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作用素の収束と摂動:レゾルベント収束・解析摂動・ミニマックス原理

対象読者: 本テーマ第 10 章までの Stone の定理と強連続半群、スペクトル定理による関数計算を学んだ人。複素関数論の周回積分は知っている前提です。

前提となる記事:1 径数ユニタリ群と強連続半群:Stone・Hille–吉田・Trotter 積公式

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シミュレーションでは、計算しやすい近似の問題を解いて、本当に知りたい問題の答えに近づけます。量子力学のハミルトニアンでも同じで、箱を大きくしたり、扱いにくい項を滑らかな関数に置き換えたりした「近い作用素の列」で本物を近似します。このとき、近似が本物に近づくとはどういうことか、近づけば固有値(エネルギー準位)や時間発展も近づくのか、が素朴な疑問になります。この記事は、近づき方に何通りかあること、どの近づき方からどの結論が出るかを整理し、後半で、少し変えた作用素の固有値がどう動くかを調べる道具を揃えます。

  • 非有界な自己共役作用素の列 AnA_n の「収束」は、作用素そのものではなくレゾルベント (An−z)−1(A_n - z)^{-1} の収束で定めます。ノルム収束(作用素の差の大きさが 0 に行く)と強収束(各ベクトルに作用させた結果が近づく)の 2 種類があり、どちらも 1 点 z0∈C∖Rz_0 \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} で確かめれば十分です。
  • 強レゾルベント収束は、ユニタリ群 eitAne^{itA_n} の各 tt での強収束と同値です(Trotter–Kato の定理)。ダイナミクスの近似とレゾルベントの近似は同じものです。
  • スペクトルは、強レゾルベント収束では下半連続(極限のスペクトルの点は近似列のスペクトルの極限点)に過ぎず、ノルムレゾルベント収束で初めて上半連続も加わります。無限遠に逃げる束縛状態が典型的な反例です。
  • 孤立した有限多重度の固有値は、相対有界(もとの作用素に比べて大きさが抑えられている)な摂動 A+κBA + \kappa B のもとで消えず、固有射影はリース射影 −12πi∮(A+κB−z)−1 dz-\frac{1}{2\pi i}\oint (A+\kappa B - z)^{-1}\,dz として κ\kappa について解析的です。単純固有値の展開係数がレイリー–シュレーディンガー級数です。
  • 下に有界な自己共役作用素の固有値と本質スペクトルの下端は、ミニマックス値 μn(A)\mu_n(A) で変分的に表せます。Feshbach–Schur 写像は、固有値問題を部分空間上の(zz に依存する)問題に等価に縮約します。

量子力学で「近似」と呼ばれる操作の大半は、作用素の列 AnA_n がある作用素 AA に近づくという主張です。箱の大きさを無限大にする、カットオフを外す、結合定数を小さくする、ポテンシャルを滑らかな関数で近似する、などです。AnA_n と AA が有界なら作用素ノルムや強位相で比べればよいのですが、物理のハミルトニアンは非有界で、定義域 D(An)D(A_n) が nn ごとに違うことも珍しくありません。差 An−AA_n - A が意味を持たないこともあります。

この困難を避ける標準的な方法は、有界作用素であるレゾルベント (An−z)−1(A_n - z)^{-1} を比べることです。レゾルベントにはスペクトルの情報がすべて入っているので、レゾルベントの収束からスペクトルや時間発展の収束を引き出せます。ただし、どの位相で収束するかによって、引き出せる情報は大きく違います。この違いを正確に述べるのが前半(§3・§4)の目的です。

後半では、近似の「中身」を調べる道具を揃えます。摂動 A+κBA + \kappa B の固有値が κ\kappa についてどう動くか(Kato の解析摂動論、§5)、固有値を変分で捉える方法(ミニマックス原理、§6)、固有値問題を小さな部分空間に縮約する方法(Feshbach–Schur 写像、§7)です。いずれも場の量子論の数学(非相対論的 QED の基底状態の存在、くりこみ群の作用素論的定式化など)で日常的に使われます。

以下、H\mathcal{H} は複素 Hilbert 空間、内積 ⟨⋅,⋅⟩\langle\cdot,\cdot\rangle は第 1 変数について共役線形とします。自己共役作用素 AA のスペクトル測度を EAE_A と書き、有界ボレル関数 ff に対する関数計算を f(A)=∫f(λ) dEA(λ)f(A) = \int f(\lambda)\,dE_A(\lambda) と書きます。スペクトル定理と関数計算 から次の事実を使います。

  • ff が有界連続なら ∥f(A)∥≤sup⁡λ∈σ(A)∣f(λ)∣\|f(A)\| \le \sup_{\lambda \in \sigma(A)} |f(\lambda)|。f↦f(A)f \mapsto f(A) は ∗*-準同型である。
  • z∈C∖Rz \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} なら ∥(A−z)−1∥≤1/∣Im z∣\|(A-z)^{-1}\| \le 1/|\mathrm{Im}\, z|。一般に z∈ρ(A)z \in \rho(A) なら ∥(A−z)−1∥=1/dist(z,σ(A))\|(A-z)^{-1}\| = 1/\mathrm{dist}(z, \sigma(A))。
  • λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A) であることと、任意の δ>0\delta > 0 で EA((λ−δ,λ+δ))≠0E_A((\lambda-\delta, \lambda+\delta)) \ne 0 であることは同値。

さらに スペクトルの分類 から、離散スペクトル σdisc(A)\sigma_{\mathrm{disc}}(A)(有限多重度の孤立固有値の全体)と本質スペクトル σess(A)=σ(A)∖σdisc(A)\sigma_{\mathrm{ess}}(A) = \sigma(A) \setminus \sigma_{\mathrm{disc}}(A) の区別、および「λ∈σess(A)\lambda \in \sigma_{\mathrm{ess}}(A) であることと、任意の ε>0\varepsilon > 0 で EA((λ−ε,λ+ε))E_A((\lambda-\varepsilon,\lambda+\varepsilon)) の値域が無限次元であることは同値」という特徴づけを使います。σess(A)\sigma_{\mathrm{ess}}(A) は閉集合です。

もう一つ、レゾルベントを点 ww のまわりで展開する公式を確認しておきます。z∈ρ(A)z \in \rho(A), w∈ρ(A)w \in \rho(A) に対する第 1 レゾルベント方程式 (A−z)−1−(A−w)−1=(z−w)(A−z)−1(A−w)−1(A-z)^{-1} - (A-w)^{-1} = (z-w)(A-z)^{-1}(A-w)^{-1} を繰り返し使うと、∣z−w∣ ∥(A−w)−1∥<1|z - w| \, \|(A-w)^{-1}\| < 1 のとき

(A−z)−1=∑k=0∞(z−w)k(A−w)−(k+1)(A - z)^{-1} = \sum_{k=0}^{\infty} (z-w)^k (A-w)^{-(k+1)}

が作用素ノルムで収束します。

3. レゾルベント収束と Trotter–Kato の定理

Section titled “3. レゾルベント収束と Trotter–Kato の定理”

定義 3.1(ノルムレゾルベント収束・強レゾルベント収束)↗

AnA_n (n∈N)(n \in \mathbb{N}) と AA を H\mathcal{H} 上の自己共役作用素とする。

  1. 任意の z∈C∖Rz \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} について ∥(An−z)−1−(A−z)−1∥→0\|(A_n - z)^{-1} - (A-z)^{-1}\| \to 0 となるとき、AnA_n は AA にノルムレゾルベント収束するという。
  2. 任意の z∈C∖Rz \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} と任意の φ∈H\varphi \in \mathcal{H} について ∥(An−z)−1φ−(A−z)−1φ∥→0\|(A_n - z)^{-1}\varphi - (A-z)^{-1}\varphi\| \to 0 となるとき、AnA_n は AA に強レゾルベント収束するという。

AnA_n, AA がすべて有界で ∥An−A∥→0\|A_n - A\| \to 0 なら、第 2 レゾルベント方程式 (An−z)−1−(A−z)−1=−(An−z)−1(An−A)(A−z)−1(A_n - z)^{-1} - (A-z)^{-1} = -(A_n-z)^{-1}(A_n - A)(A-z)^{-1} からノルムレゾルベント収束が出ます。逆は成り立ちません。AA が非有界なら An=(1+1/n)AA_n = (1 + 1/n)A について An−A=A/nA_n - A = A/n は非有界のままですが、関数計算で z=iz = i のレゾルベントの差を評価すると sup⁡λ∣λ∣/(n∣(1+1/n)λ−i∣∣λ−i∣)≤1/n\sup_\lambda |\lambda|/(n|(1+1/n)\lambda - i||\lambda - i|) \le 1/n なので、ノルムレゾルベント収束します。定義はすべての非実数 zz を要求していますが、実際には 1 点で十分です。

次の補題のねらいは、収束の確認を 1 点 z0z_0 だけに減らすことです。証明は 2 段に分かれます。まず z0z_0 での収束から共役点 zˉ0\bar z_0 での収束を出し、次にレゾルベントのべき級数展開(§2)で、収束が成り立つ点の集合を円板ごとに広げて、上半平面全体、下半平面全体を覆います。

補題 3.2(1 点判定)✓

AnA_n, AA を自己共役作用素とし、ある z0∈C∖Rz_0 \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} で (An−z0)−1→(A−z0)−1(A_n - z_0)^{-1} \to (A - z_0)^{-1} がノルム(または強)位相で成り立つとする。このとき、すべての z∈C∖Rz \in \mathbb{C}\setminus\mathbb{R} で同じ位相の収束が成り立つ。

証明(補題 3.2)

Rn(z)=(An−z)−1R_n(z) = (A_n - z)^{-1}, R(z)=(A−z)−1R(z) = (A-z)^{-1} と書きます。

段階 1(共役点への移行)。 Rn(z0)∗=Rn(zˉ0)R_n(z_0)^* = R_n(\bar{z}_0) です。ノルム収束なら ∥Rn(zˉ0)−R(zˉ0)∥=∥Rn(z0)−R(z0)∥\|R_n(\bar z_0) - R(\bar z_0)\| = \|R_n(z_0) - R(z_0)\| なので明らかです。強収束の場合、関数計算により Rn(z0)R_n(z_0) は正規作用素で ∥Rn(z0)∗φ∥=∥Rn(z0)φ∥\|R_n(z_0)^*\varphi\| = \|R_n(z_0)\varphi\| です。したがって

∥Rn(zˉ0)φ−R(zˉ0)φ∥2=∥Rn(z0)φ∥2−2 Re ⟨φ,Rn(z0)R(zˉ0)φ⟩+∥R(zˉ0)φ∥2\|R_n(\bar z_0)\varphi - R(\bar z_0)\varphi\|^2 = \|R_n(z_0)\varphi\|^2 - 2\,\mathrm{Re}\,\langle \varphi, R_n(z_0) R(\bar z_0)\varphi\rangle + \|R(\bar z_0)\varphi\|^2

と書け、仮定から右辺は ∥R(z0)φ∥2−2⟨φ,R(z0)R(zˉ0)φ⟩+∥R(zˉ0)φ∥2\|R(z_0)\varphi\|^2 - 2\langle \varphi, R(z_0)R(\bar z_0)\varphi\rangle + \|R(\bar z_0)\varphi\|^2 に収束します。⟨φ,R(z0)R(zˉ0)φ⟩=∥R(zˉ0)φ∥2\langle \varphi, R(z_0)R(\bar z_0)\varphi\rangle = \|R(\bar z_0)\varphi\|^2 と ∥R(z0)φ∥=∥R(zˉ0)φ∥\|R(z_0)\varphi\| = \|R(\bar z_0)\varphi\| を使えば極限は 00 です。

段階 2(半平面内での伝播)。 Ω\Omega を上半平面 C+\mathbb{C}_+ のうち収束が成り立つ点の集合とします。w∈Ωw \in \Omega, ∣z−w∣<Im w|z - w| < \mathrm{Im}\,w とし、q=∣z−w∣/Im w<1q = |z-w|/\mathrm{Im}\,w < 1 と置きます。§2 の展開を AnA_n と AA の両方に使うと、∥Rn(w)∥,∥R(w)∥≤1/Im w\|R_n(w)\|, \|R(w)\| \le 1/\mathrm{Im}\,w より第 kk 項はどちらも qk/Im wq^k/\mathrm{Im}\,w で nn に一様に抑えられます。有限個の項 (z−w)kRn(w)k+1(z-w)^k R_n(w)^{k+1} は、一様有界な収束列の積なので R(w)k+1R(w)^{k+1} に同じ位相で収束します(強収束の場合は SnTnφ−STφ=Sn(Tn−T)φ+(Sn−S)TφS_n T_n \varphi - ST\varphi = S_n(T_n - T)\varphi + (S_n - S)T\varphi を使います)。尾部を一様に小さくしてから有限部分を収束させれば z∈Ωz \in \Omega です。よって Ω\Omega は開集合です。また wj∈Ωw_j \in \Omega, wj→z∈C+w_j \to z \in \mathbb{C}_+ なら、十分大きい jj で ∣z−wj∣<Im wj|z - w_j| < \mathrm{Im}\,w_j となるので z∈Ωz \in \Omega、つまり Ω\Omega は C+\mathbb{C}_+ の中で閉です。C+\mathbb{C}_+ は連結なので、Ω\Omega が空でなければ Ω=C+\Omega = \mathbb{C}_+ です。下半平面についても同じです。

段階 1 により z0z_0 と zˉ0\bar z_0 の一方は上半平面、他方は下半平面にあるので、段階 2 から全体に広がります。

命題 3.3(関数計算の収束)✓

AnA_n が AA に強レゾルベント収束するなら、任意の有界連続関数 f:R→Cf:\mathbb{R}\to\mathbb{C} について f(An)→f(A)f(A_n) \to f(A) が強収束する。AnA_n が AA にノルムレゾルベント収束するなら、無限遠で消える任意の連続関数 f∈C0(R)f \in C_0(\mathbb{R}) について ∥f(An)−f(A)∥→0\|f(A_n) - f(A)\| \to 0 である。

証明(命題 3.3)

C0(R)C_0(\mathbb{R}) の場合。 A\mathcal{A} を (λ−i)−1(\lambda - i)^{-1} と (λ+i)−1(\lambda + i)^{-1} が生成する多項式の代数とします。(λ−i)−1(\lambda-i)^{-1} は単射で零点を持たないので、A\mathcal{A} は点を分離し、どこでも消えず、複素共役で閉じています。局所コンパクト版の Stone–Weierstrass の定理により A\mathcal{A} は C0(R)C_0(\mathbb{R}) で一様ノルムについて稠密です。g∈Ag \in \mathcal{A} なら、g(An)g(A_n) は Rn(±i)R_n(\pm i) の積の有限和であり、各因子は ∥Rn(±i)∥≤1\|R_n(\pm i)\| \le 1 と一様有界で、補題 3.2 により収束します。よって g(An)→g(A)g(A_n) \to g(A)(強またはノルム)。一般の f∈C0(R)f \in C_0(\mathbb{R}) には ∥f−g∥∞<ε\|f - g\|_\infty < \varepsilon なる g∈Ag \in \mathcal{A} を取り、

∥f(An)φ−f(A)φ∥≤2ε∥φ∥+∥g(An)φ−g(A)φ∥\|f(A_n)\varphi - f(A)\varphi\| \le 2\varepsilon\|\varphi\| + \|g(A_n)\varphi - g(A)\varphi\|

とします(∥f(An)−g(An)∥≤∥f−g∥∞\|f(A_n) - g(A_n)\| \le \|f-g\|_\infty を使いました)。ノルムの場合も同様です。

有界連続関数の場合(強収束)。 χR∈C0(R)\chi_R \in C_0(\mathbb{R}) を 0≤χR≤10 \le \chi_R \le 1, [−R,R][-R, R] 上で χR=1\chi_R = 1, 台が [−R−1,R+1][-R-1, R+1] に含まれるものとします。fχR∈C0(R)f\chi_R \in C_0(\mathbb{R}) なので前段が使えます。

f(An)φ−f(A)φ=f(An)(1−χR(An))φ+[(fχR)(An)−(fχR)(A)]φ−f(A)(1−χR(A))φf(A_n)\varphi - f(A)\varphi = f(A_n)(1-\chi_R(A_n))\varphi + \bigl[(f\chi_R)(A_n) - (f\chi_R)(A)\bigr]\varphi - f(A)(1-\chi_R(A))\varphi

第 1 項のノルムは ∥f∥∞(∥(1−χR(A))φ∥+∥(χR(An)−χR(A))φ∥)\|f\|_\infty\bigl(\|(1-\chi_R(A))\varphi\| + \|(\chi_R(A_n) - \chi_R(A))\varphi\|\bigr) 以下です。∥(1−χR(A))φ∥2=∫∣1−χR∣2 d⟨φ,EAφ⟩\|(1-\chi_R(A))\varphi\|^2 = \int |1-\chi_R|^2\,d\langle\varphi, E_A\varphi\rangle は優収束定理により R→∞R\to\infty で 00 に行くので、まず RR を大きく取り、次に nn を大きく取れば全体が小さくなります。

定理 3.4(Trotter–Kato の定理(自己共役版))✓

AnA_n (n∈N)(n\in\mathbb{N}) と AA を H\mathcal{H} 上の自己共役作用素とする。次の 2 条件は同値である。

  1. AnA_n は AA に強レゾルベント収束する。
  2. 任意の t∈Rt \in \mathbb{R} と φ∈H\varphi \in \mathcal{H} について eitAnφ→eitAφe^{itA_n}\varphi \to e^{itA}\varphi。
証明(定理 3.4)

1 ⇒ 2。 f(λ)=eitλf(\lambda) = e^{it\lambda} は有界連続なので 命題 3.3 そのものです。

2 ⇒ 1。 Im z>0\mathrm{Im}\,z > 0 とします。スカラーの等式 i∫0∞ei(z−λ)t dt=(λ−z)−1i\int_0^\infty e^{i(z-\lambda)t}\,dt = (\lambda - z)^{-1}(被積分関数の絶対値は e−t Imze^{-t\,\mathrm{Im} z})と関数計算・Fubini の定理から、各 φ,ψ\varphi, \psi について

⟨ψ,(A−z)−1φ⟩=i∫0∞eizt ⟨ψ,e−itAφ⟩ dt\langle \psi, (A-z)^{-1}\varphi \rangle = i\int_0^\infty e^{izt}\,\langle \psi, e^{-itA}\varphi\rangle\,dt

が成り立ちます。AnA_n についても同じです。差を取り Cauchy–Schwarz を使うと

∣⟨ψ,(Rn(z)−R(z))φ⟩∣≤∥ψ∥∫0∞e−t Imz ∥(e−itAn−e−itA)φ∥ dt\bigl|\langle \psi, (R_n(z) - R(z))\varphi\rangle\bigr| \le \|\psi\| \int_0^\infty e^{-t\,\mathrm{Im} z}\,\|(e^{-itA_n} - e^{-itA})\varphi\|\,dt

です。被積分関数は 2e−t Imz∥φ∥2e^{-t\,\mathrm{Im} z}\|\varphi\| で抑えられ、仮定 2 により各 tt で 00 に収束するので、優収束定理から右辺の積分 InI_n は 00 に収束します。ψ\psi について上限を取れば ∥(Rn(z)−R(z))φ∥≤In→0\|(R_n(z) - R(z))\varphi\| \le I_n \to 0 です。1 点 zz で示せば 補題 3.2 により十分です。

物理的には「レゾルベントが各ベクトル上で近づくこと」と「各時刻の時間発展が各状態上で近づくこと」が同じだという主張です。カットオフ付きハミルトニアン HΛH_\Lambda の時間発展がカットオフを外した極限に収束するかを問うとき、レゾルベントだけ調べればよいことになります。

4.1. 下半連続性(強収束で成り立つ)

Section titled “4.1. 下半連続性(強収束で成り立つ)”

「下半連続」とは、極限 AA のスペクトルの点 λ\lambda のすぐ近くに、nn が大きければ必ず AnA_n のスペクトルの点がある、ということです。極限でスペクトルが急に増えることはなく、あるとすれば減る方向だけです(減る例が §4.3)。証明は、そうでないと仮定して、λ\lambda の近くだけに値を持つ関数 ff を AnA_n に作用させると 00 になるのに、極限の f(A)f(A) は 00 でない、という矛盾を導きます。

定理 4.1(スペクトルの下半連続性)✓

自己共役作用素 AnA_n が AA に強レゾルベント収束するとする。λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A) なら、任意の ε>0\varepsilon > 0 に対して NN が存在し、n≥Nn \ge N で σ(An)∩(λ−ε,λ+ε)≠∅\sigma(A_n) \cap (\lambda - \varepsilon, \lambda + \varepsilon) \ne \emptyset となる。

証明(定理 4.1)

そうでないとすると、ある ε>0\varepsilon > 0 と部分列 nkn_k で σ(Ank)∩(λ−ε,λ+ε)=∅\sigma(A_{n_k}) \cap (\lambda-\varepsilon, \lambda+\varepsilon) = \emptyset となります。連続関数 ff を 0≤f≤10 \le f \le 1, 台が (λ−ε,λ+ε)(\lambda-\varepsilon,\lambda+\varepsilon) に含まれ、I=(λ−ε/2,λ+ε/2)I = (\lambda - \varepsilon/2, \lambda+\varepsilon/2) 上で f=1f = 1 となるように取ります。ff は σ(Ank)\sigma(A_{n_k}) 上で 00 なので ∥f(Ank)∥≤sup⁡σ(Ank)∣f∣=0\|f(A_{n_k})\| \le \sup_{\sigma(A_{n_k})}|f| = 0 です。命題 3.3 により f(Ank)→f(A)f(A_{n_k}) \to f(A) が強収束するので f(A)=0f(A) = 0 です。一方 f1I=1If\mathbf{1}_I = \mathbf{1}_I より f(A)EA(I)=EA(I)f(A)E_A(I) = E_A(I) であり、λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A) から EA(I)≠0E_A(I) \ne 0 です。矛盾します。

4.2. 上半連続性(ノルム収束が必要)

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補題 4.2(レゾルベントによるスペクトルの写し)✓

AA を自己共役作用素、λ∈R\lambda \in \mathbb{R} とする。λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A) であることと (λ−i)−1∈σ((A−i)−1)(\lambda - i)^{-1} \in \sigma\bigl((A-i)^{-1}\bigr) であることは同値である。

証明(補題 4.2)

w=(λ−i)−1w = (\lambda - i)^{-1} と置くと、D(A)D(A) 上で直接計算して

(A−i)−1−w=−w (A−λ)(A−i)−1(A-i)^{-1} - w = -w\,(A - \lambda)(A - i)^{-1}

です(右辺に (A−i)(A-i) を右から掛けると −w(A−λ)=−w((A−i)−(λ−i))=1−w(A−i)-w(A-\lambda) = -w\bigl((A-i) - (\lambda - i)\bigr) = 1 - w(A-i) となり、左辺に (A−i)(A-i) を掛けたものと一致します)。(A−i)−1(A-i)^{-1} は H\mathcal{H} から D(A)D(A) への全単射なので、左辺が H\mathcal{H} 上の全単射であることと、A−λ:D(A)→HA - \lambda : D(A) \to \mathcal{H} が全単射であることは同値です。前者は w∈ρ((A−i)−1)w \in \rho((A-i)^{-1}) と同値です。後者は、AA が閉なので逆作用素も閉、閉グラフ定理により有界となり、λ∈ρ(A)\lambda \in \rho(A) と同値です。

定理 4.3(ノルムレゾルベント収束でのスペクトルの上半連続性)✓

自己共役作用素 AnA_n が AA にノルムレゾルベント収束するとする。コンパクト集合 K⊂RK \subset \mathbb{R} が K∩σ(A)=∅K \cap \sigma(A) = \emptyset を満たすなら、NN が存在して n≥Nn \ge N で K∩σ(An)=∅K \cap \sigma(A_n) = \emptyset となる。

証明(定理 4.3)

R=(A−i)−1R = (A-i)^{-1}, Rn=(An−i)−1R_n = (A_n - i)^{-1}, μ(λ)=(λ−i)−1\mu(\lambda) = (\lambda - i)^{-1} とします。μ(K)\mu(K) はコンパクトで、補題 4.2 により σ(R)\sigma(R) と交わりません。w↦∥(R−w)−1∥w \mapsto \|(R - w)^{-1}\| は ρ(R)\rho(R) 上で連続なので、μ(K)\mu(K) 上で上限 C<∞C < \infty を持ちます。∥Rn−R∥<1/C\|R_n - R\| < 1/C となる nn と w∈μ(K)w \in \mu(K) について

Rn−w=(R−w)[1+(R−w)−1(Rn−R)]R_n - w = (R - w)\bigl[1 + (R-w)^{-1}(R_n - R)\bigr]

の括弧はノイマン級数で可逆なので w∈ρ(Rn)w \in \rho(R_n) です。再び 補題 4.2 により K∩σ(An)=∅K \cap \sigma(A_n) = \emptyset です。

系 4.4(ノルムレゾルベント収束でのスペクトルの収束)✓

AnA_n が AA にノルムレゾルベント収束するなら、λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A) であることと、λn∈σ(An)\lambda_n \in \sigma(A_n) で λn→λ\lambda_n \to \lambda となる列が存在することは同値である。

証明(系 4.4)

「⇒」は 定理 4.1(ノルム収束は強収束を含む)から、ε=1/k\varepsilon = 1/k ごとに点を選べば得られます。「⇐」: λ∉σ(A)\lambda \notin \sigma(A) なら σ(A)\sigma(A) が閉なので K=[λ−δ,λ+δ]K = [\lambda-\delta,\lambda+\delta] が σ(A)\sigma(A) と交わらない δ>0\delta > 0 があり、定理 4.3 により十分大きい nn で σ(An)∩K=∅\sigma(A_n) \cap K = \emptyset となって λn→λ\lambda_n \to \lambda に反します。

4.3. 反例:強収束ではスペクトルが極限で消える

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例 4.5(ランク 1 射影の列)

H=ℓ2(N)\mathcal{H} = \ell^2(\mathbb{N}) の正規直交基底を (en)(e_n) とし、An=⟨en,⋅ ⟩enA_n = \langle e_n, \cdot\,\rangle e_n(ene_n への射影)、A=0A = 0 とします。∥Anφ∥=∣⟨en,φ⟩∣→0\|A_n\varphi\| = |\langle e_n,\varphi\rangle| \to 0 なので An→0A_n \to 0 は強収束で、(An−z)−1=−z−1(1−An)+(1−z)−1An(A_n - z)^{-1} = -z^{-1}(1 - A_n) + (1-z)^{-1}A_n も −z−1-z^{-1} に強収束します。つまり強レゾルベント収束です。

しかし σ(An)={0,1}\sigma(A_n) = \{0, 1\} はすべての nn で点 11 を含むのに、σ(A)={0}\sigma(A) = \{0\} です。定理 4.3 の結論は成り立たず、実際ノルムレゾルベント収束もしていません。z=iz = i で

∥(An−i)−1−(A−i)−1∥=∣11−i−1−i∣=12\|(A_n - i)^{-1} - (A-i)^{-1}\| = \left|\frac{1}{1-i} - \frac{1}{-i}\right| = \frac{1}{\sqrt 2}

だからです。固有ベクトル ene_n が「無限遠に逃げる」ため、強位相では見えなくなるのです。

例 4.6(無限遠に逃げる束縛状態)

H=L2(R)\mathcal{H} = L^2(\mathbb{R})、VV を実数値・有界・台がコンパクトで ∫V dx<0\int V\,dx < 0 を満たす関数とし、A=−d2/dx2A = -d^2/dx^2(定義域 H2(R)H^2(\mathbb{R}))、An=A+V(⋅−n)A_n = A + V(\cdot - n) とします。有界な摂動なので AnA_n は D(A)D(A) 上で自己共役です。ψ=(A−z)−1φ\psi = (A - z)^{-1}\varphi と置くと、第 2 レゾルベント方程式から

∥(An−z)−1φ−(A−z)−1φ∥≤1∣Im z∣ ∥V(⋅−n)ψ∥≤∥V∥∞∣Im z∣(∫∣x−n∣≤L∣ψ∣2 dx)1/2\|(A_n - z)^{-1}\varphi - (A-z)^{-1}\varphi\| \le \frac{1}{|\mathrm{Im}\,z|}\,\|V(\cdot - n)\psi\| \le \frac{\|V\|_\infty}{|\mathrm{Im}\,z|}\left(\int_{|x - n| \le L}|\psi|^2\,dx\right)^{1/2}

(LL は台の半径)で、右辺は n→∞n \to \infty で 00 に行きます。よって An→AA_n \to A は強レゾルベント収束です。

一方、演習 8.2 で示すとおり A+VA + V は負の固有値 E∗<0E_* < 0 を持ち、AnA_n は平行移動で A+VA+V とユニタリ同値なので、すべての nn で E∗∈σ(An)E_* \in \sigma(A_n) です。ところが σ(A)=[0,∞)\sigma(A) = [0,\infty) です。粒子が井戸ごと無限遠に運ばれ、極限では束縛状態が消えてしまいます。

定義 5.1(リース射影)↗

TT を閉作用素、Γ\Gamma を ρ(T)\rho(T) に含まれる正の向きの円周とする。

PΓ(T)=−12πi∮Γ(T−z)−1 dzP_\Gamma(T) = -\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma (T - z)^{-1}\,dz

(z↦(T−z)−1z\mapsto(T-z)^{-1} はノルム連続なのでリーマン積分としてノルム収束する)を Γ\Gamma に関するリース射影という。

命題 5.2(自己共役作用素のリース射影)✓

AA を自己共役作用素、c∈Rc \in \mathbb{R}, r>0r > 0 とし、円周 Γ={∣z−c∣=r}\Gamma = \{|z - c| = r\} が σ(A)\sigma(A) と交わらないとする。gg を閉円板 {∣z−c∣≤r}\{|z-c|\le r\} の近傍で正則な関数とすると

−12πi∮Γg(z)(A−z)−1 dz=∫(c−r, c+r)g(λ) dEA(λ)-\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma g(z)(A - z)^{-1}\,dz = \int_{(c-r,\,c+r)} g(\lambda)\,dE_A(\lambda)

である。とくに g=1g = 1 として PΓ(A)=EA((c−r,c+r))P_\Gamma(A) = E_A((c-r, c+r)) は直交射影である。

証明(命題 5.2)

μφ=⟨φ,EA(⋅)φ⟩\mu_\varphi = \langle\varphi, E_A(\cdot)\varphi\rangle とします。λ∈σ(A)\lambda \in \sigma(A), z∈Γz \in \Gamma で ∣λ−z∣−1≤dist(Γ,σ(A))−1<∞|\lambda - z|^{-1} \le \mathrm{dist}(\Gamma, \sigma(A))^{-1} < \infty なので、有限測度 μφ\mu_\varphi と長さ有限の Γ\Gamma の上で Fubini の定理が使えて

⟨φ,−12πi∮Γg(z)(A−z)−1dz φ⟩=∫σ(A)[12πi∮Γg(z)z−λ dz] dμφ(λ)\Bigl\langle\varphi, -\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma g(z)(A-z)^{-1}dz\,\varphi\Bigr\rangle = \int_{\sigma(A)} \Bigl[\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma \frac{g(z)}{z - \lambda}\,dz\Bigr]\,d\mu_\varphi(\lambda)

です。Cauchy の積分公式により括弧内は ∣λ−c∣<r|\lambda - c| < r なら g(λ)g(\lambda)、∣λ−c∣>r|\lambda - c| > r なら 00 で、σ(A)\sigma(A) は Γ\Gamma と交わらないので μφ\mu_\varphi-a.e. にこの 2 つのどちらかです。よって右辺は ∫(c−r,c+r)g dμφ\int_{(c-r,c+r)} g\,d\mu_\varphi であり、偏極恒等式で作用素の等式になります。

Re zIm zE₀Γ連続的なスペクトルほかの固有値
複素平面上の自己共役作用素のスペクトル(実軸上の点と太い線分)と、孤立した固有値 E₀ だけを囲む円周 Γ。Γ はスペクトルのほかの点と交わらない。位置は説明のための概略です。

リース射影は、この円周の内側のスペクトルに対応するスペクトル射影を、周回積分で取り出す操作です。

次の定理は長いので、言いたいことを先に述べます。孤立した固有値 E0E_0 を円周 Γ\Gamma で囲んでおくと、摂動 κB\kappa B が小さい間は Γ\Gamma の上でレゾルベントが κ\kappa のべき級数で書け、Γ\Gamma は摂動後もスペクトルに触れません。その結果、円の中の固有値は消えも増えもせず、リース射影を通して κ\kappa について解析的に動きます。MM や κ0\kappa_0 は、その「小さい間」の大きさを測る定数です。

以下、Kato–Rellich の定理(定理 3.2)[自己共役性の判定](自己共役性の判定)を使います。AA が自己共役、BB が対称で D(A)⊂D(B)D(A) \subset D(B)、ある a,b≥0a, b \ge 0 で ∥Bφ∥≤a∥Aφ∥+b∥φ∥\|B\varphi\| \le a\|A\varphi\| + b\|\varphi\| (φ∈D(A))(\varphi \in D(A)) が成り立つとき、BB は AA-有界(相対限界 aa)であるといい、a<1a < 1 なら A+BA + B は D(A)D(A) 上で自己共役です。

補題 5.3(近い射影は階数が等しい)✓

P,QP, Q を直交射影、PP の階数を有限の mm とする。∥P−Q∥<1\|P - Q\| < 1 なら QQ の階数も mm である。

証明(補題 5.3)

QQ の値域が m+1m+1 次元の部分空間 WW を含むとすると、Ker P\mathrm{Ker}\,P は余次元 mm なので W∩Ker PW \cap \mathrm{Ker}\,P に単位ベクトル ψ\psi があり、∥(Q−P)ψ∥=∥ψ∥=1\|(Q - P)\psi\| = \|\psi\| = 1 となって矛盾します。よって QQ の階数は mm 以下で有限です。役割を入れ替えれば m≤rank Qm \le \mathrm{rank}\,Q も出ます。

定理 5.4(孤立固有値の解析摂動(Kato))✓

AA を自己共役作用素、BB を対称作用素で D(A)⊂D(B)D(A)\subset D(B) かつ ∥Bφ∥≤a∥Aφ∥+b∥φ∥\|B\varphi\| \le a\|A\varphi\| + b\|\varphi\| (φ∈D(A))(\varphi \in D(A)) とする。E0E_0 を AA の孤立固有値で多重度 m=dim⁡Ker(A−E0)<∞m = \dim \mathrm{Ker}(A - E_0) < \infty とし、d=dist(E0,σ(A)∖{E0})>0d = \mathrm{dist}(E_0, \sigma(A)\setminus\{E_0\}) > 0 とする。0<r<d0 < r < d を固定し Γ={∣z−E0∣=r}\Gamma = \{|z - E_0| = r\}, δ=min⁡(r,d−r)\delta = \min(r, d - r) と置く。このとき

M:=sup⁡z∈Γ∥B(A−z)−1∥≤a(1+∣E0∣+rδ)+bδ<∞M := \sup_{z\in\Gamma}\|B(A-z)^{-1}\| \le a\Bigl(1 + \frac{|E_0| + r}{\delta}\Bigr) + \frac{b}{\delta} < \infty

であり、κ0=min⁡(1/M,1/a)\kappa_0 = \min(1/M, 1/a)(a=0a = 0 なら 1/a=∞1/a = \infty)と置き、Aκ=A+κBA_\kappa = A + \kappa B(定義域 D(A)D(A))とすると、次が成り立つ。

  1. ∣κ∣<κ0|\kappa| < \kappa_0 なる κ∈C\kappa\in\mathbb{C} について Γ⊂ρ(Aκ)\Gamma \subset \rho(A_\kappa) であり、(Aκ−z)−1(A_\kappa - z)^{-1} は κ\kappa についてノルム解析的、しかも z∈Γz \in \Gamma について一様に κ\kappa のべき級数で表される。
  2. P(κ)=−12πi∮Γ(Aκ−z)−1dzP(\kappa) = -\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma (A_\kappa - z)^{-1}dz は ∣κ∣<κ0|\kappa|<\kappa_0 でノルム解析的である。実数 κ∈(−κ0,κ0)\kappa \in (-\kappa_0, \kappa_0) では AκA_\kappa は自己共役で、P(κ)=EAκ((E0−r,E0+r))P(\kappa) = E_{A_\kappa}((E_0 - r, E_0 + r)) は階数 mm の直交射影である。
  3. 実数 κ∈(−κ0,κ0)\kappa\in(-\kappa_0,\kappa_0) について、σ(Aκ)∩(E0−r,E0+r)\sigma(A_\kappa) \cap (E_0-r, E_0+r) は多重度の和がちょうど mm の固有値からなる。
  4. m=1m = 1 なら、その唯一の固有値 E(κ)E(\kappa) は (−κ0,κ0)(-\kappa_0, \kappa_0) 上で実解析的である。
証明(定理 5.4)

MM の評価。 σ(A)\sigma(A) から Γ\Gamma までの距離は δ\delta 以上なので、関数計算により ∥(A−z)−1∥≤1/δ\|(A-z)^{-1}\| \le 1/\delta、∥A(A−z)−1∥=sup⁡λ∈σ(A)∣λ∣/∣λ−z∣≤1+∣z∣/δ≤1+(∣E0∣+r)/δ\|A(A-z)^{-1}\| = \sup_{\lambda\in\sigma(A)}|\lambda|/|\lambda - z| \le 1 + |z|/\delta \le 1 + (|E_0|+r)/\delta です。相対有界性の仮定に φ=(A−z)−1ψ\varphi = (A-z)^{-1}\psi を代入すれば主張の評価が出ます。

1. ∣κ∣M<1|\kappa| M < 1 なら 1+κB(A−z)−11 + \kappa B(A-z)^{-1} はノイマン級数で可逆です。D(A)D(A) 上で Aκ−z=(1+κB(A−z)−1)(A−z)A_\kappa - z = \bigl(1 + \kappa B(A-z)^{-1}\bigr)(A - z) なので、

R(κ,z):=(A−z)−1∑k=0∞(−κ)k(B(A−z)−1)kR(\kappa, z) := (A-z)^{-1}\sum_{k=0}^\infty (-\kappa)^k \bigl(B(A-z)^{-1}\bigr)^k

は有界で H\mathcal{H} を D(A)D(A) に写し、(Aκ−z)R(κ,z)=1(A_\kappa - z)R(\kappa,z) = 1、R(κ,z)(Aκ−z)=1D(A)R(\kappa,z)(A_\kappa - z) = 1_{D(A)} を満たします。よって z∈ρ(Aκ)z \in \rho(A_\kappa), R(κ,z)=(Aκ−z)−1R(\kappa,z) = (A_\kappa - z)^{-1} です。第 kk 項のノルムは ∣κ∣kMk/δ|\kappa|^k M^k/\delta 以下なので、∣κ∣≤κ′<1/M|\kappa| \le \kappa' < 1/M で z∈Γz \in \Gamma について一様に収束します。z↦B(A−z)−1z \mapsto B(A-z)^{-1} は B(A−z)−1−B(A−w)−1=(z−w)B(A−z)−1(A−w)−1B(A-z)^{-1} - B(A-w)^{-1} = (z-w)B(A-z)^{-1}(A-w)^{-1} よりノルム連続です。

2. 1 の級数を項別積分すると P(κ)=∑kκkPkP(\kappa) = \sum_k \kappa^k P_k, ∥Pk∥≤rMk/δ\|P_k\| \le rM^k/\delta で、∣κ∣<1/M|\kappa|<1/M で収束します。κ\kappa が実数で ∣κ∣<1/a|\kappa| < 1/a なら κB\kappa B の相対限界は ∣κ∣a<1|\kappa| a < 1 なので、Kato–Rellich の定理により AκA_\kappa は自己共役です。1 より Γ⊂ρ(Aκ)\Gamma \subset \rho(A_\kappa) なので、命題 5.2 により P(κ)=EAκ((E0−r,E0+r))P(\kappa) = E_{A_\kappa}((E_0-r, E_0+r)) です。κ=0\kappa = 0 では円板内の σ(A)\sigma(A) は {E0}\{E_0\} だけなので、P(0)P(0) は Ker(A−E0)\mathrm{Ker}(A - E_0) への射影で階数 mm です。κ↦P(κ)\kappa \mapsto P(\kappa) は区間 (−κ0,κ0)(-\kappa_0,\kappa_0) 上でノルム連続なので、補題 5.3 により階数は局所定数、区間は連結なので恒等的に mm です。

3. P(κ)P(\kappa) は AκA_\kappa のスペクトル射影なので AκA_\kappa を簡約し、σ(Aκ)∩(E0−r,E0+r)\sigma(A_\kappa)\cap(E_0-r,E_0+r) は mm 次元空間 Ran P(κ)\mathrm{Ran}\,P(\kappa) 上の自己共役作用素 Aκ∣RanP(κ)A_\kappa|_{\mathrm{Ran} P(\kappa)} のスペクトル、すなわち多重度の和が mm の固有値です。

4. κ1∈(−κ0,κ0)\kappa_1 \in (-\kappa_0,\kappa_0) を固定し、φ1\varphi_1 を Aκ1A_{\kappa_1} の固有値 E(κ1)E(\kappa_1) の単位固有ベクトルとします。命題 5.2 を g(z)=zg(z) = z に使うと、実数 κ\kappa について

Q(κ):=−12πi∮Γz (Aκ−z)−1dz=∫(E0−r,E0+r)λ dEAκ(λ)=E(κ)P(κ)Q(\kappa) := -\frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma z\,(A_\kappa - z)^{-1}dz = \int_{(E_0-r,E_0+r)}\lambda\,dE_{A_\kappa}(\lambda) = E(\kappa)P(\kappa)

です(m=1m = 1 なので円板内のスペクトル測度は 1 点 E(κ)E(\kappa) に集中)。Q(κ)Q(\kappa) は 1 と同じ理由で複素 κ\kappa について解析的です。n(κ)=⟨φ1,P(κ)φ1⟩n(\kappa) = \langle\varphi_1, P(\kappa)\varphi_1\rangle は解析的で n(κ1)=1n(\kappa_1) = 1 なので、κ1\kappa_1 の複素近傍で n≠0n \ne 0 です。その近傍の実数 κ\kappa で E(κ)=⟨φ1,Q(κ)φ1⟩/n(κ)E(\kappa) = \langle\varphi_1, Q(\kappa)\varphi_1\rangle / n(\kappa) となり、右辺は解析的です。

この定理が保証するのは、孤立した有限多重度の固有値は小さな相対有界摂動で消えないということです。§4 の反例で束縛状態が消えたのは、V(⋅−n)V(\cdot - n) が nn について一様に小さい摂動ではないからです。

5.3. レイリー–シュレーディンガー級数

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命題 5.5(レイリー–シュレーディンガー級数の 2 次まで)✓

定理 5.4 の仮定のもとで m=1m = 1 とし、φ0\varphi_0 を AA の固有値 E0E_0 の単位固有ベクトル、Q0=1−⟨φ0,⋅ ⟩φ0Q_0 = 1 - \langle\varphi_0,\cdot\,\rangle\varphi_0、

S=∫σ(A)∖{E0}(λ−E0)−1 dEA(λ)(∥S∥≤1/d)S = \int_{\sigma(A)\setminus\{E_0\}} (\lambda - E_0)^{-1}\,dE_A(\lambda) \quad (\|S\| \le 1/d)

(簡約レゾルベント)とする。このとき κ→0\kappa \to 0 で

E(κ)=E0+κ ⟨φ0,Bφ0⟩−κ2 ⟨Bφ0,SBφ0⟩+O(κ3)E(\kappa) = E_0 + \kappa\,\langle\varphi_0, B\varphi_0\rangle - \kappa^2\,\langle B\varphi_0, S B\varphi_0\rangle + O(\kappa^3)

が成り立つ。さらに χ(κ)=P(κ)φ0/⟨φ0,P(κ)φ0⟩\chi(\kappa) = P(\kappa)\varphi_0 / \langle\varphi_0, P(\kappa)\varphi_0\rangle と置くと、厳密な等式 E(κ)=E0+κ⟨Bφ0,χ(κ)⟩E(\kappa) = E_0 + \kappa\langle B\varphi_0, \chi(\kappa)\rangle が成り立つ。

証明(命題 5.5)

厳密な等式。 小さい実数 κ\kappa で χ(κ)∈Ran P(κ)⊂D(A)\chi(\kappa) \in \mathrm{Ran}\,P(\kappa) \subset D(A) は Aκχ=E(κ)χA_\kappa\chi = E(\kappa)\chi を満たし、⟨φ0,χ⟩=1\langle\varphi_0,\chi\rangle = 1 です。φ0\varphi_0 との内積を取り、AA と BB の対称性を使うと

E(κ)=⟨φ0,Aκχ⟩=⟨Aφ0,χ⟩+κ⟨Bφ0,χ⟩=E0+κ⟨Bφ0,χ(κ)⟩.E(\kappa) = \langle\varphi_0, A_\kappa\chi\rangle = \langle A\varphi_0, \chi\rangle + \kappa\langle B\varphi_0,\chi\rangle = E_0 + \kappa\langle B\varphi_0, \chi(\kappa)\rangle.

χ\chi の 1 次。 定理の証明の級数で P(κ)=P0+κP1+O(κ2)P(\kappa) = P_0 + \kappa P_1 + O(\kappa^2)、P1=12πi∮Γ(A−z)−1B(A−z)−1dzP_1 = \frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma (A-z)^{-1}B(A-z)^{-1}dz です。(A−z)−1φ0=(E0−z)−1φ0(A-z)^{-1}\varphi_0 = (E_0 - z)^{-1}\varphi_0 と Bφ0=⟨φ0,Bφ0⟩φ0+Q0Bφ0B\varphi_0 = \langle\varphi_0,B\varphi_0\rangle\varphi_0 + Q_0B\varphi_0 により

P1φ0=⟨φ0,Bφ0⟩2πi∮Γdz(E0−z)2 φ0+12πi∮Γ(A−z)−1Q0Bφ0E0−z dz.P_1\varphi_0 = \frac{\langle\varphi_0,B\varphi_0\rangle}{2\pi i}\oint_\Gamma \frac{dz}{(E_0 - z)^2}\,\varphi_0 + \frac{1}{2\pi i}\oint_\Gamma \frac{(A-z)^{-1}Q_0B\varphi_0}{E_0 - z}\,dz.

第 1 項は 00 です。g(z)=(A−z)−1Q0=∫σ(A)∖{E0}(λ−z)−1dEA(λ)g(z) = (A-z)^{-1}Q_0 = \int_{\sigma(A)\setminus\{E_0\}}(\lambda - z)^{-1}dE_A(\lambda) は円板 ∣z−E0∣<d|z - E_0| < d で正則なので、Cauchy の積分公式により第 2 項は −g(E0)Bφ0=−SBφ0-g(E_0)B\varphi_0 = -SB\varphi_0 です。Ran S⊥φ0\mathrm{Ran}\,S \perp \varphi_0 より ⟨φ0,P(κ)φ0⟩=1+O(κ2)\langle\varphi_0,P(\kappa)\varphi_0\rangle = 1 + O(\kappa^2) なので、χ(κ)=φ0−κSBφ0+O(κ2)\chi(\kappa) = \varphi_0 - \kappa SB\varphi_0 + O(\kappa^2) です。

厳密な等式に代入すれば主張の展開が出ます。

AA が固有値 EkE_k の正規直交固有ベクトル φk\varphi_k で対角化されるなら、2 次の係数は −∑k≠0∣⟨φk,Bφ0⟩∣2/(Ek−E0)-\sum_{k\ne0}|\langle\varphi_k,B\varphi_0\rangle|^2/(E_k - E_0) という物理の教科書の式になります。E0E_0 が基底状態なら Ek>E0E_k > E_0 なので、2 次の補正はつねに負です。

例 5.6(非対称な摂動による分岐)

H=C2\mathcal{H} = \mathbb{C}^2 で T(κ)=(01κ0)T(\kappa) = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ \kappa & 0\end{pmatrix} とすると、固有値は ±κ\pm\sqrt{\kappa} で、κ=0\kappa = 0 で解析的ではありません(Puiseux 展開)。T(κ)T(\kappa) は実数 κ\kappa でも対称ではなく、T(0)T(0) の固有値 00 は代数的多重度 2・幾何的多重度 1 です。定理 5.4 の自己共役性が、固有値の解析性(4)とリース射影が直交射影であること(2)の両方を支えています。

注意 5.7(相対有界性を外した場合)

調和振動子 A=−d2/dx2+x2A = -d^2/dx^2 + x^2 に B=x4B = x^4 を加える非調和振動子では、BB は AA-有界ではありません。このときレイリー–シュレーディンガー級数の係数は階乗的に増大し、収束半径は 00 です(Bender–Wu)。κ<0\kappa < 0 では A+κBA + \kappa B が下に有界でなくなることが、κ=0\kappa = 0 が解析性の境界になる理由です。それでも級数は漸近級数として意味を持ち、Borel 和によって固有値を復元できることが Graffi–Grecchi–Simon(1970)によって示されています。証明は参考文献の Bender–Wu と Reed–Simon IV 第 XII 章を見てください。

固有値を、固有ベクトルを求めずに「最小値の最大値」として特徴づけるのがこの節の目的です。最初の補題では、λ\lambda より小さい固有値が何個あるかという数え上げと、ミニマックス値 μn\mu_n の大小を結びつけます。

定義 6.1(ミニマックス値)↗

AA を下に有界な自己共役作用素とする。n∈Nn \in \mathbb{N} について

μn(A)=sup⁡φ1,…,φn−1∈H inf⁡{⟨ψ,Aψ⟩:ψ∈D(A), ∥ψ∥=1, ψ⊥φ1,…,φn−1}\mu_n(A) = \sup_{\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1}\in\mathcal{H}}\ \inf\bigl\{\langle\psi, A\psi\rangle : \psi\in D(A),\ \|\psi\| = 1,\ \psi\perp\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1}\bigr\}

と定める(n=1n=1 では条件なしの下限)。

補題 6.2(ミニマックス値と固有空間の次元)✓

H\mathcal{H} を無限次元、AA を下に有界な自己共役作用素とし、N(λ)=dim⁡Ran EA((−∞,λ))∈{0,1,2,…,∞}N(\lambda) = \dim\mathrm{Ran}\,E_A((-\infty,\lambda)) \in \{0,1,2,\ldots,\infty\} と置く。

  1. N(λ)≤n−1N(\lambda) \le n - 1 なら μn(A)≥λ\mu_n(A) \ge \lambda。
  2. N(λ)≥nN(\lambda) \ge n なら μn(A)<λ\mu_n(A) < \lambda。

したがって μn(A)=sup⁡{λ∈R:N(λ)≤n−1}\mu_n(A) = \sup\{\lambda\in\mathbb{R} : N(\lambda)\le n-1\} である。

証明(補題 6.2)

1. Ran EA((−∞,λ))\mathrm{Ran}\,E_A((-\infty,\lambda)) の正規直交基底に 00 を補って φ1,…,φn−1\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1} とします。これらに直交する単位ベクトル ψ∈D(A)\psi\in D(A) は EA((−∞,λ))ψ=0E_A((-\infty,\lambda))\psi = 0 を満たすので、⟨ψ,Aψ⟩=∫[λ,∞)t d⟨ψ,EA(t)ψ⟩≥λ\langle\psi,A\psi\rangle = \int_{[\lambda,\infty)} t\,d\langle\psi,E_A(t)\psi\rangle \ge \lambda です。よって下限は λ\lambda 以上で、μn(A)≥λ\mu_n(A) \ge \lambda。

2. Ran EA((−∞,λ))\mathrm{Ran}\,E_A((-\infty,\lambda)) の正規直交系 u1,…,unu_1,\ldots,u_n を取ります。Ek=EA((−∞,λ−1/k])E_k = E_A((-\infty,\lambda - 1/k]) は k→∞k\to\infty で EA((−∞,λ))E_A((-\infty,\lambda)) に強収束するので、Ekui→uiE_ku_i \to u_i であり、十分大きい kk で Eku1,…,EkunE_ku_1,\ldots,E_ku_n のグラム行列は単位行列に近く、一次独立です。これらが張る nn 次元空間を VV とすると、mA=inf⁡σ(A)m_A = \inf\sigma(A) として V⊂Ran EA([mA,λ−1/k])⊂D(A)V \subset \mathrm{Ran}\,E_A([m_A, \lambda - 1/k]) \subset D(A) で、単位ベクトル ψ∈V\psi\in V について ⟨ψ,Aψ⟩≤λ−1/k\langle\psi,A\psi\rangle \le \lambda - 1/k です。任意の φ1,…,φn−1\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1} に対し、線形写像 V→Cn−1V \to \mathbb{C}^{n-1}, ψ↦(⟨φi,ψ⟩)i\psi\mapsto(\langle\varphi_i,\psi\rangle)_i は非自明な核を持つので、下限は λ−1/k\lambda - 1/k 以下です。よって μn(A)≤λ−1/k<λ\mu_n(A) \le \lambda - 1/k < \lambda。

最後の式。 S={λ:N(λ)≤n−1}S = \{\lambda : N(\lambda)\le n-1\} とします。λ≤mA\lambda \le m_A なら N(λ)=0N(\lambda) = 0 なので S≠∅S \neq \emptyset。EA((−∞,λ))→1E_A((-\infty,\lambda)) \to 1(強)と dim⁡H=∞\dim\mathcal{H} = \infty から、2 の議論と同様に十分大きい λ\lambda で N(λ)≥nN(\lambda)\ge n なので SS は上に有界です。1 から μn≥sup⁡S\mu_n \ge \sup S、2 から λ>sup⁡S\lambda > \sup S なら μn<λ\mu_n < \lambda なので μn≤sup⁡S\mu_n \le \sup S です。

定理 6.3(ミニマックス原理)✓

H\mathcal{H} を無限次元とし、AA を下に有界な自己共役作用素、Σ=inf⁡σess(A)\Sigma = \inf\sigma_{\mathrm{ess}}(A)(σess(A)=∅\sigma_{\mathrm{ess}}(A) = \emptyset なら Σ=+∞\Sigma = +\infty)とする。各 n∈Nn\in\mathbb{N} について、次のいずれか一方が成り立つ。

  1. AA は Σ\Sigma より小さい固有値を多重度込みで nn 個以上持ち、μn(A)\mu_n(A) は小さい方から数えて(多重度込みで)nn 番目の固有値である。
  2. μn(A)=Σ\mu_n(A) = \Sigma であり、Σ\Sigma より小さい固有値は多重度込みで n−1n-1 個以下である。このとき μn=μn+1=μn+2=⋯\mu_n = \mu_{n+1} = \mu_{n+2} = \cdots である。

とくに μ1(A)=inf⁡σ(A)\mu_1(A) = \inf\sigma(A) である。

証明(定理 6.3)

N(λ)N(\lambda) を Σ\Sigma との位置関係で求めます。λ<Σ\lambda < \Sigma なら、σ(A)∩[mA,λ]\sigma(A)\cap[m_A,\lambda] はコンパクトで離散スペクトルだけからなるので有限集合であり、各点は有限多重度の固有値です。スペクトル測度は σ(A)\sigma(A) に台を持つので、N(λ)N(\lambda) は λ\lambda より小さい固有値の多重度込みの個数です。λ>Σ\lambda > \Sigma なら、0<ε<λ−Σ0 < \varepsilon < \lambda - \Sigma について Σ∈σess(A)\Sigma\in\sigma_{\mathrm{ess}}(A)(閉集合の下限)から EA((Σ−ε,Σ+ε))E_A((\Sigma-\varepsilon,\Sigma+\varepsilon)) は無限階数で、N(λ)=∞N(\lambda) = \infty です。N(Σ)N(\Sigma) は EA((−∞,λ))E_A((-\infty,\lambda)) の λ↑Σ\lambda\uparrow\Sigma での強極限の階数なので、Σ\Sigma より小さい固有値の総数 K∈{0,1,…,∞}K \in\{0,1,\ldots,\infty\} です。

Σ\Sigma より小さい固有値を多重度込みで e1≤e2≤⋯e_1\le e_2\le\cdots と並べます。

n≤Kn \le K のとき: λ≤en\lambda \le e_n なら N(λ)=#{k:ek<λ}≤n−1N(\lambda) = \#\{k : e_k < \lambda\} \le n-1、λ>en\lambda > e_n なら N(λ)≥nN(\lambda)\ge n です。補題 6.2 により μn=en\mu_n = e_n。これが 1 です。

n>Kn > K のとき: λ≤Σ\lambda \le \Sigma なら N(λ)≤K≤n−1N(\lambda) \le K \le n - 1、λ>Σ\lambda > \Sigma なら N(λ)=∞N(\lambda) = \infty なので μn=Σ\mu_n = \Sigma。nn より大きい番号でも同じ議論が成り立つので 2 が出ます。

μ1=inf⁡σ(A)\mu_1 = \inf\sigma(A) は、N(λ)=0N(\lambda) = 0 と λ≤inf⁡σ(A)\lambda \le \inf\sigma(A) が同値であることから出ます。

系 6.4(Rayleigh–Ritz の上界)✓

定理 6.3 の仮定のもとで、V⊂D(A)V\subset D(A) が nn 次元部分空間なら μn(A)≤max⁡{⟨ψ,Aψ⟩:ψ∈V, ∥ψ∥=1}\mu_n(A) \le \max\{\langle\psi,A\psi\rangle : \psi\in V,\ \|\psi\|=1\} である。

証明(系 6.4)

任意の φ1,…,φn−1\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1} に対し、補題 6.2 の 2 の証明と同じ次元の議論で VV の中にそれらと直交する単位ベクトル ψ\psi があり、下限は ⟨ψ,Aψ⟩\langle\psi,A\psi\rangle 以下、したがって右辺の最大値以下です。

系 6.5(ミニマックス値の単調性)✓

AA, BB を下に有界な自己共役作用素とし、D(B)⊂D(A)D(B)\subset D(A) かつ任意の ψ∈D(B)\psi\in D(B) で ⟨ψ,Aψ⟩≤⟨ψ,Bψ⟩\langle\psi,A\psi\rangle \le \langle\psi,B\psi\rangle とする。このときすべての nn で μn(A)≤μn(B)\mu_n(A)\le\mu_n(B) である。

証明(系 6.5)

φ1,…,φn−1\varphi_1,\ldots,\varphi_{n-1} を固定すると、AA の下限は D(A)D(A) 上、BB の下限はそれより小さい集合 D(B)D(B) 上で取るので、AA の下限は「D(B)D(B) 上での ⟨ψ,Aψ⟩\langle\psi,A\psi\rangle の下限」以下、さらに仮定によりそれは BB の下限以下です。sup⁡\sup を取れば主張が出ます。

ミニマックス原理の価値は、固有値を固有ベクトルを知らずに評価できる点にあります。上からは試行関数で(系 6.4)、下からは作用素の比較で(系 6.5)挟めます。また 2 の場合があるので、μn\mu_n が求まっても、それが固有値かどうかは Σ\Sigma と比べるまで分かりません。AA が下に有界でなければ μ1(A)=−∞\mu_1(A) = -\infty となり、定理は何も言いません。

定義 7.1(Feshbach–Schur 写像)↗

T∈B(H)T\in B(\mathcal{H})、PP を直交射影、Pˉ=1−P\bar P = 1 - P とする。z∈Cz\in\mathbb{C} について Pˉ(T−z)Pˉ\bar P(T - z)\bar P を Ran Pˉ\mathrm{Ran}\,\bar P 上の作用素と見たものが有界な逆 Rˉ(z)\bar R(z) を持つとき、Ran P\mathrm{Ran}\,P 上の有界作用素

FP(z)=P(T−z)P−PTPˉ Rˉ(z) PˉTPF_P(z) = P(T-z)P - PT\bar P\,\bar R(z)\,\bar PTP

を T−zT - z の PP に関する Feshbach–Schur 写像(Schur 補体)という。

定理 7.2(Feshbach–Schur の等スペクトル性)✓

定義 7.1 の状況で Rˉ(z)\bar R(z) が存在するとする。

  1. T−zT - z が H\mathcal{H} 上で有界な逆を持つことと、FP(z)F_P(z) が Ran P\mathrm{Ran}\,P 上で有界な逆を持つことは同値で、そのとき FP(z)−1=P(T−z)−1P∣RanPF_P(z)^{-1} = P(T-z)^{-1}P|_{\mathrm{Ran}P} であり、
(T−z)−1=(P−Rˉ(z)PˉTP)FP(z)−1(P−PTPˉRˉ(z))+Rˉ(z)Pˉ.(T-z)^{-1} = \bigl(P - \bar R(z)\bar PTP\bigr)F_P(z)^{-1}\bigl(P - PT\bar P\bar R(z)\bigr) + \bar R(z)\bar P.
  1. 写像 ψ↦Pψ\psi\mapsto P\psi は Ker(T−z)\mathrm{Ker}(T-z) から Ker FP(z)\mathrm{Ker}\,F_P(z) への線形同型で、逆写像は φ↦φ−Rˉ(z)PˉTφ\varphi\mapsto\varphi - \bar R(z)\bar PT\varphi である。とくに zz が TT の固有値であることと 00 が FP(z)F_P(z) の固有値であることは同値で、幾何的多重度は等しい。
証明(定理 7.2)

H=Ran P⊕Ran Pˉ\mathcal{H} = \mathrm{Ran}\,P\oplus\mathrm{Ran}\,\bar P と分解し、T−zT - z をブロック行列 (αβγδ)\begin{pmatrix} \alpha & \beta\\ \gamma & \delta\end{pmatrix} で表します。PPˉ=0P\bar P = 0 なので α=P(T−z)P\alpha = P(T-z)P, β=PTPˉ\beta = PT\bar P, γ=PˉTP\gamma = \bar PTP, δ=Pˉ(T−z)Pˉ\delta = \bar P(T-z)\bar P で、δ−1=Rˉ(z)\delta^{-1} = \bar R(z)、FP(z)=α−βδ−1γF_P(z) = \alpha - \beta\delta^{-1}\gamma です。行列の積を直接計算すると

(αβγδ)=(1βδ−101)(FP(z)00δ)(10δ−1γ1)\begin{pmatrix} \alpha & \beta\\ \gamma & \delta\end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & \beta\delta^{-1}\\ 0 & 1\end{pmatrix}\begin{pmatrix} F_P(z) & 0\\ 0 & \delta\end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1 & 0\\ \delta^{-1}\gamma & 1\end{pmatrix}

が成り立ちます(右の 2 つの積は (FP0γδ)\begin{pmatrix} F_P & 0\\ \gamma & \delta\end{pmatrix}、それに左から掛けると左上が FP+βδ−1γ=αF_P + \beta\delta^{-1}\gamma = \alpha)。両端の三角行列は有界な逆(非対角成分の符号を変えたもの)を持ちます。

1. したがって T−zT - z が可逆であることと対角行列が可逆であること、すなわち FP(z)F_P(z) が可逆であることが同値です。逆を計算すると

(T−z)−1=(10−δ−1γ1)(FP−100δ−1)(1−βδ−101)(T-z)^{-1} = \begin{pmatrix} 1 & 0\\ -\delta^{-1}\gamma & 1\end{pmatrix}\begin{pmatrix} F_P^{-1} & 0\\ 0 & \delta^{-1}\end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1 & -\beta\delta^{-1}\\ 0 & 1\end{pmatrix}

で、左上成分が FP−1F_P^{-1}、全体を展開したものが主張の公式です。

2. 両端の因子を UU, LL と書くと Ker(T−z)=L−1(Ker FP(z)⊕{0})\mathrm{Ker}(T-z) = L^{-1}\bigl(\mathrm{Ker}\,F_P(z)\oplus\{0\}\bigr) で、L−1(φ,0)=(φ,−δ−1γφ)L^{-1}(\varphi, 0) = (\varphi, -\delta^{-1}\gamma\varphi) です。その PP 成分は φ\varphi なので主張が出ます。

TT が自己共役で zz が実数なら FP(z)F_P(z) も自己共役です。Ran P\mathrm{Ran}\,P が有限次元なら、無限次元の固有値問題が「zz に依存する有限行列 FP(z)F_P(z) の固有値 00」という非線形な有限次元問題に変わります。非相対論的 QED のくりこみ群(Bach–Fröhlich–Sigal)は、この写像を光子のエネルギー尺度ごとに繰り返し適用するものです。非有界な TT への拡張は参考文献を見てください。

例 7.3(2 準位系と縮約できない点)

H=C2\mathcal{H} = \mathbb{C}^2, T=(E0ggE1)T = \begin{pmatrix} E_0 & g\\ g & E_1\end{pmatrix}(E0,E1,gE_0, E_1, g は実数)、PP を第 1 成分への射影とします。z≠E1z\ne E_1 で Rˉ(z)=(E1−z)−1\bar R(z) = (E_1 - z)^{-1} なので

FP(z)=E0−z−g2E1−z.F_P(z) = E_0 - z - \frac{g^2}{E_1 - z}.

FP(z)=0F_P(z) = 0 は (E0−z)(E1−z)=g2(E_0 - z)(E_1 - z) = g^2、すなわち TT の特性方程式そのものです。∣g∣|g| が小さいとき、z=E0+g2/(E0−E1)+O(g4)z = E_0 + g^2/(E_0 - E_1) + O(g^4) が根で、これは 命題 5.5 の 2 次の係数(Bφ0=ge2B\varphi_0 = g e_2, Se2=(E1−E0)−1e2S e_2 = (E_1 - E_0)^{-1}e_2)と一致します。

一方 g=0g = 0 のとき TT の固有値 E1E_1 は PˉTPˉ\bar P T\bar P のスペクトルに属し、FP(E1)F_P(E_1) は定義されません。Rˉ(z)\bar R(z) の存在という仮定を外すと、Ran Pˉ\mathrm{Ran}\,\bar P に住む固有値は縮約後の問題から見えなくなります。

演習 8.1易

AA を自己共役作用素、BnB_n を有界な自己共役作用素で ∥Bn∥→0\|B_n\|\to0 とする。A+BnA + B_n が AA にノルムレゾルベント収束することを示せ。また A=0A = 0, Bn=nB_n = n(定数倍)では A+BnA + B_n がレゾルベントの意味で AA に収束しないことを確かめよ。

解答

A+BnA + B_n は Kato–Rellich の定理(相対限界 00)により D(A)D(A) 上で自己共役です。第 2 レゾルベント方程式

(A+Bn−z)−1−(A−z)−1=−(A+Bn−z)−1Bn(A−z)−1(A + B_n - z)^{-1} - (A - z)^{-1} = -(A+B_n - z)^{-1}B_n(A-z)^{-1}

と ∥(⋅−z)−1∥≤1/∣Im z∣\|(\cdot - z)^{-1}\| \le 1/|\mathrm{Im}\,z| から、ノルムは ∥Bn∥/∣Im z∣2→0\|B_n\|/|\mathrm{Im}\,z|^2 \to 0 以下です。後半は (n−i)−1→0≠(0−i)−1=i(n - i)^{-1} \to 0 \ne (0 - i)^{-1} = i なので収束しません(実際は ∞\infty に「収束」しています)。

演習 8.2標準

VV を実数値・有界・台がコンパクトで ∫RV dx<0\int_{\mathbb{R}} V\,dx < 0 を満たす関数とし、H=−d2/dx2+VH = -d^2/dx^2 + V(定義域 H2(R)H^2(\mathbb{R}))とする。σess(H)=[0,∞)\sigma_{\mathrm{ess}}(H) = [0,\infty)(Weyl の定理)を認めて、HH が負の固有値を持つことを示せ。

解答

試行関数 ψα(x)=e−αx2\psi_\alpha(x) = e^{-\alpha x^2} (α>0)(\alpha > 0) は H2(R)H^2(\mathbb{R}) に属します。ガウス積分から

∥ψα′∥2=πα2,∥ψα∥2=π2α,⟨ψα,Vψα⟩=∫V(x)e−2αx2dx\|\psi_\alpha'\|^2 = \sqrt{\frac{\pi\alpha}{2}},\qquad \|\psi_\alpha\|^2 = \sqrt{\frac{\pi}{2\alpha}},\qquad \langle\psi_\alpha, V\psi_\alpha\rangle = \int V(x)e^{-2\alpha x^2}dx

で、優収束定理により α→0\alpha\to0 で ⟨ψα,Hψα⟩=∥ψα′∥2+⟨ψα,Vψα⟩→∫V dx<0\langle\psi_\alpha,H\psi_\alpha\rangle = \|\psi_\alpha'\|^2 + \langle\psi_\alpha,V\psi_\alpha\rangle \to \int V\,dx < 0 です。よってある α\alpha で ⟨ψα,Hψα⟩<0\langle\psi_\alpha, H\psi_\alpha\rangle < 0。HH は下に有界(H≥−∥V∥∞H \ge -\|V\|_\infty)なので、系 6.4(n=1n = 1)から μ1(H)<0=Σ\mu_1(H) < 0 = \Sigma です。定理 6.3 の 2 は μ1=Σ\mu_1 = \Sigma を要求するので起こらず、1 により μ1(H)\mu_1(H) は負の固有値です。

1 次元では引力がどれほど弱くても束縛状態ができるということです(3 次元では成り立ちません)。

演習 8.3標準

H=C2\mathcal{H} = \mathbb{C}^2, A=(0001)A = \begin{pmatrix} 0 & 0\\ 0 & 1\end{pmatrix}, B=(0110)B = \begin{pmatrix} 0 & 1\\ 1 & 0\end{pmatrix} とし、E0=0E_0 = 0 から出る A+κBA + \kappa B の固有値 E(κ)E(\kappa) を考える。(a) E(κ)E(\kappa) を厳密に求め、κ2\kappa^2 までの展開を 命題 5.5 と比べよ。(b) E(κ)E(\kappa) の κ=0\kappa=0 でのべき級数の収束半径を求め、r=1/2r = 1/2 としたときの 定理 5.4 の κ0\kappa_0 と比べよ。

解答

(a) 特性方程式 E2−E−κ2=0E^2 - E - \kappa^2 = 0 から E(κ)=(1−1+4κ2)/2=−κ2+κ4−⋯E(\kappa) = \bigl(1 - \sqrt{1 + 4\kappa^2}\bigr)/2 = -\kappa^2 + \kappa^4 - \cdots。一方 φ0=e1\varphi_0 = e_1 で ⟨φ0,Bφ0⟩=0\langle\varphi_0,B\varphi_0\rangle = 0、Bφ0=e2B\varphi_0 = e_2、Se2=(1−0)−1e2Se_2 = (1 - 0)^{-1}e_2 なので 2 次の係数は −⟨e2,e2⟩=−1-\langle e_2, e_2\rangle = -1 で一致します。

(b) 1+4κ2\sqrt{1+4\kappa^2} の分岐点は κ=±i/2\kappa = \pm i/2 なので収束半径は 1/21/2 です。定理では BB が有界なので a=0a = 0、d=1d = 1、r=1/2r = 1/2 で Γ\Gamma 上 ∥B(A−z)−1∥=max⁡(∣z∣−1,∣1−z∣−1)\|B(A-z)^{-1}\| = \max(|z|^{-1}, |1-z|^{-1})(BB はユニタリ)の上限は 22、よって κ0=1/2\kappa_0 = 1/2 です。この例では定理の保証する半径が最良です。複素 κ=±i/2\kappa = \pm i/2 で 2 つの固有値が衝突し、解析性が失われます。

演習 8.4易

自己共役作用素 AnA_n がすべて An≥cA_n \ge c(すなわち σ(An)⊂[c,∞)\sigma(A_n)\subset[c,\infty))を満たし、AA に強レゾルベント収束するとする。σ(A)⊂[c,∞)\sigma(A)\subset[c,\infty) を示せ。逆向きの評価「An≤cA_n \le c なら A≤cA \le c」も成り立つか。

解答

λ∈σ(A)\lambda\in\sigma(A), λ<c\lambda < c とすると、ε=(c−λ)/2\varepsilon = (c - \lambda)/2 に対し 定理 4.1 から大きい nn で σ(An)∩(λ−ε,λ+ε)≠∅\sigma(A_n)\cap(\lambda-\varepsilon,\lambda+\varepsilon)\ne\emptyset ですが、この区間は cc より左にあるので矛盾します。逆向きも同じ議論(区間を cc の右に取る)で成り立ちます。下半連続性だけで済むので、ノルム収束は要りません。成り立たないのは「AnA_n のスペクトルの点が AA のスペクトルに残る」方向で、それは 例 4.5 が示すとおりです。

  • M. Reed, B. Simon, Methods of Modern Mathematical Physics I: Functional Analysis, revised and enlarged ed., Academic Press, 1980 — §VIII.7(レゾルベント収束と Trotter の定理)。
  • M. Reed, B. Simon, Methods of Modern Mathematical Physics IV: Analysis of Operators, Academic Press, 1978 — 第 XII 章(摂動論)、§XIII.1(ミニマックス原理)。
  • T. Kato, Perturbation Theory for Linear Operators, 2nd ed., Springer, 1976 — 第 II 章、第 VII 章、第 VIII 章。
  • K. Schmüdgen, Unbounded Self-adjoint Operators on Hilbert Space, Graduate Texts in Mathematics 265, Springer, 2012。
  • V. Bach, J. Fröhlich, I. M. Sigal, “Quantum electrodynamics of confined nonrelativistic particles”, Advances in Mathematics 137 (1998), 299–395。
  • C. M. Bender, T. T. Wu, “Anharmonic oscillator”, Physical Review 184 (1969), 1231–1260。

このテーマの 100 本ノック(100 問)

執筆: Claude Code(Opus 5.5)、Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 2 回(Claude Code)・最終 2026-10-12

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