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2 次曲線:焦点・準線・離心率・円錐の切り口・極方程式・一般の分類

対象読者: 本テーマの図形と方程式(直線・円・接線)と平面ベクトルを学んだ人。放物線・楕円・双曲線は高校の既習程度で足り、主軸定理は仮定しません。

前提となる記事:図形と方程式:直線・円・極線・軌跡・領域・面積と格子点、平面ベクトルと座標:内積・行列式・重み付き距離の公式を一本の道で

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放物線・楕円・双曲線は、ボールを投げたときの軌跡、惑星の軌道、アンテナの断面などに現れる曲線です。この記事では、これらがすべて「ある点(焦点)との距離」という同じ考え方で定義できること、円錐をナイフで切った切り口としても現れること、そして 2 次式で表される図形はこの仲間でほぼ尽きることを、計算で確かめます。読み終えると、式を見ただけでどの曲線かを見分け、焦点の位置を求められるようになります。

  • 放物線・楕円・双曲線は、焦点との距離で定義されます(放物線は焦点と準線からの距離が等しい点、楕円は 2 焦点からの距離の和が一定、双曲線は差の絶対値が一定)。定義から標準形 y2=4pxy^2=4px、x2a2+y2b2=1\tfrac{x^2}{a^2}+\tfrac{y^2}{b^2}=1、x2a2−y2b2=1\tfrac{x^2}{a^2}-\tfrac{y^2}{b^2}=1 を、同値変形で導きます。
  • 3 つは「焦点との距離が準線との距離の ee 倍」という 1 つの条件に統一され、e<1e<1 が楕円、e=1e=1 が放物線、e>1e>1 が双曲線です(離心率)。
  • 直円錐を平面で切った切り口は、平面の傾きと母線の傾きの大小で、楕円・放物線・双曲線になります。座標で計算すると、傾きの比較がそのまま判別式の符号の比較になります。
  • 楕円・双曲線・放物線の接線は座標の 1 次式で書け、焦点を出た光線が接線で反射されると、楕円なら他方の焦点へ、放物線なら軸に平行に進みます(反射の性質)。
  • 焦点を原点とする極方程式は r=l1+ecos⁡θr=\dfrac{l}{1+e\cos\theta} の 1 つの形で 3 種類を表し、惑星の軌道(Kepler の第 1 法則)の数学的な形です。
  • 一般の 2 次方程式 Ax2+Bxy+Cy2+Dx+Ey+F=0Ax^2+Bxy+Cy^2+Dx+Ey+F=0 の表す図形は、主軸定理(xyxy の項が消えるように座標軸を回す定理)と平方完成で分類でき、種類は判別式 B2−4ACB^2-4AC の符号で決まります。

1. 動機:なぜ 3 つの曲線は 1 つの仲間なのか

Section titled “1. 動機:なぜ 3 つの曲線は 1 つの仲間なのか”

高校では、放物線 y=ax2y=ax^2(2 次関数)、楕円 x2a2+y2b2=1\tfrac{x^2}{a^2}+\tfrac{y^2}{b^2}=1、双曲線 x2a2−y2b2=1\tfrac{x^2}{a^2}-\tfrac{y^2}{b^2}=1 を別々に習います。しかし式の形はどれも 2 次式で、これらは「円錐曲線」と一括して呼ばれます。その理由は 2 つあります。

  1. 図形としての理由。 円錐を平面で切ると、切る角度に応じてこの 3 種類の曲線が現れます(Apollonius、紀元前 3 世紀)。
  2. 式としての理由。 2 変数の 2 次方程式の解集合は、退化した場合を除いて、この 3 種類のいずれかです。

この記事は、この 2 つの理由をそれぞれ定理として示します。さらに、焦点という概念が、物理(惑星の軌道、反射鏡)との接点であることを、反射の性質と極方程式で確かめます。道具は 図形と方程式 の直線・円・距離の公式と、平面ベクトルと座標 の内積・行列式・回転です。

定義 2.1(放物線・楕円・双曲線)↗

平面上で次の条件を満たす点 PP の集合を、それぞれ放物線・楕円・双曲線という。

  • 放物線:定点 FF(焦点)と、FF を通らない定直線 ll(準線)に対し、∣PF∣=dist⁡(P,l)|PF|=\operatorname{dist}(P,l)。
  • 楕円:定点 F1,F2F_1,F_2(焦点)と定数 a>0a>0(2a>∣F1F2∣2a>|F_1F_2|)に対し、∣PF1∣+∣PF2∣=2a|PF_1|+|PF_2|=2a。
  • 双曲線:定点 F1,F2F_1,F_2 と定数 a>0a>0(2a<∣F1F2∣2a<|F_1F_2|)に対し、∣∣PF1∣−∣PF2∣∣=2a\bigl||PF_1|-|PF_2|\bigr|=2a。

座標を回転・平行移動しても距離は変わらないので(回転行列の合成(命題 6.3)[平面ベクトルと座標])、楕円・双曲線は F1=(−c,0)F_1=(-c,0)、F2=(c,0)F_2=(c,0)(c>0c>0。楕円では c≥0c\ge0 も許す)、放物線は F=(p,0)F=(p,0)、l:x=−pl:x=-p(p>0p>0)としてよい。以下、e=c/ae=c/a を離心率とよびます。

定理 2.2(標準形と焦点半径)✓

  1. (放物線)F=(p,0)F=(p,0)、l:x=−pl:x=-p のとき、放物線は y2=4pxy^2=4px である。
  2. (楕円)a>c≥0a>c\ge0、b=a2−c2b=\sqrt{a^2-c^2} とすると、楕円は x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 である。このとき点 P=(x,y)P=(x,y) について ∣PF1∣=a+ex|PF_1|=a+ex、∣PF2∣=a−ex|PF_2|=a-ex(e=c/ae=c/a)。
  3. (双曲線)c>a>0c>a>0、b=c2−a2b=\sqrt{c^2-a^2} とすると、双曲線は x2a2−y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 である。このとき、x≥ax\ge a の枝では ∣PF1∣=ex+a|PF_1|=ex+a、∣PF2∣=ex−a|PF_2|=ex-a、x≤−ax\le-a の枝では ∣PF1∣=−(ex+a)|PF_1|=-(ex+a)、∣PF2∣=−(ex−a)|PF_2|=-(ex-a)(e=c/a>1e=c/a>1)。
証明(定理 2.2)

(1) dist⁡(P,l)=∣x+p∣\operatorname{dist}(P,l)=|x+p|(点と直線の距離(定理 2.2)[図形と方程式])。∣PF∣=∣x+p∣|PF|=|x+p| の両辺は 00 以上なので、2 乗した (x−p)2+y2=(x+p)2(x-p)^2+y^2=(x+p)^2 と同値で(実数の計算規則(命題 2.2)[数と式] (6))、これは y2=4pxy^2=4px です。

(2) d1=(x+c)2+y2d_1=\sqrt{(x+c)^2+y^2}、d2=(x−c)2+y2d_2=\sqrt{(x-c)^2+y^2} とおくと d12−d22=4cxd_1^2-d_2^2=4cx。d1+d2=2ad_1+d_2=2a ならば d1−d2=d12−d22d1+d2=2cxad_1-d_2=\dfrac{d_1^2-d_2^2}{d_1+d_2}=\dfrac{2cx}{a} なので d1=a+cxad_1=a+\dfrac{cx}a、d2=a−cxad_2=a-\dfrac{cx}a。d22d_2^2 に代入して (x−c)2+y2=a2−2cx+c2x2a2(x-c)^2+y^2=a^2-2cx+\dfrac{c^2x^2}{a^2}、整理して (a2−c2)x2a2+y2=a2−c2\dfrac{(a^2-c^2)x^2}{a^2}+y^2=a^2-c^2、すなわち x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1。逆に x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 なら ∣x∣≤a|x|\le a で、y2=b2(1−x2a2)y^2=b^2\bigl(1-\tfrac{x^2}{a^2}\bigr) を d22d_2^2 に代入して計算すると d22=(a−cxa)2d_2^2=\bigl(a-\tfrac{cx}a\bigr)^2、a−cxa≥a−c>0a-\tfrac{cx}{a}\ge a-c>0 から d2=a−exd_2=a-ex。同様に d1=a+exd_1=a+ex で d1+d2=2ad_1+d_2=2a です。

(3) 楕円と同じ計算で、∣d1−d2∣=2a\bigl|d_1-d_2\bigr|=2a とすると、d1−d2=±2ad_1-d_2=\pm2a のどちらかで、d1+d2=±2cxad_1+d_2=\pm\dfrac{2cx}a、d1=±(a+ex)d_1=\pm(a+ex)、d2=±(ex−a)d_2=\pm(ex-a)(複号同順)。d22d_2^2 に代入して整理すると (c2−a2)x2a2−y2=c2−a2\dfrac{(c^2-a^2)x^2}{a^2}-y^2=c^2-a^2、すなわち x2a2−y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1。逆に、これが成り立てば ∣x∣≥a|x|\ge a で、y2=b2(x2a2−1)y^2=b^2\bigl(\tfrac{x^2}{a^2}-1\bigr) を d22d_2^2 に代入すると d22=(ex−a)2d_2^2=(ex-a)^2、d12=(ex+a)2d_1^2=(ex+a)^2 となり、x≥ax\ge a では ex−a≥c−a>0ex-a\ge c-a>0 なので d2=ex−ad_2=ex-a、d1=ex+ad_1=ex+a、d1−d2=2ad_1-d_2=2a。x≤−ax\le-a では符号が逆で d2−d1=2ad_2-d_1=2a です。

例 2.3(標準形の数値例)

x225+y29=1\dfrac{x^2}{25}+\dfrac{y^2}9=1 は a=5a=5、b=3b=3、c=25−9=4c=\sqrt{25-9}=4、焦点 (±4,0)(\pm4,0)、e=45e=\tfrac45。x29−y216=1\dfrac{x^2}9-\dfrac{y^2}{16}=1 は a=3a=3、b=4b=4、c=5c=5、焦点 (±5,0)(\pm5,0)、e=53e=\tfrac53。y2=8xy^2=8x は 4p=84p=8、p=2p=2、焦点 (2,0)(2,0)、準線 x=−2x=-2。楕円と双曲線で b2=a2∓c2b^2=a^2\mp c^2 の符号が違う理由は、楕円は 2a>2c2a>2c、双曲線は 2a<2c2a<2c(三角不等式の向き)で、aa と cc の大小が逆になるからです。

3. 焦点と準線による統一・円錐の切り口

Section titled “3. 焦点と準線による統一・円錐の切り口”

定理 3.1(焦点・準線・離心率)✓

焦点 F=(0,0)F=(0,0)、準線 l:x=ql:x=q(q>0q>0)、e>0e>0 に対し、Ce={P∣∣PF∣=edist⁡(P,l)}\mathcal{C}_e=\{P\mid|PF|=e\operatorname{dist}(P,l)\} は次のとおりである。

  1. 0<e<10<e<1:楕円。a=eq1−e2a=\dfrac{eq}{1-e^2}、b=a1−e2b=a\sqrt{1-e^2}、中心 (−ea,0)(-ea,0)、焦点 FF と (−2ea,0)(-2ea,0)。
  2. e=1e=1:放物線 y2=−2q(x−q2)y^2=-2q\bigl(x-\tfrac q2\bigr)(頂点 (q2,0)(\tfrac q2,0)、焦点 FF、準線 ll)。
  3. e>1e>1:双曲線。a=eqe2−1a=\dfrac{eq}{e^2-1}、b=ae2−1b=a\sqrt{e^2-1}、中心 (ea,0)(ea,0)、焦点 FF と (2ea,0)(2ea,0)。

いずれも離心率は c/a=ec/a=e である。逆に、標準形の楕円(c>0c>0 とする。円には準線がない)・双曲線の各焦点 (±c,0)(\pm c,0) に対し、準線 x=±a2cx=\pm\dfrac{a^2}{c} があり、∣PF∣=edist⁡(P,l)|PF|=e\operatorname{dist}(P,l) が成り立つ。

証明(定理 3.1)

dist⁡(P,l)=∣x−q∣\operatorname{dist}(P,l)=|x-q|(点と直線の距離(定理 2.2)[図形と方程式])。∣PF∣=e∣x−q∣|PF|=e|x-q| は 2 乗した x2+y2=e2(x−q)2x^2+y^2=e^2(x-q)^2 と同値で(両辺 00 以上)、整理すると (1−e2)x2+2e2qx+y2=e2q2(1-e^2)x^2+2e^2qx+y^2=e^2q^2。

e<1e<1:x0=e2q1−e2x_0=\dfrac{e^2q}{1-e^2} として (1−e2)(x+x0)2+y2=e2q2+(1−e2)x02=e2q21−e2(1-e^2)(x+x_0)^2+y^2=e^2q^2+(1-e^2)x_0^2=\dfrac{e^2q^2}{1-e^2}。両辺を割ると (x+x0)2a2+y2b2=1\dfrac{(x+x_0)^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1、a2=e2q2(1−e2)2a^2=\dfrac{e^2q^2}{(1-e^2)^2}、b2=e2q21−e2=a2(1−e2)b^2=\dfrac{e^2q^2}{1-e^2}=a^2(1-e^2)、x0=eax_0=ea。標準形の楕円(定理 2.2 (2))を (−ea,0)(-ea,0) だけ平行移動したもので、c=a2−b2=eac=\sqrt{a^2-b^2}=ea なので焦点は (−ea±ea,0)(-ea\pm ea,0)、すなわち F=(0,0)F=(0,0) と (−2ea,0)(-2ea,0)。

e=1e=1:2qx+y2=q22qx+y^2=q^2 より y2=−2q(x−q2)y^2=-2q(x-\tfrac q2)。これは標準形 y2=4pXy^2=4pX(X=−(x−q2)X=-(x-\tfrac q2)、p=q2p=\tfrac q2)で、焦点は X=pX=p、すなわち x=0x=0、準線は X=−pX=-p、すなわち x=qx=q。

e>1e>1:x1=e2qe2−1x_1=\dfrac{e^2q}{e^2-1} として (e2−1)(x−x1)2−y2=(e2−1)x12−e2q2=e2q2e2−1(e^2-1)(x-x_1)^2-y^2=(e^2-1)x_1^2-e^2q^2=\dfrac{e^2q^2}{e^2-1}。a2=e2q2(e2−1)2a^2=\dfrac{e^2q^2}{(e^2-1)^2}、b2=a2(e2−1)b^2=a^2(e^2-1)、x1=eax_1=ea。標準形の双曲線(定理 2.2 (3))で、c=a2+b2=eac=\sqrt{a^2+b^2}=ea、焦点は (ea±ea,0)(ea\pm ea,0) です。

逆。 標準形の楕円で焦点 F2=(c,0)F_2=(c,0) に準線 x=a2/cx=a^2/c を考えると、定理 2.2 (2) の焦点半径 ∣PF2∣=a−ex|PF_2|=a-ex と dist⁡(P,l)=a2c−x=ae−x\operatorname{dist}(P,l)=\dfrac{a^2}c-x=\dfrac{a}{e}-x(x≤a<a/ex\le a<a/e)から ∣PF2∣=edist⁡(P,l)|PF_2|=e\operatorname{dist}(P,l)。双曲線も同様です。

ここでの目標は、「平面を傾けると切り口が楕円から放物線、双曲線へと変わる」ことを式で確かめることです。方針は、切る平面の上に長さ 1 の直交する 2 本の軸で座標を入れ、円錐の式を代入して 2 次式の形を見ることです。最後の 2 次式の u2u^2 の係数 κ\kappa の符号(正・零・負)が、楕円・放物線・双曲線に対応します。

直円錐を座標で表し、平面で切ります。円錐 K:x2+y2=k2z2\mathcal{K}:x^2+y^2=k^2z^2(k>0k>0、頂点 OO、軸は zz 軸、母線の傾き z/x=1/kz/x=1/k)は、zz 軸まわりの回転で不変です。平面は、頂点を通らないものを考えます。

定理 3.2(円錐の切り口)✓

OO を通らない平面 π\pi が K\mathcal{K} と交わってできる切り口は、平面上の直交座標で次の曲線である。zz 軸まわりの回転と鏡映で、π\pi は x=cx=c(c≠0c\ne0)または z=λx+μz=\lambda x+\mu(μ≠0\mu\ne0、λ≥0\lambda\ge0)の形としてよい。

  1. π:x=c\pi:x=c(zz 軸に平行):双曲線。
  2. π:z=λx+μ\pi:z=\lambda x+\mu:λ<1k\lambda<\dfrac1k のとき楕円(λ=0\lambda=0、すなわち軸に垂直なら円)、λ=1k\lambda=\dfrac1k のとき放物線、λ>1k\lambda>\dfrac1k のとき双曲線。

すなわち、平面の傾き λ\lambda が母線の傾き 1/k1/k より小さいと楕円、等しい(母線に平行)と放物線、大きいと双曲線である。

証明(定理 3.2)

zz 軸まわりの回転と鏡映 x↦−xx\mapsto-x は x2+y2x^2+y^2 と zz を変えず、距離も保つので、π\pi の法線ベクトルが xzxz 平面内にあるとしてよい。π\pi が zz 軸に平行なら x=cx=c(c≠0c\ne0 は O∉πO\notin\pi から)。そうでなければ z=λx+μz=\lambda x+\mu(λ≥0\lambda\ge0 は鏡映で)で、μ≠0\mu\ne0 は O∉πO\notin\pi から。

(1) x=cx=c を代入して c2+y2=k2z2c^2+y^2=k^2z^2、すなわち z2(c/k)2−y2c2=1\dfrac{z^2}{(c/k)^2}-\dfrac{y^2}{c^2}=1。π\pi 上の直交座標 (y,z)(y,z) で標準形の双曲線です。

(2) s=1+λ2s=\sqrt{1+\lambda^2} とし、π\pi 上の直交座標 (u,v)(u,v) を、点 (us, v, μ+λus)\Bigl(\dfrac us,\ v,\ \mu+\dfrac{\lambda u}s\Bigr)(長さ 1 の直交する 2 本の方向ベクトル (1,0,λ)/s(1,0,\lambda)/s、(0,1,0)(0,1,0) による)で入れる。K\mathcal{K} の式は u2s2+v2=k2(μ+λus)2\dfrac{u^2}{s^2}+v^2=k^2\bigl(\mu+\dfrac{\lambda u}s\bigr)^2、s2s^2 をかけて

κu2−2k2λμs u+s2v2=k2μ2s2,κ=1−k2λ2.\kappa u^2-2k^2\lambda\mu s\,u+s^2v^2=k^2\mu^2s^2,\qquad \kappa=1-k^2\lambda^2.

κ>0\kappa>0(λ<1/k\lambda<1/k):平方完成して κ(u−u0)2+s2v2=R\kappa(u-u_0)^2+s^2v^2=R、u0=k2λμsκu_0=\dfrac{k^2\lambda\mu s}{\kappa}、R=k2μ2s2+κu02>0R=k^2\mu^2s^2+\kappa u_0^2>0。楕円。λ=0\lambda=0 なら u2+s2v2=k2μ2u^2+s^2v^2=k^2\mu^2 で s=1s=1 の円。κ=0\kappa=0(λ=1/k>0\lambda=1/k>0):s2v2=2k2λμs u+k2μ2s2s^2v^2=2k^2\lambda\mu s\,u+k^2\mu^2s^2、uu の 1 次式で、v2=α(u−u1)v^2=\alpha(u-u_1)(α=2k2λμs≠0\alpha=\dfrac{2k^2\lambda\mu}{s}\ne0)の放物線。κ<0\kappa<0:E=−κ>0E=-\kappa>0 として s2v2−E(u+k2λμsE)2=k2μ2s2−k4λ2μ2s2E=−k2μ2s2Es^2v^2-E(u+\tfrac{k^2\lambda\mu s}{E})^2=k^2\mu^2s^2-\dfrac{k^4\lambda^2\mu^2s^2}{E}=-\dfrac{k^2\mu^2s^2}{E}(E−k2λ2=−1E-k^2\lambda^2=-1 を使う)なので E(u−u0′)2−s2v2=k2μ2s2E>0E(u-u_0')^2-s^2v^2=\dfrac{k^2\mu^2s^2}E>0。双曲線です。

注意 3.3

円錐と平面の両方に接する球(Dandelin 球)を使うと、切り口が楕円のとき球と平面の接点が焦点、球と円錐の接円を含む平面と π\pi の交線が準線であることが、立体の図形から幾何学的にわかります(Hilbert–Cohn-Vossen, Geometry and the Imagination)。この記事は座標で計算したので、この説明は使いません。

この節では、まず 2 次曲線の接線を「直線と曲線の交点の式が重解をもつ」こととして定め、次に各曲線の接線の方程式を求めます。そのうえで、焦点から出た光が接線で反射する向きを内積で計算します。高校で習った円の接線と同じ考え方を、そのまま 2 次曲線に広げたものです。

曲線 Φ(x,y)=0\Phi(x,y)=0(Φ\Phi は 2 次式)上の点 TT を通る直線 T+τdT+\tau\boldsymbol d を考えると、Φ(T+τd)=Aτ2+Bτ\Phi(T+\tau\boldsymbol d)=A\tau^2+B\tau(Φ(T)=0\Phi(T)=0 より定数項は 00)の形で、τ=0\tau=0 が解です。

定義 4.1(2 次曲線の接線)↗

TT を通る直線が TT で接するとは、B=0B=0(τ=0\tau=0 が重解)となることをいう。標準形の曲線では、B=0B=0 は方向 d\boldsymbol d が 0 でないあるベクトル n\boldsymbol n(下の命題)に垂直という条件で、接線は各点でちょうど 1 本である。円 x2+y2=r2x^2+y^2=r^2 では B=2T⋅dB=2T\cdot\boldsymbol d で、円の接線(命題 3.3)[図形と方程式] と一致する。

命題 4.2(接線の方程式)✓

曲線上の点を T=(x0,y0)T=(x_0,y_0) とすると、TT における接線は次のとおりである。

  • 楕円 x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1:x0xa2+y0yb2=1\dfrac{x_0x}{a^2}+\dfrac{y_0y}{b^2}=1。
  • 双曲線 x2a2−y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1:x0xa2−y0yb2=1\dfrac{x_0x}{a^2}-\dfrac{y_0y}{b^2}=1。
  • 放物線 y2=4pxy^2=4px:y0y=2p(x+x0)y_0y=2p(x+x_0)。
証明(命題 4.2)

楕円:Φ=x2a2+y2b2−1\Phi=\tfrac{x^2}{a^2}+\tfrac{y^2}{b^2}-1 に T+τdT+\tau\boldsymbol d を代入すると、Φ(T)=0\Phi(T)=0 から 2τ(x0d1a2+y0d2b2)+τ2(d12a2+d22b2)2\tau\bigl(\tfrac{x_0d_1}{a^2}+\tfrac{y_0d_2}{b^2}\bigr)+\tau^2\bigl(\tfrac{d_1^2}{a^2}+\tfrac{d_2^2}{b^2}\bigr)。B=0B=0 は d⊥n=(x0a2,y0b2)\boldsymbol d\perp\boldsymbol n=\bigl(\tfrac{x_0}{a^2},\tfrac{y_0}{b^2}\bigr)(n≠0\boldsymbol n\ne\boldsymbol0)で、直線は n⋅(X−T)=0\boldsymbol n\cdot(X-T)=0、n⋅T=1\boldsymbol n\cdot T=1 から x0xa2+y0yb2=1\tfrac{x_0x}{a^2}+\tfrac{y_0y}{b^2}=1。双曲線は B=2(x0d1a2−y0d2b2)B=2\bigl(\tfrac{x_0d_1}{a^2}-\tfrac{y_0d_2}{b^2}\bigr) で、同様に n=(x0a2,−y0b2)\boldsymbol n=\bigl(\tfrac{x_0}{a^2},-\tfrac{y_0}{b^2}\bigr)。放物線は Φ=y2−4px\Phi=y^2-4px、B=2y0d2−4pd1B=2y_0d_2-4pd_1 で、d⊥n=(2p,−y0)\boldsymbol d\perp\boldsymbol n=(2p,-y_0)、直線 2p(x−x0)−y0(y−y0)=02p(x-x_0)-y_0(y-y_0)=0 は y02=4px0y_0^2=4px_0 を使って y0y=2p(x+x0)y_0y=2p(x+x_0) です。

定理 4.3(反射の性質)✓

曲線上の点 PP における接線の単位法線ベクトルを ν\boldsymbol\nu、単位接線ベクトルを t\boldsymbol t とし、ui=Fi−P∣Fi−P∣\boldsymbol u_i=\dfrac{F_i-P}{|F_i-P|} とする。

  1. (楕円)焦点 F1,F2F_1,F_2 について、u1⋅ν=u2⋅ν\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\nu=\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\nu、u1⋅t=−u2⋅t\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol t=-\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol t。すなわち F1F_1 から出て PP で反射する光線は F2F_2 へ向かう(入射角 = 反射角)。
  2. (双曲線、右の枝)u1⋅ν=−u2⋅ν\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\nu=-\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\nu、u1⋅t=u2⋅t\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol t=\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol t。すなわち接線は ∠F1PF2\angle F_1PF_2 を 2 等分する。
  3. (放物線 y2=4pxy^2=4px、焦点 F=(p,0)F=(p,0))軸方向の単位ベクトル e=(1,0)\boldsymbol e=(1,0) について u⋅ν=e⋅ν\boldsymbol u\cdot\boldsymbol\nu=\boldsymbol e\cdot\boldsymbol\nu、u⋅t=−e⋅t\boldsymbol u\cdot\boldsymbol t=-\boldsymbol e\cdot\boldsymbol t。すなわち焦点から出た光線は PP で反射して軸に平行に進む。
証明(定理 4.3)

(1) P=(x0,y0)P=(x_0,y_0) とし、n=(x0a2,y0b2)\boldsymbol n=\bigl(\tfrac{x_0}{a^2},\tfrac{y_0}{b^2}\bigr)、τ=(−y0b2,x0a2)\boldsymbol\tau=\bigl(-\tfrac{y_0}{b^2},\tfrac{x_0}{a^2}\bigr)(n\boldsymbol n を 90∘90^\circ 回転したもので ∣τ∣=∣n∣|\boldsymbol\tau|=|\boldsymbol n|)、ν=n/∣n∣\boldsymbol\nu=\boldsymbol n/|\boldsymbol n|、t=τ/∣n∣\boldsymbol t=\boldsymbol\tau/|\boldsymbol n| とする。接線は n⋅X=1\boldsymbol n\cdot X=1 なので n⋅(Fi−P)=n⋅Fi−1\boldsymbol n\cdot(F_i-P)=\boldsymbol n\cdot F_i-1。F1,2=(∓c,0)F_{1,2}=(\mp c,0) から n⋅F1−1=−cx0a2−1=−a+ex0a=−∣PF1∣a\boldsymbol n\cdot F_1-1=-\tfrac{cx_0}{a^2}-1=-\tfrac{a+ex_0}{a}=-\tfrac{|PF_1|}{a}、同様に n⋅F2−1=−a−ex0a=−∣PF2∣a\boldsymbol n\cdot F_2-1=-\tfrac{a-ex_0}a=-\tfrac{|PF_2|}{a}(定理 2.2 (2) の焦点半径)。したがって ui⋅n=−1a\boldsymbol u_i\cdot\boldsymbol n=-\tfrac1a(i=1,2i=1,2)で、u1⋅ν=u2⋅ν\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\nu=\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\nu。接線方向は、(F1−P)⋅τ=((−c−x0),−y0)⋅(−y0b2,x0a2)=y0[c+x0b2−x0a2]=y0cab2(a+ex0)(F_1-P)\cdot\boldsymbol\tau=\bigl((-c-x_0),-y_0\bigr)\cdot\bigl(-\tfrac{y_0}{b^2},\tfrac{x_0}{a^2}\bigr)=y_0\Bigl[\tfrac{c+x_0}{b^2}-\tfrac{x_0}{a^2}\Bigr]=\tfrac{y_0c}{ab^2}(a+ex_0)(a2−b2=c2a^2-b^2=c^2 を使う)で、(F2−P)⋅τ=−y0[c−x0b2+x0a2]=−y0cab2(a−ex0)(F_2-P)\cdot\boldsymbol\tau=-y_0\Bigl[\tfrac{c-x_0}{b^2}+\tfrac{x_0}{a^2}\Bigr]=-\tfrac{y_0c}{ab^2}(a-ex_0)。よって u1⋅τ=y0cab2=−u2⋅τ\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\tau=\tfrac{y_0c}{ab^2}=-\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\tau で、t=τ/∣n∣\boldsymbol t=\boldsymbol\tau/|\boldsymbol n| についても同じ関係です。光線の反射とは、接線方向の成分を保ち法線方向の成分の符号を反転することです。F1F_1 から PP に向かう入射方向は −u1-\boldsymbol u_1 で、反射した方向は (−u1⋅t)t+(u1⋅ν)ν=(u2⋅t)t+(u2⋅ν)ν=u2(-\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol t)\boldsymbol t+(\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\nu)\boldsymbol\nu=(\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol t)\boldsymbol t+(\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\nu)\boldsymbol\nu=\boldsymbol u_2(t,ν\boldsymbol t,\boldsymbol\nu は正規直交基底)。すなわち F2F_2 へ向かいます。

(2) n=(x0a2,−y0b2)\boldsymbol n=\bigl(\tfrac{x_0}{a^2},-\tfrac{y_0}{b^2}\bigr)、τ=(y0b2,x0a2)\boldsymbol\tau=\bigl(\tfrac{y_0}{b^2},\tfrac{x_0}{a^2}\bigr)。右の枝(x0≥ax_0\ge a)では ∣PF1∣=ex0+a|PF_1|=ex_0+a、∣PF2∣=ex0−a|PF_2|=ex_0-a。n⋅F1−1=−cx0a2−1=−∣PF1∣a\boldsymbol n\cdot F_1-1=-\tfrac{cx_0}{a^2}-1=-\tfrac{|PF_1|}a、n⋅F2−1=cx0a2−1=∣PF2∣a\boldsymbol n\cdot F_2-1=\tfrac{cx_0}{a^2}-1=\tfrac{|PF_2|}a から u1⋅n=−1a=−u2⋅n\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol n=-\tfrac1a=-\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol n。接線方向は (F1−P)⋅τ=−y0cab2∣PF1∣(F_1-P)\cdot\boldsymbol\tau=-\tfrac{y_0c}{ab^2}|PF_1|、(F2−P)⋅τ=−y0cab2∣PF2∣(F_2-P)\cdot\boldsymbol\tau=-\tfrac{y_0c}{ab^2}|PF_2|(b2=c2−a2b^2=c^2-a^2 を使う)なので u1⋅τ=u2⋅τ\boldsymbol u_1\cdot\boldsymbol\tau=\boldsymbol u_2\cdot\boldsymbol\tau。

(3) P=(x0,y0)P=(x_0,y_0)、n=(2p,−y0)\boldsymbol n=(2p,-y_0)(命題 4.2)、τ=(y0,2p)\boldsymbol\tau=(y_0,2p)、∣PF∣=x0+p|PF|=x_0+p(定理 2.2 (1) の定義)。(F−P)⋅n=2p(p−x0)+y02=2p(p+x0)(F-P)\cdot\boldsymbol n=2p(p-x_0)+y_0^2=2p(p+x_0) なので u⋅n=2p=e⋅n\boldsymbol u\cdot\boldsymbol n=2p=\boldsymbol e\cdot\boldsymbol n。(F−P)⋅τ=(p−x0)y0−2py0=−y0(p+x0)(F-P)\cdot\boldsymbol\tau=(p-x_0)y_0-2py_0=-y_0(p+x_0) なので u⋅τ=−y0=−e⋅τ\boldsymbol u\cdot\boldsymbol\tau=-y_0=-\boldsymbol e\cdot\boldsymbol\tau。∣n∣=∣τ∣|\boldsymbol n|=|\boldsymbol\tau| で割れば単位ベクトルの主張です。入射方向 −u-\boldsymbol u の反射方向は、(1) と同じく (−u⋅t)t+(u⋅ν)ν=(e⋅t)t+(e⋅ν)ν=e(-\boldsymbol u\cdot\boldsymbol t)\boldsymbol t+(\boldsymbol u\cdot\boldsymbol\nu)\boldsymbol\nu=(\boldsymbol e\cdot\boldsymbol t)\boldsymbol t+(\boldsymbol e\cdot\boldsymbol\nu)\boldsymbol\nu=\boldsymbol e で、軸に平行(xx 軸の正の向き)です。

F₁F₂P
楕円の反射の性質:焦点 F₁ を出た光線は P で反射して F₂ へ向かう。実線は接線

次の命題で使う cosh⁡t\cosh t、sinh⁡t\sinh t は双曲線関数とよばれ、cos⁡t\cos t、sin⁡t\sin t が単位円 X2+Y2=1X^2+Y^2=1 を表すのと同じように、cosh⁡t\cosh t、sinh⁡t\sinh t は双曲線 X2−Y2=1X^2-Y^2=1 の右半分(X>0X>0)を表します。つまり楕円には三角関数、双曲線には双曲線関数、というそれぞれの媒介変数を当てはめる、という対応です。

命題 5.1(媒介変数表示)✓

  1. 楕円 x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 の点は、(acos⁡θ, bsin⁡θ)(a\cos\theta,\ b\sin\theta)(0≤θ<2π0\le\theta<2\pi)の形にただ 1 通りに書ける。
  2. 双曲線 x2a2−y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 の右の枝(x>0x>0)の点は、(acosh⁡t, bsinh⁡t)(a\cosh t,\ b\sinh t)(t∈Rt\in\mathbb{R})の形にただ 1 通りに書け、左の枝は (−acosh⁡t, bsinh⁡t)(-a\cosh t,\ b\sinh t)。
  3. 放物線 y2=4pxy^2=4px の点は、(pt2, 2pt)(pt^2,\ 2pt)(t∈Rt\in\mathbb{R})の形にただ 1 通りに書ける。
証明(命題 5.1)

(1) (x/a,y/b)(x/a,y/b) は単位円周上の点で、単位円の媒介変数表示(定理 7.4)[指数・対数・三角関数をきちんと定義する] により (cos⁡θ,sin⁡θ)(\cos\theta,\sin\theta)、θ∈[0,2π)\theta\in[0,2\pi) とただ 1 通りに書けます。(2) (x/a,y/b)(x/a,y/b) は X2−Y2=1X^2-Y^2=1 の点で、X>0X>0 なら 双曲線関数の恒等式と媒介変数表示(命題 11.2)[指数・対数・三角関数をきちんと定義する] (4) により (cosh⁡t,sinh⁡t)(\cosh t,\sinh t) とただ 1 通りに書けます。X<0X<0 は x↦−xx\mapsto-x の対称移動です。(3) t=y/(2p)t=y/(2p) とすると x=y2/(4p)=pt2x=y^2/(4p)=pt^2 で、t↦(pt2,2pt)t\mapsto(pt^2,2pt) は全単射です。

定理 5.2(焦点を原点とする極方程式)✓

焦点 F=(0,0)F=(0,0)、準線 x=qx=q(q>0q>0)、e>0e>0 の Ce\mathcal{C}_e(定理 3.1)について、l=eql=eq(半直弦)とおく。極座標 P=(rcos⁡θ, rsin⁡θ)P=(r\cos\theta,\ r\sin\theta)(r>0r>0)の点で

r=l1+ecos⁡θ(1+ecos⁡θ>0)r=\frac{l}{1+e\cos\theta}\qquad(1+e\cos\theta>0)

を満たすものの全体は、Ce\mathcal{C}_e のうち準線より左側(x<qx<q)にある部分である。e<1e<1 のとき Ce\mathcal{C}_e はすべて x<qx<q にあるので、この式が楕円全体を表す。楕円では rr の最小値は l1+e=a(1−e)\dfrac{l}{1+e}=a(1-e)(θ=0\theta=0)、最大値は l1−e=a(1+e)\dfrac{l}{1-e}=a(1+e)(θ=π\theta=\pi)で、l=b2al=\dfrac{b^2}{a} である。

証明(定理 5.2)

準線 x=qx=q を ℓ\ell と書く(ll は半直弦の記号に使う)。x<qx<q の点では dist⁡(P,ℓ)=q−x=q−rcos⁡θ\operatorname{dist}(P,\ell)=q-x=q-r\cos\theta。したがって ∣PF∣=edist⁡(P,ℓ)|PF|=e\operatorname{dist}(P,\ell)、すなわち r=e(q−rcos⁡θ)r=e(q-r\cos\theta) は r(1+ecos⁡θ)=eq=lr(1+e\cos\theta)=eq=l と同値です。逆に r>0r>0、r(1+ecos⁡θ)=lr(1+e\cos\theta)=l なら q−rcos⁡θ=r/e>0q-r\cos\theta=r/e>0 で x<qx<q です。e<1e<1 のとき、x≥qx\ge q の点は Ce\mathcal{C}_e にありません:x≥q>0x\ge q>0 なら ∣PF∣≥x>x−q≥e(x−q)=edist⁡(P,ℓ)|PF|\ge x>x-q\ge e(x-q)=e\operatorname{dist}(P,\ell)(x−q≥0x-q\ge0 と e<1e<1 から)。最小値・最大値は分母の最大・最小で、θ=0\theta=0 で cos⁡=1\cos=1、θ=π\theta=\pi で cos⁡=−1\cos=-1。l=eq=e⋅a(1−e2)e=a(1−e2)=b2al=eq=e\cdot\dfrac{a(1-e^2)}{e}=a(1-e^2)=\dfrac{b^2}a(定理 3.1 の aa と b2=a2(1−e2)b^2=a^2(1-e^2))です。

太陽を焦点とする惑星の軌道は、e<1e<1 ならこの式で表される楕円です(Kepler の第 1 法則)。e=1e=1 は放物線軌道、e>1e>1 は双曲線軌道(彗星など)です。軌道がなぜ 2 次曲線になるかは、力学(mechanics)の Kepler 問題で、中心力の下の運動方程式から導かれます。

極方程式で表される曲線:心臓形 r = a(1 + cos θ)、アルキメデスの螺旋 r = aθ、バラ曲線 r = a cos 2θ

例 5.3(いろいろな極方程式)

心臓形 r=a(1+cos⁡θ)r=a(1+\cos\theta):両辺に rr をかけて r2−ar=axr^2-ar=ax(rcos⁡θ=xr\cos\theta=x)、したがって (x2+y2−ax)2=a2(x2+y2)(x^2+y^2-ax)^2=a^2(x^2+y^2) を満たします。アルキメデスの螺旋 r=aθr=a\theta は、θ\theta が増える(半径が角に比例して増える)一定の幅の渦巻きです。バラ曲線 r=acos⁡2θr=a\cos2\theta は花びらが 4 枚、r=acos⁡3θr=a\cos3\theta は 3 枚です。レムニスケート r2=a2cos⁡2θr^2=a^2\cos2\theta は (x2+y2)2=a2(x2−y2)(x^2+y^2)^2=a^2(x^2-y^2) で、横向きの「8 の字」です。対数螺旋 r=aebθr=ae^{b\theta} は、動径と接線のなす角が一定です。これらは x,yx,y の代数方程式にもなりますが、極座標のほうが簡潔です。

ここでの考え方は、xyxy の項を含む一般の 2 次式を、座標軸を回して x′2x'^2 と y′2y'^2 だけの形に直し、あとは平方完成で標準形に持ち込むことです。座標軸を回す部分には、2 次形式の対角化(線形代数)を使います。証明を追うには線形代数の知識が要りますが、結論の判別式 Δ=B2−4AC\Delta=B^2-4AC の符号による分類だけでも、例(次の例)で使えます。

定理 6.1(2 次曲線の分類)✓

実数 A,B,C,D,E,FA,B,C,D,E,F((A,B,C)≠(0,0,0)(A,B,C)\ne(0,0,0))に対し、Γ={(x,y)∣Ax2+Bxy+Cy2+Dx+Ey+F=0}\Gamma=\{(x,y)\mid Ax^2+Bxy+Cy^2+Dx+Ey+F=0\}、Δ=B2−4AC\Delta=B^2-4AC とする。座標軸を(直交座標変換と平行移動で)適切にとり直すと、Γ\Gamma は次のいずれかである。

  • Δ<0\Delta<0:楕円(円を含む)、1 点、空集合のいずれか。
  • Δ>0\Delta>0:双曲線、または交わる 2 直線。
  • Δ=0\Delta=0:放物線、平行な 2 直線、1 本の直線、空集合のいずれか。
証明(定理 6.1)

2 次の部分は xTQx\boldsymbol x^{\mathsf T}Q\boldsymbol x、Q=(AB/2B/2C)Q=\begin{pmatrix}A&B/2\\B/2&C\end{pmatrix}(2 次形式(定義 6.1)[スペクトル定理])で、Q≠0Q\ne0 は実対称行列です。実対称行列の直交対角化(系 4.3)[スペクトル定理] により、直交行列 PP で PTQP=diag⁡(λ1,λ2)P^{\mathsf T}QP=\operatorname{diag}(\lambda_1,\lambda_2) となるものがあります。座標を x=Px′\boldsymbol x=P\boldsymbol x' に取りかえる(長さを保つ)と、方程式は

λ1x′2+λ2y′2+D′x′+E′y′+F=0\lambda_1x'^2+\lambda_2y'^2+D'x'+E'y'+F=0

の形です。det⁡P=±1\det P=\pm1(行列式の積(定理 6.1)[行列式とその性質] と PTP=IP^{\mathsf T}P=I)なので λ1λ2=det⁡Q=4AC−B24=−Δ4\lambda_1\lambda_2=\det Q=\dfrac{4AC-B^2}{4}=-\dfrac\Delta4、また Q≠0Q\ne0 なので λ1,λ2\lambda_1,\lambda_2 は両方 00 ではありません。

Δ<0\Delta<0(λ1λ2>0\lambda_1\lambda_2>0)。 平方完成して λ1X2+λ2Y2=G\lambda_1X^2+\lambda_2Y^2=G(X=x′+D′2λ1X=x'+\tfrac{D'}{2\lambda_1}、Y=y′+E′2λ2Y=y'+\tfrac{E'}{2\lambda_2})。両方負なら −1-1 倍して λi>0\lambda_i>0 としてよい。G>0G>0 なら X2G/λ1+Y2G/λ2=1\dfrac{X^2}{G/\lambda_1}+\dfrac{Y^2}{G/\lambda_2}=1 で楕円(定理 2.2 (2)。長軸が YY 方向なら X,YX,Y を入れ替える)、G=0G=0 なら 1 点 X=Y=0X=Y=0、G<0G<0 なら空集合。

Δ>0\Delta>0(λ1λ2<0\lambda_1\lambda_2<0)。 同じく λ1X2+λ2Y2=G\lambda_1X^2+\lambda_2Y^2=G で、λ1>0>λ2\lambda_1>0>\lambda_2 としてよい。G>0G>0 なら X2G/λ1−Y2G/∣λ2∣=1\dfrac{X^2}{G/\lambda_1}-\dfrac{Y^2}{G/|\lambda_2|}=1、G<0G<0 なら Y2∣G∣/∣λ2∣−X2∣G∣/λ1=1\dfrac{Y^2}{|G|/|\lambda_2|}-\dfrac{X^2}{|G|/\lambda_1}=1 で、いずれも標準形の双曲線(後者は X,YX,Y を入れ替える)、G=0G=0 なら λ1X2=∣λ2∣Y2\lambda_1X^2=|\lambda_2|Y^2 で原点で交わる 2 直線 Y=±λ1/∣λ2∣ XY=\pm\sqrt{\lambda_1/|\lambda_2|}\,X。

Δ=0\Delta=0。 λ1λ2=0\lambda_1\lambda_2=0 で一方だけが 00 なので、λ2=0\lambda_2=0、λ1≠0\lambda_1\ne0 としてよい(入れ替える)。方程式は λ1x′2+D′x′+E′y′+F=0\lambda_1x'^2+D'x'+E'y'+F=0、平方完成して λ1X2+E′y′+F′=0\lambda_1X^2+E'y'+F'=0(X=x′+D′2λ1X=x'+\tfrac{D'}{2\lambda_1}、F′=F−D′24λ1F'=F-\tfrac{D'^2}{4\lambda_1})。E′≠0E'\ne0 なら Y=y′+F′/E′Y=y'+F'/E' として X2=−E′λ1YX^2=-\dfrac{E'}{\lambda_1}Y、これは X2=4p′YX^2=4p'Y(p′=−E′4λ1≠0p'=-\tfrac{E'}{4\lambda_1}\ne0)の放物線(定理 2.2 (1) の xx と yy を入れ替え、必要なら鏡映で p′>0p'>0 とする)。E′=0E'=0 なら X2=−F′/λ1X^2=-F'/\lambda_1 で、−F′/λ1>0-F'/\lambda_1>0 なら平行な 2 直線 X=±⋅X=\pm\sqrt{\cdot}、=0=0 なら 1 本の直線 X=0X=0、<0<0 なら空集合です。

例 6.2(判別式による分類の例)

5x2−6xy+5y2=85x^2-6xy+5y^2=8:Δ=36−100<0\Delta=36-100<0。Q=(5−3−35)Q=\begin{pmatrix}5&-3\\-3&5\end{pmatrix} の固有値は λ2−10λ+16=0\lambda^2-10\lambda+16=0 から 2,82,8(固有ベクトル (1,1)/2(1,1)/\sqrt2、(1,−1)/2(1,-1)/\sqrt2)、X=x−y2X=\tfrac{x-y}{\sqrt2}、Y=x+y2Y=\tfrac{x+y}{\sqrt2} で 8X2+2Y2=88X^2+2Y^2=8、すなわち X2+Y24=1X^2+\dfrac{Y^2}{4}=1 の楕円(半軸 11 と 22、長軸は直線 y=xy=x の方向)。x2−4xy+4y2−6x+12y+8=0x^2-4xy+4y^2-6x+12y+8=0:Δ=16−16=0\Delta=16-16=0、u=x−2yu=x-2y とすると u2−6u+8=(u−2)(u−4)=0u^2-6u+8=(u-2)(u-4)=0 で、平行な 2 直線 x−2y=2x-2y=2、x−2y=4x-2y=4 です。

この節の後半は、楕円に内接する三角形の面積の最大値を求める問題です。楕円は円を縦横に伸ばしたものなので、面積が一定倍されることを使って円の場合に帰着させ、円の場合は正三角形が最大になることを三角関数の不等式で示します。

定理 7.1(共役直径(Apollonius の定理))✓

楕円 E:x2a2+y2b2=1\mathcal{E}:\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 と方向ベクトル d≠0\boldsymbol d\ne\boldsymbol 0 について、次が成り立つ。

  1. d\boldsymbol d に平行な弦の中点は、すべて原点を通る直線 d1xa2+d2yb2=0\dfrac{d_1x}{a^2}+\dfrac{d_2y}{b^2}=0 上にある。
  2. P=(acos⁡θ, bsin⁡θ)P=(a\cos\theta,\ b\sin\theta) における接線は dP=(−asin⁡θ, bcos⁡θ)\boldsymbol d_P=(-a\sin\theta,\ b\cos\theta) に平行で、Q=(−asin⁡θ, bcos⁡θ)Q=(-a\sin\theta,\ b\cos\theta) も楕円上の点である。dP\boldsymbol d_P に平行な弦の中点の軌跡は直線 OPOP 上にある(OPOP と OQOQ を共役な半径という)。
  3. ∣OP∣2+∣OQ∣2=a2+b2|OP|^2+|OQ|^2=a^2+b^2、 ∣det⁡(OP→,OQ→)∣=ab\ |\det(\overrightarrow{OP},\overrightarrow{OQ})|=ab。すなわち、共役な半径の 2 乗の和と、それらが作る平行四辺形の面積は、θ\theta によらない。
証明(定理 7.1)

(1) 弦の中点を MM、Φ=x2a2+y2b2−1\Phi=\tfrac{x^2}{a^2}+\tfrac{y^2}{b^2}-1 として、M+τdM+\tau\boldsymbol d を Φ=0\Phi=0 に代入すると τ2(d12a2+d22b2)+2τ(M1d1a2+M2d2b2)+Φ(M)=0\tau^2\Bigl(\tfrac{d_1^2}{a^2}+\tfrac{d_2^2}{b^2}\Bigr)+2\tau\Bigl(\tfrac{M_1d_1}{a^2}+\tfrac{M_2d_2}{b^2}\Bigr)+\Phi(M)=0。弦の両端に対応する 2 解は MM が中点なので和が 00(τ=±τ0\tau=\pm\tau_0)で、1 次の係数が 00 です。

(2) 命題 4.2 の法線ベクトルは n=(cos⁡θa,sin⁡θb)\boldsymbol n=\bigl(\tfrac{\cos\theta}{a},\tfrac{\sin\theta}{b}\bigr) で、これに垂直な方向は (−sin⁡θb,cos⁡θa)(-\tfrac{\sin\theta}{b},\tfrac{\cos\theta}{a})、abab 倍して dP\boldsymbol d_P。QQ は cos⁡2+sin⁡2=1\cos^2+\sin^2=1 から楕円上にある。(1) で d=dP\boldsymbol d=\boldsymbol d_P とすると、中点の軌跡の直線は −sin⁡θax+cos⁡θby=0-\tfrac{\sin\theta}{a}x+\tfrac{\cos\theta}{b}y=0 で、P=(acos⁡θ,bsin⁡θ)P=(a\cos\theta,b\sin\theta) を代入すると −sin⁡θcos⁡θ+cos⁡θsin⁡θ=0-\sin\theta\cos\theta+\cos\theta\sin\theta=0 なので OPOP 上の直線です。

(3) ∣OP∣2+∣OQ∣2=a2(cos⁡2θ+sin⁡2θ)+b2(sin⁡2θ+cos⁡2θ)=a2+b2|OP|^2+|OQ|^2=a^2(\cos^2\theta+\sin^2\theta)+b^2(\sin^2\theta+\cos^2\theta)=a^2+b^2。det⁡(OP→,OQ→)=acos⁡θ⋅bcos⁡θ−bsin⁡θ⋅(−asin⁡θ)=ab\det(\overrightarrow{OP},\overrightarrow{OQ})=a\cos\theta\cdot b\cos\theta-b\sin\theta\cdot(-a\sin\theta)=ab です。

定理 7.2(楕円に内接する三角形の最大面積)✓

楕円 x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 上の 3 点を頂点とする三角形の面積は 334ab\dfrac{3\sqrt3}{4}ab 以下で、単位円に内接する正三角形の頂点を (x,y)↦(ax,by)(x,y)\mapsto(ax,by) で写した 3 点を頂点とする三角形で等号が成り立つ。

証明(定理 7.2)

円への帰着。 線形写像 L(x,y)=(ax,by)L(x,y)=(ax,by) は、単位円を楕円に写し、det⁡(Lu,Lv)=abdet⁡(u,v)\det(L\boldsymbol u,L\boldsymbol v)=ab\det(\boldsymbol u,\boldsymbol v)(成分で確かめる)なので、三角形の符号付き面積(符号付き面積(定義 6.1)[平面ベクトルと座標])は S(LP,LQ,LR)=ab S(P,Q,R)S(LP,LQ,LR)=ab\,S(P,Q,R) と abab 倍されます。したがって単位円に内接する三角形の面積が 334\tfrac{3\sqrt3}4 以下であることを示せば十分です。

単位円の場合。 3 点を P=(cos⁡α,sin⁡α)P=(\cos\alpha,\sin\alpha)、Q=(cos⁡β,sin⁡β)Q=(\cos\beta,\sin\beta)、R=(cos⁡γ,sin⁡γ)R=(\cos\gamma,\sin\gamma)、α<β<γ<α+2π\alpha<\beta<\gamma<\alpha+2\pi とし、A=β−αA=\beta-\alpha、B=γ−βB=\gamma-\beta、C=α+2π−γC=\alpha+2\pi-\gamma(すべて (0,2π)(0,2\pi) の数で A+B+C=2πA+B+C=2\pi)とする。det⁡(P,Q)=sin⁡(β−α)\det(P,Q)=\sin(\beta-\alpha) などから(加法定理)、符号付き面積の性質と三角形の面積(命題 6.2)[平面ベクトルと座標] (1) により 2S(P,Q,R)=sin⁡A+sin⁡B+sin⁡C2S(P,Q,R)=\sin A+\sin B+\sin C(sin⁡(α−γ)=sin⁡(C−2π)=sin⁡C\sin(\alpha-\gamma)=\sin(C-2\pi)=\sin C)。

補題:x,y∈[0,π]x,y\in[0,\pi] なら sin⁡x+sin⁡y≤2sin⁡x+y2\sin x+\sin y\le2\sin\dfrac{x+y}2。和積の公式(積和の公式と和積の公式(系 4.3)[三角関数])により sin⁡x+sin⁡y=2sin⁡x+y2cos⁡x−y2\sin x+\sin y=2\sin\tfrac{x+y}2\cos\tfrac{x-y}2 で、x+y2∈[0,π]\tfrac{x+y}{2}\in[0,\pi] から sin⁡x+y2≥0\sin\tfrac{x+y}2\ge0(周期性と基本的な対称性(定理 7.3)[指数・対数・三角関数をきちんと定義する] (3))、cos⁡≤1\cos\le1 です。これを 2 回使うと、x1,…,x4∈[0,π]x_1,\dots,x_4\in[0,\pi] について ∑sin⁡xi≤4sin⁡x1+⋯+x44\sum\sin x_i\le4\sin\tfrac{x_1+\cdots+x_4}4。x,y,z∈[0,π]x,y,z\in[0,\pi]、m=x+y+z3m=\tfrac{x+y+z}3 に (x,y,z,m)(x,y,z,m) を適用すると sin⁡x+sin⁡y+sin⁡z≤3sin⁡m\sin x+\sin y+\sin z\le3\sin m。

(i) A,B,C≤πA,B,C\le\pi のとき、補題で sin⁡A+sin⁡B+sin⁡C≤3sin⁡2π3=332\sin A+\sin B+\sin C\le3\sin\tfrac{2\pi}3=\tfrac{3\sqrt3}2(sin⁡2π3=sin⁡π3=32\sin\tfrac{2\pi}3=\sin\tfrac\pi3=\tfrac{\sqrt3}2、特別な角の三角関数の値(命題 3.2)[三角関数] と 三角関数の基本性質(命題 3.1)[三角関数] (3))。(ii) どれか(たとえば CC)が π\pi を超えるとき、A+B<πA+B<\pi で sin⁡C=−sin⁡(A+B)\sin C=-\sin(A+B)、sin⁡A+sin⁡B−sin⁡(A+B)=sin⁡A(1−cos⁡B)+sin⁡B(1−cos⁡A)>0\sin A+\sin B-\sin(A+B)=\sin A(1-\cos B)+\sin B(1-\cos A)>0 かつ <sin⁡A+sin⁡B≤2<332<\sin A+\sin B\le2<\tfrac{3\sqrt3}2。どちらの場合も 0<2S≤3320<2S\le\tfrac{3\sqrt3}{2}。A=B=C=2π3A=B=C=\tfrac{2\pi}3(正三角形)で等号が成り立つので、面積の最大値は 334\tfrac{3\sqrt3}4 です。

2 次形式と主軸定理(linear-algebra)は、2 次曲線の分類を nn 変数に拡張します(2 次超曲面の分類)。射影平面(algebraic-geometry。平行線も無限遠で交わると考える平面)で見ると、楕円・放物線・双曲線は、無限遠直線との交わり方(交わらない・接する・2 点で交わる)が違うだけの同じ 1 種類の曲線(射影的 2 次曲線)です。接線の反射の性質と極方程式は、力学(mechanics)の Kepler 問題で、中心力の下の運動の軌道として再登場し、楕円積分(楕円の周長が初等関数で書けないこと)は解析学(special-functions)の楕円関数へ続きます。共役直径の定理の不変量(∣OP∣2+∣OQ∣2|OP|^2+|OQ|^2)は、線形写像の特異値の考え方の原型です。

演習 9.1易

楕円 x29+y24=1\dfrac{x^2}9+\dfrac{y^2}4=1 の焦点と離心率を求め、点 (0,2)(0,2) から 2 つの焦点までの距離の和が 66 であることを確かめよ。

解答

a=3a=3、b=2b=2、c=9−4=5c=\sqrt{9-4}=\sqrt5、焦点 (±5,0)(\pm\sqrt5,0)、e=53e=\tfrac{\sqrt5}3(定理 2.2 (2))。点 (0,2)(0,2) から各焦点までの距離は 5+4=3\sqrt{5+4}=3 で、和は 6=2a6=2a。

演習 9.2標準

双曲線 x29−y216=1\dfrac{x^2}9-\dfrac{y^2}{16}=1 上の点 P(5,163)P\bigl(5,\tfrac{16}3\bigr) における接線を求め、接線が ∠F1PF2\angle F_1PF_2 の 2 等分線であることを、焦点 F1(−5,0)F_1(-5,0)、F2(5,0)F_2(5,0) から接線までの距離の比で確かめよ。

解答

命題 4.2 により 5x9−163⋅y16=1\dfrac{5x}{9}-\dfrac{16}{3}\cdot\dfrac{y}{16}=1、すなわち 5x−3y=95x-3y=9。∣PF2∣=163|PF_2|=\tfrac{16}3、∣PF1∣=100+2569=343|PF_1|=\sqrt{100+\tfrac{256}9}=\tfrac{34}3。接線 5x−3y−9=05x-3y-9=0 までの距離は 点と直線の距離(定理 2.2)[図形と方程式] により、F1F_1 から ∣−25−9∣34=3434\tfrac{|-25-9|}{\sqrt{34}}=\tfrac{34}{\sqrt{34}}、F2F_2 から ∣25−9∣34=1634\tfrac{|25-9|}{\sqrt{34}}=\tfrac{16}{\sqrt{34}}。距離の比 34:1634:16 は ∣PF1∣:∣PF2∣=343:163|PF_1|:|PF_2|=\tfrac{34}3:\tfrac{16}3 に等しく、したがって各焦点から見た接線との角の正弦が等しい。また 5x−3y−95x-3y-9 の値は F1F_1 で −34<0-34<0、F2F_2 で 16>016>0 なので 2 つの焦点は接線の反対側にあり、接線は ∠F1PF2\angle F_1PF_2 を 2 等分します(定理 4.3 (2))。

演習 9.3標準

焦点を原点とする曲線 r=31+12cos⁡θr=\dfrac{3}{1+\frac12\cos\theta} の離心率・半直弦・最小値と最大値を求め、楕円の a,b,ca,b,c を求めよ。

解答

定理 5.2 の形で e=12e=\tfrac12、l=3l=3。rmin⁡=31+1/2=2r_{\min}=\tfrac{3}{1+1/2}=2(θ=0\theta=0)、rmax⁡=31−1/2=6r_{\max}=\tfrac{3}{1-1/2}=6(θ=π\theta=\pi)。2a=rmin⁡+rmax⁡=82a=r_{\min}+r_{\max}=8、a=4a=4。c=ea=2c=ea=2、b2=a2−c2=12b^2=a^2-c^2=12。確かめると l=b2a=3l=\tfrac{b^2}a=3 です。

演習 9.4標準

x2+2xy+y2−4x−4y+3=0x^2+2xy+y^2-4x-4y+3=0 の表す図形を、定理 6.1 の方法で分類せよ。

解答

Δ=4−4=0\Delta=4-4=0。u=x+yu=x+y とすると u2−4u+3=(u−1)(u−3)=0u^2-4u+3=(u-1)(u-3)=0 で、平行な 2 直線 x+y=1x+y=1 と x+y=3x+y=3(定理 6.1 の Δ=0\Delta=0、E′=0E'=0 の場合)。固有値は Q=(1111)Q=\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix} から 22 と 00 で、直交座標 X=x+y2X=\tfrac{x+y}{\sqrt2} では 2X2−42X+3=02X^2-4\sqrt2X+3=0 となり、X=12, 32X=\tfrac1{\sqrt2},\ \tfrac3{\sqrt2} です。

  • David Hilbert, Stefan Cohn-Vossen, Geometry and the Imagination, Chelsea, 1952 — 円錐曲線・Dandelin 球に関する章。
  • H. S. M. Coxeter, Introduction to Geometry, 2nd ed., Wiley, 1969 — 円錐曲線に関する章。
  • Robin Hartshorne, Geometry: Euclid and Beyond, Springer, 2000 — 円と 2 次曲線に関する章。
  • V. I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, 2nd ed., Springer, 1989 — Kepler 問題に関する章。

このテーマの 100 本ノック(100 問)

執筆: Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 2 回(Claude Code)・最終 2026-10-12

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