が開集合なら、F∈X∗F\in X^* と γ∈R\gamma\in\mathbb{R} が存在して、全 a∈Aa\in A, b∈Bb\in B で Re F(a)<γ≤Re F(b)\mathrm{Re}\,F(a)<\gamma\le\mathrm{Re}\,F(b) となる。
  2. AA がコンパクト、BB が閉なら、F∈X∗F\in X^* と γ1<γ2\gamma_1<\gamma_2 が存在して、全 a∈Aa\in A, b∈Bb\in B で Re F(a)<γ1<γ2<Re F(b)\mathrm{Re}\,F(a)<\gamma_1<\gamma_2<\mathrm{Re}\,F(b) となる。
証明(定理 3.5)

ノルム空間 XX は半ノルム ∥⋅∥\|\cdot\| 1 つで定まる局所凸空間で、その位相はノルム位相に一致し、連続な線形汎関数全体はちょうど X∗X^* です。したがって 1 は 局所凸空間と弱位相 の 定理 4.1[局所凸空間と弱位相]、2 は 定理 4.3[局所凸空間と弱位相] を XX に適用したものです。これらの証明は本記事の 定理 3.2 と 定理 3.3 を Minkowski 汎関数に適用するもので、本定理には依存しません。

注意 3.6

証明の筋道(実の場合; 複素の場合は 定理 3.3 の証明と同様に Re\mathrm{Re} を取って複素線形汎関数に戻します)。1: a0∈Aa_0\in A, b0∈Bb_0\in B を取り、C=A−B+(b0−a0)C = A - B + (b_0 - a_0) と置くと CC は 00 を含む開凸集合で、z0=b0−a0∉Cz_0 = b_0 - a_0\notin C です。CC の Minkowski 汎関数 p(x)=inf⁡{t>0:x∈tC}p(x) = \inf\{t>0 : x\in tC\} は劣線形で、p≤c∥⋅∥p\le c\|\cdot\|(CC が 00 の近傍を含むため)かつ p(z0)≥1p(z_0)\ge1 を満たします。Rz0\mathbb{R}z_0 上の f(tz0)=tf(tz_0) = t を 定理 3.2 で F≤pF\le p に拡張すると、FF は有界で、CC 上 F<1=F(z0)F<1 = F(z_0) となり、これを書き直すと F(a)<F(b)F(a)<F(b) が全 a,ba, b で成り立ちます。開集合 AA 上の FF の像は開区間なので γ=sup⁡AF\gamma = \sup_A F が取れます。2 は AA のコンパクト性から δ=d(A,B)>0\delta = d(A,B)>0 を得て、開凸集合 A+B(0,δ/2)A + B(0,\delta/2) と BB に 1 を適用します。局所凸空間での完全な証明は 定理 4.1[局所凸空間と弱位相] と 定理 4.3[局所凸空間と弱位相] にあります(ノルム空間はその特別な場合です)。

定理 4.1(Baire のカテゴリー定理)✓

(E,d)(E, d) を空でない完備距離空間とする。

  1. 稠密な開集合の列 (Un)n∈N(U_n)_{n\in\mathbb{N}} に対し、⋂nUn\bigcap_n U_n は EE で稠密である。
  2. 同値な言い換え: E=⋃n∈NFnE = \bigcup_{n\in\mathbb{N}}F_n を閉集合の可算和とすると、少なくとも 1 つの FnF_n は内点をもつ。
証明(定理 4.1)

1. 空でない開集合 WW を任意に取り、W∩⋂nUn≠∅W\cap\bigcap_nU_n\ne\emptyset を示します。U1U_1 は稠密開なので W∩U1W\cap U_1 は空でない開集合であり、閉球 Bˉ(x1,r1)⊂W∩U1\bar B(x_1, r_1)\subset W\cap U_1(0<r1<10<r_1<1)が取れます。帰納的に、UnU_n が稠密開なので B(xn−1,rn−1)∩UnB(x_{n-1}, r_{n-1})\cap U_n は空でない開集合であり、閉球 Bˉ(xn,rn)⊂B(xn−1,rn−1)∩Un\bar B(x_n, r_n)\subset B(x_{n-1}, r_{n-1})\cap U_n(0<rn<1/n0<r_n<1/n)が取れます。m≥nm\ge n なら xm∈B(xn,rn)x_m\in B(x_n, r_n) なので d(xm,xn)<1/nd(x_m, x_n)<1/n、(xn)(x_n) はコーシー列で、完備性から極限 xx があります。各 nn について xm∈Bˉ(xn,rn)x_m\in\bar B(x_n, r_n)(m≥nm\ge n)でこれは閉なので x∈Bˉ(xn,rn)⊂Unx\in\bar B(x_n,r_n)\subset U_n、かつ x∈Bˉ(x1,r1)⊂Wx\in\bar B(x_1, r_1)\subset W です。

2. すべての FnF_n が内点をもたないなら、Un=E∖FnU_n = E\setminus F_n は稠密開集合で、1 から ⋂Un=E∖⋃Fn\bigcap U_n = E\setminus\bigcup F_n は稠密、とくに空でなく、E=⋃FnE = \bigcup F_n に反します。

内点をもたない閉集合(の部分集合)の可算和を第 1 類集合(やせた集合)といいます。Baire の定理は「完備距離空間それ自体は第 1 類ではない」と言っています。距離空間の基礎(完備化・コンパクト性・縮小写像の原理)とあわせた議論や、有理点でだけ連続な関数が存在しないことへの応用は 距離空間 の 定理 5.1[距離空間] にあります。

定理 5.1(一様有界性原理(Banach–Steinhaus))✓

XX を Banach 空間、YY をノルム空間、{Tα}α∈I⊂B(X,Y)\{T_\alpha\}_{\alpha\in I}\subset\mathcal{B}(X,Y) を(可算とは限らない)族とする。全 x∈Xx\in X について sup⁡α∈I∥Tαx∥<∞\sup_{\alpha\in I}\|T_\alpha x\|<\infty ならば、sup⁡α∈I∥Tα∥<∞\sup_{\alpha\in I}\|T_\alpha\|<\infty である。

証明の方針は次のとおりです。「TαxT_\alpha x の大きさが全部 nn 以下」となる xx の集合 FnF_n で空間全体を覆うと、Baire の定理によりどれか 1 つの FnF_n は小さな球をまるごと含みます。その球の中では全 TαT_\alpha の値が一様に押さえられ、球の中心の分を引き算で差し引けば、原点のまわりの球での評価、つまり作用素ノルムの上からの評価になります。

証明(定理 5.1)

n∈Nn\in\mathbb{N} に対し Fn={x∈X:sup⁡α∥Tαx∥≤n}=⋂α{x:∥Tαx∥≤n}F_n = \{x\in X : \sup_\alpha\|T_\alpha x\|\le n\} = \bigcap_\alpha\{x : \|T_\alpha x\|\le n\} と置きます。各 TαT_\alpha が連続なので FnF_n は閉集合の共通部分として閉です。仮定から X=⋃nFnX = \bigcup_nF_n です。XX が完備なので 定理 4.1 の 2 により、ある NN と x0x_0、r>0r>0 で Bˉ(x0,r)⊂FN\bar B(x_0, r)\subset F_N となります。∥z∥≤r\|z\|\le r なら x0+z,x0∈FNx_0 + z, x_0\in F_N なので

∥Tαz∥=∥Tα(x0+z)−Tαx0∥≤2N\|T_\alpha z\| = \|T_\alpha(x_0 + z) - T_\alpha x_0\|\le2N

が全 α\alpha で成り立ちます。よって ∥Tα∥=sup⁡∥z∥≤r∥Tαz∥/r≤2N/r\|T_\alpha\| = \sup_{\|z\|\le r}\|T_\alpha z\|/r\le2N/r です。

系 5.2(強極限の有界性)✓

XX を Banach 空間、YY をノルム空間、Tn∈B(X,Y)T_n\in\mathcal{B}(X,Y) とし、全 x∈Xx\in X で極限 Tx=lim⁡nTnxTx = \lim_nT_nx が存在するとする。このとき T∈B(X,Y)T\in\mathcal{B}(X,Y) であり、∥T∥≤lim inf⁡n∥Tn∥<∞\|T\|\le\liminf_n\|T_n\|<\infty である。

証明(系 5.2)

TT の線形性は極限の線形性から従います。収束列は有界なので、全 xx で sup⁡n∥Tnx∥<∞\sup_n\|T_nx\|<\infty であり、定理 5.1 から sup⁡n∥Tn∥<∞\sup_n\|T_n\|<\infty、とくに lim inf⁡n∥Tn∥<∞\liminf_n\|T_n\|<\infty です。∥Tx∥=lim⁡n∥Tnx∥≤lim inf⁡n∥Tn∥ ∥x∥\|Tx\| = \lim_n\|T_nx\|\le\liminf_n\|T_n\|\,\|x\| から主張が出ます。

強収束はノルム収束より弱い収束ですが、一様有界ならコンパクト集合の上では一様になります。

補題 5.3(強収束はコンパクト集合上で一様)✓

XX をノルム空間、Tn,T∈B(X)T_n, T\in\mathcal{B}(X) とし、sup⁡n∥Tn∥<∞\sup_n\|T_n\|<\infty かつ全 x∈Xx\in X で Tnx→TxT_nx\to Tx とする。このとき任意のコンパクト集合 K⊂XK\subset X について sup⁡x∈K∥Tnx−Tx∥→0\sup_{x\in K}\|T_nx - Tx\|\to0 である。

証明(補題 5.3)

M=max⁡(sup⁡n∥Tn∥,∥T∥)M = \max(\sup_n\|T_n\|, \|T\|) と置きます。ε>0\varepsilon>0 を取り、KK のコンパクト性から有限個の x1,…,xm∈Kx_1,\ldots,x_m\in K で K⊂⋃iB(xi,ε)K\subset\bigcup_iB(x_i,\varepsilon) となるものを取ります。NN を、n≥Nn\ge N で全 ii について ∥Tnxi−Txi∥<ε\|T_nx_i - Tx_i\|<\varepsilon となるように取ります(有限個なので取れます)。x∈Kx\in K に対し ∥x−xi∥<ε\|x - x_i\|<\varepsilon となる ii を選べば

∥Tnx−Tx∥≤∥Tn(x−xi)∥+∥Tnxi−Txi∥+∥T(xi−x)∥≤Mε+ε+Mε\|T_nx - Tx\|\le\|T_n(x - x_i)\| + \|T_nx_i - Tx_i\| + \|T(x_i - x)\|\le M\varepsilon + \varepsilon + M\varepsilon

なので、n≥Nn\ge N で sup⁡x∈K∥Tnx−Tx∥≤(2M+1)ε\sup_{x\in K}\|T_nx - Tx\|\le(2M + 1)\varepsilon です。

XX が Banach 空間なら、一様有界性の仮定は 系 5.2 により強収束から自動的に従います。

系 5.4(弱有界な集合は有界)✓

XX をノルム空間、S⊂XS\subset X とする。全 F∈X∗F\in X^* について sup⁡x∈S∣F(x)∣<∞\sup_{x\in S}|F(x)|<\infty ならば、sup⁡x∈S∥x∥<∞\sup_{x\in S}\|x\|<\infty である。とくに Hilbert 空間で弱収束する列は有界である。

証明(系 5.4)

x∈Xx\in X に対し x^∈(X∗)∗\hat x\in(X^*)^* を x^(F)=F(x)\hat x(F) = F(x) で定めます。系 3.4 より ∥x^∥=∥x∥\|\hat x\| = \|x\| です。X∗X^* は(XX が完備でなくても)Banach 空間なので(定義 2.6)、族 {x^}x∈S⊂B(X∗,K)\{\hat x\}_{x\in S}\subset\mathcal{B}(X^*,\mathbb{K}) に 定理 5.1 を適用すると、仮定「全 FF で sup⁡x∣x^(F)∣<∞\sup_x|\hat x(F)|<\infty」から sup⁡x∥x^∥=sup⁡x∥x∥<∞\sup_x\|\hat x\| = \sup_x\|x\|<\infty です。Hilbert 空間で xn⇀xx_n\rightharpoonup x なら、リースの表現定理(定理 4.2[Hilbert 空間の基礎])により全 F∈H∗F\in\mathcal{H}^* は F=⟨y,⋅⟩F=\langle y,\cdot\rangle の形なので F(xn)F(x_n) が収束して有界であり、前半から (xn)(x_n) は有界です。

次の例は、一様有界性原理から XX の完備性を外すと結論が破れることを示します。

例 5.5(完備でない空間での一様有界性の破れ)

X=c00X = c_{00} に ∥x∥∞=max⁡k∣xk∣\|x\|_\infty = \max_k|x_k| を入れます(例 2.2 の (4) より完備ではありません)。fn∈X∗f_n\in X^* を fn(x)=n xnf_n(x) = n\,x_n で定めると、∣fn(x)∣≤n∥x∥∞|f_n(x)|\le n\|x\|_\infty かつ fn(δn)=nf_n(\delta_n) = n なので ∥fn∥=n\|f_n\| = n です。

一方、各 x∈c00x\in c_{00} について、xk≠0x_k\ne0 となる kk の最大値を KK とすれば n>Kn>K で fn(x)=0f_n(x) = 0 なので、

sup⁡n∣fn(x)∣=max⁡n≤Kn∣xn∣<∞.\sup_n|f_n(x)| = \max_{n\le K}n|x_n|<\infty .

各点では有界なのに sup⁡n∥fn∥=∞\sup_n\|f_n\| = \infty です。定理 5.1 の証明で X=⋃FnX = \bigcup F_n から内点を取り出す段階が、完備性なしでは使えなくなっています。実際、Fn={x:sup⁡kk∣xk∣≤n}F_n = \{x : \sup_k k|x_k|\le n\} はどれも c00c_{00} の中で内点をもちません(任意の xx の近くに、遠くの成分に小さな値 ε\varepsilon を置いた点 x+εδmx + \varepsilon\delta_m、m>n/εm>n/\varepsilon があり、それは FnF_n に入らない)。

定理 6.1(開写像定理)✓

X,YX, Y を Banach 空間、T∈B(X,Y)T\in\mathcal{B}(X,Y) を全射とする。このとき TT は開写像である。すなわち、XX の任意の開集合 UU について T(U)T(U) は YY の開集合である。

証明は 3 段階です。ステップ 1 で Baire の定理を使い、「単位球の像の閉包は原点のまわりの小さな球を含む」ことを示します。途中に出る A‾−A‾⊂A−A‾\overline{A}-\overline{A}\subset\overline{A-A} は、閉包の点を元の集合の点列の極限で表せば確かめられます。ステップ 2 では閉包を外します。誤差が半分ずつになるように補正の項 xkx_k を次々に足していき、その無限和を完備性で収束させます。ステップ 3 は、これを開集合の言葉に言い直すだけです。

証明(定理 6.1)

BrB_r を XX の原点中心半径 rr の開球、VrV_r を YY の同様の開球とします。

ステップ 1: ある δ>0\delta>0 について Vδ⊂T(B1)‾V_\delta\subset\overline{T(B_1)}. TT は全射なので Y=⋃nT(Bn)=⋃nT(Bn)‾Y = \bigcup_{n}T(B_n) = \bigcup_n\overline{T(B_n)}。YY の完備性と 定理 4.1 から、ある NN について T(BN)‾\overline{T(B_N)} は内点 y0y_0 をもち、y0+Vε⊂T(BN)‾y_0 + V_\varepsilon\subset\overline{T(B_N)} となる ε>0\varepsilon>0 があります。∥y∥<ε\|y\|<\varepsilon なら y=(y0+y)−y0y = (y_0 + y) - y_0 で、y0+yy_0 + y も y0y_0 も T(BN)‾\overline{T(B_N)} に入るので、y∈T(BN)‾−T(BN)‾⊂T(BN)−T(BN)‾⊂T(B2N)‾y\in\overline{T(B_N)} - \overline{T(B_N)}\subset\overline{T(B_N) - T(B_N)}\subset\overline{T(B_{2N})} です。線形性によるスケーリングで Vδ⊂T(B1)‾V_{\delta}\subset\overline{T(B_1)}(δ=ε/2N\delta = \varepsilon/2N)、さらに一般に Vδr⊂T(Br)‾V_{\delta r}\subset\overline{T(B_r)} です。

ステップ 2: Vδ⊂T(B2)V_\delta\subset T(B_2). ∥y∥<δ\|y\|<\delta とします。ステップ 1 から x1∈B1x_1\in B_1 で ∥y−Tx1∥<δ/2\|y - Tx_1\|<\delta/2 となるものがあります。y−Tx1∈Vδ/2⊂T(B1/2)‾y - Tx_1\in V_{\delta/2}\subset\overline{T(B_{1/2})} なので x2∈B1/2x_2\in B_{1/2} で ∥y−Tx1−Tx2∥<δ/4\|y - Tx_1 - Tx_2\|<\delta/4 となるものがあります。帰納的に xk∈B21−kx_k\in B_{2^{1-k}} で ∥y−T(x1+⋯+xk)∥<δ2−k\|y - T(x_1 + \cdots + x_k)\|<\delta 2^{-k} となるものが取れます。∑k∥xk∥<∑k21−k=2\sum_k\|x_k\|<\sum_k2^{1-k} = 2 なので部分和 sk=x1+⋯+xks_k = x_1 + \cdots + x_k はコーシー列で、XX の完備性から極限 xx をもち、∥x∥<2\|x\|<2(∥x∥≤∥x1∥+∑k≥221−k<∥x1∥+1<2\|x\|\le\|x_1\| + \sum_{k\ge2}2^{1-k} < \|x_1\| + 1 < 2)です。TT の連続性から Tx=lim⁡Tsk=yTx = \lim Ts_k = y です。

ステップ 3. UU を開集合、y=Txy = Tx(x∈Ux\in U)とし、x+Br⊂Ux + B_r\subset U となる rr を取ります。ステップ 2 とスケーリングから T(U)⊃Tx+T(Br)⊃y+Vδr/2T(U)\supset Tx + T(B_r)\supset y + V_{\delta r/2} なので、T(U)T(U) は開です。

系 6.2(逆写像定理(有界逆定理))✓

X,YX, Y を Banach 空間、T∈B(X,Y)T\in\mathcal{B}(X,Y) を全単射とする。このとき T−1∈B(Y,X)T^{-1}\in\mathcal{B}(Y,X) である。

証明(系 6.2)

T−1T^{-1} は線形です。定理 6.1 により、XX の開集合 UU について (T−1)−1(U)=T(U)(T^{-1})^{-1}(U) = T(U) は開なので T−1T^{-1} は連続、命題 2.4 より有界です。

例 6.3(完備性を外すと逆写像は有界とは限らない)

X=(ℓ1,∥⋅∥1)X = (\ell^1, \|\cdot\|_1), Y=(ℓ1,∥⋅∥∞)Y = (\ell^1, \|\cdot\|_\infty) とし、TT を恒等写像とします。∥x∥∞≤∥x∥1\|x\|_\infty\le\|x\|_1 なので TT は有界な全単射ですが、x=∑k≤nδkx = \sum_{k\le n}\delta_k について ∥x∥1=n\|x\|_1 = n, ∥x∥∞=1\|x\|_\infty = 1 なので T−1T^{-1} は有界ではありません。系 6.2 に反しないのは、YY が完備でないからです(ℓ1\ell^1 は ∥⋅∥∞\|\cdot\|_\infty について c0c_0 の稠密な真部分空間)。

定義 6.4(グラフと閉作用素)↗

ノルム空間 X,YX, Y と線形写像 T:D(T)→YT:D(T)\to Y(D(T)⊂XD(T)\subset X は部分空間)に対し、G(T)={(x,Tx):x∈D(T)}⊂X×YG(T) = \{(x, Tx) : x\in D(T)\}\subset X\times Y を TT のグラフという。X×YX\times Y にはノルム ∥(x,y)∥=∥x∥+∥y∥\|(x,y)\| = \|x\| + \|y\| を入れる。G(T)G(T) が X×YX\times Y で閉であるとき、TT は閉であるという。すなわち、xn∈D(T)x_n\in D(T), xn→xx_n\to x, Txn→yTx_n\to y ならば x∈D(T)x\in D(T) かつ Tx=yTx = y となることである。

X,YX, Y が Banach 空間なら X×YX\times Y も Banach 空間で、その閉部分空間 G(T)G(T) も Banach 空間です。閉作用素は非有界作用素論の主役で、非有界作用素 の章で詳しく扱います。

定理 6.5(閉グラフ定理)✓

X,YX, Y を Banach 空間、T:X→YT:X\to Y を XX 全体で定義された線形写像とする。TT のグラフが閉ならば、TT は有界である。

証明(定理 6.5)

G(T)G(T) は Banach 空間 X×YX\times Y の閉部分空間なので Banach 空間です。射影 π1:G(T)→X\pi_1:G(T)\to X, π1(x,Tx)=x\pi_1(x, Tx) = x は線形で ∥π1(x,Tx)∥=∥x∥≤∥x∥+∥Tx∥\|\pi_1(x,Tx)\| = \|x\|\le\|x\| + \|Tx\| なので有界、さらに TT が XX 全体で定義されているので全単射です。系 6.2 により π1−1:x↦(x,Tx)\pi_1^{-1}:x\mapsto(x,Tx) は有界、すなわち定数 CC で ∥x∥+∥Tx∥≤C∥x∥\|x\| + \|Tx\|\le C\|x\| となり、∥Tx∥≤C∥x∥\|Tx\|\le C\|x\| です。

閉グラフ定理の使い方は、「xn→xx_n\to x と Txn→yTx_n\to y の両方を仮定してよい」点にあります。連続性を直接示すには TxnTx_n の収束そのものを示す必要がありますが、閉グラフ定理を使えば収束先が TxTx であることだけを確かめればよいのです。その典型が次の系です。

系 6.6(Hellinger–Toeplitz の定理)✓

H\mathcal{H} を Hilbert 空間、A:H→HA:\mathcal{H}\to\mathcal{H} を H\mathcal{H} 全体で定義された線形写像で、全 x,yx, y について ⟨x,Ay⟩=⟨Ax,y⟩\langle x, Ay\rangle = \langle Ax, y\rangle を満たすものとする。このとき AA は有界である。

証明(系 6.6)

定理 6.5 により、グラフが閉であることを示せば十分です。xn→xx_n\to x, Axn→yAx_n\to y とします。任意の z∈Hz\in\mathcal{H} について、対称性と内積の連続性から

⟨z,y⟩=lim⁡n⟨z,Axn⟩=lim⁡n⟨Az,xn⟩=⟨Az,x⟩=⟨z,Ax⟩.\langle z, y\rangle = \lim_n\langle z, Ax_n\rangle = \lim_n\langle Az, x_n\rangle = \langle Az, x\rangle = \langle z, Ax\rangle .

zz は任意なので y=Axy = Ax です。

注意 6.7

量子力学の位置作用素 (Qψ)(x)=xψ(x)(Q\psi)(x) = x\psi(x) や運動量作用素、多くの Hamiltonian は対称(エルミート)ですが有界ではありません。Hellinger–Toeplitz の定理により、こうした作用素は L2L^2 全体では定義できず、稠密な部分空間を定義域とする非有界作用素として扱わざるをえません。定義域の選び方が物理(境界条件)を決めること、それが自己共役拡大の理論の出発点です。

例 6.8(完備でない定義域での閉グラフ定理の破れ)

X=C1([0,1])X = C^1([0,1]) に最大値ノルム ∥⋅∥∞\|\cdot\|_\infty を入れ(完備ではありません)、Y=C([0,1])Y = C([0,1])(Banach 空間)とし、Tf=f′Tf = f' と置きます。

TT は閉. fn→ff_n\to f, fn′→gf_n'\to g(いずれも一様収束)とすると、fn(t)=fn(0)+∫0tfn′(s) dsf_n(t) = f_n(0) + \int_0^tf_n'(s)\,ds で極限を取って f(t)=f(0)+∫0tg(s) dsf(t) = f(0) + \int_0^tg(s)\,ds。gg は連続なので微積分の基本定理から f∈C1f\in C^1 かつ f′=gf' = g です。

TT は有界でない. fn(t)=sin⁡(nt)f_n(t) = \sin(n t) は ∥fn∥∞≤1\|f_n\|_\infty\le1 ですが ∥fn′∥∞=n\|f_n'\|_\infty = n です。

TT は「全体で定義された」閉作用素ですが、定義域 XX が完備でないので 定理 6.5 は適用できません。同じ TT を C([0,1])C([0,1]) の稠密な部分空間 C1([0,1])C^1([0,1]) 上の作用素とみれば、これは非有界な閉作用素の最初の例です。

7. 弱位相・弱 * 位相と Banach–Alaoglu の定理

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定義 7.1(弱位相・弱 * 位相)↗

XX をノルム空間とする。

  1. XX 上の弱位相 σ(X,X∗)\sigma(X, X^*) とは、すべての F∈X∗F\in X^* を連続にする最も弱い位相である。点列(あるいはネット)xnx_n が xx に弱収束する(xn⇀xx_n\rightharpoonup x)とは、全 F∈X∗F\in X^* で F(xn)→F(x)F(x_n)\to F(x) となることである。
  2. X∗X^* 上の弱 * 位相 σ(X∗,X)\sigma(X^*, X) とは、すべての x∈Xx\in X について評価写像 F↦F(x)F\mapsto F(x) を連続にする最も弱い位相である。Fn→FF_n\to F(弱 *)とは、全 x∈Xx\in X で Fn(x)→F(x)F_n(x)\to F(x) となることである。

Hilbert 空間では、リースの表現定理により X∗X^* の元は ⟨y,⋅⟩\langle y,\cdot\rangle の形なので、1 の弱収束は前章の 定義 5.1[Hilbert 空間の基礎] と一致します。弱位相はノルム位相より弱く(開集合が少なく)、無限次元では真に弱くなります。弱 * 位相は X∗X^* の弱位相 σ(X∗,X∗∗)\sigma(X^*, X^{**}) よりさらに弱い位相です。開集合が少ないほどコンパクト集合は多くなります。

例 7.2(弱 * 収束するが弱収束しない列)

(c0)∗≅ℓ1(c_0)^*\cong\ell^1(a∈ℓ1a\in\ell^1 が c↦∑kakckc\mapsto\sum_ka_kc_k に対応)とみて、ℓ1\ell^1 の列 δn\delta_n を考えます。任意の c∈c0c\in c_0 について δn(c)=cn→0\delta_n(c) = c_n\to0 なので、δn→0\delta_n\to0(弱 *)です。一方 (ℓ1)∗≅ℓ∞(\ell^1)^*\cong\ell^\infty の元 b=(1,1,1,…)b = (1,1,1,\ldots) は δn\delta_n に対して常に値 11 を取るので、δn\delta_n は ℓ1\ell^1 の弱位相では 00 に収束しません。弱収束する別の極限 aa があったとすると、各成分の汎関数で ak=lim⁡n(δn)k=0a_k = \lim_n(\delta_n)_k = 0 となり、a=0a = 0 に矛盾します。

定理 7.3(Banach–Alaoglu の定理)✓

XX をノルム空間とする。X∗X^* の閉単位球 {F∈X∗:∥F∥≤1}\{F\in X^* : \|F\|\le1\} は弱 * 位相についてコンパクトである。さらに XX が可分なら、閉単位球の弱 * 位相は距離づけ可能であり、X∗X^* の任意の有界列は弱 * 収束する部分列をもつ。

証明(定理 7.3)

ノルム空間 XX は 1 つのノルムで定まる局所凸空間で、V={x:∥x∥≤1}V=\{x:\|x\|\le1\} は 00 の近傍です。その極集合 V∘={F∈X∗:∥x∥≤1⇒∣F(x)∣≤1}V^\circ=\{F\in X^*:\|x\|\le1\Rightarrow|F(x)|\le1\} は作用素ノルムの定義から閉単位球 {F:∥F∥≤1}\{F:\|F\|\le1\} そのものです。したがって前半は 局所凸空間と弱位相 の 定理 6.1[局所凸空間と弱位相] の特別な場合です。後半(可分な場合の距離づけ可能性と有界列の部分列)は同じ記事の 定理 6.2[局所凸空間と弱位相] そのものです。

注意 7.4

証明の筋道: 閉単位球 B∗B^* の元 FF を、その値の族 (F(x))x∈X(F(x))_{x\in X} によって直積 P=∏x∈X{z∈K:∣z∣≤∥x∥}P = \prod_{x\in X}\{z\in\mathbb{K} : |z|\le\|x\|\} の点とみなします。この埋め込みは弱 * 位相から PP の直積位相への同相写像です。PP は Tychonoff の定理によりコンパクトで(コンパクト性)、B∗B^* の像は「線形性」という各点ごとの等式条件で切り出される PP の閉集合なので、コンパクトです。可分の場合は、稠密列 (xk)(x_k) を使った距離 d(F,G)=∑k2−kmin⁡(1,∣F(xk)−G(xk)∣)d(F,G) = \sum_k2^{-k}\min(1,|F(x_k) - G(x_k)|) が B∗B^* 上で弱 * 位相を与えます。この場合は前章 定理 5.5[Hilbert 空間の基礎] と同じ対角線論法で直接示すこともできます。完全な証明は 定理 6.1[局所凸空間と弱位相] と 定理 6.2[局所凸空間と弱位相] にあります。

Hilbert 空間 H\mathcal{H} では、リースの表現定理で H∗\mathcal{H}^* と H\mathcal{H} を同一視すると弱 * 位相と弱位相が一致するので、Banach–Alaoglu の定理は「H\mathcal{H} の閉単位球は弱コンパクト」と読めます。これが前章で証明した有界列の弱収束部分列の存在の背景です。一般の Banach 空間で同じことが言えるのは、標準的な埋め込み X→X∗∗X\to X^{**} が全射になる回帰的な空間(1<p<∞1<p<\infty の LpL^p など)に限られます。L1L^1 や C([0,1])C([0,1]) では有界列が弱収束部分列をもつとは限らず、これが変分法で L1L^1 を避けて LpL^p(p>1p>1)や Sobolev 空間で議論する理由です。

演習 8.1易

XX をノルム空間とし、xn⇀xx_n\rightharpoonup x(弱収束)とします。sup⁡n∥xn∥<∞\sup_n\|x_n\|<\infty と ∥x∥≤lim inf⁡n∥xn∥\|x\|\le\liminf_n\|x_n\| を示してください。

解答

各 F∈X∗F\in X^* について (F(xn))(F(x_n)) は収束するので有界です。系 5.4 により sup⁡n∥xn∥<∞\sup_n\|x_n\|<\infty です。次に 系 3.4 で ∥F∥=1\|F\| = 1, F(x)=∥x∥F(x) = \|x\| となる FF を取ると

∥x∥=F(x)=lim⁡nF(xn)≤lim inf⁡n∣F(xn)∣≤lim inf⁡n∥xn∥.\|x\| = F(x) = \lim_n F(x_n)\le\liminf_n|F(x_n)|\le\liminf_n\|x_n\| .

(x=0x = 0 なら自明です。)前章 命題 5.3[Hilbert 空間の基礎] の 2 の一般化になっています。

演習 8.2標準

ベクトル空間 XX 上の 2 つのノルム ∥⋅∥1\|\cdot\|_1, ∥⋅∥2\|\cdot\|_2 がどちらも完備で、ある CC について ∥x∥1≤C∥x∥2\|x\|_1\le C\|x\|_2(全 xx)を満たすとします。ある C′C' について ∥x∥2≤C′∥x∥1\|x\|_2\le C'\|x\|_1 となること(2 つのノルムが同値であること)を示してください。また、完備性の仮定の一方を外すと結論が破れる例を挙げてください。

解答

恒等写像 I:(X,∥⋅∥2)→(X,∥⋅∥1)I:(X,\|\cdot\|_2)\to(X,\|\cdot\|_1) は仮定から有界な全単射で、両側が Banach 空間です。系 6.2 により I−1:(X,∥⋅∥1)→(X,∥⋅∥2)I^{-1}:(X,\|\cdot\|_1)\to(X,\|\cdot\|_2) も有界で、その作用素ノルムを C′C' とすれば ∥x∥2≤C′∥x∥1\|x\|_2\le C'\|x\|_1 です。

反例は 例 6.3 です。X=ℓ1X = \ell^1, ∥⋅∥2\|\cdot\|_2 を ℓ1\ell^1 ノルム(完備)、∥⋅∥1\|\cdot\|_1 を最大値ノルム(完備でない)とすると ∥x∥∞≤∥x∥ℓ1\|x\|_\infty\le\|x\|_{\ell^1} ですが、逆向きの評価は成り立ちません。

演習 8.3標準

ℓ2\ell^2 上の作用素 PnP_n を、最初の nn 成分を残して残りを 00 にする射影とします。

(a) 全 x∈ℓ2x\in\ell^2 について Pnx→xP_nx\to x ですが、∥Pn−1∥↛0\|P_n - 1\|\not\to0 であることを示してください。

(b) 一般に Banach 空間 XX 上の Tn∈B(X)T_n\in\mathcal{B}(X) が全 xx で Tnx→TxT_nx\to Tx を満たすとき、コンパクト集合 K⊂XK\subset X 上で sup⁡x∈K∥Tnx−Tx∥→0\sup_{x\in K}\|T_nx - Tx\|\to0 となることを示してください。

解答

(a) ∥Pnx−x∥2=∑k>n∣xk∣2→0\|P_nx - x\|^2 = \sum_{k>n}|x_k|^2\to0 です。一方 (1−Pn)δn+1=δn+1(1 - P_n)\delta_{n+1} = \delta_{n+1} なので ∥1−Pn∥≥1\|1 - P_n\|\ge1(実際 =1=1)です。

(b) 系 5.2 より M=sup⁡n∥Tn∥<∞M = \sup_n\|T_n\|<\infty かつ ∥T∥≤M\|T\|\le M です。ε>0\varepsilon>0 を取り、KK のコンパクト性から有限個の x1,…,xm∈Kx_1,\ldots,x_m\in K で K⊂⋃iB(xi,ε)K\subset\bigcup_iB(x_i,\varepsilon) となるものを取ります。NN を、n≥Nn\ge N で全 ii について ∥Tnxi−Txi∥<ε\|T_nx_i - Tx_i\|<\varepsilon となるように取ります。x∈Kx\in K に対し ∥x−xi∥<ε\|x - x_i\|<\varepsilon となる ii を選べば

∥Tnx−Tx∥≤∥Tn(x−xi)∥+∥Tnxi−Txi∥+∥T(xi−x)∥≤Mε+ε+Mε\|T_nx - Tx\|\le\|T_n(x - x_i)\| + \|T_nx_i - Tx_i\| + \|T(x_i - x)\|\le M\varepsilon + \varepsilon + M\varepsilon

なので、n≥Nn\ge N で sup⁡K∥Tnx−Tx∥≤(2M+1)ε\sup_K\|T_nx - Tx\|\le(2M + 1)\varepsilon です。一様有界性が使えないと最初と最後の項を制御できません。

演習 8.4難

無限次元の Banach 空間 XX は、可算なハメル基底(線形代数の意味の基底)をもたないことを示してください。これを用いて、c00c_{00} にはどんなノルムを入れても Banach 空間にならないことを結論してください。

解答

XX が可算なハメル基底 {b1,b2,…}\{b_1, b_2,\ldots\} をもつとし、Fn=span{b1,…,bn}F_n = \mathrm{span}\{b_1,\ldots,b_n\} と置きます。X=⋃nFnX = \bigcup_nF_n です。有限次元部分空間は完備(有限次元ノルム空間ではすべてのノルムが同値で、Kn\mathbb{K}^n は完備)なので、XX の中で閉です。XX は完備なので 定理 4.1 より、ある FNF_N が内点 x0x_0 をもち、B(x0,r)⊂FNB(x_0, r)\subset F_N です。任意の z≠0z\ne0 について x0+r2∥z∥z∈FNx_0 + \tfrac{r}{2\|z\|}z\in F_N かつ x0∈FNx_0\in F_N なので、差を取って z∈FNz\in F_N。よって X=FNX = F_N は有限次元となり、仮定に反します。

c00c_{00} は {δk}k∈N\{\delta_k\}_{k\in\mathbb{N}} という可算なハメル基底をもつ無限次元空間なので、どんなノルムについても完備ではありえません。これは 例 2.2 の (4) で ∥⋅∥∞\|\cdot\|_\infty について見たことの強い形です。

  • M. Reed, B. Simon, Methods of Modern Mathematical Physics I: Functional Analysis, revised and enlarged edition, Academic Press, 1980 — Chapter III(Banach 空間)、Chapter V(局所凸空間)。
  • W. Rudin, Functional Analysis, 2nd edition, McGraw-Hill, 1991 — Chapters 2–4。
  • H. Brezis, Functional Analysis, Sobolev Spaces and Partial Differential Equations, Springer, 2011 — Chapters 1–3。
  • 黒田成俊『関数解析』共立出版、1980 — Banach 空間の章。
  • S. Banach, Théorie des opérations linéaires, Monografje Matematyczne, Warszawa, 1932。

このテーマの 100 本ノック(100 問)

執筆: Claude Code(Opus 5.5)、Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 3 回(Claude Code)・最終 2026-10-12

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