# 三角形の五心とチェバ・メネラウスの定理：重心座標と符号付き面積で示す

> 重心・外心・内心・傍心・垂心の存在を位置ベクトルで証明し、Ceva・Menelaus・Routh・van Aubel・Viviani の定理を重心座標と符号付き面積の計算で示す。五心が一致するのは正三角形に限ることも証明する。
> https://rikai.mugen-giken.com/mathematics/hs-geometry/triangle-centers

## 0. この記事の要点

三角形には、重心・外心・内心など「中心」と呼ばれる点がいくつもあります。中学では作図で、3 本の線がいつも 1 点に集まることを見てきました。この記事では、その理由を図に頼らず、点の位置を式で書いて確かめます。読み終えると、3 本の線が 1 点で交わる条件（Ceva の定理）や、3 点が一直線に並ぶ条件（Menelaus の定理）を、自分で使えるようになります。

- 三角形の五心（重心・外心・内心・傍心・垂心）は、「3 本の直線が 1 点で交わる」という事実の 5 つの例です。この記事では、どの場合も**交点の位置ベクトルを先に書き下し、それが 3 本の線上にあることを確かめる**形で証明します。図の位置関係（内側か外側か）に依存しません。
- 重心 $G=\dfrac{A+B+C}3$、内心 $I=\dfrac{aA+bB+cC}{a+b+c}$、傍心（3 辺を含む 3 直線から等距離の点）$I_A=\dfrac{-aA+bB+cC}{-a+b+c}$。外心 $O$ を原点にとれば垂心は $H=A+B+C$ です。
- Ceva の定理は「$BD/DC\cdot CE/EA\cdot AF/FB=1$ と 3 本の線が共点は同値」、Menelaus の定理は符号付きの比で積が $-1$ のとき共線、です。どちらも**重心座標**（点を頂点の重み付き平均で表す座標）で見通しよく証明できます。
- 重心座標から 2 つの面積の公式が出ます。$P=\alpha A+\beta B+\gamma C$ なら $S(P,B,C)=\alpha\,S(A,B,C)$。さらに 3 点の重心座標の $3\times3$ [行列式](/mathematics/linear-algebra/determinants#def-determinant)が、三角形の面積比です。これが Routh の定理（3 本の線が作る三角形の面積比）の証明になります。
- 正三角形のとき、内部の点から 3 辺への距離の和は一定です（Viviani の定理）。五心が一致するのも正三角形に限ります。

<Aside type="tip" title="この記事で使う事前知識">

- **内積**: 2 つのベクトルから 1 つの数を作る演算で、長さや垂直を調べるのに使う。→ [内積](/mathematics/hs-geometry/plane-vectors#def-dot-det)
- **符号付き面積**: 向きまで含めた三角形の面積。0 になることは 3 点が一直線上にあることと同じ。→ [符号付き面積](/mathematics/hs-geometry/plane-vectors#def-signed-area)
- **行列式**: 数を正方形に並べた表から決まる数で、ここでは面積の比を表す。→ [行列式](/mathematics/linear-algebra/determinants#def-determinant)
- **内分点・位置ベクトル**: 点を原点からのベクトルで表し、線分を $m:n$ に分ける点をその重み付き平均で書く。→ [平面ベクトルと座標](/mathematics/hs-geometry/plane-vectors)
- **相似と三角形の成立条件**: 図形の拡大縮小と、$a<b+c$ のような辺の長さの関係。→ [合同と相似](/mathematics/hs-geometry/congruence-and-similarity)

</Aside>

## 1. 動機

中学で「中線は 1 点で交わる」「垂直二等分線は 1 点で交わる」を図で見て、証明は「2 本の交点が 3 本目の上にもある」と説明されます。しかし、2 本の交点がどこにあるのかを具体的に計算しなければ、3 本目の上にある理由は述べられません。

この記事では計算をしてしまいます。**交点を位置ベクトルで書く**と、「3 本目の上にある」は 1 行の確認になり、場合分け（鋭角三角形か鈍角三角形か）も不要になります。使う道具は、前の 2 つの記事（[平面ベクトルと座標](/mathematics/hs-geometry/plane-vectors)、[合同と相似](/mathematics/hs-geometry/congruence-and-similarity)）の内積・行列式・内分点・符号付き面積です。

## 2. 準備

以下、$A,B,C$ は一直線上にない 3 点（三角形）とし、点とその位置ベクトルを同じ文字で書きます。$a=|BC|$、$b=|CA|$、$c=|AB|$、$S=|S(A,B,C)|$ を三角形の面積とします（符号付き面積 $S(A,B,C)$ は <Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#def-signed-area" />）。三角形の成立条件から $a<b+c$、$b<c+a$、$c<a+b$ です（<Ref to="mathematics/hs-geometry/congruence-and-similarity#thm-triangle-inequality-geo" />）。

**重心座標.** $A,B,C$ が一直線上にないとき、平面の点 $P$ を $P=\alpha A+\beta B+\gamma C$（$\alpha+\beta+\gamma=1$）と書く書き方はただ 1 通りです（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-point-region" /> の 3.）。$(\alpha,\beta,\gamma)$ を $P$ の重心座標といいます。三角形の周と内部は $\alpha,\beta,\gamma\ge0$ の点の集合で（同 2.）、**内部**は $\alpha,\beta,\gamma>0$ の点とします。たとえば重心は $(\frac13,\frac13,\frac13)$、頂点 $A$ は $(1,0,0)$ です。

次の補題のねらいは、重心座標で書いた 3 点が作る三角形の面積が、重心座標を並べた $3\times3$ の行列式だけで決まる、という公式を得ることです。Menelaus の定理や Routh の定理は、この公式に数を代入して示します。証明は、座標の差を作って 2 次の行列式に直す順に進みます。

<Lemma id="lem-barycentric-area" title="重心座標と面積比">
$P_i=\alpha_iA+\beta_iB+\gamma_iC$（$\alpha_i+\beta_i+\gamma_i=1$、$i=1,2,3$）とすると
$$
S(P_1,P_2,P_3)=\det\begin{pmatrix}\alpha_1&\beta_1&\gamma_1\\\alpha_2&\beta_2&\gamma_2\\\alpha_3&\beta_3&\gamma_3\end{pmatrix}S(A,B,C)
$$
である。とくに $P=\alpha A+\beta B+\gamma C$ なら $S(P,B,C)=\alpha\,S(A,B,C)$、$S(A,P,C)=\beta\,S(A,B,C)$、$S(A,B,P)=\gamma\,S(A,B,C)$。
</Lemma>

<Proof of="lem-barycentric-area">
$P_i-A=\beta_i(B-A)+\gamma_i(C-A)$ なので、行列式の双線形性（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#def-dot-det" />）から
$$
\det(P_2-P_1,P_3-P_1)=\bigl[(\beta_2-\beta_1)(\gamma_3-\gamma_1)-(\gamma_2-\gamma_1)(\beta_3-\beta_1)\bigr]\det(B-A,C-A)
$$
（$\det(u,u)=0$ を使う）。左辺は $2S(P_1,P_2,P_3)$、右辺の $\det(B-A,C-A)$ は $2S(A,B,C)$。ブラケットの中は、$3\times3$ 行列式で第 2・第 3 列を第 1 列に加えて第 1 列を $(1,1,1)^{\mathsf T}$ にし（$\alpha_i=1-\beta_i-\gamma_i$）、第 2・3 行から第 1 行を引いて第 1 列で展開したものに等しい。後半は、$A,B,C$ の重心座標がそれぞれ $(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)$ なので、行列式が $\begin{vmatrix}\alpha&\beta&\gamma\\0&1&0\\0&0&1\end{vmatrix}=\alpha$、$\begin{vmatrix}1&0&0\\\alpha&\beta&\gamma\\0&0&1\end{vmatrix}=\beta$、$\begin{vmatrix}1&0&0\\0&1&0\\\alpha&\beta&\gamma\end{vmatrix}=\gamma$ となることから従う。
</Proof>

次の補題は、点と直線の距離を式で表します。内心の距離と接点、Viviani の定理で使います。

<Lemma id="lem-distance-line" title="点と直線の距離">
$u$ を単位ベクトル（$|u|=1$）とし、直線 $\ell=\{A+su\mid s\in\mathbb{R}\}$ と点 $P$ をとる。$|P-A-su|$（$s\in\mathbb{R}$）の最小値は $|\det(u,P-A)|$ で、$s=u\cdot(P-A)$ のときにだけとられる。この値を $P$ と $\ell$ の**距離**という。
</Lemma>

<Proof of="lem-distance-line">
$w=P-A$ とする。<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-dot-properties" /> の 3. と $|u|=1$ より $|w-su|^2=|w|^2-2s\,u\cdot w+s^2=(s-u\cdot w)^2+|w|^2-(u\cdot w)^2$。同じ 4.（Lagrange の恒等式）で $|w|^2-(u\cdot w)^2=\det(u,w)^2$。よって最小値は $|\det(u,w)|$ で、$s=u\cdot w$ のときだけとられる。
</Proof>

## 3. 重心・外心・垂心

<Theorem id="thm-centroid" title="重心">
3 本の中線（頂点と向かいの辺の中点を結ぶ線分）は 1 点 $G=\dfrac{A+B+C}3$ で交わり、$G$ は各中線を頂点から $2:1$ に内分する。
</Theorem>

<Proof of="thm-centroid">
$M_A=\dfrac{B+C}2$ を $BC$ の中点とする。<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-section-point" /> により、$A$ と $M_A$ を結ぶ線分を $2:1$ に内分する点は $\dfrac{1\cdot A+2M_A}{3}=\dfrac{A+B+C}{3}$。この式は $A,B,C$ について対称なので、他の 2 本の中線についても同じ点である。
</Proof>

<Theorem id="thm-circumcenter" title="外心と外接円">
3 辺の垂直二等分線は 1 点 $O$ で交わる。$O$ は $A,B,C$ から等距離で、$A,B,C$ を通る円がただ 1 つあり、その中心が $O$ である。この円の半径を $R$ と書く。
</Theorem>

<Proof of="thm-circumcenter">
2 点 $P\ne Q$ から等距離の点の集合は、$|X-P|^2-|X-Q|^2=-2X\cdot(P-Q)+|P|^2-|Q|^2=2(Q-P)\cdot\bigl(X-\tfrac{P+Q}2\bigr)$ より、中点を通り $Q-P$ に垂直な直線 $\{X:(X-\tfrac{P+Q}2)\cdot(Q-P)=0\}$（垂直二等分線）である。$AB$ の垂直二等分線の法線ベクトルは $B-A$、$BC$ のは $C-B$。この 2 つは 1 次独立（$\det(B-A,C-B)=\det(B-A,C-A)\ne0$）なので、連立 1 次方程式（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-plane-basis" />）がただ 1 つの解 $O$ をもち、$|OA|=|OB|=|OC|$。したがって $O$ は $CA$ の垂直二等分線の上にもある。$A,B,C$ から等距離の点は $O$ だけで、その距離 $R$ を半径とする円が求める円である。
</Proof>

<Theorem id="thm-orthocenter" title="垂心">
外心を $O$ とする。3 つの頂点から対辺に下ろした垂線（高さ）は 1 点 $H=A+B+C-2O$ で交わる。とくに $O$ を原点にとれば $H=A+B+C$ である。
</Theorem>

<Proof of="thm-orthocenter">
頂点 $A$ からの垂線は $\{X:(X-A)\cdot(B-C)=0\}$（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-line-circle-vector" /> の 2.）。$H=A+B+C-2O$ とおくと $H-A=(B-O)+(C-O)$、$B-C=(B-O)-(C-O)$ なので
$$
(H-A)\cdot(B-C)=|B-O|^2-|C-O|^2=R^2-R^2=0.
$$
よって $H$ は $A$ からの垂線上にある。この式は $A,B,C$ について対称なので、$H$ は 3 本の垂線のすべてにある。2 本の垂線は平行でない（法線 $B-C$ と $C-A$ が 1 次独立）ので、交点は $H$ だけである。
</Proof>

<Remark id="rem-euler-line-hint">
$O$ を原点にとると $G=\frac13(A+B+C)$、$H=A+B+C$ なので $H=3G$：$O,G,H$ は一直線上にあり、$OG:GH=1:2$ です（Euler 線）。次の記事の主題の入口です。
</Remark>

## 4. 内心と傍心

頂点 $A$ から $B,C$ への単位ベクトルを $u=\dfrac{B-A}{c}$、$v=\dfrac{C-A}{b}$ とします（$u\ne v$、$u+v\ne0$：$A,B,C$ が一直線上にないため）。

この節のねらいは、内心が内角の二等分線の交点であることを式で示すことです。まず補題で、二等分線の方向が $u+v$ であることを確かめます。次に交点の位置を先に式で書き、それが 3 本の二等分線すべての上にあることを確かめます。

<Lemma id="lem-bisector" title="角の二等分線">
単位ベクトル $w$ が $w\cdot u=w\cdot v$（$w$ が $AB$ の方向と $AC$ の方向と等しい角をなす）を満たすための条件は $w=\pm\dfrac{u+v}{|u+v|}$ である。$+$ のほうは $u$ との内積が正で、$\angle BAC$ の内側を向く。$A$ を始点として $u+v$ の方向にのびる半直線を**内角の二等分線**といい、$A$ を通って $u+v$ に垂直な直線（$u-v$ の方向の直線）を**外角の二等分線**という。
</Lemma>

<Proof of="lem-bisector">
$w\cdot(u-v)=0$。一方 $(u+v)\cdot(u-v)=|u|^2-|v|^2=0$ で、$u-v\ne0$ なので、$u-v$ に垂直なベクトルは 1 つの方向の定数倍だけ（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-line-circle-vector" /> の 2.）。$u+v\ne0$ が垂直なので $w$ は $u+v$ の定数倍で、$|w|=1$ から $w=\pm(u+v)/|u+v|$。$u\cdot(u+v)=1+u\cdot v>0$（$u\ne-v$ より $u\cdot v>-1$）なので $+$ のほうが $\angle BAC$ の内側。
</Proof>

<Theorem id="thm-incenter" title="内心と内接円">
3 つの内角の二等分線は 1 点
$$
I=\frac{aA+bB+cC}{a+b+c}
$$
で交わる。$I$ は三角形の内部にあり、3 辺を含む直線までの距離が等しく、その値は $r=\dfrac{2S}{a+b+c}$ である。$I$ を中心とする半径 $r$ の円（**内接円**）は 3 辺に接し、頂点 $A$ から辺 $AB$ 上の接点までの距離は $\dfrac{b+c-a}2$ である。
</Theorem>

<Proof of="thm-incenter">
$B-A=cu$、$C-A=bv$ より $I-A=\dfrac{b(B-A)+c(C-A)}{a+b+c}=\dfrac{bc}{a+b+c}(u+v)$。係数は正なので、$I$ は $A$ からの内角の二等分線上にある。$I$ の式は $(A,a),(B,b),(C,c)$ について対称なので、$B$、$C$ からの二等分線上にもある。重心座標 $\bigl(\frac a{a+b+c},\frac b{a+b+c},\frac c{a+b+c}\bigr)$ はすべて正で、$I$ は内部にある。
距離: <Ref to="lem-distance-line" /> より、$I$ と直線 $AB$（方向 $u$）の距離は $\dfrac{bc}{a+b+c}|\det(u,u+v)|=\dfrac{bc}{a+b+c}|\det(u,v)|$、直線 $AC$（方向 $v$）との距離は $\dfrac{bc}{a+b+c}|\det(v,u+v)|=\dfrac{bc}{a+b+c}|\det(v,u)|$ で等しい。同様に $B$ からの二等分線上で $BA$ と $BC$ への距離が等しい。よって 3 辺への距離は等しい。$|\det(u,v)|=\dfrac{|\det(B-A,C-A)|}{bc}=\dfrac{2S}{bc}$ なので距離は $r=\dfrac{2S}{a+b+c}$。
接点: 直線 $AB$ 上の $I$ に最も近い点は $A+su$、$s=u\cdot(I-A)=\dfrac{bc}{a+b+c}(1+u\cdot v)$（<Ref to="lem-distance-line" />）。$a^2=|B-C|^2=|cu-bv|^2=b^2+c^2-2bc\,u\cdot v$（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-dot-properties" /> の 3.）から $bc\,u\cdot v=\dfrac{b^2+c^2-a^2}{2}$。ゆえに $s=\dfrac{bc+\frac{b^2+c^2-a^2}2}{a+b+c}=\dfrac{(b+c)^2-a^2}{2(a+b+c)}=\dfrac{b+c-a}2$。三角形の成立条件から $0<b+c-a<2c$（$b-c<a$）なので、接点は線分 $AB$ の内部にある。
</Proof>

傍心は、1 つの頂点の内角の二等分線と、ほかの 2 頂点の外角の二等分線の交点です。式は内心の $a$ の符号を変えた形になります。

<Theorem id="thm-excenter" title="傍心と傍接円">
内角 $A$ の二等分線と、頂点 $B,C$ の外角の二等分線は 1 点
$$
I_A=\frac{-aA+bB+cC}{-a+b+c}
$$
で交わる。$I_A$ は 3 つの直線 $AB,BC,CA$ からの距離が等しく、その値は $r_A=\dfrac{2S}{b+c-a}$ である。同様に $I_B,I_C$ が定まる。これらを**傍心**、$I_A$ を中心とする半径 $r_A$ の円を**傍接円**という。
</Theorem>

<Proof of="thm-excenter">
$b+c-a>0$ である（三角形の成立条件）。まず $I_A-A=\dfrac{b(B-A)+c(C-A)}{b+c-a}=\dfrac{bc}{b+c-a}(u+v)$ で係数は正なので、$I_A$ は内角 $A$ の二等分線上にある。次に $u'=\dfrac{A-B}{c}$、$v'=\dfrac{C-B}{a}$ とすると $I_A-B=\dfrac{-a(A-B)+c(C-B)}{b+c-a}=\dfrac{ac}{b+c-a}(v'-u')$。$v'-u'$ は $u'+v'$（頂点 $B$ の内角の二等分線の方向）に垂直（<Ref to="lem-bisector" />）で、$B$ における外角の二等分線の方向である。頂点 $C$ についても、$B$ と $C$（したがって $b$ と $c$）を入れ替えて同じ式になる：$I_A-C=\dfrac{ab}{b+c-a}(v''-u'')$（$u''=\dfrac{A-C}b$、$v''=\dfrac{B-C}a$）で、$C$ における外角の二等分線の方向。距離: $P=B+s(v'-u')$ と直線 $BA$（方向 $u'$）、直線 $BC$（方向 $v'$）の距離は <Ref to="lem-distance-line" /> から $|s||\det(u',v'-u')|=|s||\det(u',v')|$、$|s||\det(v',v'-u')|=|s||\det(v',u')|$ で等しい。直線 $AB$ と $AC$ への距離が等しいことは $A$ の二等分線上であることからも出る。よって 3 直線への距離は等しい。値は、$I_A$ と直線 $AB$ の距離 $\dfrac{bc}{b+c-a}|\det(u,u+v)|=\dfrac{bc}{b+c-a}\cdot\dfrac{2S}{bc}=\dfrac{2S}{b+c-a}$。
</Proof>

<Example id="ex-right-triangle-centers" title="3・4・5 の直角三角形の五心">
$A=(0,0)$、$B=(4,0)$、$C=(0,3)$（$a=|BC|=5$、$b=|CA|=3$、$c=|AB|=4$、$S=6$）。重心は $G=\bigl(\frac43,1\bigr)$。外心は斜辺 $BC$ の中点 $O=\bigl(2,\frac32\bigr)$（$|OA|=|OB|=|OC|=\frac52$ が直接確かめられる）。垂心は $H=A+B+C-2O=(4,3)-(4,3)=(0,0)=A$（直角の頂点）。内心は $I=\dfrac{5A+3B+4C}{12}=(1,1)$ で、$r=\dfrac{2\cdot6}{12}=1$（直角三角形の内接円の半径は $(b+c-a)/2=1$ とも一致）。傍心は $I_A=\dfrac{-5A+3B+4C}{2}=(6,6)$、$r_A=\dfrac{12}{2}=6$。
</Example>

<Figure caption="三角形 A(0,0), B(8,0), C(2,6) の重心 G、外心 O、垂心 H（Euler 線上）と内心 I">
<svg viewBox="0 0 300 230" width="100%" role="img" aria-label="三角形と四つの心">
  <polygon points="30,200 270,200 90,20" fill="none" stroke="currentColor" stroke-width="2" />
  <line x1="60" y1="140" x2="190" y2="140" stroke="var(--sl-color-accent)" stroke-width="1.5" stroke-dasharray="5 3" />
  <g fill="var(--sl-color-accent)">
    <circle cx="130" cy="140" r="4" /><circle cx="150" cy="140" r="4" /><circle cx="90" cy="140" r="4" />
  </g>
  <circle cx="117.6" cy="136.9" r="4" fill="currentColor" />
  <g fill="currentColor" font-size="13">
    <text x="16" y="216">A</text><text x="274" y="216">B</text><text x="86" y="14">C</text>
    <text x="126" y="160">G</text><text x="148" y="130">O</text><text x="80" y="160">H</text><text x="112" y="125">I</text>
  </g>
</svg>
</Figure>

## 5. Ceva の定理

辺 $BC$、$CA$、$AB$ の内部の点 $D,E,F$ をとり、
$$
x=\frac{BD}{DC},\qquad y=\frac{CE}{EA},\qquad z=\frac{AF}{FB}
$$
（正の実数）とおきます。<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-section-point" /> により
$$
D=\frac{B+xC}{1+x},\qquad E=\frac{C+yA}{1+y},\qquad F=\frac{A+zB}{1+z}
$$
です。重心座標では $D=(0,\frac1{1+x},\frac x{1+x})$、$E=(\frac y{1+y},0,\frac1{1+y})$、$F=(\frac1{1+z},\frac z{1+z},0)$ です。

証明のねらいは、直線 $AD$ を重心座標の 1 次式で表すことです。$AD$ 上の点は $\gamma=x\beta$ を満たす、という形で書けます。$BE$、$CF$ も同様に書き、3 つの式を連立すると $xyz=1$ が現れます。

<Theorem id="thm-ceva" title="Ceva の定理とその逆">
3 本の直線 $AD$、$BE$、$CF$ が 1 点で交わることと
$$
\frac{BD}{DC}\cdot\frac{CE}{EA}\cdot\frac{AF}{FB}=1
$$
は同値である。このとき交点 $P$ は三角形の内部にあり、重心座標は $\bigl(1,z,zx\bigr)/(1+z+zx)$ である。
</Theorem>

<Proof of="thm-ceva">
直線 $AD$ 上の点は $A+t(D-A)=\bigl(1-t,\ \tfrac t{1+x},\ \tfrac{tx}{1+x}\bigr)$（重心座標）で、$t$ は任意の実数。逆に重心座標 $(\alpha,\beta,\gamma)$ が $\gamma=x\beta$ を満たす点は $t=(1+x)\beta$ として $AD$ 上にある。したがって
$$
AD=\{\gamma=x\beta\}.
$$
同様に、$B+u(E-B)=\bigl(\tfrac{uy}{1+y},1-u,\tfrac u{1+y}\bigr)$ から $BE=\{\alpha=y\gamma\}$、$C+v(F-C)=\bigl(\tfrac v{1+z},\tfrac{vz}{1+z},1-v\bigr)$ から $CF=\{\beta=z\alpha\}$。3 直線が共有点 $P=(\alpha,\beta,\gamma)$（$\alpha+\beta+\gamma=1$）をもつなら、$\alpha=y\gamma=yx\beta=yxz\alpha$、すなわち $\alpha(1-xyz)=0$。$\alpha=0$ だと $\beta=z\alpha=0$、$\gamma=x\beta=0$ となって和が $1$ に反するので $\alpha\ne0$、ゆえに $xyz=1$。逆に $xyz=1$ とする。$\alpha=\dfrac1{1+z+zx}$、$\beta=z\alpha$、$\gamma=zx\alpha$ とおくと和は $1$ で、$\gamma=x\beta$、$\beta=z\alpha$ は明らか、$\alpha=y\gamma=yzx\alpha$ は $xyz=1$ から成り立つ。よってこの点は 3 直線のすべての上にある。係数はすべて正なので内部にある。
</Proof>

<Theorem id="thm-trig-ceva" title="三角関数形の Ceva の定理">
$D,E,F$ を辺 $BC,CA,AB$ の内部の点とする。$AD,BE,CF$ が 1 点で交わることと
$$
\frac{\sin\angle BAD}{\sin\angle DAC}\cdot\frac{\sin\angle CBE}{\sin\angle EBA}\cdot\frac{\sin\angle ACF}{\sin\angle FCB}=1
$$
は同値である。
</Theorem>

<Proof of="thm-trig-ceva">
$D=\dfrac{B+xC}{1+x}$ とすると、$D-A=\dfrac{(B-A)+x(C-A)}{1+x}$ で、行列式の双線形性から $\det(B-A,D-A)=\dfrac{x}{1+x}\det(B-A,C-A)$、$\det(D-A,C-A)=\dfrac1{1+x}\det(B-A,C-A)$。よって $\dfrac{\det(B-A,D-A)}{\det(D-A,C-A)}=x=\dfrac{BD}{DC}$（面積 $S(A,B,D):S(A,D,C)$ の比と同じ）。一方 <Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-dot-cos" /> の 1.・2. により $\bigl|\det(B-A,D-A)\bigr|=|AB||AD|\sin\angle BAD$、$\bigl|\det(D-A,C-A)\bigr|=|AD||AC|\sin\angle DAC$。したがって
$$
\frac{BD}{DC}=\frac{c\,\sin\angle BAD}{b\,\sin\angle DAC}.
$$
同様に $\dfrac{CE}{EA}=\dfrac{a\,\sin\angle CBE}{c\,\sin\angle EBA}$、$\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{b\,\sin\angle ACF}{a\,\sin\angle FCB}$。3 式の積をとると辺の長さ $a,b,c$ が約分されて、$\dfrac{BD}{DC}\cdot\dfrac{CE}{EA}\cdot\dfrac{AF}{FB}$ が題意の三角関数の積に等しい。<Ref to="thm-ceva" /> により、これが $1$ であることが共点と同値。
</Proof>

<Example id="ex-ceva-use" title="Ceva の定理の使い方">
$BD:DC=2:3$、$CE:EA=1:2$ となる $D,E$ に対して、$F$ を $AF:FB=z$ にとって $AD,BE,CF$ が共点になるためには、$\frac23\cdot\frac12\cdot z=1$ より $z=3$、すなわち $AF:FB=3:1$ です。このとき交点の重心座標は $(1,3,3\cdot\frac23)/(1+3+2)=\bigl(\frac16,\frac12,\frac13\bigr)$。重心座標がすべて正なので、交点は三角形の内部にあります。
</Example>

## 6. Menelaus の定理

直線 $BC$ 上の点 $D$（$D\ne C$）について、$D=\dfrac{B+xC}{1+x}$ となる実数 $x$（$x\ne-1$）をただ 1 つ定めて、$x=\dfrac{BD}{DC}$（符号付きの比）といいます。$D$ が線分 $BC$ の内部にあれば $x>0$、$B$ の外側にあれば $-1<x<0$、$C$ の外側にあれば $x<-1$ で、$D=B$ なら $x=0$ です。直線 $CA$ 上の点 $E$ の $y=\dfrac{CE}{EA}$、直線 $AB$ 上の点 $F$ の $z=\dfrac{AF}{FB}$ も同様に定めます。

符号の見方は、$D$ が $B$ と $C$ の間にあれば正、その外にあれば負、です。$B$ を $0$、$C$ を $1$ とした数直線では、$D$ の位置は $\dfrac{x}{1+x}$ です。たとえば $x=1$ は中点 $\frac12$、$x=-\frac12$ は $B$ の外側の $-1$、$x=-2$ は $C$ の外側の $2$ です。

<Theorem id="thm-menelaus" title="Menelaus の定理とその逆">
直線 $BC,CA,AB$ 上の点 $D,E,F$（頂点とは異なる）について、$D,E,F$ が一直線上にあることと
$$
\frac{BD}{DC}\cdot\frac{CE}{EA}\cdot\frac{AF}{FB}=-1
$$
（符号付きの比の積）は同値である。
</Theorem>

<Proof of="thm-menelaus">
$D=\bigl(0,1,x\bigr)/(1+x)$、$E=\bigl(y,0,1\bigr)/(1+y)$、$F=\bigl(1,z,0\bigr)/(1+z)$（重心座標）。<Ref to="lem-barycentric-area" /> より
$$
S(D,E,F)=\frac1{(1+x)(1+y)(1+z)}\begin{vmatrix}0&1&x\\y&0&1\\1&z&0\end{vmatrix}S(A,B,C)=\frac{1+xyz}{(1+x)(1+y)(1+z)}S(A,B,C)
$$
（行列式を第 1 行で展開すると $-1\cdot(0-1)+x(yz-0)=1+xyz$）。<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-signed-area" /> の 2. により、$D,E,F$ が一直線上にあることは $S(D,E,F)=0$ と同値で、$S(A,B,C)\ne0$ なので $1+xyz=0$ と同値。
</Proof>

<Example id="ex-menelaus-use" title="Menelaus の定理の使い方">
$F$ が $AB$ の中点（$z=1$）、$E$ が $CE:EA=2:1$（$y=2$）の点のとき、直線 $FE$ が直線 $BC$ と交わる点 $D$ の比は、$xyz=-1$ から $x=-\frac12$。すなわち $D=\dfrac{B-\frac12C}{\frac12}=2B-C$ で、$B$ が $CD$ の中点になる位置にあります。

また、$D,E,F$ が三角形の辺の内部にあるときは $x,y,z>0$ で積は正なので、$-1$ にはなりません。辺の内部の 3 点が一直線上に並ぶことはない、という当たり前の事実が、符号付きの比から出ます。
</Example>

## 7. Routh・van Aubel・Viviani の定理

Ceva の定理は、3 本の線が 1 点で交わる条件でした。Routh の定理は、交わらないときにできる小さな三角形の面積が元の何倍かを与え、$rst=1$ のときに $0$ になります。

<Theorem id="thm-routh" title="Routh の定理">
$D,E,F$ を辺 $BC,CA,AB$ の内部の点とし、$\dfrac{AF}{FB}=r$、$\dfrac{BD}{DC}=s$、$\dfrac{CE}{EA}=t$ とおく。直線 $AD,BE,CF$ のそれぞれ 2 本の交点 $P=AD\cap BE$、$Q=BE\cap CF$、$R=CF\cap AD$ がつくる三角形 $PQR$ の面積について
$$
\frac{S(P,Q,R)}{S(A,B,C)}=\frac{(rst-1)^2}{(1+s+st)(1+t+rt)(1+r+rs)}
$$
である。$rst=1$ のとき（Ceva の条件）は $0$、すなわち 3 本が 1 点で交わる。
</Theorem>

<Proof of="thm-routh">
<Ref to="thm-ceva" /> の証明と同じ記号で、$AD=\{\gamma=s\beta\}$、$BE=\{\alpha=t\gamma\}$、$CF=\{\beta=r\alpha\}$（$x\to s$、$y\to t$、$z\to r$）。$AD\cap BE$：$\gamma=s\beta$、$\alpha=t\gamma=ts\beta$ から $P=\dfrac{(ts,1,s)}{1+s+st}$。$BE\cap CF$：$\alpha=t\gamma$、$\beta=r\alpha=rt\gamma$ から $Q=\dfrac{(t,rt,1)}{1+t+rt}$。$CF\cap AD$：$\beta=r\alpha$、$\gamma=s\beta=rs\alpha$ から $R=\dfrac{(1,r,rs)}{1+r+rs}$。<Ref to="lem-barycentric-area" /> より、
$$
\frac{S(P,Q,R)}{S(A,B,C)}=\frac{1}{(1+s+st)(1+t+rt)(1+r+rs)}\begin{vmatrix}ts&1&s\\t&rt&1\\1&r&rs\end{vmatrix}.
$$
行列式は $ts(rt\cdot rs-r)-(t\cdot rs-1)+s(tr-rt)=r^2s^2t^2-rst-rst+1=(rst-1)^2$。
</Proof>

<Example id="ex-routh-seventh" title="3 等分点を結ぶと面積は 1/7">
$r=s=t=2$（各辺を $2:1$ に分ける点と対頂点を結ぶ）のとき、$\dfrac{(8-1)^2}{(1+2+4)^3}=\dfrac{49}{343}=\dfrac17$。小さな三角形の面積は元の $\frac17$ です。$r=s=t=3$ なら $\dfrac{26^2}{13^3}=\dfrac4{13}$、$r=s=t=1$（中線）なら $0$ です。
</Example>

<Theorem id="thm-van-aubel-triangle" title="van Aubel の定理（三角形）">
$AD,BE,CF$ が 1 点 $P$ で交わるとき（$D,E,F$ は辺の内部の点）、
$$
\frac{AP}{PD}=\frac{AF}{FB}+\frac{AE}{EC}.
$$
</Theorem>

<Proof of="thm-van-aubel-triangle">
<Ref to="thm-ceva" /> より $P=(\alpha,\beta,\gamma)=(1,z,zx)/(1+z+zx)$、すなわち $\beta=z\alpha$、$\gamma=zx\alpha$（$xyz=1$）。$\dfrac{\beta B+\gamma C}{\beta+\gamma}=\dfrac{zB+zxC}{z+zx}=\dfrac{B+xC}{1+x}=D$ なので、$P=\alpha A+(\beta+\gamma)D$（$\alpha+(\beta+\gamma)=1$）。よって $P-A=(\beta+\gamma)(D-A)$、$D-P=\alpha(D-A)$ で、$\dfrac{AP}{PD}=\dfrac{\beta+\gamma}\alpha=z+zx$。一方 $\dfrac{AF}{FB}=z$、$\dfrac{AE}{EC}=\dfrac1y=zx$（$xyz=1$）。和が一致する。
</Proof>

<Theorem id="thm-viviani" title="Viviani の定理">
三角形の内部の点 $P$ から直線 $BC,CA,AB$ までの距離を $d_a,d_b,d_c$ とすると、$a\,d_a+b\,d_b+c\,d_c=2S$ である。とくに正三角形（$a=b=c$）では $d_a+d_b+d_c=\dfrac{2S}a$（一定。これは 1 つの頂点から対辺までの距離、すなわち高さに等しい）。
</Theorem>

<Proof of="thm-viviani">
$P=\alpha A+\beta B+\gamma C$（$\alpha,\beta,\gamma>0$）。直線 $BC$ の単位方向ベクトルは $u=\dfrac{C-B}a$ で、<Ref to="lem-distance-line" /> から $d_a=|\det(u,P-B)|=\dfrac{|\det(C-B,P-B)|}a=\dfrac{2|S(B,C,P)|}a$。$S(B,C,P)=S(P,B,C)=\alpha S(A,B,C)$（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-signed-area" /> の 1.、<Ref to="lem-barycentric-area" />）なので $a\,d_a=2\alpha S$。同様に $b\,d_b=2\beta S$、$c\,d_c=2\gamma S$。足して $\alpha+\beta+\gamma=1$ を使う。正三角形では $a$ を共通因子にして $d_a+d_b+d_c=2S/a$。頂点 $A$ 自身は $\alpha=1$ なので、$A$ から $BC$ までの距離は同じ計算で $2S/a$。
</Proof>

## 8. 五心が一致する三角形

<Proposition id="prop-equilateral-centers" title="重心・内心・外心・垂心が一致するのは正三角形">
三角形 $ABC$ について、次の 4 条件は同値である。(1) $a=b=c$（正三角形）。(2) 重心 $G$ と内心 $I$ が一致する。(3) $G$ と外心 $O$ が一致する。(4) $G$ と垂心 $H$ が一致する。このとき $G=I=O=H$ である。
</Proposition>

<Proof of="prop-equilateral-centers">
(1)⇔(2): $I$ の重心座標は $\bigl(\frac a{a+b+c},\frac b{a+b+c},\frac c{a+b+c}\bigr)$、$G$ は $(\frac13,\frac13,\frac13)$。重心座標の一意性（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#thm-point-region" /> の 3.）により $I=G$ は $a=b=c$ と同値。
(3)⇔(4): <Ref to="thm-orthocenter" /> から $H-G=A+B+C-2O-\dfrac{A+B+C}3=2(G-O)$ なので $H=G\iff G=O$。
(1)⇒(3): $O$ を原点とし $|A|=|B|=|C|=R$。$a=b=c$ なら $|A-B|^2=2R^2-2A\cdot B$ が 3 組で等しいので $A\cdot B=B\cdot C=C\cdot A$。$g=A+B+C$ とおくと $g\cdot(A-B)=|A|^2-|B|^2+C\cdot(A-B)=0$、同様に $g\cdot(B-C)=0$。$A-B$ と $B-C$ は 1 次独立（<Ref to="mathematics/hs-geometry/plane-vectors#prop-plane-basis" />）なので $g=0$、すなわち $G=O$。
(3)⇒(1): $G=O$（原点）なら $A+B+C=0$。$|A+B|^2=|C|^2$ から $2R^2+2A\cdot B=R^2$、$A\cdot B=-\frac{R^2}2$。$|A-B|^2=2R^2+R^2=3R^2$。同様に他の 2 辺も $3R^2$ で、$a=b=c$。
最後に、(1) のとき (2)(3)(4) が成り立ち、$G=I=O=H$。
</Proof>

## 9. 大学ではどこへ続くか

- 重心座標は、アフィン幾何（アフィン空間・アフィン写像）と射影幾何（斉次座標）への入口です。$P=\alpha A+\beta B+\gamma C$ は凸結合（[平面ベクトルと座標](/mathematics/hs-geometry/plane-vectors) で学んだ凸包）の座標表示です。
- 面積比が $3\times3$ 行列式の値になる（<Ref to="lem-barycentric-area" />）ことは、[行列式](/mathematics/linear-algebra/determinants) の「体積は行列式」の最も簡単な例です。
- Ceva と Menelaus の定理は、射影幾何の双対原理（点と直線の入れ替え）で互いに対応します。
- Euler 線（$O,G,H$ が共線）、九点円、Simson 線など、五心から出てくる定理は、続く記事の主題です。

## 10. 演習

<Exercise id="exr-centers-coordinates" difficulty="標準">
$A=(0,0)$、$B=(6,0)$、$C=(0,8)$ の三角形について、重心 $G$、外心 $O$、垂心 $H$、内心 $I$ と内接円の半径 $r$ を求めよ。
<Solution>
$a=|BC|=10$、$b=|CA|=8$、$c=|AB|=6$、$S=24$。$G=\bigl(2,\frac83\bigr)$。直角の頂点を $A$ とするので外心は斜辺 $BC$ の中点 $O=(3,4)$（<Ref to="thm-circumcenter" /> で $|OA|=|OB|=|OC|=5$）。$H=A+B+C-2O=(6,8)-(6,8)=(0,0)=A$。内心は <Ref to="thm-incenter" /> より $I=\dfrac{10A+8B+6C}{24}=\dfrac{(48,48)}{24}=(2,2)$、$r=\dfrac{2\cdot24}{24}=2$。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-ceva-concurrent" difficulty="標準">
$AB$ の中点を $F$、$BC$ を $1:2$ に内分する点を $D$ とし、$E$ は辺 $CA$ 上の点とする。$AD,BE,CF$ が 1 点で交わるとき、$CE:EA$ を求めよ。
<Solution>
$x=\frac{BD}{DC}=\frac12$、$z=\frac{AF}{FB}=1$。<Ref to="thm-ceva" /> より $xyz=1$ から $y=\dfrac1{xz}=2$。すなわち $CE:EA=2:1$。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-menelaus-ratio" difficulty="標準">
三角形 $ABC$ の辺 $AB$ を $1:2$ に内分する点 $F$ と、辺 $CA$ を $3:1$ に内分する点 $E$（$CE:EA=3:1$）をとる。直線 $FE$ が直線 $BC$ と交わる点を $D$ とするとき、$BD:DC$（符号付きの比）を求めよ。
<Solution>
$z=\dfrac{AF}{FB}=\dfrac12$、$y=\dfrac{CE}{EA}=3$。<Ref to="thm-menelaus" /> より $xyz=-1$、$x\cdot3\cdot\frac12=-1$ なので $x=-\frac23$。$-1<x<0$ なので、$D$ は $B$ の外側（$C$ と反対側）にあり、$BD:DC=-2:3$（長さの比は $BD:DC=2:3$ で、$D$ は線分 $BC$ を $B$ の側へ延長した上）。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-viviani-side6" difficulty="易">
1 辺が $6$ の正三角形の内部の点から 3 辺への距離の和を求めよ。
<Solution>
<Ref to="thm-viviani" /> より和は高さ $\dfrac{\sqrt3}2\cdot6=3\sqrt3$（$S=9\sqrt3$、$2S/a=18\sqrt3/6=3\sqrt3$）。
</Solution>
</Exercise>

## 参考文献

1. H. S. M. Coxeter, S. L. Greitzer, *Geometry Revisited*, Mathematical Association of America, 1967 — 第 1 章（三角形に関する点と直線、Ceva・Menelaus の定理）。
2. Robin Hartshorne, *Geometry: Euclid and Beyond*, Springer, 2000.
3. Abraham A. Ungar, *Barycentric Calculus in Euclidean and Hyperbolic Geometry*, World Scientific, 2010.
4. 小平邦彦『幾何への誘い』岩波書店、2000。
