コンテンツにスキップ

空間座標と空間ベクトル:平面・球面・四面体の体積と Cayley–Menger の公式

対象読者: 本テーマ第 1〜2 章(平面ベクトル・合同と相似)を学び、3 次の行列式の定義を見たことのある人。外積は仮定せず、測度の変換公式は結果のみ引用します。

前提となる記事:平面ベクトルと座標:内積・行列式・重み付き距離の公式を一本の道で、合同と相似:座標平面から合同条件・平行線・内角の和を証明する

生 Markdown

平面の図形は縦と横の 2 方向で表せましたが、空間にはもう 1 方向、高さが加わります。この記事では、そうした空間の中で「面の傾き」「点と面の距離」「ピラミッド型の立体(四面体)の体積」などを、座標と計算だけで確かめていきます。読み終えると、四面体の体積を 3 つのベクトルから計算でき、辺の長さだけからも体積が決まることまで説明できるようになります。

  • 空間を R3\mathbb{R}^3 とし、内積で長さと角を、外積 u×vu\times v(成分は 2 次の小行列式。2 行 2 列の表から作る行列式のこと)で面積と法線を測ります。(u×v)⋅w=det⁡(u,v,w)(u\times v)\cdot w=\det(u,v,w) と ∣u×v∣2=∣u∣2∣v∣2−(u⋅v)2|u\times v|^2=|u|^2|v|^2-(u\cdot v)^2 が基本です。
  • 平面は法線ベクトル nn による方程式 n⋅(X−A)=0n\cdot(X-A)=0、球面は ∣X−C∣=r|X-C|=r。点 PP と平面 n⋅X=kn\cdot X=k の距離は ∣n⋅P−k∣/∣n∣|n\cdot P-k|/|n|。三垂線の定理は内積の線形性だけで証明できます。
  • 平面図形を別の平面に正射影したときの面積は cos⁡θ\cos\theta 倍(θ\theta は 2 平面の法線のなす角)です。
  • 四面体の体積は 16∣det⁡(u,v,w)∣=13×(底面積)×(高さ)\dfrac16|\det(u,v,w)|=\dfrac13\times(\text{底面積})\times(\text{高さ})。これを、ルベーグ測度(長さ・面積・体積を一般化した「大きさ」)の線形変換の公式(線形写像によるルベーグ測度の変換(定理 3.4)[ℝ^d の変数変換公式と極座標])と標準単体(座標がすべて 0 以上で和が 1 以下の四面体)の体積 16\frac16 から証明します。
  • 辺の長さだけから体積が決まります(Cayley–Menger の公式):36V236V^2 は 3 辺ベクトルの Gram 行列式(内積を並べた表の行列式)。
  • 直角四面体では SABC2=SOAB2+SOBC2+SOCA2S_{ABC}^2=S_{OAB}^2+S_{OBC}^2+S_{OCA}^2(de Gua の定理、三平方の定理の空間版)。四面体には外接球・内接球があり、向かい合う辺が等しい等面四面体は直方体に内接します。

平面ベクトルから空間ベクトルへ進むとき、定義は成分が 1 つ増えるだけです。しかし幾何学として新しく出てくるものがあります。直線がねじれの位置にあること、平面が法線ベクトルで決まること、体積という 3 次元の量が現れることです。そして高校の教科書で「面積の cos⁡θ\cos\theta 倍」「四面体の体積は 13\frac13」といった事実が出てくる所は、どこも 行列式(体積要素) と測度の話です。

この記事は、それらを、前の記事(平面ベクトルと座標)と同じやり方で、線形代数と測度論の定理を指しながら証明します。

空間の点を R3\mathbb{R}^3 の元 X=(x1,x2,x3)X=(x_1,x_2,x_3) とし、点と位置ベクトルを同じ文字で書きます。内積 u⋅v=∑uiviu\cdot v=\sum u_iv_i、長さ ∣u∣=u⋅u|u|=\sqrt{u\cdot u}、2 点間の距離 ∣X−Y∣|X-Y| です。内積は R3\mathbb{R}^3 上の内積(定義 3.1[内積空間とグラム・シュミット直交化])なので、Cauchy–Schwarz の不等式(定理 4.2[内積空間とグラム・シュミット直交化])、三角不等式、Pythagoras の定理(補題 4.4[内積空間とグラム・シュミット直交化])が成り立ちます。ゼロでない u,vu,v のなす角 θ∈[0,π]\theta\in[0,\pi] は cos⁡θ=u⋅v∣u∣∣v∣\cos\theta=\dfrac{u\cdot v}{|u||v|} で定めます(定義 4.6[内積空間とグラム・シュミット直交化])。u⋅v=0u\cdot v=0 のとき u,vu,v は垂直であるといいます。

命題 2.1(空間の基底)✓

u,v,w∈R3u,v,w\in\mathbb{R}^3 について、次の 3 条件は同値である。

  1. u,v,wu,v,w は 1 次独立である。
  2. det⁡(u,v,w)≠0\det(u,v,w)\ne0(u,v,wu,v,w を列とする行列の行列式)。
  3. (u,v,w)(u,v,w) は R3\mathbb{R}^3 の基底である。すなわち任意のベクトル xx が x=su+tv+rwx=su+tv+rw とただ 1 通りに書ける。 また、R3\mathbb{R}^3 の基底の個数はつねに 33 である。
証明(命題 2.1)

A=(u v w)A=(u\ v\ w) とする。正則性の判定(定理 7.1)[行列式とその性質] の 1.(det⁡A≠0\det A\ne0)、3.(列が 1 次独立)、5.(任意の bb に対し Ax=bAx=b がただ 1 つの解をもつ)が同値である。Ax=su+tv+rwAx=su+tv+rw なので、5. は 3. と同じ内容。基底の個数が 33 であることは、標準基底 e1,e2,e3e_1,e_2,e_3 が基底で、基底の個数が一意(次元の一意性(定理 5.5)[ベクトル空間と線形変換])だから。

定義 2.2(外積)↗

u=(u1,u2,u3)u=(u_1,u_2,u_3)、v=(v1,v2,v3)v=(v_1,v_2,v_3) に対し

u×v=(u2v3−u3v2, u3v1−u1v3, u1v2−u2v1)u\times v=(u_2v_3-u_3v_2,\ u_3v_1-u_1v_3,\ u_1v_2-u_2v_1)

を uu と vv の外積という。成分は、2×32\times3 行列 (u v)T(u\ v)^{\mathsf T} の 2 次の小行列式である。

定義から u×v=−v×uu\times v=-v\times u、u×u=0u\times u=0、u×vu\times v は各変数について線形です。

補題 2.3(外積の基本性質)✓

u,v,w∈R3u,v,w\in\mathbb{R}^3 について

  1. (u×v)⋅w=det⁡(u,v,w)(u\times v)\cdot w=\det(u,v,w)。
  2. (u×v)⋅u=(u×v)⋅v=0(u\times v)\cdot u=(u\times v)\cdot v=0。
  3. ∣u×v∣2=∣u∣2∣v∣2−(u⋅v)2|u\times v|^2=|u|^2|v|^2-(u\cdot v)^2。したがって u,v≠0u,v\ne0 で角が θ\theta なら ∣u×v∣=∣u∣∣v∣sin⁡θ|u\times v|=|u||v|\sin\theta。
  4. u×v=0u\times v=0 であることと、u,vu,v が 1 次従属であることは同値。
証明(補題 2.3)
  1. det⁡(u,v,w)\det(u,v,w) を第 3 列で余因子展開する(定理 5.2[行列式とその性質]):w1(u2v3−u3v2)−w2(u1v3−u3v1)+w3(u1v2−u2v1)=(u×v)⋅ww_1(u_2v_3-u_3v_2)-w_2(u_1v_3-u_3v_1)+w_3(u_1v_2-u_2v_1)=(u\times v)\cdot w。
    1. で w=uw=u または w=vw=v とおくと、同じ列が 2 つある行列式は 00(交代性(定義 4.1)[行列式とその性質])。
  2. 3×23\times2 行列 A=(u v)A=(u\ v) に グラム行列式の公式(系 5.3)[行列の固有値評価と不等式] を使うと、det⁡(ATA)=∑∣2 次小行列式∣2=∣u×v∣2\det(A^{\mathsf T}A)=\sum|\text{2 次小行列式}|^2=|u\times v|^2。一方 ATA=(u⋅uu⋅vu⋅vv⋅v)A^{\mathsf T}A=\begin{pmatrix}u\cdot u&u\cdot v\\u\cdot v&v\cdot v\end{pmatrix} の行列式は ∣u∣2∣v∣2−(u⋅v)2|u|^2|v|^2-(u\cdot v)^2。後半は (u⋅v)2=∣u∣2∣v∣2cos⁡2θ(u\cdot v)^2=|u|^2|v|^2\cos^2\theta から。
    1. から ∣u×v∣=0  ⟺  ∣u⋅v∣=∣u∣∣v∣  ⟺  u,v|u\times v|=0\iff|u\cdot v|=|u||v|\iff u,v が 1 次従属(定理 4.2[内積空間とグラム・シュミット直交化] の等号条件)。

次の段落のねらいは、空間の三角形の面積 12∣(B−A)×(C−A)∣\tfrac12|(B-A)\times(C-A)| が、これまでの平面での面積と同じものであることを確かめることです。三角形の載っている平面に縦横の座標を入れ直せば平面の面積の公式が使え、それが外積の長さに一致する、という流れです。

空間の三角形の面積. 三角形 ABCABC(3 点は一直線上にない)に対し S(ABC)=12∣(B−A)×(C−A)∣S(ABC)=\tfrac12|(B-A)\times(C-A)| と定めます。これが平面上の三角形の面積と合う理由は次のとおりです。三角形を含む平面に正規直交基底 e1,e2e_1,e_2(正規直交基底の存在(系 6.2)[内積空間とグラム・シュミット直交化] による)をとり、u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A を u=u1′e1+u2′e2u=u_1'e_1+u_2'e_2、v=v1′e1+v2′e2v=v_1'e_1+v_2'e_2 と書くと、内積は座標で計算できて(u⋅v=u′⋅v′u\cdot v=u'\cdot v')、座標平面での面積は 12∣det⁡(u′,v′)∣\tfrac12|\det(u',v')| です(命題 8.1[行列式とその性質])。M=(u′ v′)M=(u'\ v') とすると det⁡(MTM)=det⁡(M)2\det(M^{\mathsf T}M)=\det(M)^2(定理 6.1[行列式とその性質] と転置不変性)で、これは ∣u∣2∣v∣2−(u⋅v)2=∣u×v∣2|u|^2|v|^2-(u\cdot v)^2=|u\times v|^2(補題 2.3 の 3.)に等しい。よって 12∣det⁡M∣=12∣u×v∣\tfrac12|\det M|=\tfrac12|u\times v|。以後、平面図形の面積は、その平面の正規直交座標での面積(重積分による面積(定義 5.1)[重積分と累次積分])と定めます。正規直交基底のとり方を変えると座標は直交行列で変わり、面積は ∣det⁡O∣=1|\det O|=1 倍(命題 6.5[重積分と累次積分] の 2.)なので変わりません。

命題 3.1(直線・平面・球面の方程式)✓

  1. 異なる 2 点 A,BA,B を通る直線は {A+t(B−A)∣t∈R}\{A+t(B-A)\mid t\in\mathbb{R}\} である。
  2. u,vu,v を 1 次独立なベクトル、n=u×vn=u\times v とすると n≠0n\neq0 で、AA を通り u,vu,v で張られる平面 {A+su+tv∣s,t∈R}\{A+su+tv\mid s,t\in\mathbb{R}\} は {X∣n⋅(X−A)=0}\{X\mid n\cdot(X-A)=0\} に等しい(nn を法線ベクトルという)。3 点 A,B,CA,B,C が一直線上になければ、これらを通る平面がただ 1 つあり、u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A とすればよい。
  3. 逆に、n≠0n\ne0 のとき {X∣n⋅(X−A)=0}\{X\mid n\cdot(X-A)=0\} は 1 次独立な 2 つのベクトルで張られる平面である。
  4. 中心 CC、半径 r>0r>0 の球面は {X∣∣X−C∣=r}\{X\mid|X-C|=r\}、すなわち ∑(xi−ci)2=r2\sum(x_i-c_i)^2=r^2 である。
証明(命題 3.1)
  1. 定義。2. n≠0n\ne0 は 補題 2.3 の 4.。n⋅u=n⋅v=0n\cdot u=n\cdot v=0(同 2.)なので「⊆\subseteq」。逆に u,v,nu,v,n は 1 次独立である:su+tv+rn=0su+tv+rn=0 に nn を内積すると r∣n∣2=0r|n|^2=0 から r=0r=0、u,vu,v の独立性から s=t=0s=t=0。命題 2.1 により X−A=su+tv+rnX-A=su+tv+rn と書け、n⋅(X−A)=r∣n∣2n\cdot(X-A)=r|n|^2。これが 00 なら r=0r=0 で XX は平面上。3 点を通る平面の一意性: 3. により、A,B,CA,B,C を通る平面は n′≠0n'\ne0 を用いて {X∣n′⋅(X−A′)=0}\{X\mid n'\cdot(X-A')=0\} と書ける。A,B,CA,B,C がこの平面上にあるので n′⋅u=n′⋅v=0n'\cdot u=n'\cdot v=0(AA を A′A' の代わりにとれる)。u,v,nu,v,n は基底なので n′=su+tv+rnn'=su+tv+rn と書け、n′⋅(su+tv)=∣su+tv∣2+r n⋅(su+tv)=∣su+tv∣2n'\cdot(su+tv)=|su+tv|^2+r\,n\cdot(su+tv)=|su+tv|^2 が 00 なので su+tv=0su+tv=0、s=t=0s=t=0 で n′=rnn'=rn(r≠0r\ne0)。よって平面は {X∣n⋅(X−A)=0}\{X\mid n\cdot(X-A)=0\} に等しい。3. n≠0n\ne0 の成分のどれかが 00 でないので、標準基底 eke_k で nn と平行でないものがある。u=n×eku=n\times e_k は 00 でなく(補題 2.3 の 4.)nn に垂直(同 2.)。v=n×uv=n\times u も n,un,u に垂直で、∣v∣2=∣n∣2∣u∣2−(n⋅u)2=∣n∣2∣u∣2>0|v|^2=|n|^2|u|^2-(n\cdot u)^2=|n|^2|u|^2>0。u,vu,v は垂直でどちらも 00 でないから 1 次独立(命題 5.2[内積空間とグラム・シュミット直交化])。u,v,nu,v,n は互いに垂直で 00 でないので基底で、n⋅(X−A)=0n\cdot(X-A)=0 なら X−A=su+tvX-A=su+tv(nn の係数は 00)。4. 定義。

命題 3.2(平面と球面の交わり)✓

球面 {∣X−C∣=r}\{|X-C|=r\} と平面 π={n⋅X=k}\pi=\{n\cdot X=k\}(∣n∣=1|n|=1)について、δ=n⋅C−k\delta=n\cdot C-k、F=C−δnF=C-\delta n とおく(F∈πF\in\pi)。∣δ∣>r|\delta|>r なら交わりは空、∣δ∣=r|\delta|=r なら FF 1 点、∣δ∣<r|\delta|<r なら π\pi 内の、中心 FF、半径 r2−δ2\sqrt{r^2-\delta^2} の円である。

証明(命題 3.2)

n⋅F=n⋅C−δ=kn\cdot F=n\cdot C-\delta=k なので F∈πF\in\pi。X∈πX\in\pi とすると n⋅(X−F)=k−k=0n\cdot(X-F)=k-k=0、F−C=−δnF-C=-\delta n なので (X−F)⋅(F−C)=0(X-F)\cdot(F-C)=0。補題 4.4[内積空間とグラム・シュミット直交化] から ∣X−C∣2=∣X−F∣2+δ2|X-C|^2=|X-F|^2+\delta^2。XX が球面上であることは ∣X−F∣2=r2−δ2|X-F|^2=r^2-\delta^2 と同値。

CFXXδr平面 π
球を、中心 C を通り平面 π に垂直な面で切った断面。C から π へ下ろした垂線の足が F、π 上の交点が X のとき、三平方の定理で FX の長さが決まる

円の半径は r2−δ2\sqrt{r^2-\delta^2} で、これは図の直角三角形 CFXCFX に三平方の定理を使った結果です。

定理 4.1(点と平面の距離)✓

平面 π={X∣n⋅X=k}\pi=\{X\mid n\cdot X=k\}(n≠0n\ne0)と点 PP について、π\pi 上の点 XX に対する ∣P−X∣|P-X| の最小値は

∣n⋅P−k∣∣n∣\frac{|n\cdot P-k|}{|n|}

である。この最小値は F=P−n⋅P−k∣n∣2nF=P-\dfrac{n\cdot P-k}{|n|^2}n(PP から π\pi に下ろした垂線の足)でだけとられ、P−FP-F は π\pi 上の任意の 2 点の差と垂直である。この最小値を PP と π\pi の距離という。

証明(定理 4.1)

λ=n⋅P−k∣n∣2\lambda=\dfrac{n\cdot P-k}{|n|^2} とすると F=P−λnF=P-\lambda n、n⋅F=n⋅P−λ∣n∣2=kn\cdot F=n\cdot P-\lambda|n|^2=k なので F∈πF\in\pi。X∈πX\in\pi について n⋅(F−X)=k−k=0n\cdot(F-X)=k-k=0 で、P−F=λnP-F=\lambda n は F−XF-X に垂直。補題 4.4[内積空間とグラム・シュミット直交化] より ∣P−X∣2=∣P−F∣2+∣F−X∣2≥∣P−F∣2=λ2∣n∣2=(n⋅P−k)2∣n∣2|P-X|^2=|P-F|^2+|F-X|^2\ge|P-F|^2=\lambda^2|n|^2=\dfrac{(n\cdot P-k)^2}{|n|^2}。等号は X=FX=F のときに限る。垂直性は、π\pi 上の X,YX,Y について n⋅(X−Y)=0n\cdot(X-Y)=0 で P−F∥nP-F\parallel n だから。

例 4.2(点と平面の距離の計算)

平面 x+2y+2z=3x+2y+2z=3(n=(1,2,2)n=(1,2,2)、∣n∣=3|n|=3)と点 P=(1,2,3)P=(1,2,3) の距離は ∣1+4+6−3∣3=83\dfrac{|1+4+6-3|}{3}=\dfrac83。垂線の足は F=P−89n=(19,29,119)F=P-\dfrac{8}{9}n=\bigl(\tfrac19,\tfrac29,\tfrac{11}9\bigr)(19+2⋅29+2⋅119=3\frac19+2\cdot\frac29+2\cdot\frac{11}9=3 で平面上にあることが確かめられる)。

平面 π\pi と直線 PQPQ が垂直であるとは、P−QP-Q が π\pi 上の任意の 2 点の差と垂直であること(定理 4.1 の垂線がこの性質をもつ)。

定理 5.1(三垂線の定理)✓

平面 π\pi の外の点 PP から π\pi に下ろした垂線の足を QQ とする。π\pi 上の直線 ℓ\ell と、ℓ\ell 上の点 RR(R≠QR\ne Q)について、

QR⊥ℓ  ⟺  PR⊥ℓQR\perp\ell\iff PR\perp\ell

である。すなわち、直線 QRQR が ℓ\ell に垂直であることと、直線 PRPR が ℓ\ell に垂直であることは同値である。

証明(定理 5.1)

ℓ\ell の方向ベクトルを dd とする。dd は π\pi 上の 2 点の差なので、PQ⊥πPQ\perp\pi より (P−Q)⋅d=0(P-Q)\cdot d=0。P−R=(P−Q)+(Q−R)P-R=(P-Q)+(Q-R) なので

(P−R)⋅d=(P−Q)⋅d+(Q−R)⋅d=(Q−R)⋅d.(P-R)\cdot d=(P-Q)\cdot d+(Q-R)\cdot d=(Q-R)\cdot d.

よって (P−R)⋅d=0  ⟺  (Q−R)⋅d=0(P-R)\cdot d=0\iff(Q-R)\cdot d=0。

PQRℓ平面 π
三垂線の定理:PQ は平面に垂直、QR は ℓ に垂直ならば PR も ℓ に垂直

注意 5.2

三垂線の定理は、空間図形の問題で「垂線の足から辺に垂線を引くと、その点と頂点を結ぶ線も辺に垂直」として使われます。上の証明は、P−R=(P−Q)+(Q−R)P-R=(P-Q)+(Q-R) の内積の線形性だけで、図の見え方(RR が QQ のどちら側か)に依りません。

平面 π′={m⋅X=k′}\pi'=\{m\cdot X=k'\}(∣m∣=1|m|=1)への正射影は p(X)=X−(m⋅X−k′)mp(X)=X-(m\cdot X-k')m です(定理 4.1 の垂線の足)。

日なたの地面に落ちる影の面積は、板を傾けるほど小さくなります。次の定理はその縮み方がちょうど cos⁡θ\cos\theta 倍であることを述べます。証明では、板の平面から地面への写像を 2 行 2 列の行列 MM で表し、面積の倍率が ∣det⁡M∣|\det M| になることを使います。

定理 6.1(正射影の面積)✓

平面 π\pi(単位法線ベクトル nn)の上の、面積をもつ図形 EE を平面 π′\pi'(単位法線ベクトル mm)へ正射影した図形 p(E)⊆π′p(E)\subseteq\pi' の面積は

∣p(E)∣=∣m⋅n∣ ∣E∣=∣cos⁡θ∣ ∣E∣|p(E)|=|m\cdot n|\,|E|=|\cos\theta|\,|E|

である。ここで θ\theta は法線ベクトル n,mn,m のなす角(2 つの平面のなす角)。

証明(定理 6.1)

π\pi の方向(nn に垂直なベクトル)の正規直交基底 e1,e2e_1,e_2、π′\pi' の方向(mm に垂直)の正規直交基底 e1′,e2′e_1',e_2' をとる(系 6.2[内積空間とグラム・シュミット直交化])。L(z)=z−(m⋅z)mL(z)=z-(m\cdot z)m(線形)とすると p(X)−p(Y)=L(X−Y)p(X)-p(Y)=L(X-Y)。L(ej)L(e_j) は mm に垂直なので L(ej)=∑iMijei′L(e_j)=\sum_iM_{ij}e_i'(Mij=ei′⋅ejM_{ij}=e_i'\cdot e_j)と書ける。したがって π\pi の座標 (s,t)(s,t) から π′\pi' の座標への写像は x↦Mx+(定数)x\mapsto Mx+(\text{定数})(MM は 2×22\times2 行列)で、命題 6.5[重積分と累次積分] の 2.(det⁡M=0\det M=0 なら像は 1 直線に含まれ面積 00)により ∣p(E)∣=∣det⁡M∣ ∣E∣|p(E)|=|\det M|\,|E|。 ∣det⁡M∣|\det M| を求める。外積の双線形性から L(e1)×L(e2)=det⁡M⋅(e1′×e2′)L(e_1)\times L(e_2)=\det M\cdot(e_1'\times e_2')。e1′,e2′,me_1',e_2',m は正規直交基底で、e1′×e2′e_1'\times e_2' は e1′,e2′e_1',e_2' に垂直(補題 2.3 の 2.)で長さ 11(同 3.)なので e1′×e2′=±me_1'\times e_2'=\pm m。ゆえに ∣det⁡M∣=∣m⋅(L(e1)×L(e2))∣|\det M|=|m\cdot(L(e_1)\times L(e_2))|。一方、L(e1)=e1−(m⋅e1)mL(e_1)=e_1-(m\cdot e_1)m などを代入して外積を展開すると

L(e1)×L(e2)=e1×e2−(m⋅e2) e1×m−(m⋅e1) m×e2L(e_1)\times L(e_2)=e_1\times e_2-(m\cdot e_2)\,e_1\times m-(m\cdot e_1)\,m\times e_2

(m×m=0m\times m=0)で、mm を内積すると m⋅(e1×m)=m⋅(m×e2)=0m\cdot(e_1\times m)=m\cdot(m\times e_2)=0(補題 2.3 の 2.)なので m⋅(L(e1)×L(e2))=m⋅(e1×e2)m\cdot(L(e_1)\times L(e_2))=m\cdot(e_1\times e_2)。同様に e1×e2=±ne_1\times e_2=\pm n なので、結局 ∣det⁡M∣=∣m⋅n∣|\det M|=|m\cdot n|。

例 6.2(傾き 60° の平面の影)

水平面 π′\pi'(m=(0,0,1)m=(0,0,1))に対し、法線 n=(32,0,12)n=\bigl(\tfrac{\sqrt3}2,0,\tfrac12\bigr) の平面(m⋅n=12m\cdot n=\tfrac12、傾き 60°60°)上の面積 44 の図形の、水平面への影は面積 4⋅12=24\cdot\tfrac12=2 です。平面を θ→90°\theta\to90° に傾けると影の面積は 00 に近づきます。

空間の図形の体積は Lebesgue 測度 mm(m([0,1]3)=1m([0,1]^3)=1)です。A, B, C, D が同一平面上になく、u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A、w=D−Aw=D-A について det⁡(u,v,w)≠0\det(u,v,w)\ne0 のとき、集合 {A+su+tv+rw∣s,t,r≥0, s+t+r≤1}\{A+su+tv+rw\mid s,t,r\ge0,\ s+t+r\le1\}(A,B,C,DA,B,C,D の凸結合の全体)を、この 4 点を頂点とする四面体といいます。

次の補題の方針は、立方体 [0,1]3[0,1]^3 を座標の大小の順に 6 つの同じ大きさの部分に分け、そのうち 1 つが標準単体と同じ体積をもつことを使って、16\frac16 を求めることです。

補題 7.1(標準単体の体積)✓

Δ={(x,y,z)∣x,y,z≥0, x+y+z≤1}\Delta=\{(x,y,z)\mid x,y,z\ge0,\ x+y+z\le1\} の体積は 16\dfrac16 である。

証明(補題 7.1)

Oid={0≤x≤y≤z≤1}O_{\mathrm{id}}=\{0\le x\le y\le z\le1\} とおく。線形写像 T0(a,b,c)=(a,a+b,a+b+c)T_0(a,b,c)=(a,a+b,a+b+c) は下三角行列で det⁡T0=1\det T_0=1、T0(Δ)=OidT_0(\Delta)=O_{\mathrm{id}} なので、定理 3.4[ℝ^d の変数変換公式と極座標] の 1. から m(Δ)=m(Oid)m(\Delta)=m(O_{\mathrm{id}})。座標の並べ替え(置換行列、∣det⁡∣=1|\det|=1)PσP_\sigma に対し Oσ=Pσ(Oid)={0≤xσ(1)≤xσ(2)≤xσ(3)≤1}O_\sigma=P_\sigma(O_{\mathrm{id}})=\{0\le x_{\sigma(1)}\le x_{\sigma(2)}\le x_{\sigma(3)}\le1\} で、同じ定理により m(Oσ)=m(Oid)m(O_\sigma)=m(O_{\mathrm{id}})。立方体 [0,1]3[0,1]^3 のどの点も、座標を小さい順に並べることでどれかの OσO_\sigma(σ\sigma は 6 通り)に入る。2 つの異なる Oσ,Oσ′O_\sigma,O_{\sigma'} の共通部分は、2 つの座標が等しい点の集合で、{x=y}\{x=y\} などの 3 つの平面の和に含まれる。これらの平面は特異行列の像で、定理 3.4[ℝ^d の変数変換公式と極座標] の 2. により測度 00。したがって 1=m([0,1]3)=∑σm(Oσ)=6 m(Δ)1=m([0,1]^3)=\sum_\sigma m(O_\sigma)=6\,m(\Delta)。

定理 7.2(四面体の体積)✓

四面体 ABCDABCD の体積 VV について

V=16∣det⁡(B−A, C−A, D−A)∣=13 S(ABC) hV=\frac16\bigl|\det(B-A,\,C-A,\,D-A)\bigr|=\frac13\,S(ABC)\,h

である。ここで S(ABC)S(ABC) は面 ABCABC の面積、hh は DD から平面 ABCABC までの距離。

証明(定理 7.2)

T=(u v w)T=(u\ v\ w)(列が u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A、w=D−Aw=D-A)とすると、T(Δ)={su+tv+rw∣s,t,r≥0, s+t+r≤1}T(\Delta)=\{su+tv+rw\mid s,t,r\ge0,\ s+t+r\le1\} で、四面体は A+T(Δ)A+T(\Delta) である。Lebesgue 測度は平行移動で変わらず、定理 3.4[ℝ^d の変数変換公式と極座標] の 1. から V=∣det⁡T∣ m(Δ)=16∣det⁡(u,v,w)∣V=|\det T|\,m(\Delta)=\dfrac16|\det(u,v,w)|(補題 7.1)。 第 2 の式: n=u×v≠0n=u\times v\ne0(u,vu,v は 1 次独立)。∣det⁡(u,v,w)∣=∣n⋅w∣|\det(u,v,w)|=|n\cdot w|(補題 2.3 の 1.)。nn は平面 ABCABC の法線ベクトル(命題 3.1 の 2.)で、この平面は {X∣n⋅X=n⋅A}\{X\mid n\cdot X=n\cdot A\}。DD からの距離は 定理 4.1 から h=∣n⋅D−n⋅A∣∣n∣=∣n⋅w∣∣n∣h=\dfrac{|n\cdot D-n\cdot A|}{|n|}=\dfrac{|n\cdot w|}{|n|}。∣n∣=2S(ABC)|n|=2S(ABC) なので ∣n⋅w∣=2S(ABC) h|n\cdot w|=2S(ABC)\,h、V=16⋅2S(ABC)h=13S(ABC)hV=\dfrac16\cdot2S(ABC)h=\dfrac13S(ABC)h。

例 7.3(座標が与えられた四面体)

O=(0,0,0)O=(0,0,0)、A=(2,0,0)A=(2,0,0)、B=(0,3,0)B=(0,3,0)、C=(0,0,4)C=(0,0,4) の四面体では det⁡(A,B,C)=24\det(A,B,C)=24 なので V=246=4V=\dfrac{24}6=4。底面を OABOAB とすると S=3S=3、h=4h=4 で 13⋅3⋅4=4\dfrac13\cdot3\cdot4=4 と一致します。

8. 辺の長さから体積を求める:Cayley–Menger の公式

Section titled “8. 辺の長さから体積を求める:Cayley–Menger の公式”

四面体 A0A1A2A3A_0A_1A_2A_3 の辺の長さを dij=∣Ai−Aj∣d_{ij}=|A_i-A_j| とし、ui=Ai−A0u_i=A_i-A_0(i=1,2,3i=1,2,3)とおきます。

次の定理の前半は、体積の 2 乗が 3 本の辺ベクトルの内積の表の行列式になる、という主張です。内積は辺の長さから計算できるので、辺の長さだけで体積が決まります。後半の 5 行 5 列の式は、行と列の引き算を繰り返して前半の式に直すだけの計算です。

定理 8.1(Cayley–Menger の公式)✓

四面体の体積 VV について、ui⋅uj=d0i2+d0j2−dij22u_i\cdot u_j=\dfrac{d_{0i}^2+d_{0j}^2-d_{ij}^2}2(dii=0d_{ii}=0)とし、G=(ui⋅uj)i,j=1,2,3G=(u_i\cdot u_j)_{i,j=1,2,3}(Gram 行列)とおくと

36V2=det⁡G.36V^2=\det G.

さらに、次の 5×55\times5 行列(Cayley–Menger 行列)について

288V2=det⁡(0111110d012d022d0321d0120d122d1321d022d1220d2321d032d132d2320)288V^2=\det\begin{pmatrix}0&1&1&1&1\\1&0&d_{01}^2&d_{02}^2&d_{03}^2\\1&d_{01}^2&0&d_{12}^2&d_{13}^2\\1&d_{02}^2&d_{12}^2&0&d_{23}^2\\1&d_{03}^2&d_{13}^2&d_{23}^2&0\end{pmatrix}

が成り立つ。したがって体積は 6 つの辺の長さだけで決まる。

証明(定理 8.1)

M=(u1 u2 u3)M=(u_1\ u_2\ u_3) とすると G=MTMG=M^{\mathsf T}M で、定理 6.1[行列式とその性質] と転置不変性(命題 3.3[行列式とその性質])から det⁡G=(det⁡M)2\det G=(\det M)^2。定理 7.2 から 36V2=(det⁡M)236V^2=(\det M)^2。内積の式は ∣ui−uj∣2=∣ui∣2+∣uj∣2−2ui⋅uj|u_i-u_j|^2=|u_i|^2+|u_j|^2-2u_i\cdot u_j(内積の双線形性と対称性、定義 3.1[内積空間とグラム・シュミット直交化] による展開)で、∣ui−uj∣=dij|u_i-u_j|=d_{ij}、∣ui∣=d0i|u_i|=d_{0i}。 5×55\times5 行列式: ai=d0i2a_i=d_{0i}^2 とおくと、i,j≥1i,j\ge1 で dij2=ai+aj−2Gijd_{ij}^2=a_i+a_j-2G_{ij}。行列の添字を(境界, 00, 11, 22, 33)とし、行 i=1,2,3i=1,2,3 から行 00 を引く:各行は境界列が 1−1=01-1=0、第 00 列が aia_i、第 jj 列が (ai+aj−2Gij)−aj=ai−2Gij(a_i+a_j-2G_{ij})-a_j=a_i-2G_{ij} になる。次に列 j=1,2,3j=1,2,3 から第 00 列を引く:境界行は 1−1=01-1=0、行 00 は aja_j、行 ii は (ai−2Gij)−ai=−2Gij(a_i-2G_{ij})-a_i=-2G_{ij}。行列は

(0100010a1a2a30a1−2G11−2G12−2G130a2−2G21−2G22−2G230a3−2G31−2G32−2G33)\begin{pmatrix}0&1&0&0&0\\1&0&a_1&a_2&a_3\\0&a_1&-2G_{11}&-2G_{12}&-2G_{13}\\0&a_2&-2G_{21}&-2G_{22}&-2G_{23}\\0&a_3&-2G_{31}&-2G_{32}&-2G_{33}\end{pmatrix}

になる(行・列の加減で行列式は変わらない)。第 1 行(境界行)で余因子展開(定理 5.2[行列式とその性質])すると、成分 11 は第 2 列にあり符号 (−1)1+2=−1(-1)^{1+2}=-1、余因子の行列は境界行と第 00 列を除いたもので、その第 1 列は (1,0,0,0)T(1,0,0,0)^{\mathsf T} なのでさらに展開して det⁡(−2G)=−8det⁡G\det(-2G)=-8\det G。したがって全体は (−1)(−8det⁡G)=8det⁡G=8⋅36V2=288V2(-1)(-8\det G)=8\det G=8\cdot36V^2=288V^2。

例 8.2(正四面体)

1 辺 aa の正四面体では ui⋅uj=a2+a2−a22=a22u_i\cdot u_j=\dfrac{a^2+a^2-a^2}2=\dfrac{a^2}2(i≠ji\ne j)、∣ui∣2=a2|u_i|^2=a^2。G=a2(112121211212121)G=a^2\begin{pmatrix}1&\frac12&\frac12\\\frac12&1&\frac12\\\frac12&\frac12&1\end{pmatrix} の行列式は a6⋅12a^6\cdot\dfrac12(3×33\times3 の行列式の展開で 1+2⋅18−3⋅14=121+2\cdot\frac18-3\cdot\frac14=\frac12)なので 36V2=a6236V^2=\dfrac{a^6}{2}、V=a362=212a3V=\dfrac{a^3}{6\sqrt2}=\dfrac{\sqrt2}{12}a^3。

頂点 OO に集まる 3 辺 OA,OB,OCOA,OB,OC がどの 2 つも垂直な四面体を直角四面体といいます。三平方の定理(直角三角形で c2=a2+b2c^2=a^2+b^2)の空間版が次の定理です。

定理 9.1(de Gua の定理)✓

直角四面体 OABCOABC(OA,OB,OCOA,OB,OC が互いに垂直)について

S(ABC)2=S(OAB)2+S(OBC)2+S(OCA)2S(ABC)^2=S(OAB)^2+S(OBC)^2+S(OCA)^2

である。

証明(定理 9.1)

OO を原点とし u=Au=A、v=Bv=B、w=Cw=C(互いに垂直でゼロでない)。(B−A)×(C−A)=(v−u)×(w−u)=v×w+u×v+w×u(B-A)\times(C-A)=(v-u)\times(w-u)=v\times w+u\times v+w\times u(u×u=0u\times u=0 など)。u,v,wu,v,w は互いに垂直なので 1 次独立で基底(命題 5.2[内積空間とグラム・シュミット直交化]、命題 2.1)。v×wv\times w は v,wv,w に垂直(補題 2.3 の 2.)で、v,wv,w に垂直なベクトル x=αu+βv+γwx=\alpha u+\beta v+\gamma w は x⋅v=β∣v∣2=0x\cdot v=\beta|v|^2=0、x⋅w=γ∣w∣2=0x\cdot w=\gamma|w|^2=0 から x=αux=\alpha u なので、v×w∥uv\times w\parallel u。同様に u×v∥wu\times v\parallel w、w×u∥vw\times u\parallel v。3 つの外積は互いに垂直なので、Pythagoras の定理(補題 4.4[内積空間とグラム・シュミット直交化])を 2 回使って(まず 2 つの和、次に 3 つ目との和)

∣(B−A)×(C−A)∣2=∣v×w∣2+∣u×v∣2+∣w×u∣2.|(B-A)\times(C-A)|^2=|v\times w|^2+|u\times v|^2+|w\times u|^2.

各項を 12\tfrac12 倍して平方した面積の式(S(ABC)=12∣(B−A)×(C−A)∣S(ABC)=\tfrac12|(B-A)\times(C-A)| など)にそろえると題意。

例 9.2(de Gua の定理と体積・距離の整合)

O=(0,0,0)O=(0,0,0)、A=(2,0,0)A=(2,0,0)、B=(0,3,0)B=(0,3,0)、C=(0,0,4)C=(0,0,4) では S(OAB)=3S(OAB)=3、S(OBC)=6S(OBC)=6、S(OCA)=4S(OCA)=4。定理 9.1 から S(ABC)2=9+36+16=61S(ABC)^2=9+36+16=61、S(ABC)=61S(ABC)=\sqrt{61}。V=4V=4(例 7.3)と 定理 7.2 から、OO から平面 ABCABC までの距離は h=3VS(ABC)=1261h=\dfrac{3V}{S(ABC)}=\dfrac{12}{\sqrt{61}}。平面 ABCABC は 6x+4y+3z=126x+4y+3z=12 で、定理 4.1 の距離 ∣12∣36+16+9=1261\dfrac{|12|}{\sqrt{36+16+9}}=\dfrac{12}{\sqrt{61}} と一致します。

三角形には外接円と内接円がありました(三角形の五心)。四面体にも、外接球と内接球がつねにあります。

命題 10.1(四面体の外接球と内接球)✓

四面体 ABCDABCD について次が成り立つ。

  1. 4 つの頂点を通る球面がただ 1 つ存在する(外接球)。
  2. 各頂点の向かいの面の面積を SA,SB,SC,SDS_A,S_B,S_C,S_D(たとえば SA=S(BCD)S_A=S(BCD))とする。
I=SAA+SBB+SCC+SDDSA+SB+SC+SDI=\frac{S_AA+S_BB+S_CC+S_DD}{S_A+S_B+S_C+S_D}

は四面体の内部にあり、4 つの面を含む平面までの距離がすべて等しい。その値は r=3VSA+SB+SC+SDr=\dfrac{3V}{S_A+S_B+S_C+S_D} で、II を中心とする半径 rr の球は 4 つの面を含む平面に接する(内接球)。

証明(命題 10.1)
  1. u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A、w=D−Aw=D-A。∣X−A∣=∣X−B∣|X-A|=|X-B| は 2X⋅u=∣B∣2−∣A∣22X\cdot u=|B|^2-|A|^2 と同値で、∣X−A∣=∣X−C∣|X-A|=|X-C|、∣X−A∣=∣X−D∣|X-A|=|X-D| も同様に X⋅vX\cdot v、X⋅wX\cdot w の式。この 3 つの連立方程式の係数行列 (u v w)T(u\ v\ w)^{\mathsf T} の行列式は det⁡(u,v,w)≠0\det(u,v,w)\ne0(転置不変性、命題 3.3[行列式とその性質])で、定理 7.1[行列式とその性質] よりただ 1 つの解 X=OX=O をもつ。∣O−A∣=∣O−B∣=∣O−C∣=∣O−D∣=R|O-A|=|O-B|=|O-C|=|O-D|=R で、4 点を通る球面は中心が 4 点から等距離でなければならないので、この球面が唯一。
  2. 面 BCDBCD を含む平面の単位法線 nAn_A を nA⋅(A−B)>0n_A\cdot(A-B)>0 となるようにとり、fA(X)=nA⋅(X−B)f_A(X)=n_A\cdot(X-B) とおく。fAf_A は B,C,DB,C,D で 00 で、fA(A)=hA>0f_A(A)=h_A>0(AA から平面 BCDBCD への距離。定理 4.1)。X=αA+βB+γC+δDX=\alpha A+\beta B+\gamma C+\delta D(α+β+γ+δ=1\alpha+\beta+\gamma+\delta=1)について fA(X)=αfA(A)+βfA(B)+γfA(C)+δfA(D)=αhAf_A(X)=\alpha f_A(A)+\beta f_A(B)+\gamma f_A(C)+\delta f_A(D)=\alpha h_A(係数の和が 11 なので nA⋅(X−B)n_A\cdot(X-B) の BB も係数に含められる)。したがって XX から平面 BCDBCD までの距離は ∣α∣hA|\alpha|h_A。定理 7.2 を底面 BCDBCD、頂点 AA に使うと V=13SAhAV=\tfrac13S_Ah_A なので hA=3VSAh_A=\dfrac{3V}{S_A}。II では α=SASA+SB+SC+SD\alpha=\dfrac{S_A}{S_A+S_B+S_C+S_D} なので、距離は SA∑S⋅3VSA=3V∑S\dfrac{S_A}{\sum S}\cdot\dfrac{3V}{S_A}=\dfrac{3V}{\sum S}。他の 3 面も同じ値で、重みはすべて正なので II は内部にある。距離が rr に等しい平面は、II を中心とする半径 rr の球に接する(命題 3.2 の ∣δ∣=r|\delta|=r の場合)。

例 10.2(立方体の角の四面体)

O=(0,0,0)O=(0,0,0)、A=(1,0,0)A=(1,0,0)、B=(0,1,0)B=(0,1,0)、C=(0,0,1)C=(0,0,1) の四面体では、S(OAB)=S(OBC)=S(OCA)=12S(OAB)=S(OBC)=S(OCA)=\tfrac12、S(ABC)=32S(ABC)=\tfrac{\sqrt3}2(定理 9.1 から 3⋅14\sqrt{3\cdot\frac14})、V=16V=\tfrac16。内接球の半径は r=3⋅1632+32=13+3=3−36r=\dfrac{3\cdot\frac16}{\frac32+\frac{\sqrt3}2}=\dfrac1{3+\sqrt3}=\dfrac{3-\sqrt3}6。外接球の中心は立方体の中心 (12,12,12)\bigl(\tfrac12,\tfrac12,\tfrac12\bigr)、半径 32\tfrac{\sqrt3}2。

向かい合う辺の長さが等しい四面体(AB=CDAB=CD、AC=BDAC=BD、AD=BCAD=BC)を等面四面体といいます。次の定理は、直方体の向かい合わない 4 頂点を結ぶと、各面の対角線が四面体の辺になるので、このような四面体ができる、ということを式で確かめるものです。この条件のもとで 4 つの面はどれも辺の長さ AB=aAB=a、AC=bAC=b、AD=cAD=c の三角形になり、3 辺が等しいので合同です(3 辺の合同条件(定理 3.4)[合同と相似])。

定理 11.1(等面四面体は直方体に内接する)✓

等面四面体 ABCDABCD(AB=CD=aAB=CD=a、AC=BD=bAC=BD=b、AD=BC=cAD=BC=c)について、次が成り立つ。

  1. a2<b2+c2a^2<b^2+c^2、b2<c2+a2b^2<c^2+a^2、c2<a2+b2c^2<a^2+b^2(4 つの面は鋭角三角形)。
  2. p2=b2+c2−a22p^2=\dfrac{b^2+c^2-a^2}2、q2=c2+a2−b22q^2=\dfrac{c^2+a^2-b^2}2、r2=a2+b2−c22r^2=\dfrac{a^2+b^2-c^2}2 を満たす正の数 p,q,rp,q,r をとると、空間の等長変換(距離を保つ写像)で ABCDABCD を、直方体 [0,p]×[0,q]×[0,r][0,p]\times[0,q]\times[0,r] の 4 つの頂点 (0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0)(0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0) に移せる。
  3. 体積は V=pqr3V=\dfrac{pqr}3(直方体の体積の 13\tfrac13)。 逆に、直方体の 4 つの頂点で (0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0)(0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0) の形のものは等面四面体である。
証明(定理 11.1)

u=B−Au=B-A、v=C−Av=C-A、w=D−Aw=D-A とすると ∣u∣=a|u|=a、∣v∣=b|v|=b、∣w∣=c|w|=c、∣u−v∣=BC=c|u-v|=BC=c、∣u−w∣=BD=b|u-w|=BD=b、∣v−w∣=CD=a|v-w|=CD=a。定理 8.1 の内積の式から

u⋅v=a2+b2−c22=:R,u⋅w=a2+c2−b22=:Q,v⋅w=b2+c2−a22=:P.u\cdot v=\frac{a^2+b^2-c^2}2=:R,\quad u\cdot w=\frac{a^2+c^2-b^2}2=:Q,\quad v\cdot w=\frac{b^2+c^2-a^2}2=:P.

a2=Q+Ra^2=Q+R、b2=P+Rb^2=P+R、c2=P+Qc^2=P+Q で、Gram 行列は G=(Q+RRQRP+RPQPP+Q)G=\begin{pmatrix}Q+R&R&Q\\R&P+R&P\\Q&P&P+Q\end{pmatrix}。第 1 行で展開して整理すると det⁡G=4PQR\det G=4PQR((Q+R)(PQ+PR+QR)−R(RP+RQ−PQ)+Q(RP−QP−QR)(Q+R)(PQ+PR+QR)-R(RP+RQ-PQ)+Q(RP-QP-QR) の各項を展開すると PQ2,Q2R,PR2,QR2PQ^2,Q^2R,PR^2,QR^2 の項は打ち消し合い、4PQR4PQR が残る)。定理 8.1 より 36V2=det⁡G=4PQR>036V^2=\det G=4PQR>0。

  1. PQR>0PQR>0。もし R≤0R\le0 なら、P+R=b2>0P+R=b^2>0 から P>0P>0、Q+R=a2>0Q+R=a^2>0 から Q>0Q>0 で PQR≤0PQR\le0 となり矛盾。同様に P≤0P\le0、Q≤0Q\le0 も不可能。よって P,Q,R>0P,Q,R>0(P=p2P=p^2 など)で、これが 1. の 3 つの不等式(P>0  ⟺  b2+c2>a2P>0\iff b^2+c^2>a^2 など)。
  2. p=Pp=\sqrt P などとし、A′=(0,0,0)A'=(0,0,0)、B′=(0,q,r)B'=(0,q,r)、C′=(p,0,r)C'=(p,0,r)、D′=(p,q,0)D'=(p,q,0) とする。∣A′B′∣2=q2+r2=Q+R=a2|A'B'|^2=q^2+r^2=Q+R=a^2、∣A′C′∣2=P+R=b2|A'C'|^2=P+R=b^2、∣A′D′∣2=P+Q=c2|A'D'|^2=P+Q=c^2、∣B′C′∣2=p2+q2=c2|B'C'|^2=p^2+q^2=c^2、∣B′D′∣2=p2+r2=b2|B'D'|^2=p^2+r^2=b^2、∣C′D′∣2=q2+r2=a2|C'D'|^2=q^2+r^2=a^2。6 辺の長さが ABCDABCD と等しいので、u′=B′−A′u'=B'-A' などに対する行列 M′=(u′ v′ w′)M'=(u'\ v'\ w') と M=(u v w)M=(u\ v\ w) は Gram 行列が等しい:M′TM′=MTMM'^{\mathsf T}M'=M^{\mathsf T}M(定理 8.1)。MM は正則なので O=M′M−1O=M'M^{-1} は OTO=M−TM′TM′M−1=M−TMTMM−1=IO^{\mathsf T}O=M^{-\mathsf T}M'^{\mathsf T}M'M^{-1}=M^{-\mathsf T}M^{\mathsf T}MM^{-1}=I を満たす直交行列。X↦A′+O(X−A)X\mapsto A'+O(X-A) は距離を保ち、A,B,C,DA,B,C,D を A′,B′,C′,D′A',B',C',D' に移す。
  3. 36V2=4PQR=4p2q2r236V^2=4PQR=4p^2q^2r^2 から V=pqr3V=\dfrac{pqr}3。 逆: 4 点 (0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0)(0,0,0),(0,q,r),(p,0,r),(p,q,0) の 6 つの辺の長さの 2 乗は上の計算のとおり q2+r2q^2+r^2(2 辺)、p2+r2p^2+r^2(2 辺)、p2+q2p^2+q^2(2 辺)で、向かい合う辺の長さが等しい。

例 11.2(面が 5, 6, 7 の三角形の等面四面体)

a=5a=5、b=6b=6、c=7c=7 とする。p2=36+49−252=30p^2=\dfrac{36+49-25}2=30、q2=49+25−362=19q^2=\dfrac{49+25-36}2=19、r2=25+36−492=6r^2=\dfrac{25+36-49}2=6。体積は V=30⋅19⋅63=34203=6953=295V=\dfrac{\sqrt{30\cdot19\cdot6}}3=\dfrac{\sqrt{3420}}3=\dfrac{6\sqrt{95}}3=2\sqrt{95}。外接球は、直方体の外接球と同じ中心 (p2,q2,r2)\bigl(\tfrac p2,\tfrac q2,\tfrac r2\bigr) で半径 12p2+q2+r2=1255\tfrac12\sqrt{p^2+q^2+r^2}=\tfrac12\sqrt{55}(p2+q2+r2=a2+b2+c22=55p^2+q^2+r^2=\frac{a^2+b^2+c^2}2=55)。正四面体(a=b=ca=b=c)は p=q=r=a2p=q=r=\tfrac a{\sqrt2} の立方体に内接し、V=a362V=\dfrac{a^3}{6\sqrt2} は 例 8.2 と一致します。

例 11.3(ねじれの位置の四角形の中点)

空間の 4 点 A,B,C,DA,B,C,D(同一平面上になくてもよい)で、辺 AB,BC,CD,DAAB,BC,CD,DA の中点を P,Q,R,SP,Q,R,S とすると、Q−P=C−A2=R−SQ-P=\tfrac{C-A}2=R-S なので、PQRSPQRS は平行四辺形です(平面での Varignon の定理と同じ式で、同一平面上にあるかどうかを使いません)。

  • 空間ベクトル・内積・外積・行列式は、ベクトル空間、内積空間、行列式 の三位一体です。体積が行列式の絶対値になること(定理 7.2)は、一般次元の測度論(変数変換)で ∣det⁡∣|\det| に一般化されます。
  • 外積は 3 次元だけの現象で、一般には外積代数(微分形式)の中の ∧\wedge になります。曲面の面積要素は ∣ru×rv∣|r_u\times r_v| で、ベクトル解析(Stokes の定理)へ続きます。
  • Cayley–Menger の公式は、距離だけから nn 次元の単体の体積を求める公式として一般化され、距離空間のユークリッド空間への埋め込み可能性の判定(Menger の定理)に使われます。

演習 13.1易

原点中心、半径 22 の球面と平面 x+2y+2z=1x+2y+2z=1 の交わりを求めよ。

解答

単位法線 n=13(1,2,2)n=\tfrac13(1,2,2)、平面は n⋅X=13n\cdot X=\tfrac13(k=13k=\tfrac13)。δ=n⋅C−k=−13\delta=n\cdot C-k=-\tfrac13、∣δ∣=13<2|\delta|=\tfrac13<2 なので 命題 3.2 から、中心 F=C−δn=19(1,2,2)F=C-\delta n=\tfrac19(1,2,2)、半径 4−19=353\sqrt{4-\tfrac19}=\dfrac{\sqrt{35}}3 の円。

演習 13.2標準

A=(1,0,0)A=(1,0,0)、B=(0,2,0)B=(0,2,0)、C=(0,0,3)C=(0,0,3)、D=(1,1,1)D=(1,1,1) の四面体の体積を求めよ。

解答

u=B−A=(−1,2,0)u=B-A=(-1,2,0)、v=C−A=(−1,0,3)v=C-A=(-1,0,3)、w=D−A=(0,1,1)w=D-A=(0,1,1)。det⁡(u,v,w)=∣−1−10201031∣=−1(0−3)+1(2−0)=5\det(u,v,w)=\begin{vmatrix}-1&-1&0\\2&0&1\\0&3&1\end{vmatrix}=-1(0-3)+1(2-0)=5。定理 7.2 より V=56V=\dfrac56。

演習 13.3標準

OA=3OA=3、OB=4OB=4、OC=12OC=12 で OA,OB,OCOA,OB,OC が互いに垂直な四面体の、面 ABCABC の面積と、OO から面 ABCABC までの距離を求めよ。

解答

S(OAB)=6S(OAB)=6、S(OBC)=24S(OBC)=24、S(OCA)=18S(OCA)=18。定理 9.1 より S(ABC)2=36+576+324=936S(ABC)^2=36+576+324=936、S(ABC)=626S(ABC)=6\sqrt{26}。体積は V=3⋅4⋅126=24V=\dfrac{3\cdot4\cdot12}{6}=24(定理 7.2)で、距離は h=3VS(ABC)=72626=1226h=\dfrac{3V}{S(ABC)}=\dfrac{72}{6\sqrt{26}}=\dfrac{12}{\sqrt{26}}。

演習 13.4標準

例 10.2 の内接球の半径 r=3−36r=\dfrac{3-\sqrt3}6 が、中心 I=(r,r,r)I=(r,r,r) から面 ABCABC(x+y+z=1x+y+z=1)までの距離と一致することを直接確かめよ。

解答

I=SOO+SAA+SBB+SCC∑SI=\dfrac{S_OO+S_AA+S_BB+S_CC}{\sum S} で、OO の向かいの面 ABCABC の面積が 32\tfrac{\sqrt3}2、A,B,CA,B,C の向かいの面はそれぞれ 12\tfrac12 なので I=12(A+B+C)32+32=(1,1,1)3+3=(r,r,r)I=\dfrac{\frac12(A+B+C)}{\frac32+\frac{\sqrt3}2}=\dfrac{(1,1,1)}{3+\sqrt3}=(r,r,r)。x+y+z=1x+y+z=1 までの距離は 定理 4.1 から ∣3r−1∣3=1−3r3\dfrac{|3r-1|}{\sqrt3}=\dfrac{1-3r}{\sqrt3}(3r=3−32<13r=\dfrac{3-\sqrt3}2<1)。3r=3−323r=\dfrac{3-\sqrt3}2 なので 1−3r=3−121-3r=\dfrac{\sqrt3-1}2、距離は 3−123=3−36=r\dfrac{\sqrt3-1}{2\sqrt3}=\dfrac{3-\sqrt3}6=r。

演習 13.5難

等面四面体で、面の三角形の辺が a=4a=4、b=5b=5、c=6c=6 であるとき、体積と外接球の半径を求めよ。

解答

定理 11.1 より p2=25+36−162=452p^2=\dfrac{25+36-16}2=\dfrac{45}2、q2=36+16−252=272q^2=\dfrac{36+16-25}2=\dfrac{27}2、r2=16+25−362=52r^2=\dfrac{16+25-36}2=\dfrac52。V=1345⋅27⋅58=1360758=13⋅45322=15322=1564V=\dfrac13\sqrt{\dfrac{45\cdot27\cdot5}{8}}=\dfrac13\sqrt{\dfrac{6075}8}=\dfrac13\cdot\dfrac{45\sqrt3}{2\sqrt2}=\dfrac{15\sqrt3}{2\sqrt2}=\dfrac{15\sqrt6}4(6075=452⋅36075=45^2\cdot3)。外接球の半径は 12p2+q2+r2=1216+25+362=12772=1544\tfrac12\sqrt{p^2+q^2+r^2}=\tfrac12\sqrt{\tfrac{16+25+36}2}=\tfrac12\sqrt{\tfrac{77}2}=\dfrac{\sqrt{154}}4。

  1. 杉浦光夫『解析入門 II』東京大学出版会、1985 — 第 VII 章(Lebesgue 測度と体積)。
  2. Peter D. Lax, Linear Algebra and Its Applications, 2nd ed., Wiley, 2007 — 行列式と体積、Gram 行列の章。
  3. H. S. M. Coxeter, Regular Polytopes, 3rd ed., Dover, 1973 — 四面体と正多面体の章。
  4. Leonard M. Blumenthal, Theory and Applications of Distance Geometry, Chelsea, 1970 — Cayley–Menger の行列式の章。

このテーマの 100 本ノック(100 問)

執筆: Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 2 回(Claude Code)・最終 2026-10-12

この記事の誤りを報告する ・運営: 夢現技研合同会社 ・料金 ・利用条件 ・特定商取引法に基づく表記

© 2026 夢現技研合同会社 ・コード例は MIT ライセンスです。