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最大値原理の一般化と正則関数族:Phragmén–Lindelöf から Montel・Vitali まで

対象読者: 本テーマ第 1〜7 章(最大値原理、シュワルツの補題、偏角の原理、開写像定理)を学び、関数列の一様収束とアスコリ・アルツェラの定理を知っている学部上級生〜修士課程の人。

前提となる記事:正則関数の強力な性質:無限回微分可能性から一致の定理まで、偏角の原理と Rouché の定理:零点を数える積分から開写像定理まで

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この記事の問いは 2 つです。1 つめは、関数の大きさが領域の「ふち」でわかっているとき、中の大きさをどこまで言えるか。2 つめは、無限に続く関数の列について、ごく一部の点で値が落ち着いているとき、全体でも落ち着くと言えるか。複素関数は性質が硬いので、どちらも「はい」と答えられる場面が多くあります。読み終えると、ふちの情報から内部の大きさを見積もる方法と、関数列から収束する部分を取り出す方法が使えるようになります。

  • 最大値原理(定理 7.7[正則関数の強力な性質])は、有界領域で境界値の limsup だけから内部の ∣f∣|f| を押さえる形に言い換えられます。境界の有限個の点の値が不明でも、ff が有界なら結論は変わりません。
  • Schwarz–Pick の補題は、Schwarz の補題の「原点」を任意の点に取り替えたものです。円板から円板への正則写像は、双曲距離(円板の縁に近いほど長さを大きく測る距離)を縮めます。
  • Schwarz の補題は、実部の上界から絶対値の上界を導く Borel–Carathéodory の不等式にも使えます。そこから、実部が多項式増大の整関数は多項式だとわかります。
  • 領域が有界でない場合は、そのままでは最大値原理が成り立ちません。Phragmén–Lindelöf の定理は、成長が「exp⁡(ec∣y∣)\exp(e^{c|y|}), c<πc<\pi」より遅いという条件で、帯領域に最大値原理を復活させます。
  • 帯の両端での最大値から中間の最大値を押さえるのが Hadamard の三線定理で、log⁡M(x)\log M(x) が凸になることを意味します。一般の領域では二定数定理(調和測度という「ふちの各部分の重み」で内挿する定理)が同じ役割を果たします。
  • Montel の定理:局所一様有界な正則関数族は正規族(任意の列が局所一様収束する部分列をもつ)です。Vitali の定理:局所一様有界な列が、集積点をもつ点集合の上で収束すれば、全体で局所一様収束します。
  • これらは、解析性を保ったまま極限を交換する道具になります。一様有界性さえあれば、収束を確かめる点は 1 列で足ります。

1. 動機:評価を境界から内部へ、収束を部分から全体へ

Section titled “1. 動機:評価を境界から内部へ、収束を部分から全体へ”

平衡状態の熱力学的な極限や、時間発展する相関関数は、しばしば「実軸上の関数」として与えられ、それが複素帯 {0<Im⁡z<β}\{0<\operatorname{Im}z<\beta\} の正則関数に延びます。実軸上と帯の上端・下端での大きさがわかっているとき、帯の中間の大きさは評価できるでしょうか。これが三線定理の問いです。

もう 1 つの問題は極限の交換です。正則関数列 fnf_n が帯の中の小さな線分の上でしか収束することがわかっていないとき、帯の全体で収束するか。収束先も正則になるか。一般の関数列では全く保証がありませんが、fnf_n が一様に有界ならば、一致の定理(定理 7.3[正則関数の強力な性質])が部分列の極限を縛り、全体の収束が従います(Vitali の定理)。その準備が、有界族の列コンパクト性(Montel の定理)です。

この記事は大きく 3 つの段で進みます。第 1 段(§3〜§4)は有界領域の最大値原理で、境界の挙動の記述を柔軟にし、円板の自己同型を使って Schwarz の補題を一般の点に移します。第 2 段(§5〜§6)は領域が非有界な場合で、成長条件を付けて最大値原理を保ち、三線定理と二定数定理を導きます。第 3 段(§7〜§8)は「族」の話で、評価(上限)から収束(列コンパクト性)へ進みます。どの段でも、使う道具は最大値原理・コーシーの積分公式・一致の定理の 3 つだけで、新しい定理を用意しているわけではありません。同じ定理を異なる角度から使い回すのが、この分野の技術の中身です。

以下は既出の事実です。

事実出典
最大値原理(内点の局所最大で定数)定理 7.7[正則関数の強力な性質]
Schwarz の補題補題 5.1[等角写像とリーマン写像定理]
単位円板の自己同型 φa(z)=z−a1−aˉz\varphi_a(z)=\dfrac{z-a}{1-\bar{a}z}定理 5.3[等角写像とリーマン写像定理]
一致の定理定理 7.3[正則関数の強力な性質]
コーシーの積分公式(導関数版)定理 3.2[正則関数の強力な性質]
局所一様収束極限の正則性定理 5.2[偏角の原理と Rouché の定理]

D=D(0,1)\mathbb{D}=D(0,1) とし、領域 Ω\Omega の境界点 ζ\zeta での ff の挙動を

lim sup⁡z→ζ∣f(z)∣:=lim⁡ρ→0 sup⁡{∣f(z)∣:z∈Ω, ∣z−ζ∣<ρ}\limsup_{z\to\zeta}|f(z)|:=\lim_{\rho\to0}\ \sup\{|f(z)|:z\in\Omega,\ |z-\zeta|<\rho\}

で表します。ff が Ω‾\overline{\Omega} 上連続なら、これは ∣f(ζ)∣|f(\zeta)| です。

定理 3.1(境界値による最大値原理)✓

Ω\Omega を有界領域、ff を Ω\Omega 上の正則関数とする。ある M≥0M\ge0 について、すべての ζ∈∂Ω\zeta\in\partial\Omega で lim sup⁡z→ζ∣f(z)∣≤M\limsup_{z\to\zeta}|f(z)|\le M ならば、Ω\Omega 上で ∣f∣≤M|f|\le M である。

証明(定理 3.1)

s=sup⁡Ω∣f∣∈[0,∞]s=\sup_\Omega|f|\in[0,\infty] とし、∣f(zk)∣→s|f(z_k)|\to s となる zk∈Ωz_k\in\Omega を取ります。Ω\Omega は有界なので、部分列を取って zk→p∈Ω‾z_k\to p\in\overline{\Omega} としてよいです。

p∈∂Ωp\in\partial\Omega なら、s=lim⁡∣f(zk)∣≤lim sup⁡z→p∣f∣≤Ms=\lim|f(z_k)|\le\limsup_{z\to p}|f|\le M です。

p∈Ωp\in\Omega なら、ff の連続性から ∣f(p)∣=s<∞|f(p)|=s<\infty で、Ω\Omega 全体で ∣f∣≤∣f(p)∣|f|\le|f(p)| です。最大値原理(定理 7.7[正則関数の強力な性質] の前半)から ff は定数 cc で、∣c∣=s|c|=s です。有界な空でない開集合は C\mathbb{C} でも空集合でもないので閉集合ではありえず、∂Ω≠∅\partial\Omega\ne\emptyset です。ζ∈∂Ω\zeta\in\partial\Omega で lim sup⁡∣f∣=∣c∣≤M\limsup|f|=|c|\le M ですから s≤Ms\le M です。

次の補題の証明では、例外点の近くで 0 に近づく関数 ψ\psi を掛けて NN 乗し、最後に N→∞N\to\infty とします。ψ\psi を掛けると例外点での暴れが抑えられ、N→∞N\to\infty では ψ\psi の影響が消える、という二段構えのためです。

境界の「どの点でも」条件を課すのは使いにくい場合があります。たとえば円板の 1 点で、値の制御ができない場合です。次の補題は、有界性さえあればそのような例外が有限個あってもよいと言っています。

補題 3.2(有限個の例外点を許す最大値原理)✓

Ω\Omega を有界領域、F⊂∂ΩF\subset\partial\Omega を有限集合、ff を Ω\Omega 上の有界な正則関数とする。ζ∈∂Ω∖F\zeta\in\partial\Omega\setminus F で lim sup⁡z→ζ∣f(z)∣≤M\limsup_{z\to\zeta}|f(z)|\le M ならば、Ω\Omega 上で ∣f∣≤M|f|\le M である。

証明(補題 3.2)

F={ζ1,…,ζk}F=\{\zeta_1,\dots,\zeta_k\} とし、d=1+diam⁡Ωd=1+\operatorname{diam}\Omega、ψ(z)=∏j=1kz−ζjd\psi(z)=\prod_{j=1}^k\dfrac{z-\zeta_j}{d} とおきます。z∈Ω‾z\in\overline{\Omega} で ∣z−ζj∣≤diam⁡Ω<d|z-\zeta_j|\le\operatorname{diam}\Omega<d ですから、∣ψ∣<1|\psi|<1 が Ω‾\overline{\Omega} 上で成り立ちます。また ζj∉Ω\zeta_j\notin\Omega なので ψ\psi は Ω\Omega 上で零になりません。

整数 N≥1N\ge1 に対して FN=fNψF_N=f^N\psi は Ω\Omega 上の有界な正則関数です。ff の上界を BB とします。

  • ζ∈∂Ω∖F\zeta\in\partial\Omega\setminus F では lim sup⁡z→ζ∣FN∣≤MN⋅sup⁡∣ψ∣≤MN\limsup_{z\to\zeta}|F_N|\le M^N\cdot\sup|\psi|\le M^N。
  • ζ=ζj\zeta=\zeta_j では ∣FN∣≤BN∣ψ(z)∣→0|F_N|\le B^N|\psi(z)|\to0(z→ζjz\to\zeta_j)。

どの境界点でも lim sup⁡∣FN∣≤MN\limsup|F_N|\le M^N なので 定理 3.1 から ∣f(z)∣N∣ψ(z)∣≤MN|f(z)|^N|\psi(z)|\le M^N、つまり ∣f(z)∣≤M ∣ψ(z)∣−1/N|f(z)|\le M\,|\psi(z)|^{-1/N} です。z∈Ωz\in\Omega を固定し N→∞N\to\infty とすれば ∣ψ(z)∣−1/N→1|\psi(z)|^{-1/N}\to1 なので ∣f(z)∣≤M|f(z)|\le M です。

注意 3.3(有界性を外すと壊れる)

補題 3.2 の「ff が有界」という仮定は外せません。f(z)=exp⁡ ⁣(1+z1−z)f(z)=\exp\!\Bigl(\dfrac{1+z}{1-z}\Bigr) は D\mathbb{D} 上の正則関数で、∣f(z)∣=exp⁡ ⁣(1−∣z∣2∣1−z∣2)|f(z)|=\exp\!\Bigl(\dfrac{1-|z|^2}{|1-z|^2}\Bigr) です。単位円周上の z≠1z\ne1 では ∣z∣=1|z|=1 なので ∣f∣=1|f|=1 ですが、z=1z=1 に実軸から近づくと ∣f(x)∣=exp⁡ ⁣(1+x1−x)→∞|f(x)|=\exp\!\bigl(\tfrac{1+x}{1-x}\bigr)\to\infty で、D\mathbb{D} の内部で ∣f∣≤1|f|\le1 は成り立ちません。例外点 z=1z=1 の近くで ff がどれだけ大きくなりうるかを何も知らなければ、そこから内部へ大きな値が染み出してくるのです。有界性は、この染み出しを ∣ψ∣1/N|\psi|^{1/N} のなだらかな重みで押さえる補題の証明の鍵でした。

4. Schwarz の補題から Schwarz–Pick の補題へ

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Schwarz の補題(補題 5.1[等角写像とリーマン写像定理])は f(0)=0f(0)=0 を仮定しました。単位円板の自己同型 φa\varphi_a で点を動かせば、この仮定を外せます。

定理 4.1(Schwarz–Pick の補題)✓

f:D→Df:\mathbb{D}\to\mathbb{D} を正則とする。任意の a,z∈Da,z\in\mathbb{D} について

∣f(z)−f(a)1−f(a)‾f(z)∣≤∣z−a1−aˉz∣,∣f′(a)∣1−∣f(a)∣2≤11−∣a∣2\left|\frac{f(z)-f(a)}{1-\overline{f(a)}f(z)}\right|\le\left|\frac{z-a}{1-\bar{a}z}\right|,\qquad \frac{|f'(a)|}{1-|f(a)|^2}\le\frac{1}{1-|a|^2}

が成り立つ。第 1 式で z≠az\ne a について等号が成り立てば、ff は D\mathbb{D} の自己同型である。

証明(定理 4.1)

b=f(a)b=f(a) とし、g=φb∘f∘φ−ag=\varphi_b\circ f\circ\varphi_{-a} を考えます。φ−a\varphi_{-a} は D\mathbb{D} を D\mathbb{D} に、φb\varphi_b も D\mathbb{D} を D\mathbb{D} に写します。φ−a(0)=a\varphi_{-a}(0)=a と φb(b)=0\varphi_b(b)=0 から g:D→Dg:\mathbb{D}\to\mathbb{D}、g(0)=0g(0)=0 です。Schwarz の補題により、すべての w∈Dw\in\mathbb{D} で ∣g(w)∣≤∣w∣|g(w)|\le|w|、∣g′(0)∣≤1|g'(0)|\le1 が成り立ちます。

w=φa(z)w=\varphi_a(z) とおくと φ−a(w)=z\varphi_{-a}(w)=z なので ∣g(w)∣=∣φb(f(z))∣|g(w)|=|\varphi_b(f(z))| で、第 1 式を得ます。

φc′(u)=1−∣c∣2(1−cˉu)2\varphi_c'(u)=\dfrac{1-|c|^2}{(1-\bar{c}u)^2} ですから φb′(b)=11−∣b∣2\varphi_b'(b)=\dfrac{1}{1-|b|^2}、φ−a′(0)=1−∣a∣2\varphi_{-a}'(0)=1-|a|^2 です。連鎖律で

g′(0)=φb′(b) f′(a) φ−a′(0)=(1−∣a∣2)f′(a)1−∣b∣2g'(0)=\varphi_b'(b)\,f'(a)\,\varphi_{-a}'(0)=\frac{(1-|a|^2)f'(a)}{1-|b|^2}

となり、∣g′(0)∣≤1|g'(0)|\le1 が第 2 式です。等号の場合は、Schwarz の補題の等号条件から g(w)=λwg(w)=\lambda w(∣λ∣=1|\lambda|=1)、つまり f=φb−1∘(λ ⋅)∘φaf=\varphi_b^{-1}\circ(\lambda\,\cdot)\circ\varphi_a は自己同型の合成です。

注意 4.2

第 2 式は、D\mathbb{D} に計量 ∣dz∣1−∣z∣2\dfrac{|dz|}{1-|z|^2}(双曲計量)を入れると「正則写像 D→D\mathbb{D}\to\mathbb{D} は距離を増やさない」ということです。自己同型はこの計量を保つ写像です。半径 RR の円板から半径 MM の円板への写像で f(0)=0f(0)=0 なら、スケール変換で ∣f(z)∣≤M∣z∣/R|f(z)|\le M|z|/R が従います。

Schwarz の補題は円板の自己写像だけでなく、「実部が上から押さえられた関数」の評価にも使えます。実部の上界から絶対値の上界を作るのが、次の Borel–Carathéodory の不等式です。

命題 4.3(Borel–Carathéodory の不等式)✓

ff を D‾(0,R)\overline{D}(0,R) を含む開集合上の正則関数で f(0)=0f(0)=0 とする。A>0A>0 について円周 ∣z∣=R|z|=R 上で Re⁡f≤A\operatorname{Re}f\le A ならば、∣z∣<R|z|<R で

∣f(z)∣≤2A∣z∣R−∣z∣|f(z)|\le\frac{2A|z|}{R-|z|}

が成り立つ。

証明(命題 4.3)

efe^f に最大値原理(定理 3.1)を使うと、∣ef∣=eRe⁡f≤eA|e^f|=e^{\operatorname{Re}f}\le e^{A} が ∣z∣=R|z|=R 上で成り立つので D(0,R)D(0,R) 上でも Re⁡f≤A\operatorname{Re}f\le A です。等号が内点で成り立てば ∣ef∣|e^f| が内点で最大値をとるので efe^f は定数、f′=(ef)′/ef=0f'=(e^f)'/e^f=0 から ff は定数、f(0)=0f(0)=0 から f≡0f\equiv0 となって A>0A>0 に反します。したがって Re⁡f<A\operatorname{Re}f<A です。

2A−f2A-f の実部は AA より大きいので零にならず、

∣2A−f∣2−∣f∣2=4A2−4ARe⁡f=4A(A−Re⁡f)>0|2A-f|^2-|f|^2=4A^2-4A\operatorname{Re}f=4A(A-\operatorname{Re}f)>0

です。よって g=f2A−fg=\dfrac{f}{2A-f} は D(0,R)D(0,R) 上で正則、∣g∣<1|g|<1、g(0)=0g(0)=0 です。h(w)=g(Rw)h(w)=g(Rw) は D\mathbb{D} から D\mathbb{D} への正則写像で h(0)=0h(0)=0 なので、定理 4.1 の第 1 式(a=0a=0)から ∣h(w)∣≤∣w∣|h(w)|\le|w|、すなわち ∣g(z)∣≤∣z∣/R|g(z)|\le|z|/R です。g(2A−f)=fg(2A-f)=f から f=2Ag1+gf=\dfrac{2Ag}{1+g} で、∣f∣≤2A∣g∣1−∣g∣|f|\le\dfrac{2A|g|}{1-|g|} です。右辺は ∣g∣|g| の増加関数なので ∣g∣≤∣z∣/R|g|\le|z|/R を代入して

∣f(z)∣≤2A ∣z∣/R1−∣z∣/R=2A∣z∣R−∣z∣|f(z)|\le\frac{2A\,|z|/R}{1-|z|/R}=\frac{2A|z|}{R-|z|}

を得ます。

系 4.4(実部の増大度と多項式)✓

ff を整関数とし、ある C>0C>0 と整数 k≥0k\ge0 について Re⁡f(z)≤C(1+∣z∣)k\operatorname{Re}f(z)\le C(1+|z|)^k(z∈Cz\in\mathbb{C})が成り立つとする。このとき ff は次数 kk 以下の多項式である。特に実部が上に有界な整関数は定数である。

証明(系 4.4)

f~=f−f(0)\tilde f=f-f(0) とおくと f~(0)=0\tilde f(0)=0 で、∣z∣=R|z|=R 上 Re⁡f~≤AR:=C(1+R)k+∣f(0)∣\operatorname{Re}\tilde f\le A_R:=C(1+R)^k+|f(0)| です。命題 4.3 を円板 D(0,R)D(0,R)、∣z∣=R/2|z|=R/2 に使うと、∣z∣=R/2|z|=R/2 上で ∣f~∣≤2AR|\tilde f|\le 2A_R です。コーシーの評価式(命題 4.1[正則関数の強力な性質])を半径 R/2R/2 で使い、n>kn>k に対して

∣f(n)(0)∣≤n!⋅2AR(R/2)n→R→∞0|f^{(n)}(0)|\le\frac{n!\cdot2A_R}{(R/2)^n}\xrightarrow[R\to\infty]{}0

です(AR=O(Rk)A_R=O(R^k)、n>kn>k)。したがって n>kn>k の Taylor 係数はすべて 00 で、整関数は Taylor 級数に等しい(定理 5.2[正則関数の強力な性質])ので、ff は次数 kk 以下の多項式です。

例 4.5(Schwarz–Pick による導関数の評価)

f:D→Df:\mathbb{D}\to\mathbb{D} が正則のとき、定理 4.1 の第 2 式から ∣f′(a)∣≤1−∣f(a)∣21−∣a∣2≤11−∣a∣2|f'(a)|\le\dfrac{1-|f(a)|^2}{1-|a|^2}\le\dfrac{1}{1-|a|^2} です。コーシーの評価式(命題 4.1[正則関数の強力な性質])を半径 1−∣a∣1-|a| の円で使うと ∣f′(a)∣≤1/(1−∣a∣)|f'(a)|\le1/(1-|a|) しか得られませんから、1/(1−∣a∣2)≈1/(2(1−∣a∣))1/(1-|a|^2)\approx1/(2(1-|a|)) は ∣a∣→1|a|\to1 で約 2 倍よい評価です。しかも f=φbf=\varphi_b を考えれば a=0a=0 で ∣f′(0)∣=1−∣b∣2|f'(0)|=1-|b|^2 に達するなど、等号の成立する場合も具体的に分かります。

また、f(0)=0f(0)=0 と限らない ff でも、ff が D\mathbb{D} に値をとるという事実だけで、原点で動かせる値の範囲が決まります。∣f(0)∣=b|f(0)|=b のとき ∣f′(0)∣≤1−b2|f'(0)|\le1-b^2 なので、値が境界に近いほど ff はほとんど動けません。

5. 非有界領域:Phragmén–Lindelöf の定理と三線定理

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有界でない領域では、有界な正則関数すら境界値で押さえられません。Re⁡z>0\operatorname{Re}z>0 の右半平面で f(z)=ezf(z)=e^{z} は純虚数軸上で ∣f∣=1|f|=1 ですが、内部では ∣f∣=eRe⁡z|f|=e^{\operatorname{Re}z} が非有界です。次の定理は、成長の速さに条件を付ければ有界領域と同じ結論が得られることを示します。ここで扱うのは帯領域 S={z:0<Re⁡z<1}S=\{z:0<\operatorname{Re}z<1\} です。証明の方針は、帯の上下の遠方では急激に小さくなる補正因子を ff に掛けて、有界な長方形に帰着することです。補正因子は、帯の中で絶対値が 1 以下に保たれ、かつ上下へ行くほど二重指数的に減るものとして選びます。

定理 5.1(Phragmén–Lindelöf の定理(帯領域))✓

ff を S‾\overline{S} 上連続で SS 上正則な関数とする。次を仮定する。

  1. Re⁡z=0\operatorname{Re}z=0 または Re⁡z=1\operatorname{Re}z=1 のとき ∣f(z)∣≤M|f(z)|\le M。
  2. ある定数 A,B>0A,B>0 と c<πc<\pi が存在して、z∈Sz\in S で ∣f(z)∣≤Aexp⁡(Bec∣Im⁡z∣)|f(z)|\le A\exp\bigl(B e^{c|\operatorname{Im}z|}\bigr)。

このとき SS 全体で ∣f∣≤M|f|\le M である。

証明(定理 5.1)

M>0M>0 としてよいです(M=0M=0 のときは任意の M′>0M'>0 で結論 ∣f∣≤M′|f|\le M' を得て M′→0M'\to0 とします)。c<γ<πc<\gamma<\pi なる γ\gamma を取り、κ=cos⁡(γ/2)>0\kappa=\cos(\gamma/2)>0 とします。ε>0\varepsilon>0 に対して

hε(z)=exp⁡ ⁣(−εcos⁡(γ(z−12)))h_\varepsilon(z)=\exp\!\bigl(-\varepsilon\cos(\gamma(z-\tfrac12))\bigr)

とおきます。z−12=u+iyz-\tfrac12=u+iy(∣u∣≤12|u|\le\tfrac12)と書くと、cos⁡(γu+iγy)=cos⁡γucosh⁡γy−isin⁡γusinh⁡γy\cos(\gamma u+i\gamma y)=\cos\gamma u\cosh\gamma y-i\sin\gamma u\sinh\gamma y なので、実部は cos⁡(γu)cosh⁡(γy)\cos(\gamma u)\cosh(\gamma y) です。∣γu∣≤γ/2<π/2|\gamma u|\le\gamma/2<\pi/2 ですから cos⁡γu≥κ>0\cos\gamma u\ge\kappa>0 で、

∣hε(z)∣=exp⁡ ⁣(−εcos⁡γucosh⁡γy)≤exp⁡ ⁣(−εκ2eγ∣y∣)≤1|h_\varepsilon(z)|=\exp\!\bigl(-\varepsilon\cos\gamma u\cosh\gamma y\bigr)\le\exp\!\bigl(-\tfrac{\varepsilon\kappa}{2}e^{\gamma|y|}\bigr)\le1

です(cosh⁡t≥e∣t∣/2\cosh t\ge e^{|t|}/2 を使いました)。F=fhεF=f h_\varepsilon とおくと、条件 2 から

∣F(z)∣≤Aexp⁡ ⁣(Bec∣y∣−εκ2eγ∣y∣)→0(∣y∣→∞, z∈S‾)|F(z)|\le A\exp\!\bigl(Be^{c|y|}-\tfrac{\varepsilon\kappa}{2}e^{\gamma|y|}\bigr)\to0\quad(|y|\to\infty,\ z\in\overline{S})

です(γ>c\gamma>c で、指数部が −∞-\infty に発散する)。そこで Y>0Y>0 を、∣y∣≥Y|y|\ge Y で ∣F∣≤M|F|\le M となるように取ります。

長方形 RY={0<Re⁡z<1, ∣Im⁡z∣<Y}R_Y=\{0<\operatorname{Re}z<1,\ |\operatorname{Im}z|<Y\} は有界領域で、FF は RY‾\overline{R_Y} 上連続です。縦の辺 Re⁡z∈{0,1}\operatorname{Re}z\in\{0,1\} では ∣F∣≤∣f∣≤M|F|\le|f|\le M、横の辺 ∣y∣=Y|y|=Y では ∣F∣≤M|F|\le M なので、定理 3.1 により RYR_Y 上で ∣F∣≤M|F|\le M です。∣y∣≥Y|y|\ge Y の部分では最初から ∣F∣≤M|F|\le M です。結局 SS 全体で ∣fhε∣≤M|f h_\varepsilon|\le M で、ε→0\varepsilon\to0 とすれば hε→1h_\varepsilon\to1 なので ∣f∣≤M|f|\le M です。

注意 5.2(証明の発想)

成長条件があるのに有界性は要らない、というのが定理のポイントです。証明の中心は、ff に hεh_\varepsilon を掛けて人工的に減衰させることでした。hεh_\varepsilon は帯の中で絶対値が 11 以下で、∣y∣→∞|y|\to\infty では exp⁡(−εeγ∣y∣/定数)\exp(-\varepsilon e^{\gamma|y|}/\text{定数}) と二重指数的に小さくなります。ff の成長が exp⁡(ec∣y∣)\exp(e^{c|y|}) より遅い限り、γ>c\gamma>c を選べば hεh_\varepsilon の減衰が ff の増大に勝ちます。こうして F=fhεF=fh_\varepsilon は帯の無限遠で十分小さくなり、有界な長方形に帰着して 定理 3.1 が使えます。最後に ε→0\varepsilon\to0 で補正を外します。γ<π\gamma<\pi という制限は、cos⁡(γ(z−12))\cos(\gamma(z-\tfrac12)) の実部が帯の中で正に保たれる条件から来ており、これが指数 π\pi が最良になる理由でもあります(次の注意)。同じ手法は、Re⁡z>0\operatorname{Re}z>0 の右半平面や、頂角 π/α\pi/\alpha の扇形でも、領域を指数・べき関数で帯に写すか、exp⁡(−εzα′)\exp(-\varepsilon z^{\alpha'}) のような補正因子を選ぶことで使えます(演習 9.4)。

注意 5.3(指数 π は最良)

f(z)=exp⁡ ⁣(ie−iπz)f(z)=\exp\!\bigl(ie^{-i\pi z}\bigr) は整関数です。z=x+iyz=x+iy に対して ie−iπz=ieπy(cos⁡πx−isin⁡πx)ie^{-i\pi z}=ie^{\pi y}(\cos\pi x-i\sin\pi x) で、実部は eπysin⁡πxe^{\pi y}\sin\pi x です。x=0,1x=0,1 では実部が 00 なので ∣f∣=1|f|=1 ですが、0<x<10<x<1 では ∣f∣=exp⁡(eπysin⁡πx)|f|=\exp(e^{\pi y}\sin\pi x) が y→∞y\to\infty で非有界です。成長条件で c=πc=\pi を許すと結論は成り立ちません。

定理 5.4(Hadamard の三線定理)✓

ff を S‾\overline{S} 上の有界な連続関数で SS 上正則とし、M0=sup⁡y∣f(iy)∣M_0=\sup_y|f(iy)|、M1=sup⁡y∣f(1+iy)∣M_1=\sup_y|f(1+iy)| とおく。このとき 0≤x≤10\le x\le1 について

∣f(x+iy)∣≤M0 1−xM1 x(y∈R)|f(x+iy)|\le M_0^{\,1-x}M_1^{\,x}\qquad(y\in\mathbb{R})

が成り立つ。すなわち M(x)=sup⁡y∣f(x+iy)∣M(x)=\sup_y|f(x+iy)| について log⁡M(x)\log M(x) は [0,1][0,1] 上で凸である。

証明(定理 5.4)

まず M0,M1>0M_0,M_1>0 とします。g(z)=f(z) M0 z−1M1−zg(z)=f(z)\,M_0^{\,z-1}M_1^{-z}(aw=ewlog⁡aa^w=e^{w\log a})とおきます。gg は S‾\overline{S} 上連続で SS 上正則、∣g(x+iy)∣=∣f(x+iy)∣M0x−1M1−x|g(x+iy)|=|f(x+iy)|M_0^{x-1}M_1^{-x} で有界です。Re⁡z=0\operatorname{Re}z=0 では ∣g∣=∣f∣/M0≤1|g|=|f|/M_0\le1、Re⁡z=1\operatorname{Re}z=1 では ∣g∣=∣f∣/M1≤1|g|=|f|/M_1\le1 です。gg は有界なので 定理 5.1 の条件 2 は(c=0c=0 として)満たされ、∣g∣≤1|g|\le1 が従います。これが主張です。M0M_0 か M1M_1 が 00 の場合は、MjM_j を Mj+ηM_j+\eta に置き換えて同じ議論をし、η→0\eta\to0 とします。

log⁡M(x)\log M(x) の凸性:0≤x0<x1≤10\le x_0<x_1\le1 に対して f~(z)=f(x0+(x1−x0)z)\tilde f(z)=f(x_0+(x_1-x_0)z) を考えます。f~\tilde f も S‾\overline{S} 上の有界連続で SS 上正則であり、その 2 本の境界線上の上限は M(x0)M(x_0) と M(x1)M(x_1) です。上の不等式を f~\tilde f に使うと、0≤t≤10\le t\le1 で M((1−t)x0+tx1)≤M(x0)1−tM(x1)tM\bigl((1-t)x_0+tx_1\bigr)\le M(x_0)^{1-t}M(x_1)^{t} となります。両辺の対数を取れば凸性です。

例 5.5(三線定理の等号成立)

f(z)=4zf(z)=4^{z} は帯 SS 上で有界、∣f(iy)∣=1|f(iy)|=1、∣f(1+iy)∣=4|f(1+iy)|=4、∣f(1/2+iy)∣=2=11/241/2|f(1/2+iy)|=2=1^{1/2}4^{1/2} で、三線定理の不等式で等号が成り立ちます。指数関数 aza^{z} が三線定理の極限の形です。

系 5.6(Hadamard の三円定理)✓

0<r1<r20<r_1<r_2 とし、ff を閉円環 {r1≤∣z∣≤r2}\{r_1\le|z|\le r_2\} を含む開集合上で正則、M(r)=max⁡∣z∣=r∣f(z)∣M(r)=\max_{|z|=r}|f(z)| とする。r1≤r≤r2r_1\le r\le r_2 について

M(r)log⁡(r2/r1)≤M(r1)log⁡(r2/r) M(r2)log⁡(r/r1).M(r)^{\log(r_2/r_1)}\le M(r_1)^{\log(r_2/r)}\,M(r_2)^{\log(r/r_1)} .

すなわち log⁡M(et)\log M(e^t) は t=log⁡rt=\log r の凸関数である。

証明(系 5.6)

三線定理(定理 5.4)を指数写像で円環に移します。L=log⁡(r2/r1)L=\log(r_2/r_1) として g(s)=f(r1eLs)g(s)=f\bigl(r_1e^{Ls}\bigr) とおくと、ss が帯 {0<Re⁡s<1}\{0<\operatorname{Re}s<1\} を動くとき z=r1eLsz=r_1e^{Ls} は円環 r1<∣z∣<r2r_1<|z|<r_2 を(周期 2π/L2\pi/L で繰り返し)動きます。gg は閉帯上で連続・有界(ff が閉円環上で連続)で、帯の内部で正則です。Re⁡s=0\operatorname{Re}s=0 で ∣g∣≤M(r1)|g|\le M(r_1)、Re⁡s=1\operatorname{Re}s=1 で ∣g∣≤M(r2)|g|\le M(r_2) ですから、定理 5.4 から Re⁡s=x\operatorname{Re}s=x で ∣g∣≤M(r1)1−xM(r2)x|g|\le M(r_1)^{1-x}M(r_2)^{x} です。r=r1eLxr=r_1e^{Lx} とすれば x=log⁡(r/r1)/Lx=\log(r/r_1)/L なので、M(r)≤M(r1)log⁡(r2/r)/LM(r2)log⁡(r/r1)/LM(r)\le M(r_1)^{\log(r_2/r)/L}M(r_2)^{\log(r/r_1)/L} です。両辺を LL 乗すれば主張の形になります。

三線定理は帯の特別な場合です。一般の領域では、境界を 2 つの部分に分け、それぞれでの上界から内部の上界を内挿します。内挿の重みは調和測度(次章で扱う Dirichlet 問題の解)で決まります。ここでは、重みが正則関数の実部として与えられる場合に証明します。

定理 6.1(二定数定理)✓

Ω\Omega を有界領域、F⊂∂ΩF\subset\partial\Omega を有限集合、∂Ω∖F=E⊔E′\partial\Omega\setminus F=E\sqcup E' とする。hh を Ω\Omega 上の正則関数で 0≤Re⁡h≤10\le\operatorname{Re}h\le1 をみたし、z→ζ∈Ez\to\zeta\in E で Re⁡h→1\operatorname{Re}h\to1、z→ζ∈E′z\to\zeta\in E' で Re⁡h→0\operatorname{Re}h\to0 となるものとする。ff を Ω\Omega 上の正則関数で ∣f∣≤M|f|\le M、さらに ζ∈E\zeta\in E で lim sup⁡z→ζ∣f∣≤m\limsup_{z\to\zeta}|f|\le m とする(0<m≤M0<m\le M)。このとき ω=Re⁡h\omega=\operatorname{Re}h について

∣f(z)∣≤m ω(z)M 1−ω(z)(z∈Ω)|f(z)|\le m^{\,\omega(z)}M^{\,1-\omega(z)}\qquad(z\in\Omega)

が成り立つ。

証明(定理 6.1)

A=log⁡(m/M)≤0A=\log(m/M)\le0 とし、Λ=Mexp⁡(Ah)\Lambda=M\exp(Ah) とおきます。Λ\Lambda は零点のない正則関数で ∣Λ∣=MeAω=M1−ωmω≥m|\Lambda|=Me^{A\omega}=M^{1-\omega}m^{\omega}\ge m です。g=f/Λg=f/\Lambda は有界な正則関数で ∣g∣≤M/m|g|\le M/m です。ζ∈E\zeta\in E では ∣Λ∣→m|\Lambda|\to m なので lim sup⁡∣g∣≤m/m=1\limsup|g|\le m/m=1、ζ∈E′\zeta\in E' では ∣Λ∣→M|\Lambda|\to M なので lim sup⁡∣g∣≤M/M=1\limsup|g|\le M/M=1 です。補題 3.2 から ∣g∣≤1|g|\le1、つまり ∣f∣≤∣Λ∣|f|\le|\Lambda| です。

注意 6.2(調和測度との関係)

ω=Re⁡h\omega=\operatorname{Re}h は、境界の部分 EE で 11、E′E' で 00 となる調和関数です。これは EE の調和測度と呼ばれる量で、「ブラウン運動が zz から出発して最初に EE で境界に当たる確率」と解釈されます。二定数定理は、「EE 上の上界 mm と全体の上界 MM から、内部の上界を mωM1−ωm^{\omega}M^{1-\omega} と、調和測度で重みを付けた幾何平均で押さえる」と読めます。帯 SS の場合に h(z)=zh(z)=z を取ると E={Re⁡z=1}E=\{\operatorname{Re}z=1\}、E′={Re⁡z=0}E'=\{\operatorname{Re}z=0\} で ω=x\omega=x となり、三線定理(定理 5.4)と同じ形の不等式になります(SS は有界でないので、定理 6.1 そのものは使えず、証明では 定理 5.1 が 補題 3.2 の代わりをしています)。一般の領域では、このような正則関数 hh が存在するとは限らず、調和測度を直接扱う必要があります。単位円板の場合は、次の記事で扱う Poisson 積分が調和測度を与えます。

例 6.3(半円板での内挿)

Ω={∣z∣<1, Im⁡z>0}\Omega=\{|z|<1,\ \operatorname{Im}z>0\} とし、w=1+z1−zw=\dfrac{1+z}{1-z} は Ω\Omega を第 1 象限に写します(Re⁡w=1−∣z∣2∣1−z∣2>0\operatorname{Re}w=\dfrac{1-|z|^2}{|1-z|^2}>0、Im⁡w=2Im⁡z∣1−z∣2>0\operatorname{Im}w=\dfrac{2\operatorname{Im}z}{|1-z|^2}>0)。h(z)=−2iπLog⁡1+z1−zh(z)=-\dfrac{2i}{\pi}\operatorname{Log}\dfrac{1+z}{1-z} の実部は 2πarg⁡w∈(0,1)\dfrac{2}{\pi}\arg w\in(0,1) で、上半円周(z=±1z=\pm1 を除く)に近づくと arg⁡w→π/2\arg w\to\pi/2 なので 11 に、実軸の区間 (−1,1)(-1,1) に近づくと 00 に収束します。例外点は F={±1}F=\{\pm1\}、EE は上半円周です。∣f∣≤1|f|\le1、半円周上で ∣f∣≤10−2|f|\le10^{-2} なら、z=i/2z=i/2 では w=0.6+0.8iw=0.6+0.8i、ω=2πarctan⁡43≈0.590\omega=\dfrac{2}{\pi}\arctan\dfrac43\approx0.590 で、∣f(i/2)∣≤(10−2)0.590≈0.066|f(i/2)|\le(10^{-2})^{0.590}\approx0.066 です。

ここからは「列」の話です。有界な数列から収束する部分列が取れる(ボルツァノ–ワイエルシュトラス)ように、有界な正則関数の列からも局所一様収束する部分列が取れる、というのが Montel の定理です。その族のことを正規族と呼びます。証明は、(i) 族全体が同じ連続の度合いをもつことを示し、(ii) 有理点で収束する部分列を対角線論法で作り、(iii) 有理点での収束を全体の一様収束へ広げる、という順です。(iii) では δ,δ0\delta,\delta_0 が「余白の幅」、LL が共通の Lipschitz 定数、η\eta が「有理点との近さ」を表します。

定義 7.1(正規族)↗

Ω⊂C\Omega\subset\mathbb{C} を開集合とする。Ω\Omega 上の正則関数の族 F\mathcal{F} が局所一様有界であるとは、任意のコンパクト集合 K⊂ΩK\subset\Omega に対して MKM_K が存在して、すべての f∈Ff\in\mathcal{F} と z∈Kz\in K で ∣f(z)∣≤MK|f(z)|\le M_K となることをいう。F\mathcal{F} が正規族であるとは、F\mathcal{F} の任意の列が Ω\Omega 上で局所一様収束する部分列をもつことをいう(極限は F\mathcal{F} に属さなくてもよいが、有限値の関数とする)。

定理 7.2(Montel の定理)✓

Ω\Omega を開集合とする。Ω\Omega 上の正則関数の族 F\mathcal{F} が局所一様有界ならば、F\mathcal{F} は正規族であり、部分列の極限は Ω\Omega 上の正則関数である。逆に正規族は局所一様有界である。

証明(定理 7.2)

(i) 同程度連続性。 コンパクト集合 K⊂ΩK\subset\Omega に対し、δ>0\delta>0 を、K2δ={z:dist⁡(z,K)≤2δ}K_{2\delta}=\{z:\operatorname{dist}(z,K)\le2\delta\} が Ω\Omega に含まれるように取ります。K2δK_{2\delta} はコンパクトなので、F\mathcal{F} の局所一様有界性により M=MK2δM=M_{K_{2\delta}} が取れます。z,w∈Kz,w\in K、∣z−w∣<δ|z-w|<\delta とします。円板 D‾(w,2δ)⊂K2δ\overline{D}(w,2\delta)\subset K_{2\delta} で、zz は内部にあるので、積分公式(定理 3.2[正則関数の強力な性質])を zz と ww に適用して

f(z)−f(w)=12πi∮∣ζ−w∣=2δf(ζ)(1ζ−z−1ζ−w)dζ=z−w2πi∮f(ζ)(ζ−z)(ζ−w)dζf(z)-f(w)=\frac{1}{2\pi i}\oint_{|\zeta-w|=2\delta}f(\zeta)\left(\frac{1}{\zeta-z}-\frac{1}{\zeta-w}\right)d\zeta=\frac{z-w}{2\pi i}\oint\frac{f(\zeta)}{(\zeta-z)(\zeta-w)}d\zeta

です。∣ζ−w∣=2δ|\zeta-w|=2\delta、∣ζ−z∣≥δ|\zeta-z|\ge\delta なので ML 不等式で

∣f(z)−f(w)∣≤∣z−w∣2π⋅4πδ⋅Mδ⋅2δ=Mδ∣z−w∣.|f(z)-f(w)|\le\frac{|z-w|}{2\pi}\cdot4\pi\delta\cdot\frac{M}{\delta\cdot2\delta}=\frac{M}{\delta}|z-w| .

つまり F\mathcal{F} の元はみな同じ Lipschitz 定数 L=M/δL=M/\delta をもちます。

(ii) 対角線論法。 F\mathcal{F} の列 (fn)(f_n) を取ります。実部・虚部が有理数の点の全体 Q∩Ω={q1,q2,… }Q\cap\Omega=\{q_1,q_2,\dots\} は Ω\Omega で稠密です。(fn(q1))(f_n(q_1)) は有界な複素数列なので収束部分列があり、その部分列でさらに q2q_2 について収束部分列を取り……と続けて対角線を取ると、部分列 (gk)(g_k) が各 qiq_i で収束します。

(iii) 局所一様コーシー性。 コンパクト集合 K⊂ΩK\subset\Omega と ε>0\varepsilon>0 を取ります。K′={z:dist⁡(z,K)≤δ0}⊂ΩK'=\{z:\operatorname{dist}(z,K)\le\delta_0\}\subset\Omega となる δ0>0\delta_0>0 を取り、(i) を K′K' に使って δ,L\delta,L を得ます。η<min⁡(δ,δ0,ε/(3L))\eta<\min(\delta,\delta_0,\varepsilon/(3L)) を取ると、各 z∈Kz\in K には ∣z−q∣<η|z-q|<\eta なる q∈Qq\in Q があり、q∈K′q\in K' です。コンパクト性から有限個の qi1,…,qis∈Q∩K′q_{i_1},\dots,q_{i_s}\in Q\cap K' が取れて、K⊂⋃jD(qij,η)K\subset\bigcup_jD(q_{i_j},\eta) です。k0k_0 を、k,l≥k0k,l\ge k_0 ですべての jj について ∣gk(qij)−gl(qij)∣<ε/3|g_k(q_{i_j})-g_l(q_{i_j})|<\varepsilon/3 となるように取ります。z∈Kz\in K で ∣z−qij∣<η|z-q_{i_j}|<\eta なら

∣gk(z)−gl(z)∣≤∣gk(z)−gk(qij)∣+∣gk(qij)−gl(qij)∣+∣gl(qij)−gl(z)∣<Lη+ε3+Lη<ε.|g_k(z)-g_l(z)|\le|g_k(z)-g_k(q_{i_j})|+|g_k(q_{i_j})-g_l(q_{i_j})|+|g_l(q_{i_j})-g_l(z)|<L\eta+\tfrac{\varepsilon}{3}+L\eta<\varepsilon .

よって (gk)(g_k) は KK 上一様コーシー列で、C\mathbb{C} の完備性から一様収束します。KK は任意なので局所一様収束で、極限は 定理 5.2[偏角の原理と Rouché の定理] により正則です。

(iv) 逆。 正規族 F\mathcal{F} が局所一様有界でないとすると、あるコンパクト KK と fn∈Ff_n\in\mathcal{F} で sup⁡K∣fn∣>n\sup_K|f_n|>n が成り立ちます。部分列が局所一様収束すれば、KK 上で連続な極限の有界性から sup⁡K∣fnk∣\sup_K|f_{n_k}| が有界になり矛盾します。

系 7.3(導関数の族の有界性)✓

F\mathcal{F} が Ω\Omega 上の局所一様有界な正則関数族ならば、{f′:f∈F}\{f':f\in\mathcal{F}\} も局所一様有界である。

証明(系 7.3)

コンパクト集合 K⊂ΩK\subset\Omega に対し δ>0\delta>0 を Kδ={z:dist⁡(z,K)≤δ}⊂ΩK_\delta=\{z:\operatorname{dist}(z,K)\le\delta\}\subset\Omega となるように取り、M=MKδM=M_{K_\delta} とします。a∈Ka\in K にコーシーの評価式(命題 4.1[正則関数の強力な性質])を半径 δ\delta で使えば ∣f′(a)∣≤M/δ|f'(a)|\le M/\delta です。

例 7.4(正規族の例と反例)

{zn}n≥1\{z^n\}_{n\ge1} は単位円板 D\mathbb{D} 上で ∣zn∣≤1|z^n|\le1 と一様有界なので正規族で、実際全体が 00 に局所一様収束します。同じ族を D(0,2)D(0,2) 上で見ると z=3/2z=3/2 で ∣zn∣→∞|z^n|\to\infty ですから、どの部分列も局所一様収束せず、正規族ではありません。局所一様有界でなくなることと、正規でなくなることが対応しています(定理 7.2 の逆)。もう 1 つ、{nz}n≥1\{nz\}_{n\ge1} は z≠0z\ne0 で発散し、正規族ではありません。

注意 7.5

Montel の定理には、「00 と 11 を値にとらない正則関数の族は正規族である(極限として ∞\infty への発散も許す)」というずっと強い形があり、Picard の大定理の証明に使われます。本記事では扱いません。ここで使うのは、一様有界という強い仮定の下の上の形です。リーマンの写像定理の存在証明(定理 6.1[等角写像とリーマン写像定理])で使われる Montel の定理は、この形です。

定理 8.1(Vitali の定理)✓

Ω\Omega を領域、fnf_n を Ω\Omega 上の正則関数列で、局所一様有界であるとする。E⊂ΩE\subset\Omega が Ω\Omega 内に集積点をもち、各 z∈Ez\in E で lim⁡nfn(z)\lim_nf_n(z) が存在するならば、fnf_n は Ω\Omega 上で局所一様収束し、極限は正則である。

証明(定理 8.1)

Montel の定理(定理 7.2)により、(fn)(f_n) の局所一様収束する部分列と、その極限 gg が存在します。別の部分列の極限 hh があったとき、z∈Ez\in E では g(z)=lim⁡fn(z)=h(z)g(z)=\lim f_n(z)=h(z) です。g−hg-h は Ω\Omega 上正則で、EE 上で零なので一致の定理から g=hg=h です。すなわち局所一様収束する部分列の極限はすべて同じ gg です。

fnf_n が gg に局所一様収束しないと仮定します。するとあるコンパクト KK、ε>0\varepsilon>0、部分列 (fnk)(f_{n_k}) で sup⁡K∣fnk−g∣≥ε\sup_K|f_{n_k}-g|\ge\varepsilon が成り立ちます。この部分列にもう一度 Montel を使えば、さらに部分列が局所一様収束し、その極限は上の議論から gg です。KK 上の一様収束と sup⁡K∣fnk−g∣≥ε\sup_K|f_{n_k}-g|\ge\varepsilon が矛盾します。

注意 8.2(Vitali の定理が言っていること)

実関数なら、一様有界な連続関数の列が 1 点集合や有理点の上で収束しても、他の点で収束するとは限りません。複素解析では一致の定理が、極限の候補をただ 1 つに絞ります。Montel の定理が「極限の候補は部分列として必ず存在する」を保証し、一致の定理が「候補は 1 つしかない」を保証するので、全列が収束するほかありません。EE が Ω\Omega の内部に集積点をもつという条件は、一致の定理の仮定そのものです。この論法は、列コンパクト性と極限の一意性から全列の収束を導く一般的な型で、同じ形が関数解析でも繰り返し現れます。

系 8.3(極限と微分・テイラー係数の交換)✓

Vitali の定理の仮定の下で、極限を ff とすると、すべての k≥1k\ge1 で fn(k)→f(k)f_n^{(k)}\to f^{(k)} が局所一様に成り立つ。特に D(a,R)⊂ΩD(a,R)\subset\Omega のテイラー係数 ck(n)=fn(k)(a)/k!c_k^{(n)}=f_n^{(k)}(a)/k! は ff の係数 ckc_k に収束する。

証明(系 8.3)

定理 5.2[偏角の原理と Rouché の定理] の導関数の収束と、fn(k)(a)→f(k)(a)f_n^{(k)}(a)\to f^{(k)}(a) そのものです。

例 8.4((1+z/n)ⁿ は eze^z に収束する)

fn(z)=(1+z/n)nf_n(z)=(1+z/n)^n は整関数で、∣fn(z)∣≤(1+∣z∣/n)n≤e∣z∣|f_n(z)|\le(1+|z|/n)^n\le e^{|z|} なので C\mathbb{C} 上で局所一様有界です。実数 xx では fn(x)→exf_n(x)\to e^x が微積分で知られています(E=RE=\mathbb{R} は集積点をもつ)。Vitali の定理から fnf_n は C\mathbb{C} 上で局所一様収束し、極限は整関数 ff で、f(x)=exf(x)=e^x(x∈Rx\in\mathbb{R})です。一致の定理(系 7.4[正則関数の強力な性質] の (2))から f(z)=ezf(z)=e^z です。

例 8.5(帯領域での極限の交換)

S={0<Re⁡z<1}S=\{0<\operatorname{Re}z<1\} 上の正則関数列 fnf_n が ∣fn∣≤1|f_n|\le1 を満たし、小さな線分 {12+it:∣t∣<12}\{\tfrac12+it:|t|<\tfrac12\} の上で各点収束するとします。線分の内点は SS 内に集積点をもつので、Vitali の定理から fnf_n は SS 全体で局所一様収束し、極限は SS で正則です。さらに 系 8.3 から、帯の中の任意の点で導関数も収束します。「帯のごく一部で物理量が収束することを示せば、一様有界性から帯の全体の収束は無料で付いてくる」というのが、正則性を使った極限交換の典型的な使い方です。ただし、集積点が帯の境界の上にしかない場合(収束を実軸上でしか知らない場合)には、この議論はそのままでは使えません。そのときは境界値の正則性(鏡像原理や境界での一意性)を別に用意する必要があります。

例 8.6(一様有界性は外せない)

仮定を 1 つずつ外した反例を挙げます。

  • 有界性なし:fn(z)=sin⁡(π n! z)f_n(z)=\sin(\pi\,n!\,z) は整関数で、有理数 z=p/qz=p/q では n≥qn\ge q から n! z∈Zn!\,z\in\mathbb{Z} なので fn(z)=0f_n(z)=0 です。E=Q∩(−1,1)E=\mathbb{Q}\cap(-1,1) は集積点をもち、各点で fn→0f_n\to0 ですが、純虚数 z=iyz=iy(y≠0y\ne0)では ∣fn(iy)∣=sinh⁡(π n! ∣y∣)→∞|f_n(iy)|=\sinh(\pi\,n!\,|y|)\to\infty です。局所一様有界でないので Vitali の定理は使えません。
  • 集積点なし:fn(z)=(1+(−1)n)zf_n(z)=(1+(-1)^n)z は D\mathbb{D} 上で一様有界で、E={0}E=\{0\} では fn(0)=0f_n(0)=0 と収束しますが、z≠0z\ne0 では 2z,0,2z,0,…2z,0,2z,0,\dots と振動します。EE が有限集合では集積点をもたないので、収束は波及しません。

演習 9.1易

ff を S‾\overline{S} 上有界連続、SS 上正則とし、∣f(iy)∣≤1|f(iy)|\le1、∣f(1+iy)∣≤4|f(1+iy)|\le4 とする。∣f(12+iy)∣≤2|f(\tfrac12+iy)|\le2 を示せ。

解答

定理 5.4 で M0≤1M_0\le1、M1≤4M_1\le4 です。x=1/2x=1/2 のとき ∣f(12+iy)∣≤M01/2M11/2≤1⋅2=2|f(\tfrac12+iy)|\le M_0^{1/2}M_1^{1/2}\le1\cdot2=2 です。

演習 9.2標準

f:D→Df:\mathbb{D}\to\mathbb{D} を正則で f(0)=0f(0)=0、f(12)=12f(\tfrac12)=\tfrac12 とする。f(z)=zf(z)=z を示せ。

解答

z0=12≠0z_0=\tfrac12\ne0 で ∣f(z0)∣=12=∣z0∣|f(z_0)|=\tfrac12=|z_0| が成り立っています。Schwarz の補題(補題 5.1[等角写像とリーマン写像定理])の等号条件から f(z)=λzf(z)=\lambda z(∣λ∣=1|\lambda|=1)で、f(12)=12f(\tfrac12)=\tfrac12 から λ=1\lambda=1 です。

演習 9.3標準

F={f:D→C 正則∣Re⁡f>0, f(0)=1}\mathcal{F}=\{f:\mathbb{D}\to\mathbb{C}\ \text{正則}\mid\operatorname{Re}f>0,\ f(0)=1\} は正規族であることを示せ。

解答

f∈Ff\in\mathcal{F} に対して g=f−1f+1g=\dfrac{f-1}{f+1} とおくと、Re⁡f>0\operatorname{Re}f>0 から ∣f−1∣<∣f+1∣|f-1|<|f+1| なので g:D→Dg:\mathbb{D}\to\mathbb{D} は正則で g(0)=0g(0)=0 です。Schwarz の補題で ∣g(z)∣≤∣z∣|g(z)|\le|z| です。f=1+g1−gf=\dfrac{1+g}{1-g} なので ∣f(z)∣≤1+∣g∣1−∣g∣≤1+∣z∣1−∣z∣|f(z)|\le\dfrac{1+|g|}{1-|g|}\le\dfrac{1+|z|}{1-|z|} です。∣z∣≤ρ<1|z|\le\rho<1 で右辺は 1+ρ1−ρ\dfrac{1+\rho}{1-\rho} 以下の定数ですから F\mathcal{F} は局所一様有界で、Montel の定理(定理 7.2)より正規族です。

演習 9.4難

Q={z:Re⁡z>0, Im⁡z>0}Q=\{z:\operatorname{Re}z>0,\ \operatorname{Im}z>0\} とし、ff を Q‾\overline{Q} 上の有界な連続関数で QQ 上正則とする。∂Q\partial Q 上で ∣f∣≤1|f|\le1 ならば QQ 上で ∣f∣≤1|f|\le1 であることを示せ。

解答

s=x+iys=x+iy(0<x<10<x<1)に対して G(s)=f(eiπs/2)G(s)=f(e^{i\pi s/2}) とおきます。eiπs/2=e−πy/2eiπx/2e^{i\pi s/2}=e^{-\pi y/2}e^{i\pi x/2} は、s∈Ss\in S が動くとき QQ 全体を動き、x=0x=0 で正の実軸、x=1x=1 で正の虚軸に対応します。GG は S‾\overline{S} 上有界連続(S‾\overline{S} から Q‾∖{0}\overline{Q}\setminus\{0\} への写像)、SS 上正則で、境界の直線上で ∣G∣≤1|G|\le1 です。定理 5.1 を c=0c=0 で使えば SS 上 ∣G∣≤1|G|\le1、したがって QQ 上 ∣f∣≤1|f|\le1 です。

  • L. V. Ahlfors, Complex Analysis, 3rd ed., McGraw-Hill, 1979 — 第 4 章 §3(最大値原理と Schwarz の補題)、第 5 章 §5(Montel の定理)。
  • W. Rudin, Real and Complex Analysis, 3rd ed., McGraw-Hill, 1987 — 第 12 章(Phragmén–Lindelöf の方法と三線定理、Vitali の定理)。
  • E. M. Stein and R. Shakarchi, Complex Analysis, Princeton University Press, 2003 — 第 8 章 §3(Montel の定理)。
  • J. B. Conway, Functions of One Complex Variable I, 2nd ed., Springer, 1978 — 第 VI 章 §1(Montel の定理)、第 VI 章(Vitali の定理)。
  • R. Nevanlinna, Eindeutige analytische Funktionen, Springer, 1936 — 二定数定理。

このテーマの 100 本ノック(100 問)

執筆: Claude Code(Sonnet 5.5)・監査 3 回(Claude Code)・最終 2026-10-12

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