# 電磁場中の荷電粒子：最小結合、Landau 準位、Aharonov–Bohm 効果、Zeeman・Stark 効果と微細構造

> 最小結合とゲージ不変性から Landau 準位とその縮退度を導き、Aharonov–Bohm 効果を環の厳密解で示す。Wigner–Eckart の定理を証明し、Landé の g 因子と水素の微細構造に応用する。
> https://rikai.mugen-giken.com/physics/quantum-mechanics-2/atoms-in-fields

## 0. この記事の要点

磁石を近づけると、原子が出す光の色がわずかに変わります。磁石が電子に仕事をしないはずなのに、なぜエネルギーが変わるのでしょうか。この記事は、その問いを量子力学の側から考えます。磁場の中の電子がどんなエネルギーをとるか、磁場がゼロの場所でも磁束の影響が残る不思議な現象、そして水素原子のスペクトルに現れる細かい分裂までを、順に計算します。読み終えると、これらの量を自分で導けるようになります。

- 電磁場の中の荷電粒子の[ハミルトニアン](/physics/mechanics/hamiltonian-mechanics#def-hamiltonian)は、運動量を $\boldsymbol{p}\to\boldsymbol{\pi}=\boldsymbol{p}-q\boldsymbol{A}$ に置き換える **最小結合**（電磁場との相互作用を、運動量の置き換えだけで書く方法）で与えられます。ゲージ変換は波動関数の位相 $e^{iq\chi/\hbar}$ の掛け算で吸収され、物理量は $\boldsymbol{\pi}$ を通してゲージ不変に書けます。
- $\boldsymbol{\pi}$ の成分どうしは $[\pi_x,\pi_y]=i\hbar qB$ という交換関係を満たすため、一様磁場中の平面運動は調和振動子と同型になり、エネルギーは $\hbar\omega_c(n+\tfrac12)$（Landau 準位）、各準位の縮退度（同じエネルギーをもつ状態の数）は面積あたり $|qB|/h$ です。
- 磁場がゼロの領域でも、そこに囲まれた[磁束](/physics/electromagnetism/induction-and-displacement-current#def-magnetic-flux)があると干渉が変わります（Aharonov–Bohm 効果）。リング上の粒子では、エネルギーが $E_n=\frac{\hbar^2}{2mR^2}(n-\Phi/\Phi_0)^2$ と磁束に周期的に依存します。[ベクトルポテンシャル](/physics/electromagnetism/magnetostatics#def-vector-potential)は単なる計算の道具ではありません。
- Wigner–Eckart の定理は、テンソル演算子の行列要素を [Clebsch–Gordan 係数](/physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin)と「換算行列要素」（$m$ によらない定数の部分）の積に分けます。これで選択則と、Zeeman 効果の Landé の $g$ 因子 $g_J=1+\frac{j(j+1)-l(l+1)+s(s+1)}{2j(j+1)}$ が出ます。
- 水素の微細構造は、相対論的補正・スピン軌道相互作用・Darwin 項の和で、$E_{nj}^{(1)}=-\frac{mc^2\alpha^4}{2n^4}\left(\frac{n}{j+1/2}-\frac34\right)$ と $j$ だけに依存します。

<Aside type="tip" title="この記事で使う事前知識">

- **ゲージ変換**: 電場と磁場を変えずに、ポテンシャル $\boldsymbol{A},\phi$ を取り替える操作。→ [ゲージ変換](/physics/electromagnetism/gauge-potentials#def-gauge-transformation)
- **電磁ポテンシャル**: 電場と磁場を生み出すもとになるスカラー関数 $\phi$ とベクトル関数 $\boldsymbol{A}$ の組。→ [電磁ポテンシャル](/physics/electromagnetism/gauge-potentials#def-em-potentials)
- **全角運動量**: 軌道角運動量とスピンの和 $\boldsymbol{J}$。→ [全角運動量](/physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#def-total-angular-momentum)
- **Clebsch–Gordan 係数**: 2 つの角運動量を合成したときの、状態の組み合わせ方を決める係数。→ [角運動量とスピン](/physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin)
- **縮退のある摂動論**: 同じエネルギーの状態が複数あるときに、摂動で準位がどう分かれるかを調べる方法。→ [摂動論](/physics/quantum-mechanics/perturbation-theory)

</Aside>

## 1. 動機：磁場は仕事をしないのに、なぜ準位を変えるのか

古典力学では、磁場がかかった荷電粒子に働くローレンツ力 $q\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{B}$ は速度に垂直で、仕事をしません。それにもかかわらず、量子力学では磁場がエネルギー準位を動かします。原子を磁場に入れるとスペクトル線が分かれる Zeeman 効果が、その最も古い例です。そして Aharonov–Bohm 効果では、磁場がゼロの場所にいる粒子の干渉縞が、遠く離れた磁束に反応します。

この謎の鍵は、量子力学ではハミルトニアンが電場・磁場ではなく **ポテンシャル** $\boldsymbol{A},\phi$ で書かれることにあります。[ハミルトン力学の章](/physics/mechanics/hamiltonian-mechanics)で見たように、荷電粒子の正準運動量 $\boldsymbol{p}$ は $m\boldsymbol{v}$ とは異なり、ゲージによって値が変わります（<Ref to="physics/mechanics/hamiltonian-mechanics#ex-em-field" />）。この章では、まず量子論の側でゲージ不変性を確かめ、その帰結を Landau 準位と Aharonov–Bohm 効果で見ます。後半では、原子の準位を調べる道具として Wigner–Eckart の定理を証明し、Zeeman 効果、Stark 効果、水素の微細構造を計算します。

## 2. 最小結合とゲージ不変性

質量 $m$、電荷 $q$ の粒子の、電磁ポテンシャル $(\phi,\boldsymbol{A})$ の中でのハミルトニアンを

$$
H=\frac{1}{2m}\left(\boldsymbol{p}-q\boldsymbol{A}(\boldsymbol{r},t)\right)^2+q\phi(\boldsymbol{r},t),\qquad \boldsymbol{p}=-i\hbar\nabla
$$

とします（スピンは §5 で扱う）。電磁ポテンシャルの定義と、[ゲージ変換](/physics/electromagnetism/gauge-potentials)で $\boldsymbol{E},\boldsymbol{B}$ が変わらないことは、電磁気学の章のとおりです（<Ref to="physics/electromagnetism/gauge-potentials#def-gauge-transformation" />）。

<Definition id="def-kinetic-momentum" title="運動量（kinetic momentum）">
$\boldsymbol{\pi}=\boldsymbol{p}-q\boldsymbol{A}$ を **運動量**（古典の $m\boldsymbol{v}$ に対応する）と呼ぶ。ハミルトニアンは $H=\boldsymbol{\pi}^2/2m+q\phi$ である。
</Definition>

<Theorem id="thm-gauge-covariance" title="量子力学のゲージ共変性">
スカラー関数 $\chi(\boldsymbol{r},t)$ によるゲージ変換 $\boldsymbol{A}'=\boldsymbol{A}+\nabla\chi$、$\phi'=\phi-\partial_t\chi$ に対して、$\psi$ が $i\hbar\partial_t\psi=H\psi$ を満たすことと、$\psi'=e^{iq\chi/\hbar}\psi$ が $\boldsymbol{A}',\phi'$ のハミルトニアン $H'$ について $i\hbar\partial_t\psi'=H'\psi'$ を満たすことは同値である。さらに $\boldsymbol{\pi}'\psi'=e^{iq\chi/\hbar}\boldsymbol{\pi}\psi$ であり、確率密度 $|\psi|^2$ と速度の期待値 $\langle\boldsymbol{\pi}\rangle/m$ はゲージによらない。
</Theorem>

<Proof of="thm-gauge-covariance">
積の微分で $\boldsymbol{p}\left(e^{iq\chi/\hbar}\psi\right)=e^{iq\chi/\hbar}\left(\boldsymbol{p}+q\nabla\chi\right)\psi$ なので、

$$
\boldsymbol{\pi}'\psi'=(\boldsymbol{p}-q\boldsymbol{A}-q\nabla\chi)\,e^{iq\chi/\hbar}\psi=e^{iq\chi/\hbar}(\boldsymbol{p}+q\nabla\chi-q\boldsymbol{A}-q\nabla\chi)\psi=e^{iq\chi/\hbar}\boldsymbol{\pi}\psi
$$

です。これを 2 回使うと $\boldsymbol{\pi}'^2\psi'=e^{iq\chi/\hbar}\boldsymbol{\pi}^2\psi$ です。時間微分は $i\hbar\partial_t\psi'=e^{iq\chi/\hbar}\left(i\hbar\partial_t\psi-q\,\partial_t\chi\,\psi\right)$ で、$q\phi'\psi'=e^{iq\chi/\hbar}(q\phi-q\partial_t\chi)\psi$ なので、$i\hbar\partial_t\psi'-H'\psi'=e^{iq\chi/\hbar}\left(i\hbar\partial_t\psi-H\psi\right)$ です。両辺が同時に $0$ になるので同値です。残りの主張は、位相因子が $|\psi|^2$ を変えないことと、$\boldsymbol{\pi}'\psi'$ の変換則から従います。
</Proof>

ゲージ変換は粒子ごとの座標依存の位相回転です。確率分布 $|\psi|^2$、運動量 $\boldsymbol{\pi}$ の期待値は変わらないので、物理量はゲージによりません。一方、$\boldsymbol{p}$ の期待値は $\boldsymbol{A}$ の選び方に依存します。

<Proposition id="prop-pi-commutator" title="運動量の交換関係">
$[\pi_i,\pi_j]=i\hbar q\left(\partial_iA_j-\partial_jA_i\right)=i\hbar q\,\varepsilon_{ijk}B_k$。
</Proposition>

<Proof of="prop-pi-commutator">
$[p_i,p_j]=0$、$[A_i,A_j]=0$ より $[\pi_i,\pi_j]=-q[p_i,A_j]-q[A_i,p_j]=-q[p_i,A_j]+q[p_j,A_i]$。$[p_i,A_j]=-i\hbar\partial_iA_j$ なので $[\pi_i,\pi_j]=i\hbar q(\partial_iA_j-\partial_jA_i)$ です。最後は $B_k=\varepsilon_{kij}\partial_iA_j$ の定義です。
</Proof>

運動量どうしが非可換になる理由は **磁場がある** ことです。この単純な事実から、次の節の Landau 準位がすべて従います。

## 3. 一様磁場中の運動：Landau 準位

一様な磁場 $\boldsymbol{B}=B\hat{\boldsymbol{z}}$ ($B\ne0$) の中の粒子で、電場はないとします。$z$ 方向は自由運動 $\hbar^2k_z^2/2m$ なので、$xy$ 平面内の運動を考えます。

<Theorem id="thm-landau-levels" title="Landau 準位">
$xy$ 平面内の運動のハミルトニアン $H_\perp=\dfrac{\pi_x^2+\pi_y^2}{2m}$ のスペクトルは、サイクロトロン周波数 $\omega_c=|qB|/m$ を使って

$$
E_n=\hbar\omega_c\left(n+\tfrac12\right),\qquad n=0,1,2,\ldots
$$

である。各準位は（平面全体では）無限に縮退し、辺の長さ $L_x\times L_y$ の長方形（$y$ 方向に周期境界）では、縮退度は $N_\phi=\dfrac{|qB|L_xL_y}{h}$、すなわち面積あたり $|qB|/h$ である。
</Theorem>

次の証明は 2 段に分かれます。前半は、$\pi_x,\pi_y$ の交換関係だけから調和振動子と同じ形が出ることを示し、エネルギーの形を決めます。後半は、具体的なゲージを選んで実際に状態を作り、それが何個あるかを数えます。

<Proof of="thm-landau-levels">
**代数的な構造。** $s=\mathrm{sgn}(qB)$ と置き、$a=\dfrac{\pi_x+is\pi_y}{\sqrt{2\hbar|qB|}}$ を定めます。<Ref to="prop-pi-commutator" /> より $[\pi_x,\pi_y]=i\hbar qB$ なので

$$
[a,a^\dagger]=\frac{1}{2\hbar|qB|}[\pi_x+is\pi_y,\ \pi_x-is\pi_y]=\frac{-2is\,[\pi_x,\pi_y]}{2\hbar|qB|}=\frac{2s\,qB}{2|qB|}=1
$$

です。また $a^\dagger a=\dfrac{(\pi_x-is\pi_y)(\pi_x+is\pi_y)}{2\hbar|qB|}$ で、分子は $\pi_x^2+\pi_y^2+is[\pi_x,\pi_y]=\pi_x^2+\pi_y^2-s\hbar qB=\pi_x^2+\pi_y^2-\hbar|qB|$ なので、

$$
H_\perp=\hbar\omega_c\left(a^\dagger a+\tfrac12\right),\qquad \hbar\omega_c=\frac{\hbar|qB|}{m}
$$

です。$[a,a^\dagger]=1$ だけから $a^\dagger a$ の固有値が $0,1,2,\ldots$ に限られることは、調和振動子と同じ代数の議論です（<Ref to="physics/quantum-mechanics/one-dimensional-systems#thm-oscillator-spectrum" />）。これでスペクトルが $E_n$ の形に限られることが、ゲージによらずに示せました。

**存在と縮退。** 各 $n$ が実際に現れること、縮退度を調べるため、ランダウゲージ $\boldsymbol{A}=(0,Bx,0)$ を取ります。$H_\perp=\dfrac{p_x^2}{2m}+\dfrac{(p_y-qBx)^2}{2m}$ は $y$ に依存しないので、$p_y$ の固有値 $\hbar k$ で $\psi=e^{iky}\varphi(x)$ と分離できます。

$$
\left[\frac{p_x^2}{2m}+\frac12m\omega_c^2\left(x-x_k\right)^2\right]\varphi=E\varphi,\qquad x_k=\frac{\hbar k}{qB}
$$

で、これは中心 $x_k$ の 1 次元調和振動子です。固有値は $\hbar\omega_c(n+\frac12)$ で、すべての $n\ge0$ が現れます。固有関数は $k$ で指定された中心 $x_k$ にある波束で、$k$ は連続（または周期境界 $y\sim y+L_y$ では $k=2\pi j/L_y$、$j\in\mathbb{Z}$）の値をとり、準位は $k$ について縮退します。中心 $x_k$ が箱の内部 $0<x_k<L_x$ にある $k$ の個数は、$\hbar k=qBx_k$ なので $k$ の幅 $|qB|L_x/\hbar$ を $k$ の間隔 $2\pi/L_y$ で割って $|qB|L_xL_y/2\pi\hbar=|qB|L_xL_y/h$ です。
</Proof>

縮退度は **磁束量子** $\Phi_0=h/|q|$ を使うと $N_\phi=B L_xL_y/\Phi_0$、つまり面積を貫く磁束の中に含まれる磁束量子の数に等しく、1 つの Landau 準位が磁束量子 1 本あたり 1 状態を収容します。

<Example id="ex-landau-numbers" title="1 テスラの中の電子">
$B=1\ \mathrm{T}$、電子では $\omega_c=eB/m_e=1.76\times10^{11}\ \mathrm{rad/s}$、$\hbar\omega_c=0.116\ \mathrm{meV}$（温度では約 $1.3\ \mathrm{K}$）、縮退度は $eB/h=2.42\times10^{14}\ \mathrm{m^{-2}}$ です。波動関数の広がり（磁気長）は $\ell_B=\sqrt{\hbar/|qB|}=25.7\ \mathrm{nm}$ で、これは 1 個の電子が磁束量子 $\Phi_0$ の面積 $2\pi\ell_B^2$ を占有していることに対応します。半導体界面の 2 次元電子系を強磁場・低温に置くと Landau 準位が実際に観測され、整数・分数量子 Hall 効果の舞台になります。
</Example>

## 4. Aharonov–Bohm 効果

磁場がゼロの領域に、ベクトルポテンシャルだけが残る場合を考えます。$z$ 軸に沿った無限に長く細いソレノイドを考え、内部に磁束 $\Phi$ を閉じ込めたとします。外側では $\boldsymbol{B}=0$ ですが、$\boldsymbol{A}=\dfrac{\Phi}{2\pi r}\hat{\boldsymbol{\varphi}}$ は $0$ になりません（<Ref to="physics/electromagnetism/gauge-potentials#ex-solenoid" />）。

次の定理は、ソレノイドの外側では $\boldsymbol{A}$ が単なるゲージ変換の形になっていて、波動関数が自由粒子の解に位相因子を掛けたものになる、ということを述べます。単連結な領域とは、穴がなく、領域内の輪を一点まで縮められる領域のことです。軸を含まない領域を選ぶのは、軸のまわりを一周する輪を含めないためです。

<Theorem id="thm-ab-phase" title="Aharonov–Bohm 位相">
ソレノイドの外側の単連結な領域 $D$（軸を含まない）では、$\boldsymbol{A}=\nabla\chi$、$\chi=\dfrac{\Phi}{2\pi}\varphi$（$\varphi$ は方位角の $D$ 上の 1 価な分枝）である。したがって $D$ 上の定常解は $\psi=e^{iq\chi/\hbar}\psi_0$ と書け、$\psi_0$ は **磁場のない自由粒子の** 方程式の解である。ソレノイドを時計回りと反時計回りに迂回する 2 つの経路の波が、1 周分の差で受ける位相差は

$$
\Delta\theta=\frac{q\Phi}{\hbar}=2\pi\frac{\Phi}{\Phi_0},\qquad \Phi_0=\frac{h}{q}
$$

である。
</Theorem>

<Proof of="thm-ab-phase">
$\nabla\varphi=\hat{\boldsymbol{\varphi}}/r$ なので、$\nabla\chi=\Phi\hat{\boldsymbol{\varphi}}/2\pi r=\boldsymbol{A}$ です。$\boldsymbol{A}=\nabla\chi$ なら $\boldsymbol{B}=0$ で、<Ref to="thm-gauge-covariance" /> により $\boldsymbol{A}=\nabla\chi$ のハミルトニアンの解は、$\chi$ のゲージ変換で $\boldsymbol{A}=0$ の解 $\psi_0$ から $\psi=e^{iq\chi/\hbar}\psi_0$ と得られます。経路を $D$ の中で 1 周分ずらすと $\varphi$ が $2\pi$ だけ変わるので、2 つの経路上の因子 $e^{iq\chi/\hbar}$ の比は $e^{iq\Phi/\hbar}$ です。
</Proof>

物理的に重要なのは、位相差 $q\Phi/\hbar$ が **干渉縞のずれ** として観測できる点です。実験では、電子線を 2 つに分けて、極細の磁石（トロイダル磁石）を挟んで干渉させ、磁束が電子に触れていないにもかかわらず縞が動くことが、1986 年に外村彰らの実験で確かめられました。

リング状の導体なら、この効果はエネルギー準位として厳密に現れます。

<Proposition id="prop-ab-ring" title="磁束を貫くリング">
半径 $R$ のリング上を動く質量 $m$、電荷 $q$ の粒子で、リングの内側を磁束 $\Phi$ が貫いている（リング上で $\boldsymbol{B}=0$）とする。ハミルトニアン $H=\dfrac{1}{2mR^2}\left(-i\hbar\partial_\varphi-\dfrac{q\Phi}{2\pi}\right)^2$（周期境界条件 $\psi(\varphi+2\pi)=\psi(\varphi)$）の固有値は

$$
E_n=\frac{\hbar^2}{2mR^2}\left(n-\frac{\Phi}{\Phi_0}\right)^2,\qquad n\in\mathbb{Z}
$$

で、固有関数は $e^{in\varphi}/\sqrt{2\pi}$ である。スペクトル全体が $\Phi\to\Phi+\Phi_0$ で不変である。
</Proposition>

<Proof of="prop-ab-ring">
リング上で $A_\varphi=\Phi/2\pi R$、方位方向の運動量は $p_\varphi=-i\hbar R^{-1}\partial_\varphi$ なので $\pi_\varphi=-i\hbar R^{-1}\partial_\varphi-q\Phi/2\pi R$ です。$e^{in\varphi}$ に作用させると $\pi_\varphi=\dfrac{\hbar}{R}(n-\dfrac{q\Phi}{2\pi\hbar})$ で、$q\Phi/2\pi\hbar=\Phi/\Phi_0$ なので固有値が決まります。周期条件から $n$ は整数です。$\Phi\to\Phi+\Phi_0$ では $n\to n+1$ の付け替えで全体が元に戻ります。
</Proof>

磁場がリング上でゼロでも、エネルギーが磁束で変わります。エネルギーを磁束で微分すると **持続電流** $I=-\partial E/\partial\Phi$ が流れます。量子力学のポテンシャル $\boldsymbol{A}$ は、閉じた経路に沿った積分 $\oint\boldsymbol{A}\cdot d\boldsymbol{l}$（ホロノミー）という形で、物理的な意味をもちます。ゲージ変換で変わらず、Stokes の定理で囲まれた磁束に等しいからです。

<Remark id="rem-berry-ab">
[時間発展と時間依存摂動論](/physics/quantum-mechanics-2/time-evolution-perturbation)の Berry 位相は、パラメータ空間の閉じた経路 $\mathcal{C}$ について $\oint_{\mathcal{C}}i\langle n|\nabla n\rangle\cdot d\boldsymbol{R}$ と書けました。これは $q\boldsymbol{A}/\hbar$ を $i\langle n|\nabla n\rangle$ で置き換えた Aharonov–Bohm 位相そのものです。磁束がゼロの領域をまわって位相が残る点も共通です。
</Remark>

## 5. テンソル演算子と Wigner–Eckart の定理

原子に弱い磁場や電場をかけたときの準位のずれは、摂動の行列要素 $\langle\alpha' j'm'|V|\alpha jm\rangle$ で決まります。摂動は一様な場のとき、角運動量の言葉で自然に分類できる形（ベクトルなど）を持っています。この分類を使うと、$m$ に関する行列要素の依存性が、角運動量の合成則だけで決まります。次の定義は、ベクトルが回転で成分を混ぜ合わせる決まり方を、より高い階数のものにも拡げたものです。回転を生成する $\boldsymbol{J}$ との交換関係で、その混ざり方を述べています。

<Definition id="def-tensor-operator" title="球テンソル演算子">
全角運動量 $\boldsymbol{J}$ に対し、$2k+1$ 個の演算子の組 $T^k_q$（$q=-k,\ldots,k$）が **階数 $k$ の球テンソル演算子** であるとは、

$$
[J_z,T^k_q]=\hbar q\,T^k_q,\qquad [J_\pm,T^k_q]=\hbar\sqrt{k(k+1)-q(q\pm1)}\;T^k_{q\pm1}
$$

を満たすことをいう（$J_\pm=J_x\pm iJ_y$）。$T^k_{k+1}=T^k_{-k-1}=0$ とする。
</Definition>

たとえばベクトル演算子 $[J_i,V_j]=i\hbar\varepsilon_{ijk}V_k$ の球面成分 $V_0=V_z$、$V_{\pm1}=\mp(V_x\pm iV_y)/\sqrt2$ は階数 $1$ です（一例として $[J_+,V_z]=-\hbar(V_x+iV_y)=\hbar\sqrt2\,V_{+1}$ が確かめられる）。位置 $\boldsymbol{r}$、運動量、角運動量 $\boldsymbol{J}$ 自身がそうです。定義の関係式は、<Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#thm-spectrum" /> で $|j,m\rangle$ に対する $J_\pm$ の作用を決めたものと同じ形です。つまり、**$T^k_q$ は $|kq\rangle$ と同じように $\boldsymbol{J}$ のもとで変換します**。

<Theorem id="thm-wigner-eckart" title="Wigner–Eckart の定理">
$\{|\alpha jm\rangle\}$ を、各 $\alpha,j$ について標準位相（$J_\pm$ の行列要素が <Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#thm-spectrum" /> の形）で選んだ正規直交基底とする（$\alpha$ は $j,m$ 以外の量子数）。$T^k_q$ を階数 $k$ の球テンソル演算子とすると、

$$
\langle\alpha'j'm'|T^k_q|\alpha jm\rangle=\langle kq;\,jm\,|\,j'm'\rangle\;\langle\alpha'j'\|T^k\|\alpha j\rangle
$$

が成り立つ。$\langle kq;jm|j'm'\rangle$ は Clebsch–Gordan 係数、**換算行列要素** $\langle\alpha'j'\|T^k\|\alpha j\rangle$ は $m,m',q$ によらない定数である。
</Theorem>

証明の方針は、$T^k_q$ を角運動量 $k$ の状態 $|kq\rangle$ と同じように扱うことです。$|kq\rangle$ と $|\alpha jm\rangle$ の積に $T^k_q$ を対応させる写像を考え、(i) それが角運動量の作用と両立すること、(ii) 合成則で積空間を分解すること、(iii) 行列要素を読み取ること、の 3 段で進みます。

<Proof of="thm-wigner-eckart">
$V_k=\mathrm{span}\{|kq\rangle\}$、$\mathcal{M}=\mathrm{span}\{|\alpha jm\rangle\}_m$ とし、線形写像 $\Psi:V_k\otimes\mathcal{M}\to\mathcal{H}$ を $\Psi(|kq\rangle\otimes|\alpha jm\rangle)=T^k_q|\alpha jm\rangle$ で定めます。

**(i) $\Psi$ は角運動量の作用と可換。** $V_k\otimes\mathcal{M}$ には $\boldsymbol{J}^{\rm tot}=\boldsymbol{J}^{(k)}\otimes1+1\otimes\boldsymbol{J}$ が作用します。$J_z$ については、$J_zT_q|jm\rangle=(T_qJ_z+\hbar qT_q)|jm\rangle=\hbar(m+q)T_q|jm\rangle$。$J_\pm$ については、定義の関係式と $J_\pm|jm\rangle=\hbar\sqrt{j(j+1)-m(m\pm1)}|jm\pm1\rangle$ から

$$
J_\pm T_q|jm\rangle=[J_\pm,T_q]|jm\rangle+T_qJ_\pm|jm\rangle=\hbar\sqrt{k(k+1)-q(q\pm1)}\,T_{q\pm1}|jm\rangle+\hbar\sqrt{j(j+1)-m(m\pm1)}\,T_q|jm\pm1\rangle
$$

で、これは $\Psi\bigl(J^{\rm tot}_\pm|kq\rangle|jm\rangle\bigr)$ にほかなりません。

**(ii) 既約分解。** <Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#thm-clebsch-gordan" /> により $V_k\otimes\mathcal{M}=\bigoplus_{J=|k-j|}^{k+j}W_J$ で、$W_J$ は標準位相の基底 $|JM\rangle=\sum_{q,m}\langle kq;jm|JM\rangle|kq\rangle|jm\rangle$ を持ちます。$\phi_M^{(J)}=\Psi|JM\rangle$ と置くと、(i) により $J_z\phi_M=\hbar M\phi_M$、$J_\pm\phi_M=\hbar\sqrt{J(J+1)-M(M\pm1)}\phi_{M\pm1}$ です。したがって $\boldsymbol{J}^2\phi_M=\hbar^2J(J+1)\phi_M$（$\boldsymbol{J}^2$ は $J_z,J_\pm$ で書ける）で、$\phi_M^{(J)}$ は 0 であるか、標準位相の角運動量 $J$ の多重項をなします。

**(iii) 行列要素。** $\langle\alpha'j'm'|\phi_M^{(J)}\rangle$ は、$\boldsymbol{J}^2$ の固有値が異なる（$J\ne j'$）と $0$ です。$J=j'$ のときは、$\phi_{j'}^{(j')}$ の $\langle\alpha'j'j'|$ 成分を $c_{\alpha'}$ と置くと、両辺に同じ降下演算子 $J_-$ を作用させて同じ係数が出るので、すべての $M$ について $\langle\alpha'j'M|\phi_M^{(j')}\rangle=c_{\alpha'}$、$M\ne m'$ では $0$ です。最後に $|kq\rangle|jm\rangle=\sum_{J,M}\langle JM|kq;jm\rangle|JM\rangle$ なので

$$
\langle\alpha'j'm'|T_q|\alpha jm\rangle=\langle\alpha'j'm'|\Psi\bigl(|kq\rangle|jm\rangle\bigr)\rangle=\langle kq;jm|j'm'\rangle\,c_{\alpha'}
$$

（Clebsch–Gordan 係数は実数）で、$c_{\alpha'}$ が換算行列要素です。
</Proof>

<Corollary id="cor-selection-rules" title="選択則">
$\langle\alpha'j'm'|T^k_q|\alpha jm\rangle\ne0$ ならば $m'=m+q$ かつ $|j-k|\le j'\le j+k$ である。
</Corollary>

<Proof of="cor-selection-rules">
Clebsch–Gordan 係数 $\langle kq;jm|j'm'\rangle$ は $m'=m+q$ のときだけ $0$ でなく、$j'$ は <Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#thm-clebsch-gordan" /> の範囲 $|j-k|\le j'\le j+k$ に入るときだけ現れます。
</Proof>

これは、たとえば電気双極子遷移（位置 $\boldsymbol{r}$ が階数 $1$ のテンソル）の $\Delta j=0,\pm1$、$\Delta m=0,\pm1$ という選択則を一般的に示します。パリティの議論を加えると $\Delta l=\pm1$ も出ます。

<Proposition id="prop-projection-theorem" title="射影定理">
ベクトル演算子 $\boldsymbol{V}$ と、固定された $\alpha,j$ の多重項 $\mathcal{M}$ への射影 $P$ について、$P\boldsymbol{V}P=\lambda\boldsymbol{J}P$ で、係数は $\lambda=\dfrac{\langle\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{V}\rangle}{\hbar^2j(j+1)}$ である。ここで $\langle\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{V}\rangle$ は $\mathcal{M}$ の任意の状態での期待値（$m$ によらない）。
</Proposition>

<Proof of="prop-projection-theorem">
$\boldsymbol{V}$ も $\boldsymbol{J}$ も階数 $1$ なので、<Ref to="thm-wigner-eckart" /> により $\mathcal{M}$ 内の行列要素はどちらも $\langle 1q;jm|jm'\rangle$ に比例し、比例定数は $m$ に依りません。したがって $PV_qP=\lambda J_qP$（$\lambda$ は定数）です。$\boldsymbol{J}$ は $P$ と交換するので $P(\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{V})P=\sum_iJ_iPV_iP=\lambda\sum_iJ_iJ_iP=\lambda\hbar^2j(j+1)P$ で、$\lambda$ が決まります。
</Proof>

### 5.1. Zeeman 効果

一様磁場 $\boldsymbol{B}$ 中の電子（$q=-e$）を、$\boldsymbol{A}=\tfrac12\boldsymbol{B}\times\boldsymbol{r}$（クーロンゲージ）で扱います。$\boldsymbol{A}\cdot\boldsymbol{p}=\tfrac12(\boldsymbol{B}\times\boldsymbol{r})\cdot\boldsymbol{p}=\tfrac12\boldsymbol{B}\cdot\boldsymbol{L}$ なので、$H=\dfrac{p^2}{2m}+V-\dfrac{q}{2m}\boldsymbol{B}\cdot\boldsymbol{L}+\dfrac{q^2A^2}{2m}$ です。第 4 項（反磁性項）は $B^2$ に比例し、実験室の磁場 $B\lesssim10\ \mathrm{T}$ では第 3 項に比べて無視できます。スピンの磁気モーメント（<Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#rem-magnetic-moment" />、$g_e\simeq2$）を加えて、**Zeeman ハミルトニアン**

$$
H_Z=\frac{\mu_B}{\hbar}\,\boldsymbol{B}\cdot(\boldsymbol{L}+2\boldsymbol{S}),\qquad \mu_B=\frac{e\hbar}{2m}
$$

を得ます。スピンの $g=2$ は第 6 章の Dirac 方程式から出ます。

**磁場が微細構造より弱いとき**、各 $j$ の多重項の内部で摂動を考えれば十分です（縮退摂動論、<Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#thm-secular-equation" />）。

<Corollary id="cor-lande" title="Landé の g 因子">
$\boldsymbol{L}+2\boldsymbol{S}$ は多重項 $(l,s,j)$ 内で $g_J\,\boldsymbol{J}$ と同じ行列要素を持ち、

$$
g_J=1+\frac{j(j+1)-l(l+1)+s(s+1)}{2j(j+1)}
$$

である。したがって $\boldsymbol{B}=B\hat{\boldsymbol{z}}$ のとき準位は $E_{nlj}+g_J\mu_BB\,m_j$ へ等間隔に分裂する。
</Corollary>

<Proof of="cor-lande">
$\boldsymbol{V}=\boldsymbol{L}+2\boldsymbol{S}=\boldsymbol{J}+\boldsymbol{S}$ に <Ref to="prop-projection-theorem" /> を使います。$\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{V}=\boldsymbol{J}^2+\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{S}$ で、$\boldsymbol{L}=\boldsymbol{J}-\boldsymbol{S}$ の 2 乗から $\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{S}=\tfrac12(\boldsymbol{J}^2+\boldsymbol{S}^2-\boldsymbol{L}^2)$ です。固有値を入れると $\langle\boldsymbol{J}\cdot\boldsymbol{V}\rangle=\hbar^2\left[j(j+1)+\tfrac12\bigl(j(j+1)+s(s+1)-l(l+1)\bigr)\right]$ となり、$\hbar^2j(j+1)$ で割れば $g_J$ です。$H_Z=(\mu_B/\hbar)g_JBJ_z$ の固有値は $g_J\mu_BBm_j$ です。
</Proof>

<Example id="ex-sodium-zeeman" title="ナトリウムの D 線">
$3^2S_{1/2}$（$l=0,j=\frac12$）は $g=2$、$3^2P_{1/2}$ は $g=\frac23$、$3^2P_{3/2}$ は $g=\frac43$ です（公式にそれぞれ代入）。したがって $D_1$ 線（$P_{1/2}\to S_{1/2}$）は $\Delta m=0,\pm1$ の組合せで 4 本、$D_2$ 線（$P_{3/2}\to S_{1/2}$）は 6 本に分かれます。スピンのない原子では $g_J=1$（$s=0$、$j=l$）で、すべての線が同じ間隔 $\mu_BB$ で分かれる **正常 Zeeman 効果** になります。実際の原子で観測される複雑な分裂は、$g_J$ が準位ごとに異なるために起こる **異常 Zeeman 効果** です。
</Example>

### 5.2. Stark 効果

一様電場 $\boldsymbol{F}=F\hat{\boldsymbol{z}}$ は摂動 $H_S=-qFz$ を与えます。$z$ は階数 $1$、$q=0$ 成分のテンソルなので、<Ref to="cor-selection-rules" /> により $\langle n'l'm'|z|nlm\rangle\ne0$ には $m'=m$ と $|l'-l|\le1$ が必要で、さらにパリティ（$z$ は奇）から $l'=l\pm1$ です。したがって、縮退のない状態の 1 次補正 $\langle z\rangle$ は消え、効果は電場の 2 乗から始まります（水素の $n\ge2$ は $l$ の違う状態が縮退しているので別で、<Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#ex-linear-stark" /> に 1 次の効果を示しました）。

<Example id="ex-polarizability" title="水素の基底状態の分極率">
原子単位（$\hbar=m=e=a_0=1$）で $H_0=-\tfrac12\nabla^2-\tfrac1r$、摂動 $H_S=Fz$、$\psi_0=e^{-r}/\sqrt\pi$、$E_0=-\tfrac12$ とします。<Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#thm-rayleigh-schrodinger" /> の 2 次補正は無限和ですが、1 次の波動関数 $\psi_1$ が $(H_0-E_0)\psi_1=-Fz\,\psi_0$ を満たすことを使えば、$E^{(2)}=\langle\psi_0|Fz|\psi_1\rangle$ です。$\psi_1=g(r)\cos\theta\,e^{-r}/\sqrt\pi$ と置くと、$(H_0-E_0)$ の作用は

$$
\left(-\tfrac12g''+g'-\tfrac{g'}{r}+\tfrac{g}{r^2}\right)\cos\theta\;\frac{e^{-r}}{\sqrt\pi}
$$

に書けます（$\nabla^2(\chi\cos\theta)=(\chi''+2\chi'/r-2\chi/r^2)\cos\theta$ を使う）。これを $-Fr\cos\theta\,e^{-r}/\sqrt\pi$ に等しいと置き、$g=ar+br^2$ を試すと左辺は $a-2b+2br$ になり、$b=-F/2$、$a=-F$ で一致します。つまり $g=-F(r+r^2/2)$ が厳密な解です（$\psi_1\perp\psi_0$ は $\cos\theta$ の角度積分から）。2 次補正は

$$
E^{(2)}=\frac{F}{\pi}\cdot\frac{4\pi}{3}\int_0^\infty r^3g(r)e^{-2r}dr=-\frac{4F^2}{3}\int_0^\infty\left(r^4+\tfrac{r^5}{2}\right)e^{-2r}dr=-\frac{4F^2}{3}\cdot\frac{27}{16}=-\frac94F^2
$$

です。$E^{(2)}=-\tfrac12\alpha F^2$ と書くと分極率は $\alpha=\tfrac92a_0^3\ (\times4\pi\varepsilon_0)\approx0.667\ \mathrm{\AA}^3$ です。符号は <Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#cor-ground-lowering" /> の通りで、基底状態は電場で必ず下がります。電場は原子に双極子モーメント $\alpha F$ を誘起し、その双極子と電場との相互作用が $-\tfrac12\alpha F^2$ です。
</Example>

## 6. 水素原子の微細構造

[水素原子](/physics/quantum-mechanics/hydrogen-atom)のエネルギーは主量子数 $n$ だけで決まりましたが、実際のスペクトルは細かく分裂しています。これは相対論的な補正のためで、$\alpha=e^2/4\pi\varepsilon_0\hbar c\simeq1/137.036$ の 2 乗の大きさ（Bohr のエネルギー $\sim mc^2\alpha^2$ に対し $mc^2\alpha^4$）です。補正は

$$
H_{\rm rel}=-\frac{p^4}{8m^3c^2},\qquad H_{\rm SO}=\frac{1}{2m^2c^2}\frac1r\frac{dV}{dr}\,\boldsymbol{L}\cdot\boldsymbol{S},\qquad H_{\rm D}=\frac{\hbar^2}{8m^2c^2}\nabla^2V
$$

の 3 つです。$H_{\rm rel}$ は $\sqrt{p^2c^2+m^2c^4}$ を展開した第 3 項、$H_{\rm SO}$ は電子が核の電場の中で動くと感じる磁場とスピンの磁気モーメントの相互作用（Thomas 歳差の因子 $\tfrac12$ を含む）、$H_{\rm D}$ は Darwin 項です。この 3 項が Dirac 方程式の非相対論的展開から出ることは第 6 章で触れ、ここでは **これを与えられた摂動として**、クーロンポテンシャル $V=-\hbar c\alpha/r$ について 1 次の摂動論を実行します。この結果は第 6 章で Dirac 方程式の厳密解から再現されるので、結論の正しさは別に確かめられます。

必要な期待値をまず求めます。以下では原子単位（$a_0=1$）で考え、$|nlm\rangle$ の動径部分を $u(r)=rR(r)$ とします。

<Lemma id="lem-kramers" title="Kramers の漸化式">
水素の束縛状態 $|nlm\rangle$ について、$s$ が $s>-2l-1$ を満たす範囲で

$$
\frac{s+1}{n^2}\langle r^s\rangle-(2s+1)\langle r^{s-1}\rangle+\frac s4\left[(2l+1)^2-s^2\right]\langle r^{s-2}\rangle=0
$$

が成り立つ。とくに $\langle r^{-1}\rangle=\dfrac1{n^2}$、$l\ge1$ のとき $\langle r^{-3}\rangle=\dfrac{\langle r^{-2}\rangle}{l(l+1)}$ である。
</Lemma>

この補題は、$r$ のべき乗の期待値どうしを結ぶ関係式です。証明では、動径方程式を、掛ける関数 $f$ を自由に選んで 2 通りに積分し、両者を比べます。$f$ の取り方で、好きなべき乗の間の関係が一度に得られます。

<Proof of="lem-kramers">
$u''=Qu$、$Q=\dfrac{l(l+1)}{r^2}-\dfrac2r+\dfrac1{n^2}$ です。任意の関数 $f(r)$ について、$u''=Qu$ に $fu'$ を掛けて積分し、右辺を $fQuu'=\tfrac12fQ(u^2)'$ として部分積分すると $\int f'u'^2=\int(fQ)'u^2$ です。次に $f'u$ を掛けて積分し、$-\int(f'u)'u'=-\int f''uu'-\int f'u'^2=\tfrac12\int f'''u^2-\int f'u'^2$ を使うと $\int f'u'^2=\tfrac12\int f'''u^2-\int f'Qu^2$ です（境界項は、$f=r^{s+1}$ で $s$ が上の範囲なら原点で $u\sim r^{l+1}$ のため消える）。二式を等しいと置くと

$$
\int\left[fQ'+2f'Q-\tfrac12f'''\right]u^2\,dr=0
$$

です。$f=r^{s+1}$ を代入して $r^{s-2},r^{s-1},r^s$ の係数を整理すると、$\tfrac s2[(2l+1)^2-s^2]$、$-2(2s+1)$、$2(s+1)/n^2$ になり、2 で割れば主張です。$s=0$ で $\langle r^{-1}\rangle=n^{-2}$、$s=-1$ で $\langle r^{-2}\rangle-l(l+1)\langle r^{-3}\rangle=0$ です。
</Proof>

<Lemma id="lem-inverse-r2" title="⟨r⁻²⟩ と s 状態の原点での値">
$\langle r^{-2}\rangle=\dfrac{1}{n^3(l+\frac12)}$ である。また $l=0$ のとき $|\psi_{n00}(0)|^2=\dfrac{1}{\pi n^3}$ である。
</Lemma>

<Proof of="lem-inverse-r2">
動径方程式 $\left[-\tfrac12\tfrac{d^2}{dr^2}+\tfrac{l(l+1)}{2r^2}-\tfrac1r\right]u=Eu$ の固有値は $E=-\dfrac1{2(n_r+l+1)^2}$ です（$n_r$ は節の数）。この導出は、べき級数の終端（<Ref to="physics/quantum-mechanics/hydrogen-atom#lem-termination" />）が $l$ を $r^{l+1}$ の指数と漸化式にしか使わないため、$l$ を連続な実数に拡げても成り立ちます。ヘルマン–ファインマン（<Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#prop-hellmann-feynman" />）を $\lambda=l(l+1)$ について使うと $\partial E/\partial\lambda=\tfrac12\langle r^{-2}\rangle$ で、一方 $\partial E/\partial l=n^{-3}$、$d\lambda/dl=2l+1$ なので $\langle r^{-2}\rangle=2/[(2l+1)n^3]$ です。

$l=0$ のとき、$u''=2(V-E)u$ に $2u'$ を掛けて $(u'^2)'=2(V-E)(u^2)'$ とし、$r=0$ から $\infty$ まで積分します。右辺を部分積分すると境界項は $r=0$（$u(0)=0$ と $Vu^2\to0$）でも $\infty$ でも消えて $-u'(0)^2=-2\int V'u^2dr$、つまり $u'(0)^2=2\langle V'\rangle$ です。$\psi=R/\sqrt{4\pi}=u/(r\sqrt{4\pi})$ なので $|\psi(0)|^2=u'(0)^2/4\pi=\langle V'\rangle/2\pi$ です。$V=-1/r$ なら $V'=r^{-2}$ で、$l=0$ の $\langle r^{-2}\rangle=2/n^3$ から $|\psi(0)|^2=1/(\pi n^3)$ を得ます。
</Proof>

<Theorem id="thm-fine-structure" title="水素の微細構造">
$H_{\rm rel}+H_{\rm SO}+H_{\rm D}$ の 1 次の摂動により、水素の準位 $E_n=-\dfrac{mc^2\alpha^2}{2n^2}$ は

$$
E_{nj}=E_n-\frac{mc^2\alpha^4}{2n^4}\left(\frac{n}{j+\frac12}-\frac34\right)
$$

となる。補正は $l$ によらず $n$ と全角運動量 $j$ だけで決まる。
</Theorem>

<Proof of="thm-fine-structure">
縮退のある準位ですが、3 項はいずれも $\boldsymbol{J}^2,J_z,\boldsymbol{L}^2$ と交換する（球対称）ので、基底 $|nljm_j\rangle$ では摂動行列が対角になります（$(l,j,m_j)$ が異なる 2 つの基底ベクトルは $\boldsymbol{L}^2,\boldsymbol{J}^2,J_z$ のどれかの固有値が異なるので、<Ref to="physics/quantum-mechanics/perturbation-theory#lem-good-basis" /> から行列要素は $0$）。期待値を順に計算します。以下 $\varepsilon_0=mc^2\alpha^4$ と書き、長さは $a_0=\hbar/(mc\alpha)$ で測ります。

**相対論補正。** $p^4=4m^2(H_0-V)^2$ で、$H_0$ は固有状態に作用して $E_n$ になるので $\langle H_{\rm rel}\rangle=-\dfrac{1}{2mc^2}\langle(E_n-V)^2\rangle=-\dfrac{1}{2mc^2}\left[E_n^2-2E_n\langle V\rangle+\langle V^2\rangle\right]$ です。$V=-\hbar c\alpha/r$、<Ref to="lem-kramers" /> の $\langle r^{-1}\rangle$ から $\langle V\rangle=-mc^2\alpha^2/n^2$、<Ref to="lem-inverse-r2" /> から $\langle V^2\rangle=(mc^2\alpha^2)^2/[n^3(l+\frac12)]$ です。代入すると

$$
\langle H_{\rm rel}\rangle=-\frac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[\frac{1}{l+\frac12}-\frac{3}{4n}\right]
$$

です。

**スピン軌道。** $\frac1r\frac{dV}{dr}=\hbar c\alpha/r^3$ で、$\langle\boldsymbol{L}\cdot\boldsymbol{S}\rangle=\frac{\hbar^2}{2}\left[j(j+1)-l(l+1)-\frac34\right]$（<Ref to="physics/quantum-mechanics/angular-momentum-and-spin#cor-spin-orbit" />）です。$l\ge1$ では <Ref to="lem-kramers" /> と <Ref to="lem-inverse-r2" /> から $\langle r^{-3}\rangle=1/[n^3l(l+\frac12)(l+1)]$ なので

$$
\langle H_{\rm SO}\rangle=\frac{\varepsilon_0}{4n^3}\,\frac{j(j+1)-l(l+1)-\frac34}{l(l+\frac12)(l+1)}
$$

です。$l=0$ では $\boldsymbol{L}=0$ で $\langle H_{\rm SO}\rangle=0$ とします。

**Darwin 項。** $\nabla^2V=4\pi\hbar c\alpha\,\delta^3(\boldsymbol{r})$ なので、$\langle H_{\rm D}\rangle=\dfrac{\pi\hbar^3\alpha}{2m^2c}|\psi(0)|^2$ で、これは $l=0$ だけに寄与します。<Ref to="lem-inverse-r2" /> の $|\psi(0)|^2=1/(\pi n^3a_0^3)$ を入れて $\langle H_{\rm D}\rangle=\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\delta_{l0}$ です。

**足し合わせ。** (a) $l=0$、$j=\frac12$：$\langle H_{\rm rel}\rangle+\langle H_{\rm D}\rangle=-\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[2-\dfrac3{4n}-1\right]=-\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[1-\dfrac{3}{4n}\right]$。(b) $l\ge1$、$j=l+\frac12$：スピン軌道の分子は $l$ なので $\langle H_{\rm SO}\rangle=\dfrac{\varepsilon_0}{4n^3}\dfrac{1}{(l+\frac12)(l+1)}$ で、$\dfrac1{(l+\frac12)(l+1)}\cdot\dfrac12-\dfrac1{l+\frac12}=-\dfrac{1}{l+1}$ より $\sum=-\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[\dfrac1{l+1}-\dfrac3{4n}\right]$。(c) $j=l-\frac12$：分子は $-(l+1)$ で $\langle H_{\rm SO}\rangle=-\dfrac{\varepsilon_0}{4n^3}\dfrac1{l(l+\frac12)}$、$-\dfrac{1}{2l(l+\frac12)}-\dfrac1{l+\frac12}=-\dfrac1l$ より $\sum=-\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[\dfrac1l-\dfrac3{4n}\right]$。いずれの場合も、$l=0$ の (a) で $j+\frac12=1$、(b) で $j+\frac12=l+1$、(c) で $j+\frac12=l$ なので、結果は $-\dfrac{\varepsilon_0}{2n^3}\left[\dfrac{1}{j+\frac12}-\dfrac{3}{4n}\right]$ に統一されます。これは主張の式と一致します。
</Proof>

<Example id="ex-fine-structure-n2" title="n = 2 の微細構造">
$n=2$ では、$2S_{1/2}$ と $2P_{1/2}$（どちらも $j=\frac12$）が縮退したまま、$2P_{3/2}$（$j=\frac32$）が上に分かれます。分裂幅は

$$
E_{2,3/2}-E_{2,1/2}=\frac{mc^2\alpha^4}{32}=\frac{1.449\times10^{-3}\ \mathrm{eV}}{32}=4.53\times10^{-5}\ \mathrm{eV}\ \ (10.9\ \mathrm{GHz})
$$

で、基本の準位間隔（$10.2\ \mathrm{eV}$）の $4\times10^{-6}$ 倍にすぎません。これが「微細」の意味です。$2S_{1/2}$ と $2P_{1/2}$ の縮退は Dirac 方程式でも厳密に残りますが、量子電磁力学の補正（Lamb シフト、約 $1.06\ \mathrm{GHz}$）で解けます。
</Example>

## 7. 演習

<Exercise id="exr-landau-count" difficulty="易">
面積 $1\ \mathrm{cm}^2$ の 2 次元電子系に $B=5\ \mathrm{T}$ をかける。(1) Landau 準位 1 本に入れる軌道状態の数（スピンを除く）を求めよ。(2) 下から 2 本の Landau 準位をスピンも含めて満たすために必要な面密度（$\nu=4$）はいくらか。

<Solution>
(1) <Ref to="thm-landau-levels" /> より $N_\phi=eBA/h=2.418\times10^{14}\ \mathrm{m^{-2}\,T^{-1}}\times5\ \mathrm{T}\times10^{-4}\ \mathrm{m^2}=1.21\times10^{11}$。(2) スピンを含めると各準位は $2N_\phi$ 個の電子を収容でき、2 本で $4N_\phi=4.8\times10^{11}$ 個、面密度では $4.8\times10^{11}\ \mathrm{cm^{-2}}$ です。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-lande" difficulty="標準">
(1) $^3P_2$（$S=1,L=1,J=2$）の $g_J$ を求めよ。(2) $^2P_{3/2}$ の準位に磁場 $B$ をかけたとき、$m_j=-\frac32,\ldots,\frac32$ の 4 つの準位のエネルギーを $\mu_BB$ を単位にして書け。

<Solution>
(1) <Ref to="cor-lande" /> に $j=2,l=1,s=1$ を代入して $g_J=1+\dfrac{6-2+2}{12}=\dfrac32$ です。(2) $g_J=\dfrac43$ なので、エネルギーは $E_0+\dfrac43m_j\mu_BB$、すなわち $-2,-\frac23,+\frac23,+2$ の順に $\mu_BB$ をかけた値です。隣り合う準位の間隔は等間隔の $\frac43\mu_BB$ です。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-ab-current" difficulty="標準">
<Ref to="prop-ab-ring" /> のリングで、$0\le\Phi\le\Phi_0$ の範囲で基底状態を与える $n$ を求め、持続電流 $I=-\partial E/\partial\Phi$ を $\Phi$ の関数として書け。$\Phi=\Phi_0/2$ で何が起きるか。

<Solution>
$E_n$ が最小になる $n$ は $|n-\Phi/\Phi_0|$ が最小の整数で、$0\le\Phi<\Phi_0/2$ で $n=0$、$\Phi_0/2<\Phi\le\Phi_0$ で $n=1$ です。$I=-\partial E_n/\partial\Phi=\dfrac{\hbar^2}{mR^2\Phi_0}\left(n-\dfrac{\Phi}{\Phi_0}\right)$ なので、$0\le\Phi<\Phi_0/2$ では $I=-\dfrac{\hbar^2}{mR^2\Phi_0}\dfrac{\Phi}{\Phi_0}$ で磁束に比例して逆向きに流れ、$\Phi=\Phi_0/2$ で $n=0$ と $n=1$ の準位が交差して電流の向きが反転します（のこぎり波状の電流）。電流は $\Phi$ に対して周期 $\Phi_0$ です。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-fine-2p" difficulty="標準">
<Ref to="thm-fine-structure" /> を使って、$n=2$ の $2P_{1/2}$ と $2P_{3/2}$ のエネルギー補正を $mc^2\alpha^4$ を単位にそれぞれ求め、差が $mc^2\alpha^4/32$ になることを確かめよ。

<Solution>
$n=2$ で $E^{(1)}=-\dfrac{mc^2\alpha^4}{32}\left(\dfrac{2}{j+\frac12}-\dfrac34\right)$ です。$j=\frac12$：$\dfrac2{1}-\dfrac34=\dfrac54$ で $E^{(1)}=-\dfrac{5}{128}mc^2\alpha^4$。$j=\frac32$：$\dfrac22-\dfrac34=\dfrac14$ で $E^{(1)}=-\dfrac{1}{128}mc^2\alpha^4$。差は $\dfrac{4}{128}=\dfrac1{32}$（単位 $mc^2\alpha^4$）です。
</Solution>
</Exercise>

## 参考文献

- J. J. Sakurai, J. Napolitano, *Modern Quantum Mechanics*, 3rd ed., Cambridge University Press, 2020 — テンソル演算子と Wigner–Eckart の定理、微細構造、Aharonov–Bohm 効果、Landau 準位。
- D. J. Griffiths, D. F. Schroeter, *Introduction to Quantum Mechanics*, 3rd ed., Cambridge University Press, 2018 — 水素の微細構造、Zeeman 効果、Stark 効果、Aharonov–Bohm 効果の章。
- L. D. Landau, E. M. Lifshitz, *Quantum Mechanics: Non-relativistic Theory*, 3rd ed., Pergamon, 1977 — 磁場中の運動（Landau 準位）、原子の準位（微細構造）。
- Y. Aharonov, D. Bohm, "Significance of Electromagnetic Potentials in the Quantum Theory", *Phys. Rev.* **115** (1959), 485.
- A. Tonomura et al., "Evidence for Aharonov-Bohm Effect with Magnetic Field Completely Shielded from Electron Wave", *Phys. Rev. Lett.* **56** (1986), 792.
- H. A. Kramers, *Quantentheorie des Elektrons und der Strahlung*, 1938. Kramers の漸化式の出典。
