周期的な関数を「波の重ね合わせ」に分け、その波の大きさを並べて作った無限の表(行列)を調べるのがこの記事の話です。表を左上の角だけ切り取ると、切り取った大きな表の行列式(数を 1 つ決める量)は、表のサイズを増やすとどう振る舞うのか、という素朴な疑問に答えます。読み終えると、その増え方が元の関数の対数の平均(幾何平均)だけで決まること、そして切り取りの影響が補正項として残ることが分かります。
- 円周 T 上の関数 a(シンボル)の Fourier 係数 ak を並べた無限行列 (aj−k)j,k≥0 が Toeplitz 作用素 T(a)、(aj+k+1)j,k≥0 が Hankel 作用素 H(a) です。前者は Hardy 空間 H2 上の「掛け算して射影する」作用素で、∥T(a)∥=∥a∥∞ です。
- 積の公式 T(ab)=T(a)T(b)+H(a)H(b~) が理論の中心で、Hankel 部分がシンボルの積と作用素の積のずれを表します。a が連続なら H(a) はコンパクトです。
- 半直線上の畳み込み作用素(Wiener–Hopf 作用素)は、Cayley 変換(実直線を円周に写す分数変換)で円周上の Toeplitz 作用素とユニタリ同値です。
- Fejér–Riesz の定理: 非負の三角多項式は、同じ次数の多項式の絶対値の 2 乗 ∣q(eiθ)∣2 です。
- Szegő の第一極限定理: 正の連続シンボルの Toeplitz 行列式 Dn(a)=det(aj−k)0≤j,k<n について Dn(a)1/n→exp2π1∫loga。証明は「Dn+1/Dn は 1 次の係数を固定した多項式の重み付き L2 ノルムの最小値」という変分表示です。
- 強極限定理: 滑らかなシンボルでは Dn(a)/G(a)n 自身が正の極限 E(a)=exp∑k≥1kbkb−k(b=loga)に収束します。本章では極限の存在と、極限が Fredholm 行列式 detT(a)T(a−1) に等しいことを証明し、Helton–Howe–Pincus の公式 det(eXeYe−Xe−Y)=etr[X,Y] を Fredholm 行列式の微分公式から導いて値 E(a) を求めます。
- Bergman 空間 A2(D) は円板上の 2 乗可積分な正則関数の空間で、再生核(関数の値を内積で取り出す核)π(1−zwˉ)21 をもちます。
Toeplitz 行列は「平行移動不変な系を半分に切った」ときに現れます。格子上の 1 次元系の相関行列、定常時系列の共分散行列、ランダム行列のユニタリ群上の平均(Heine の公式 ∫U(n)deta(U)dU=Dn(a))、2 次元 Ising 模型の自発磁化(Onsager–Kaufman–Yang の公式)は、すべて Toeplitz 行列式の n→∞ の漸近形に帰着します。
全空間の畳み込みは Fourier 変換で掛け算になり、行列式は「固有値 a(θ) の積」なので、logdet の主要項は 2πn∫loga になると予想できます。これが Szegő の第一極限定理です。「半分に切った」ことによる補正が定数項 E(a) で、これを与えるのが強極限定理です。補正の源は Hankel 作用素、すなわち Z を N0 に切ったときの境界の効果です。
本章では T=R/2πZ 上で正規化測度 2πdθ を使い、ak=2π1∫−ππa(θ)e−ikθdθ、ek(θ)=eikθ とします(フーリエ級数 と同じ)。⟨f,g⟩=2π1∫fˉgdθ で、Parseval の等式(定理 5.1[フーリエ級数])から (ek)k∈Z は L2(T) の正規直交基底です。
次の定義のねらいは、両側無限の行列を「j,k≥0 の部分」と「j≥0>k の部分」に切り分けることです。後者は列の番号が負の側にあるので、k↦−k−1 と番号を折り返して非負の側に写す必要があり、その折り返しが J です。折り返したおかげで成分が aj+k+1 という反対角線に沿って一定の形になり、Hankel 作用素になります。
定義 2.1(Hardy 空間・Toeplitz 作用素・Hankel 作用素)↗
H2=H2(T)={f∈L2(T)∣fk=0 (k<0)} とし、P を L2(T) から H2 への直交射影とする。a∈L∞(T) について、Ma を a の掛け算作用素、J を Jek=e−k−1(k≥0)で定まる H2 から (H2)⊥ への等長全射とし、
T(a)=PMa∣H2,H(a)=PMaJと定める。a~(θ)=a(−θ) と書く。H∞=H2∩L∞、H∞={fˉ∣f∈H∞} とする。
⟨ej,T(a)ek⟩=⟨ej,aek⟩=aj−k、⟨ej,H(a)ek⟩=⟨ej,ae−k−1⟩=aj+k+1 なので、基底 (ek)k≥0 に関する行列はそれぞれ (aj−k)j,k≥0(対角線に沿って一定)、(aj+k+1)j,k≥0(反対角線に沿って一定)です。∥T(a)∥,∥H(a)∥≤∥a∥∞ です。a∈H∞ なら T(a) は下三角、a∈H∞ なら上三角です。
Toeplitz 行列(左)は対角線に沿って一定、Hankel 行列(右)は反対角線に沿って一定。両側無限の Laurent 行列 (aj−k)j,k∈Z を第 4 象限(j,k≥0)に切ったものが T(a)、第 3 象限(j≥0>k)を折り返したものが H(a) で、積の公式の補正項は切り捨てた部分から来る。
定理 2.2(積の公式)✓
a,b∈L∞(T) について
T(ab)=T(a)T(b)+H(a)H(b~).とくに a∈H∞ または b∈H∞ ならば T(ab)=T(a)T(b)。
証明(定理 2.2)
H2 上で T(ab)=PMaMbP=PMaPMbP+PMa(1−P)MbP です。J は (H2)⊥ への等長全射なので 1−P=JJ∗ で、第 2 項は (PMaJ)(J∗MbP) です。⟨ej,J∗Mbek⟩=⟨e−j−1,bek⟩=b−j−k−1=b~j+k+1 なので J∗MbP=H(b~) です。a∈H∞ なら am=0(m>0)で H(a)=0、b∈H∞ なら b~m=b−m=0(m>0)で H(b~)=0 です。
∎
命題 2.3(Toeplitz 作用素のノルムと Hankel 作用素のコンパクト性)✓
- a∈L∞(T) について ∥T(a)∥=∥a∥∞。
- a が連続なら H(a) はコンパクトである。したがって連続な a,b について T(ab)−T(a)T(b) はコンパクトである。
証明(命題 2.3)
1: ≥ を示します。f を三角多項式とすると、十分大きな n で enf∈H2 です。∥T(a)(enf)∥=∥P(aenf)∥ で、g=af∈L2 について ∥(1−P)(eng)∥2=∑k<−n∣gk∣2→0 なので、∥T(a)(enf)∥→∥af∥、∥enf∥=∥f∥ です。よって ∥T(a)∥≥∥af∥/∥f∥ で、三角多項式は L2 で稠密なので、掛け算作用素のノルム ∥Ma∥=∥a∥∞ 以上です(∣a∣>∥a∥∞−ε となる正測度集合の指示関数を三角多項式で近似する)。
2: Fejér の定理(定理 4.2[フーリエ級数])から三角多項式 pN が a に一様収束します。H(pN) の行列は有限個の反対角線にしか 0 でない成分をもたないので有限階数で、∥H(a)−H(pN)∥≤∥a−pN∥∞→0 です。コンパクト作用素はノルム閉なので(命題 3.2[コンパクト作用素・Hilbert–Schmidt 作用素・トレースクラス])H(a) はコンパクトです。
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実直線上では、定理 3.2[Paley–Wiener の定理・Hardy 空間・Hilbert 変換] により H2(R)={f∈L2(R)∣f^=0 on (−∞,0)} が上半平面の Hardy 空間の境界値の空間です。P+ をその直交射影とし、b∈L∞(R) について W(b)=P+Mb∣H2(R) を Wiener–Hopf 作用素といいます。Fourier 変換すると H2(R) は L2(0,∞) に移り、bf=2π1b^∗f^ なので、W(b) は半直線上の畳み込み g↦1(0,∞)⋅2π1(b^∗g) です(b^ が関数の場合)。これが Wiener と Hopf が輻射輸送の方程式で調べた積分作用素の形です。
命題 3.1(Wiener–Hopf 作用素と Toeplitz 作用素)✓
Cayley 変換 c(x)=x+ix−i(R→T∖{1})について、(Vf)(x)=π1x+i1f(c(x)) は L2(T,2πdθ) から L2(R) へのユニタリ作用素で、V(H2(T))=H2(R)、VMaV−1=Ma∘c を満たす。とくに W(a∘c)=VT(a)V−1。
証明(命題 3.1)
eiθ=c(x) と置換すると dθ=1+x22dx なので、2π1∫∣f∣2dθ=π1∫∣f(c(x))∣21+x2dx=∥Vf∥22 で、V は等長です。逆写像も同じ形で書けるので全射です。V(af)=(a∘c)Vf は定義から明らかです。Ven=π1(x+i)n+1(x−i)n は、n≥0 なら C+ で正則で supy∫∣⋅∣2dx<∞ を満たす π1(z+i)n+1(z−i)n の境界値なので H2(R) に入り(定理 3.2[Paley–Wiener の定理・Hardy 空間・Hilbert 変換])、n<0 なら π1(x−i)∣n∣(x+i)∣n∣−1 は下半平面の対応する関数の境界値で H2(R)⊥ に入ります(zˉ に関して同じ定理)。V はユニタリなので V(H2(T))=H2(R) で、VPV−1=P+ です。
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定理 4.1(Fejér–Riesz の定理)✓
p(θ)=∑k=−nnckeikθ がすべての θ で p(θ)≥0 を満たすならば、次数 n 以下の多項式 q(z)=∑k=0nqkzk で p(θ)=∣q(eiθ)∣2 となるものが存在する。q は開円板 D に零点をもたないように選べる。
証明(定理 4.1)
p は実数値なので c−k=cˉk です。cn=0 なら n を下げられるので cn=0 とします。P(z)=∑j=02ncj−nzj は 2n 次の多項式で、P(0)=c−n=0、P(eiθ)=einθp(θ) です。直接の計算で z2nP(1/zˉ)=P(z) なので、ζ が P の根なら 1/ζˉ も同じ重複度の根です。単位円上の根 ζ=eiθ0 は偶数重複度をもちます。実際、重複度を m とすると p(θ)=e−inθP(eiθ) は θ0 の近くで (θ−θ0)m の 0 でない実数倍に漸近し、m が奇数なら符号を変えてしまいます。
したがって根を、各組 (ζ,1/ζˉ)(0<∣ζ∣<1)から ζ を、単位円上の根からは重複度の半分を選んで ζ1,…,ζn(∣ζj∣≤1)と並べられ、P(z)=cn∏j=1n(z−ζj)(z−1/ζˉj) です。∣z∣=1 では ∣z−1/ζˉ∣=∣ζ∣−1∣ζˉz−1∣=∣ζ∣−1∣z−ζ∣ なので
p(θ)=∣P(eiθ)∣=∏j∣ζj∣∣cn∣j∏∣eiθ−ζj∣2,q(z)=(∣cn∣/∏j∣ζj∣)1/2∏j(z−ζj) とすればよい。零点を D の外に置くには、q∗(z)=znq(1/zˉ)(根は 1/ζˉj、単位円上で ∣q∗∣=∣q∣)に取り替えます。
∎
Fejér–Riesz の定理は「非負の三角多項式」と「多項式の 2 乗」を結ぶ、正値性の代数的な特徴づけです。Toeplitz 行列 Tn(p) が半正定値であることと p≥0 の関係(Carathéodory–Toeplitz)、フィルタ設計のスペクトル分解、自己相関関数から移動平均過程を作る問題(スペクトル分解定理)はすべてこの定理の変種です。
この節の道筋は次のとおりです。まず行列式の比 Dn+1/Dn を「最小値を求める問題」に言い換え(補題)、その最小値の極限を外部関数 g を使って計算し(第一極限定理)、さらに収束の速さを調べて極限の存在(強極限定理)と値を求めます。
n≥1 について Tn(a)=(aj−k)0≤j,k<n を n 次の Toeplitz 行列、Dn(a)=detTn(a) を Toeplitz 行列式とします。a≥0 ならば Tn(a) は重み a の内積 ⟨f,g⟩a=2π1∫fˉgadθ に関する 1,z,…,zn−1(z=eiθ)の Gram 行列です: ⟨zj,zk⟩a=aj−k。
次の補題の証明の方針は、Gram 行列の行列式が、Gram–Schmidt 直交化で得られるベクトルの長さの 2 乗の積になることを使い、1 だけを最後に直交化して、その長さが「1 から他のベクトルの張る空間までの距離」になることを見る、というものです。
補題 5.1(行列式の比の変分表示)✓
a≥0 が可積分で、{θ∣a(θ)>0} が正測度なら、Dn(a)>0 で
Dn(a)Dn+1(a)=μn(a):=min{2π1∫∣p(eiθ)∣2a(θ)dθ p(z)=1+k=1∑nckzk}.μn(a) は n について減少し、a について単調(a≤a′ なら μn(a)≤μn(a′))である。
証明(補題 5.1)
多項式は有限個の点でしか 0 にならないので、1,z,…,zn は ⟨⋅,⋅⟩a について一次独立で、Gram 行列 Tn+1(a) は正定値、Dn+1(a)>0 です。Gram–Schmidt 直交化で u0,…,un を作ると(内積空間とグラム・シュミット直交化)、Gram 行列式は直交化したベクトルのノルムの 2 乗の積(基底の変換行列が対角成分 1 の三角行列なので行列式が保たれる)です。z0=1 を最後に回して z,…,zn,1 の順に直交化すると、最後のベクトルのノルムの 2 乗は 1 から span{z,…,zn} までの距離の 2 乗、すなわち μn(a) で、それより前の部分の Gram 行列式は ⟨zj,zk⟩a=aj−k(1≤j,k≤n)より Dn(a) です。並べ替えは行と列の同じ置換なので行列式は変わらず、Dn+1=Dnμn です。単調性は、許される p の集合が n とともに増えること、被積分関数が a について単調であることから明らかです。
∎
定理 5.2(Szegő の第一極限定理)✓
a を T 上の正の連続関数とし、G(a)=exp(2π1∫−ππloga(θ)dθ) とおく。このとき
n→∞limDn(a)Dn+1(a)=n→∞limDn(a)1/n=G(a).
証明の直感は次のとおりです。∣g∣2=a となる正則な関数 g(a の「正則な平方根」)を見つけられれば、∣p∣2a=∣pg∣2 となって、p(0)=1 の条件のもとでの最小化が、pg の 0 次の係数を固定したときの L2 ノルムの最小化に変わります。この最小値は ∣g(0)∣2=G(a) です。
証明(定理 5.2)
第 1 段: b=loga が三角多項式の場合. b=∑∣k∣≤mbkeikθ(実数値、b−k=bˉk)とし、b+=∑k=1mbkzk、g=exp(b0/2+b+) とおきます。g と 1/g は D の近傍で正則で、その Taylor 級数は単位円上で絶対収束するので g,1/g∈H∞ です。Reb+=21∑k=0bkeikθ から ∣g∣2=eb0+2Reb+=eb=a です。p(0)=1 の多項式 p について pg∈H2 で、その 0 次の Fourier 係数は g(0)=eb0/2 なので、Parseval の等式から
2π1∫∣p∣2adθ=∥pg∥2≥∣(pg)0∣2=eb0=G(a)です。逆に、h=g(0)/g∈H∞ の Taylor 級数を n 次で切ったものを pn とすると pn(0)=h(0)=1 で、∥png−g(0)∥=∥(pn−h)g∥≤∥g∥∞∥pn−h∥2→0 です。png−g(0) は定数と直交するので ∥png∥2=G(a)+∥png−g(0)∥2→G(a) です。よって μn(a)→G(a) です。
第 2 段: 一般の正の連続関数. loga は連続なので、Fejér の定理から実数値三角多項式 b で ∣b−loga∣≤ε となるものがあります。eb−ε≤a≤eb+ε と 補題 5.1 の単調性、第 1 段から
eb0−ε≤nliminfμn(a)≤nlimsupμn(a)≤eb0+εで、∣b0−2π1∫loga∣≤ε です。ε→0 として μn(a)→G(a) です。
第 3 段. logDn(a)=loga0+∑m=1n−1logμm(a) なので、Cesàro 平均の収束から n1logDn(a)→logG(a) です。
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正値性の仮定を弱めても、a≥0 が可積分なら limDn1/n=exp2π1∫loga(loga∈/L1 なら右辺は 0)が成り立ちます(Szegő–Kolmogorov–Krein の定理)。第 1 段の下からの評価はそのまま使えますが、上からの評価で外部関数 g を作るのに Hardy 空間 H2(D) の因子分解が要ります。
定理 5.3(Szegő の強極限定理)✓
b を実数値で ∑k∈Z(1+∣k∣)∣bk∣<∞ を満たす関数とし、a=eb とする。このとき極限 limn→∞Dn(a)/G(a)n が存在し、G(a)a0 以上の有限値である。
証明(定理 5.3)
重み (1+∣k∣) をもつ絶対収束 Fourier 級数の空間 W1 は、(1+∣j+k∣)≤(1+∣j∣)(1+∣k∣) から畳み込みについてノルム環で、指数関数で閉じています。第 1 段と同じく g=exp(b0/2+b+)、h=g(0)/g とおくと g,h∈W1∩H∞ です。定理 5.2 の証明の評価から、pn を h の n 次の切断として
0≤μn(a)−G(a)≤∥g∥∞2∥pn−h∥22=∥g∥∞2k>n∑∣hk∣2です。∑n∑k>n∣hk∣2=∑kk∣hk∣2≤supk∣hk∣⋅∑kk∣hk∣<∞ なので ∑n(μn(a)/G(a)−1)<∞、したがって無限積 ∏nG(a)μn(a) は 1 以上の有限値に収束します。Dn(a)/G(a)n=G(a)a0∏m=1n−1G(a)μm(a) なので、極限は存在して G(a)a0 以上の有限値です。
∎
極限の値は、Fredholm 行列式(定理 7.3[Fredholm 理論])で表せます。以下 Πn を span{e0,…,en−1} への直交射影とし、S1 をトレースクラス作用素の空間とします。
次の命題のねらいは、極限を「無限次元の作用素 1+K の行列式」という 1 つの量に書き直すことです。K がトレースクラスであること(Hankel 作用素の特異値の和が有限であること)が、行列式が意味をもつための鍵になります。証明は、トレースクラス性、作用素の等式、有限切断、極限、相似不変性、の 5 つの小段落に分かれています。
命題 5.4(強極限の Fredholm 行列式表示)✓
定理 5.3 の仮定のもとで、その証明の g=exp(b0/2+b+) を使って
K=T(g−1)H(g)H(gˉ~)T(gˉ−1)とおく。K はトレースクラスで、T(g−1)T(a)T(gˉ−1)=1+K、T(a)T(a−1)=T(g)(1+K)T(g)−1 であり、
n→∞limG(a)nDn(a)=det(1+K)=detT(a)T(a−1).
証明(命題 5.4)
トレースクラス性. m≥1 について H(em) の行列成分は j+k+1=m のときだけ 1 なので、H(em)=∑k=0m−1∣em−1−k⟩⟨ek∣ は特異値がすべて 1 の階数 m の作用素で、∥H(em)∥1=m です(m≤0 なら H(em)=0)。c∈W1 なら H(c)=∑m≥1cmH(em) は S1 で絶対収束し(定理 7.4[コンパクト作用素・Hilbert–Schmidt 作用素・トレースクラス] の完備性)、∥H(c)∥1≤∑m≥1m∣cm∣ です(極限が H(c) であることは ∥H(c)−H(cN)∥≤∥c−cN∥∞→0、cN は Fourier 級数の切断、からわかります)。g∈W1 なので H(g)∈S1 で、S1 はイデアルなので K∈S1 です。
作用素の等式. b は実数値なので gˉ=exp(b0/2+b−)(b−=∑k≥1b−kz−k)は H∞ に、g,g−1 は H∞ に属し、a=ggˉ です。定理 2.2 から T(ggˉ)=T(g)T(gˉ)+H(g)H(gˉ~)、T(g−1)T(g)=T(1)=1(右の因子が H∞)、T(gˉ)T(gˉ−1)=1(左の因子が H∞)なので
T(g−1)T(a)T(gˉ−1)=T(g−1)T(g)T(gˉ)T(gˉ−1)+K=1+K.同様に T(g)T(g−1)=1、T(gˉ−1)T(gˉ)=1 から T(g), T(gˉ) は可逆で、T(a)=T(g)(1+K)T(gˉ)、T(a−1)=T(gˉ−1g−1)=T(gˉ−1)T(g−1) です。よって T(a)T(a−1)=T(g)(1+K)T(g)−1 です。
有限切断. T(g) は下三角(成分 gj−k は j<k で 0)なので ΠnT(g)=ΠnT(g)Πn、T(gˉ) は上三角なので T(gˉ)Πn=ΠnT(gˉ)Πn です。したがって
Tn(a)=ΠnT(a)Πn=(ΠnT(g)Πn)(Πn(1+K)Πn)(ΠnT(gˉ)Πn)を RanΠn≅Cn 上の行列の等式として読めます。三角行列 Tn(g), Tn(gˉ) の対角成分は g0=g(0)=eb0/2 と gˉ0=eb0/2 なので、行列式を取ると Dn(a)=enb0det(Πn(1+K)Πn∣RanΠn) です。2π1∫loga=b0 から G(a)n=enb0 で、有限階数作用素 ΠnKΠn の Fredholm 行列式の定義(値域を含む有限次元部分空間 RanΠn に制限した行列式)から
G(a)nDn(a)=det(1+ΠnKΠn).極限. ∥ΠnKΠn−K∥1→0 を示します。有限階数の F=∑i≤N∣ui⟩⟨vi∣ では、∥∣u⟩⟨v∣∥1=∥u∥∥v∥ と Πnu→u から ∥ΠnFΠn−F∥1≤∑i(∥Πnui−ui∥∥vi∥+∥ui∥∥Πnvi−vi∥)→0 です。一般の K は有限階数の F で ∥K−F∥1<ε と近似でき(特異値分解の切断)、補題 7.1[Fredholm 理論] から ∥Πn(K−F)Πn∥1≤ε なので、limsupn∥ΠnKΠn−K∥1≤2ε です。det(1+⋅) は S1 上で連続なので(定理 7.3[Fredholm 理論])、Dn(a)/G(a)n→det(1+K) です。
相似不変性. 可逆な X と L∈S1 について det(1+XLX−1)=det(1+L) です。L が有限階数なら、V⊃RanL について XV⊃RanXLX−1 で、(1+XLX−1)∣XV=X(1+L)∣VX−1 なので有限次元の行列式として等しく、一般の L には L↦XLX−1 の S1 での連続性と行列式の連続性で移ります。X=T(g) として detT(a)T(a−1)=det(1+K) です。
∎
定理 5.6(群の交換子の行列式(Helton–Howe・Pincus))✓
X,Y∈B(H) で [X,Y]=XY−YX がトレースクラスであるとする。このとき eXeYe−Xe−Y−1 はトレースクラスで
det(eXeYe−Xe−Y)=etr[X,Y].
証明(定理 5.6)
有界作用素の指数関数 etX=∑ntnXn/n! は作用素ノルムで t について微分可能で、dtdetX=XetX=etXX です。トレースクラスについては 補題 7.1[Fredholm 理論] の ∥AKB∥1≤∥A∥∥K∥1∥B∥ を断らずに使います。
段階 1:[X,eY] はトレースクラス。 r↦erYXe−rY の微分は erY[Y,X]e−rY なので、0 から 1 まで積分して右から eY を掛けると
[X,eY]=∫01erY[X,Y]e(1−r)Ydr.被積分関数は ∥⋅∥1 について r の連続関数(∥erYCe(1−r)Y−er′YCe(1−r′)Y∥1≤∥erY−er′Y∥∥C∥1∥e(1−r)Y∥+⋯)なので、補題 7.10[Fredholm 理論] から [X,eY]∈S1 で、トレースの巡回性(定理 7.7[コンパクト作用素・Hilbert–Schmidt 作用素・トレースクラス] の 4)から
tr(e−Y[X,eY])=∫01tr(e−YerY[X,Y]e(1−r)Y)dr=∫01tr[X,Y]dr=tr[X,Y].段階 2:微分可能性。 Φ(t)=etXeYe−tXe−Y と置くと、dtd(etXeYe−tX)=etX(XeY−eYX)e−tX から
Φ′(t)=etX[X,eY]e−tXe−Yで、これは ∥⋅∥1 について t の連続関数です(段階 1 と同じ評価)。Φ(0)=1 なので、補題 7.10[Fredholm 理論] から K(t):=Φ(t)−1=∫0tΦ′(s)ds∈S1 で、
hK(t+h)−K(t)−Φ′(t)1≤∣h∣1∫tt+h∥Φ′(s)−Φ′(t)∥1ds→0,すなわち K は ∥⋅∥1 について微分可能です。t=1 で前半の主張が従います。
段階 3:微分方程式。 Φ(t) は可逆で Φ(t)−1=eYetXe−Ye−tX です。命題 7.12[Fredholm 理論] とトレースの巡回性から
dtddetΦ(t)=detΦ(t)tr(eYetXe−Y[X,eY]e−tXe−Y)=detΦ(t)tr(e−Y[X,eY])=detΦ(t)tr[X,Y](2 つめの等号では、トレースクラスの因子 [X,eY] の右側にある e−tXe−Y と左側にある eYetX を巡回させて打ち消した)。c=tr[X,Y] と置くと dtd(e−ctdetΦ(t))=0 で、detΦ(0)=det1=1 なので detΦ(t)=ect。t=1 として主張を得ます。
∎
行列(有限次元)なら tr[X,Y]=0 で det(eXeYe−Xe−Y)=1 は当たり前ですが、無限次元では [X,Y] がトレースクラスでも XY と YX は個別にはトレースクラスでないので、tr[X,Y] は 0 とは限りません。たとえば片側シフト S について [S∗,S]=S∗S−SS∗ は e0 への射影で、トレースは 1 です。Toeplitz 作用素の場合、この「消えない交換子のトレース」が強極限定理の定数 E(a) になります。
定理 5.7(強極限定理の値)✓
定理 5.3 の仮定のもとで
n→∞limG(a)nDn(a)=E(a)=exp(k=1∑∞kbkb−k)=exp(k=1∑∞k∣bk∣2).
証明(定理 5.7)
命題 5.4 の記号を使います。b+=∑k≥1bkeikθ、b−=∑k≥1b−ke−ikθ と置くと b=b0+b++b−、g=eb0/2eb+、gˉ=eb0/2eb− です。
指数関数の Toeplitz 作用素。 b+∈W1∩H∞ で、定理 2.2 から右の因子が H∞ に属する積について T は乗法的なので T(b+n)=T(b+)n。W1 はノルム環なので eb+=∑nb+n/n! は W1 で、したがって一様に収束し、∥T(f)∥≤∥f∥∞ から T(eb+)=∑nT(b+)n/n!=eT(b+) です。同様に T(e±b±)=e±T(b±)(b− では左の因子が H∞ に属することを使う)。よって T(g−1)=e−b0/2e−T(b+)、T(gˉ−1)=e−b0/2e−T(b−) です。また a=gˉg で gˉ∈H∞ なので T(a)=T(gˉ)T(g)=eb0eT(b−)eT(b+)。命題 5.4 の等式に代入して
1+K=T(g−1)T(a)T(gˉ−1)=eXeYe−Xe−Y,X=−T(b+), Y=T(b−).交換子のトレース。 定理 2.2 から T(b−b+)=T(b−)T(b+)(H(b−)=0)、T(b+b−)=T(b+)T(b−)+H(b+)H(b~−) なので
[X,Y]=T(b−)T(b+)−T(b+)T(b−)=H(b+)H(b~−).b+∈W1 なので 命題 5.4 の証明から H(b+)∈S1、したがって [X,Y]∈S1 です。行列成分 ⟨ej,H(c)ek⟩=cj+k+1 と (b~−)m=b−m から
tr[X,Y]=j≥0∑k≥0∑(b+)j+k+1(b~−)k+j+1=j,k≥0∑bj+k+1b−(j+k+1)=m≥1∑mbmb−m(j+k+1=m となる組 (j,k) はちょうど m 個。∑mm∣bm∣∣b−m∣≤sup∣bk∣∑mm∣bm∣<∞ なので、定理 7.11[級数と収束判定] により和を m=j+k+1 ごとにまとめてよい)。b は実数値なので b−m=bˉm です。
結論。 定理 5.6 から det(1+K)=etr[X,Y]=E(a) で、命題 5.4 から Dn(a)/G(a)n→E(a) です。
∎
例 5.8(1 つのモードだけのシンボル)
b(θ)=2rcosθ(r は実数)、a=e2rcosθ とすると b±1=r で他は 0 なので、G(a)=1、E(a)=er2 です。ak は変形 Bessel 関数 Ik(2r) なので、定理 5.7 は det(Ij−k(2r))0≤j,k<n→er2 を意味します。Heine の公式を通すと、これは ∫U(n)ertr(U+U∗)dU→er2、すなわち Haar 測度に従うユニタリ行列のトレースの実部 RetrU が分散 1/2 の正規分布に近づくことの、モーメント母関数による表現です。
∑k≥1k∣bk∣2 は 定理 8.1[Sobolev 空間] の量 2π∑k∈Z∣k∣∣bk∣2(H1/2(T) 半ノルムの 2 乗)の 4π1 倍で、強極限定理の自然な仮定は b∈H1/2 です(Ibragimov の定理)。確率論的には、U(n) の Haar 測度に従うランダム行列の固有値 eiθj について ∑jb(θj)−2πn∫b が平均 0、分散 2∑k≥1k∣bk∣2 の正規分布に収束する(Johansson)ことと同値な内容で、H1/2 が Gauss 自由場の空間として現れます。
例 5.9(零点をもつシンボル)
a(θ)=2+2cosθ=∣1+eiθ∣2 では Tn(a) は対角成分 2、隣接成分 1 の三重対角行列で、余因子展開から Dn=2Dn−1−Dn−2、D1=2、D2=3 なので Dn=n+1 です。2π1∫log∣1+eiθ∣2dθ=0(Jensen の公式、または log∣1+z∣2=2Relog(1+z) の平均値)から G(a)=1 で、第一極限定理 Dn1/n→1 は成り立ちますが、Dn/Gn=n+1→∞ で強極限定理は成り立ちません。a が θ=π で 0 になるからで、このような特異なシンボルの漸近形 Dn∼CGnnγ は Fisher–Hartwig 予想(Deift–Its–Krasovsky による証明)の対象です。
定義 6.1(Bergman 空間)↗
単位円板 D 上の正則関数 f で ∥f∥A22=∫D∣f(z)∣2dA(z)<∞(dA は面積測度)となるものの全体を Bergman 空間 A2(D) という。
定理 6.2(Bergman 空間の基本性質)✓
- f∈A2、z∈D について ∣f(z)∣≤π(1−∣z∣)∥f∥A2。A2 は L2(D) の閉部分空間で、Hilbert 空間である。
- en(z)=πn+1zn(n≥0)は A2 の正規直交基底である。
- (再生核)K(z,w)=π(1−zwˉ)21 について、f∈A2 なら f(z)=∫DK(z,w)f(w)dA(w)。L2(D) から A2 への直交射影(Bergman 射影)は核 K の積分作用素である。
証明(定理 6.2)
1: 円板 D(z,r)⊂D(r=1−∣z∣)上で、正則関数の平均値の性質(極座標で Cauchy の積分公式 定理 6.1[コーシーの積分定理と積分公式] を半径について積分する)から f(z)=πr21∫D(z,r)fdA で、Cauchy–Schwarz の不等式から ∣f(z)∣≤πr1∥f∥A2 です。したがって A2 の Cauchy 列はコンパクト集合上で一様収束し、極限は Morera の定理(定理 3.6[正則関数の強力な性質]、三角形上の積分が一様収束で 0 のまま保たれる)から正則で、L2 極限と a.e. で一致します。よって A2 は閉です。
2: 極座標で ⟨zm,zn⟩=∫01∫02πrm+nei(n−m)θdθrdr=δmn2n+22π=δmnn+1π なので正規直交です。完全性: f=∑nfnzn∈A2 について、∣z∣<ρ<1 上では Taylor 級数が一様収束するので ∫∣z∣<ρ∣f∣2dA=∑n∣fn∣2n+1πρ2n+2 です。ρ↑1(単調収束定理)で ∥f∥A22=∑n∣fn∣2n+1π=∑n∣⟨en,f⟩∣2 となり、Parseval の等式が成り立つので基底です(定理 6.4[Hilbert 空間の基礎])。
3: 1 から f↦f(z) は A2 上の連続線形汎関数なので、Riesz の表現定理から f(z)=⟨Kz,f⟩ となる Kz∈A2 があり、Kz=∑nen(z)en です。K(w,z)=Kz(w)=∑nπn+1(zˉw)n=π(1−wzˉ)21 なので、f(z)=∫Kz(w)f(w)dA(w)=∫K(z,w)f(w)dA(w) です。g∈L2 についても (Pg)(z)=⟨Kz,Pg⟩=⟨Kz,g⟩ なので、射影は同じ積分で与えられます。
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Bergman 空間は Hardy 空間 H2(D)(∑∣fn∣2<∞)より大きく、境界値をもつとは限りません(∑∣fn∣2/(n+1)<∞ だけが条件)。H2(T) 上の Toeplitz 作用素と同様に、φ∈L∞(D) について Bergman 空間上の Toeplitz 作用素 Tφf=P(φf) が定義でき、φ が ∣z∣ だけによる(回転対称な)場合は基底 en で対角化されます: Tφen=(2(n+1)∫01φ(r)r2n+1dr)en。Bergman 核 π(1−zwˉ)21 は円板の双曲幾何(Poincaré 計量 (1−∣z∣2)24∣dz∣2 は logK(z,z) の Laplacian の定数倍)や、正則表現・コヒーレント状態の量子化(Berezin–Toeplitz 量子化)の出発点です。
演習 7.1標準
a=eb(b は実数値三角多項式)について、定理 5.2 の証明の g を使い、T(a)=T(gˉ)T(g) を示せ。これから T(a) が可逆で T(a)−1=T(g−1)T(gˉ−1) であることを導け。
解答
∣g∣2=a なので a=gˉg で、gˉ∈H∞ だから 定理 2.2 より T(a)=T(gˉ)T(g) です。g−1∈H∞ なので T(g)T(g−1)=T(1)=1(右因子が H∞)、T(g−1)T(g)=T(1)=1(右因子 g∈H∞)で、T(g) は可逆、逆は T(g−1) です。同様に T(gˉ) の逆は T(gˉ−1)(左因子が H∞)です。よって T(a)−1=T(g)−1T(gˉ)−1=T(g−1)T(gˉ−1) です。
演習 7.2易
p(θ)=3+2cosθ を ∣q(eiθ)∣2(q は 1 次多項式で D に零点をもたない)と書け。
解答
∣α+βeiθ∣2=α2+β2+2αβcosθ(α,β 実)なので α2+β2=3、αβ=1 を解きます。α2=23+5、β2=23−5 で、α=21+5、β=25−1 と取れます。q(z)=α+βz の零点は −α/β で ∣α/β∣=23+5>1 なので D の外にあります。
演習 7.3標準
f∈A2 について ∣f(z)∣≤π(1−∣z∣2)∥f∥A2 を示し、等号を実現する f を求めよ(定理 6.2 の 1 の改良)。
解答
f(z)=⟨Kz,f⟩ と Cauchy–Schwarz の不等式から ∣f(z)∣≤∥Kz∥∥f∥ で、∥Kz∥2=⟨Kz,Kz⟩=Kz(z)=K(z,z)=π(1−∣z∣2)21 です。等号は f が Kz の定数倍、すなわち f(w)=(1−wzˉ)2c のときです。
- A. Böttcher, B. Silbermann, Introduction to Large Truncated Toeplitz Matrices, Springer, 1999.
- B. Simon, Orthogonal Polynomials on the Unit Circle, Part 1: Classical Theory, American Mathematical Society, 2005.
- U. Grenander, G. Szegő, Toeplitz Forms and Their Applications, University of California Press, 1958.
- H. Widom, “Asymptotic behavior of block Toeplitz matrices and determinants II”, Advances in Math. 21 (1976), 1–29.
- H. Hedenmalm, B. Korenblum, K. Zhu, Theory of Bergman Spaces, Springer, 2000 — 第 1 章。
- N. K. Nikolski, Operators, Functions, and Systems: An Easy Reading, Vol. 1, American Mathematical Society, 2002 — Toeplitz・Hankel 作用素。
執筆: Claude Code(Opus 5.5)、Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 3 回(Claude Code)・最終 2026-10-12