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フォック空間と第二量子化

新井朝雄『Analysis on Fock Spaces and Mathematical Theory of Quantum Fields』『フォック空間と量子場』の範囲を中心に、

想定読者: 研究者・博士課程以上(数理物理)

前提テーマ:関数解析と作用素論、場の量子論、確率論、フーリエ解析と超関数

このテーマの 100 本ノック(100 問)

目次

  1. 第 1 章対称・反対称テンソル積と多粒子の Hilbert 空間本置換作用素から対称化作用素 S_n と反対称化作用素 A_n を作り、それらが直交射影であることを示す。ボソン・フェルミオンの n 粒子空間の正規直交基底と次元公式、L² の対称関数との同一視、1 粒子作用素の和の自己共役性を証明する。
  2. 第 2 章ボソン Fock 空間と生成・消滅作用素本ボソン Fock 空間と真空・有限粒子部分空間を定義し、消滅・生成作用素を最大定義域で構成して閉性と共役関係を証明する。正準交換関係、数作用素による相対評価、真空の巡回性と一意性までを定義域込みで示す。
  3. 第 3 章第二量子化作用素 Γ(U) と dΓ(A)本縮小作用素 C の第二量子化 Γ(C) の関手性とユニタリ性、自己共役作用素 A の第二量子化 dΓ(A) の自己共役性と e^{itdΓ(A)}=Γ(e^{itA})、生成作用素との交換関係、数作用素による評価、スペクトルと点スペクトルの決定を証明する。
  4. 第 4 章Segal 場・Weyl 作用素・コヒーレント状態本Segal 場 Φ_S(f) の本質的自己共役性を有限粒子ベクトルの解析性から示し、Weyl 関係、真空期待値 e^{-‖f‖²/4}、コヒーレント状態、Segal 場の強可換性の判定、Fock 表現の既約性を証明する。
  5. 第 5 章フェルミオン Fock 空間と正準反交換関係本反対称テンソル積からフェルミオン Fock 空間を作り、生成・消滅作用素の正準反交換関係と ‖b(f)‖=‖f‖ を証明する。第二量子化、有限自由度での CAR 表現の一意性、Jordan–Wigner 変換、電子・陽電子の Fock 空間と Dirac の海の非 Fock 性まで扱う。
  6. 第 6 章ガウス測度と Q 空間表示:Wiener–伊藤–Segal 同型と超縮小性本実 Hilbert 空間上のガウス確率過程と Bochner–Minlos の定理で Q 空間を作り、ボソン Fock 空間との Wiener–伊藤–Segal 同型を構成する。Segal 場が掛け算作用素に、n 粒子空間が n 次カオスになることを示し、Γ(C) の正値性保存と Nelson の超縮小性を扱う。
  7. 第 7 章CCR の表現:Stone–von Neumann の一意性と非同値表現本Weyl 形式の CCR の表現を定義し、有限自由度での Stone–von Neumann の一意性定理を Gauss 型射影で証明する。無限自由度では振動子の尺度を変えた表現や温度状態の表現が Fock 表現と互いに素になることを、大数の法則型の巨視的観測量で示す。
  8. 第 8 章Bogoliubov 変換と Shale の定理本生成・消滅作用素の線形な組み替え a(Uf)+a(VCf)* が CCR を保つ条件を導き、それが Fock 空間のユニタリ作用素で実装できるのは V が Hilbert–Schmidt のときに限るという Shale の定理を証明する。フェルミオン版、スクイーズド状態、2 次ハミルトニアンの対角化、シフト変換も扱う。
  9. 第 9 章自由スカラー場の Fock 空間上の構成本1 粒子空間 L²(R³) と ω(k)=√(k²+m²) から、時間ゼロ場 φ(f)・π(f) を Segal 場で、時空の場 φ(F) を作用素値超関数として構成する。H₀=dΓ(ω) と Poincaré 群の表現 Γ(u(a,Λ)) を作り、Wightman 公理を確かめ、2 点関数と質量ゼロの赤外の注意を述べる。
  10. 第 10 章van Hove 模型:厳密に解ける場の模型と非同値表現本van Hove ハミルトニアン dΓ(ω)+Φ_S(λv) の自己共役性を示し、v/ω∈L² なら Weyl 作用素で dΓ(ω)+E₀ と対角化できることと E₀=-λ²‖v/√ω‖²/2 を証明する。基底状態が存在する条件を特徴づけ、紫外・赤外の切断除去で基底状態が Fock 表現と非同値な表現に移ることを示す。
  11. 第 11 章Nelson 模型と spin-boson 模型:自己共役性・基底状態・紫外くりこみ本粒子がスカラー場と線形に結合する Nelson 模型と、2 準位系が結合する spin-boson 模型を定義する。Kato–Rellich による自己共役性、赤外条件と基底状態の存在、Gross 変換と Nelson の紫外くりこみ定理、Ohmic 型の局在転移を扱う。
  12. 第 12 章Pauli–Fierz 模型と赤外問題本クーロンゲージの量子化電磁場に結合した非相対論的荷電粒子の Pauli–Fierz ハミルトニアンを定義し、小さい結合での自己共役性、全運動量によるファイバー分解、基底状態の存在と軟光子による赤外問題、双極子近似での厳密な有効質量を扱う。
  13. 第 13 章量子 Rabi 模型と Jaynes–Cummings 模型本2 準位系と 1 つのボソンモードが結合した量子 Rabi 模型の自己共役性とコンパクトなレゾルベントを示し、パリティで 2 つの Jacobi 行列に分解する。各パリティの n 番目の固有値が nω − g²/ω から Δ/2 以内にあることと 1 次の Laguerre 公式を証明し、Jaynes–Cummings 模型を厳密に解く。
  14. 第 14 章pull-through 公式と基底状態の一般論本粒子系とボソン場が線形に結合した一般の模型で pull-through 公式を厳密に示し、赤外正則なら基底状態のボソン数が有限、赤外特異なら基底状態がないことを導く。Γ̌(j) 局所化による HVZ 型評価と、質量ゼロでの Gérard の存在定理を証明する。
  15. 第 15 章赤外問題本速度が急に変わる古典的な電荷が放つ光子を厳密に解き、放出光子数が赤外で対数発散する一方、全放射エネルギーの分布は切断を外しても収束し E^A 型の冪則に従うことを示す。帯電粒子の衣が Fock 表現と非同値なコヒーレント表現を与えることと、TRK 和則・有効質量の位置づけも述べる。
  16. 第 16 章滑らかな Feshbach 写像と作用素くりこみ群本射影の代わりに滑らかな 1 の分割を使う Bach–Chen–Fröhlich–Sigal の Feshbach 写像を定義し、非有界作用素での等スペクトル性と逆作用素の公式を証明する。Wick 単項式の作用素ノルム評価と尺度変換から、くりこみ写像 1 段で光子を出し入れする項が縮小することを示す。

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