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研究のための計算の実務

数値実験を「再現できる・検算できる・途中で止まっても続けられる」形で行うための作法を、作法の根拠になる小さな定理とともに扱う。

想定読者: 学部生(2〜4 年)・大学院生、数値実験を研究や実務で行い、結果を他人(と半年後の自分)が再現できる形で残したい人

このテーマの 100 本ノック(50 問)

目次

  1. 第 1 章再現できる数値実験:乱数種・環境・設定の記録と決定性無料数値実験をコード・入力・設定・乱数種・環境からの写像とみて、再現の 3 つの水準を区別する。和の順序による差の上界 2γΣ|x|、内容ハッシュの衝突確率、種による決定性、種を変えた平均の標準誤差を証明し、実行記録の書き方を示す。
  2. 第 2 章NumPy で書く配列計算:ブロードキャスト・メモリ配置・縮約の順序無料NumPy の配列をデータ領域・shape・strides・offset の組として定式化し、ブロードキャストの結合が順序によらないこと、ビューが番地の式の変換であること、重なりのある更新、行列の鎖の最適な縮約順序、固定幅整数の剰余演算を証明つきで扱う。
  3. 第 3 章精度の選び方:倍精度・任意精度・球算術と誤差予算無料計算値の誤差を丸め・打ち切り・データの 3 項に分ける誤差予算を定式化し、条件数から必要な作業桁数を決める定理、桁落ちで失う桁数、精度を倍々にする Newton 法の費用、区間・球算術と 2 精度比較の保証の違いを証明し、mpmath の実行例で確かめる。
  4. 第 4 章並列化と GPU:Amdahl・Gustafson の法則と roofline モデル無料並列化で得られる速度向上の上限を Amdahl・Gustafson の法則と Brent の評価で、メモリ帯域による上限を roofline モデルで証明し、部分和の分割による丸めの差の上界と、並列の乱数ストリームの分け方を実行例つきで扱う。
  5. 第 5 章長時間ジョブの管理:チェックポイント・再開の冪等性・整合検査無料数日かかる計算を状態機械とみて、何回中断して再開しても結果が変わらない条件を証明し、故障の Poisson モデルでの完了までの期待時間と最適なチェックポイント間隔 √(2Cμ) を導く。再開できる反復の雛形と故障の模擬実験つき。
  6. 第 6 章検算と検証:別手法・別精度・既知極限・保存量、数値実験と証明の区別無料数値計算の結果を確かめる方法を、観測次数の収束、残差と誤差の関係、保存量のずれ、検算の独立性、反例探索で言える範囲の定理として整理し、数値的な証拠と証明を区別する。誤りを仕込んだ実装が各検査でどう見えるかを実行例で示す。

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