圏論・ホモロジー代数
圏・関手・自然変換から始め、米田の補題・極限・随伴で「普遍性」を一つの言葉にまとめ、
想定読者: 大学院生(修士課程)、代数幾何・代数的位相幾何・表現論・代数的整数論に進む人
前提テーマ:代数学(群・環・体)、線形代数学、可換環論
目次
- 第 1 章圏・関手・自然変換無料Grothendieck 宇宙の公理で小さい集合を定め、圏・関手・自然変換・関手圏を定義する。始対象の一意性、自然同型の成分判定、水平合成の交換法則、充満忠実かつ本質的全射による圏同値の判定、骨格の存在を証明する。
- 第 2 章米田の補題と表現可能関手無料前層の圏と表現可能関手を定義し、米田の補題とその自然性、米田埋め込みの充満忠実性、表現と普遍元・普遍射の対応を証明する。パラメータ付きの表現可能性から関手を組み立て、Cayley の定理とテンソル積をその例として読む。
- 第 3 章極限と余極限無料図式の極限・余極限を表現可能関手として定義し、積と等化子からすべての極限が作れること、集合・加群・位相空間の圏の完備性、関手圏の極限が各点で計算できること、集合の圏でフィルター余極限が有限極限と交換することを証明する。
- 第 4 章随伴関手と随伴関手定理無料随伴の三つの定義(Hom の自然な全単射・普遍射・単位と余単位)の同値、左随伴の一意性、右随伴が極限を保つこと、圏同値の随伴同値への取り替えを証明し、Freyd の一般随伴関手定理から自由群の存在と群の圏の余完備性を導く。
- 第 5 章Kan 拡張と前層の圏無料要素の圏を使って前層が表現可能前層の余極限であること(稠密性定理)を示し、各点 Kan 拡張の公式、神経と実現の随伴、エンド・コエンドと co-Yoneda の補題、前層の圏のデカルト閉性と部分対象分類子、誘導表現と Frobenius の相互律を証明する。
- 第 6 章モナドとモノイダル圏無料随伴がモナドを定め、Eilenberg–Moore 圏が終対象・Kleisli 圏が始対象になることを証明し、モノイドと G 集合をモナドの代数として特徴づける。モノイダル圏・閉モノイダル圏の基本性質と、加群・超ベクトル空間・前層の圏の例を扱う。
- 第 7 章加法圏とアーベル圏:図式追跡まで無料前加法圏・双積・加法圏からアーベル圏を定義し、像分解・平衡性・引き戻しと全射的射を示す。Mac Lane の「元」で図式追跡の規則を証明し、蛇の補題・五項補題・3×3 補題を一般のアーベル圏で導く。
- 第 8 章射影対象・入射対象と Grothendieck 圏無料アーベル圏の射影対象・入射対象を Hom の完全性で特徴づけ、随伴と完全性の関係を示す。生成子と AB5 条件から Grothendieck 圏を定め、Baer 型の判定法と超限的な構成で十分な入射対象の存在を、さらに入射包と入射余生成子の存在を証明する。
- 第 9 章鎖複体とホモトピー圏無料アーベル圏の複体の圏を作り、蛇の補題からホモロジーの長完全列を導く。鎖ホモトピーで割ったホモトピー圏、写像錐による擬同型とホモトピー同値の判定、二重複体の非輪状集成補題、単体的対象の Moore 複体と正規化複体の比較を証明する。
- 第 10 章導来関手と δ 関手無料アーベル圏で分解の比較定理と馬蹄補題を射と完全性だけで示し、右・左導来関手が普遍 δ 関手になることを Grothendieck の消去可能性の定理から導く。Ext の平衡性、Tor の平衡性の自然性、lim^1 の明示的な記述まで証明する。
- 第 11 章Ext と拡大:Yoneda の Ext と Abel 群の Ext無料アーベル圏の短完全列を拡大とみて引き戻し・押し出し・Baer 和で操作し、十分な射影対象があれば拡大の同値類が導来関手の Ext^1 と群として一致することを示す。Abel 群の Ext の計算と PID 上の代数的 Künneth 公式も証明する。
- 第 12 章群のコホモロジーと群の拡大無料G 加群の圏をアーベル圏として組み、bar 分解で群のコホモロジーを定める。H^1 を交差準同型、H^2 を群の拡大で読み、Shapiro の補題、余制限と制限、Schur–Zassenhaus の定理(Abel 核)、Hilbert の定理 90 の一般形を証明する。
- 第 13 章スペクトル系列:フィルター付き複体と二重複体無料アーベル圏のスペクトル系列を完全対の導来から組み立て、有界なフィルター付き複体のスペクトル系列がコホモロジーに収束することを示す。二重複体の二つのスペクトル系列、比較定理、エッジ写像と 5 項完全列、2 行・2 列の場合の長完全列まで証明する。
- 第 14 章Grothendieck のスペクトル系列と超コホモロジー無料下に有界な複体の Cartan–Eilenberg 分解を作り、超導来関手の二つのスペクトル系列を導く。そこから合成関手の Grothendieck のスペクトル系列と 5 項完全列、群のコホモロジーの Lyndon–Hochschild–Serre スペクトル系列、変化環のスペクトル系列を証明する。
- 第 15 章三角圏とホモトピー圏の三角構造無料シフトと完全三角形で三角圏を公理化し、Hom の長完全列、三角形の五項補題、錐の同型を除く一意性、分裂三角形を公理から証明する。ホモトピー圏が写像錐で三角圏になること(八面体公理を含む)と、H^0 がコホモロジー的関手であることを示す。
- 第 16 章導来圏と全導来関手無料乗法系による圏の局所化を分数の圏として構成し、Verdier 商と導来圏 D(A) が三角圏であることを証明する。下に有界な入射複体のホモトピー圏と D⁺(A) の圏同値、Hom と Ext の一致、全右導来関手の存在・合成公式、大域次元 1 以下での対象の分類を示す。
運営: 夢現技研合同会社 ・料金 ・利用条件 ・特定商取引法に基づく表記