情報科学 › 研究のための計算の実務 › 精度の選び方

2 精度の差は丸め誤差の推定値

命題 7.1(「精度の選び方」§7) ・ ✓公理まで証明済み

ある式(打ち切りを含んでよい)の厳密な値を yhy_h、真に求めたい値を yy とする。同じ式を精度 pp と精度 p′>pp'\gt p で計算した値を y^p=yh+ρp\hat y_p=y_h+\rho_p, y^p′=yh+ρp′\hat y_{p'}=y_h+\rho_{p'} と書く(ρ\rho は丸め誤差)。

  1. 0≤λ<10\le\lambda\lt1 について ∣ρp′∣≤λ∣ρp∣|\rho_{p'}|\le\lambda|\rho_p| ならば (1−λ) ∣ρp∣≤∣y^p−y^p′∣≤(1+λ) ∣ρp∣.(1-\lambda)\,|\rho_p|\le|\hat y_p-\hat y_{p'}|\le(1+\lambda)\,|\rho_p|. すなわち、2 つの結果の差は、低い方の精度の丸め誤差に相対 λ\lambda 以内で一致する。
  2. 丸め誤差が単位丸めに比例する範囲、すなわち定数 0<c1≤c20\lt c_1\le c_2 があって両方の精度で c1u≤∣ρ∣≤c2uc_1u\le|\rho|\le c_2u(uu はそれぞれの単位丸め 2−p2^{-p}, 2−p′2^{-p'})のとき、p′=2pp'=2p ならば 1 は λ=(c2/c1) 2−p\lambda=(c_2/c_1)\,2^{-p} で成り立つ。
  3. 差 y^p−y^p′=ρp−ρp′\hat y_p-\hat y_{p'}=\rho_p-\rho_{p'} は yy にも yh−yy_h-y にもよらない。とくに、2 つの結果が何桁一致していても、打ち切り誤差 ∣yh−y∣|y_h-y| については何もわからず、∣y^p−y∣≥∣yh−y∣−∣ρp∣|\hat y_p-y|\ge|y_h-y|-|\rho_p| である。

本文で読む(証明と前後の説明)→

閉包の状態

✓ 公理まで証明済み

証明が使う定理を 前提 としてたどると、Rikai の中の証明だけで定義・公理(物理では基本仮定)までつながっています。

印の意味: ✓公理まで証明済み ・ △証明あり(閉包未完)・ ※主張のみ。テーマごとの集計は 閉包の状況。

前提をたどる 証明が使う定理・定義

証明は Rikai の他の定理を参照していません(定義と論理だけで示されています)。

これを使っている定理

証明で明示的に参照している定理は、まだありません。

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