# 級数と収束判定：部分和の極限・4 つの判定法・絶対収束と条件収束

> 無限級数の和を部分和の極限として定義し、比較・積分・ダランベール・コーシーの各判定法を証明付きで整理する。絶対収束と条件収束を区別し、交項級数とリーマンの再配列定理で和の順序が意味を持つ理由まで示す。
> https://rikai.mugen-giken.com/mathematics/calculus/series-and-convergence

## 0. この記事の要点

- 無限級数の「和」は、有限和である部分和 $S_N = a_1 + \cdots + a_N$ の**数列としての極限**で定義します。級数の問題はすべて数列の収束の問題に翻訳されます。
- 正項級数（すべての項が $0$ 以上）については「収束することと部分和が上に有界であることが同値」という一つの原理があり、比較判定法・積分判定法・比判定法・根判定法はいずれもその言い換えです。
- ダランベールの比判定法とコーシーの根判定法はどちらも「等比級数と比べる」道具ですが、根判定法のほうが真に強い。比判定法が結論を出せないのに根判定法が出せる例があります。
- 絶対収束すれば収束します。逆は成り立たず、その差が条件収束です。
- 条件収束する級数は、項の順序を変えると和が変わります（リーマンの再配列定理）。無限和は有限和の単なる延長ではありません。

## 1. 動機：無限個の数を足すとはどういうことか

有限個の数の足し算に説明は要りません。しかし $1 + \frac12 + \frac14 + \frac18 + \cdots$ のように項が無限に続くとき、「足した結果」とは何を指すのでしょうか。実際に無限回の加法を行うことはできませんから、これは**定義しなければ意味を持たない**言葉です。

このことが真剣に問題になった例を挙げます。$18$ 世紀に議論されたグランディ級数

$$
1 - 1 + 1 - 1 + 1 - 1 + \cdots
$$

を考えます。括弧を $(1-1) + (1-1) + \cdots$ と付ければ $0$ ですが、$1 + (-1+1) + (-1+1) + \cdots$ と付ければ $1$ です。和を $S$ と書いて $S = 1 - S$ を解けば $S = \frac12$ になります。どれももっともらしく、どれも決定的でない。同じ時期にオイラーは $1 + 2 + 4 + 8 + \cdots$ に等比級数の公式 $\frac{1}{1-r}$ を $r = 2$ で当てはめて $-1$ という値を割り当てています。

こうした混乱は「無限和とは何か」が決まっていなかったことに由来します。コーシーは 1821 年の『解析教程』で、無限和を**部分和の極限**として定義しました。この定義のもとではグランディ級数の部分和は $1, 0, 1, 0, \ldots$ と振動して極限を持たないので、答えは「和は存在しない（発散する）」です。曖昧さは消えます。

定義が決まると、次の問いは実際的なものになります。**与えられた級数は収束するのか。** 和の値そのものは初等関数で表せないことが多い一方、収束するかどうかは判定できることが多い。テイラー展開がどの範囲の $x$ で使えるか（[平均値の定理とテイラーの定理](/mathematics/calculus/mean-value-and-taylor) の <Ref to="mathematics/calculus/mean-value-and-taylor#thm-taylor" text="テイラーの定理" />）、数値計算で何項まで足せば必要な精度が出るか。どちらもこの判定の問題です。この記事はその道具立てを、証明を省かずに組み立てます。なお $0.999\ldots = 1$ のような無限小数の等式も級数の収束の話です（[数とは何か？](/mathematics/foundations/what-is-a-number) の <Ref to="mathematics/foundations/what-is-a-number#thm-0999" text="1 = 0.999…" />）。

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## 2. 準備：数列の極限、上限、上極限

数列 $(x_n)$ が $x$ に収束するとは、任意の $\varepsilon > 0$ に対してある番号 $N$ が存在し、$n \ge N$ ならば $|x_n - x| < \varepsilon$ となることでした（[極限と連続性](/mathematics/calculus/limits-and-continuity)）。この記事で実数について使う性質は次の二つです。

- **上限の存在（実数の連続性）**：空でなく上に有界な $\mathbb{R}$ の部分集合 $A$ には最小上界 $\sup A$ が存在する（[数とは何か？](/mathematics/foundations/what-is-a-number) の <Ref to="mathematics/foundations/what-is-a-number#ax-completeness" text="実数の連続性公理（上限性質）" />）。
- **完備性**：コーシー列（任意の $\varepsilon > 0$ に対しある $N$ があって $m, n \ge N$ ならば $|x_m - x_n| < \varepsilon$ となる数列）は収束する。

まず、後の議論で繰り返し使う基本定理を確認します。

<Theorem id="thm-monotone" title="単調有界定理">
実数列 $(x_n)$ が単調増加（すなわちすべての $n$ で $x_n \le x_{n+1}$）であり、かつ上に有界であるとする。このとき $(x_n)$ は収束し、$\lim_{n \to \infty} x_n = \sup_{n \ge 1} x_n$ である。
</Theorem>

<Proof of="thm-monotone">
集合 $A = \{x_n : n \ge 1\}$ は空でなく、仮定より上に有界です。上限の存在（§2）より $x^{*} = \sup A$ が存在します。$\varepsilon > 0$ を任意に取ります。$x^{*} - \varepsilon$ は $A$ の上界ではない（$x^{*}$ が最小の上界だから）ので、ある番号 $N$ があって $x_N > x^{*} - \varepsilon$ となります。単調増加性より $n \ge N$ ならば $x_n \ge x_N > x^{*} - \varepsilon$ であり、一方 $x^{*}$ は上界なので $x_n \le x^{*}$ です。したがって $n \ge N$ のとき $|x_n - x^{*}| < \varepsilon$ となり、$x_n \to x^{*}$ が示されました。
</Proof>

根判定法・比判定法を極限の存在を仮定せずに述べるために、上極限を用意します。

<Definition id="def-limsup" title="上極限">
実数列 $(x_n)$ が上に有界であるとき、$y_N = \sup_{n \ge N} x_n$ とおく。$(y_N)$ は $N$ について単調減少なので、下に有界ならば収束し、そうでなければ $-\infty$ に発散する。この値を
$$
\limsup_{n \to \infty} x_n = \inf_{N \ge 1} \, \sup_{n \ge N} x_n
$$
と書き、$(x_n)$ の**上極限**という。$(x_n)$ が上に有界でないときは $\limsup_{n\to\infty} x_n = +\infty$ と約束する。下極限 $\liminf_{n\to\infty} x_n = \sup_{N \ge 1} \inf_{n \ge N} x_n$ も同様に定める。
</Definition>

<Remark id="rem-limsup">
$\alpha = \limsup_{n\to\infty} x_n$ が有限のとき、次の二つが成り立ちます。以降の証明はこの二つしか使いません。

**(a) $r > \alpha$ ならば、ある $N$ が存在して $n \ge N$ のすべてで $x_n < r$。** 実際、$\inf_N \sup_{n \ge N} x_n = \alpha < r$ なので、下限の定義よりある $N$ で $\sup_{n \ge N} x_n < r$ となり、$n \ge N$ では $x_n \le \sup_{n \ge N} x_n < r$ です。

**(b) $r < \alpha$ ならば、$x_n > r$ となる $n$ が無限個ある。** 実際、任意の $N$ について $\sup_{n \ge N} x_n \ge \alpha > r$ なので、上限の定義よりある $n \ge N$ で $x_n > r$ です。$N$ は任意なのでそのような $n$ はいくらでも大きく取れます。

下極限についても、不等号の向きを入れ替えた同じ議論により **(a') $r < \liminf_{n\to\infty} x_n$ ならば、ある $N$ が存在して $n \ge N$ のすべてで $x_n > r$** が成り立ちます。

$(x_n)$ が収束すれば $\limsup x_n = \liminf x_n = \lim x_n$ であり、上極限は極限の一般化になっています。
</Remark>

## 3. 級数の定義と最初の必要条件

<Definition id="def-series" title="無限級数・部分和・和">
数列 $(a_n)_{n \ge 1}$ に対し、
$$
S_N = \sum_{n=1}^{N} a_n \qquad (N = 1, 2, \ldots)
$$
を第 $N$ **部分和**という。数列 $(S_N)_{N \ge 1}$ がある実数 $S$ に収束するとき、級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は**収束する**といい、$S$ をその**和**と呼んで $\sum_{n=1}^{\infty} a_n = S$ と書く。$(S_N)$ が収束しないとき、級数は**発散する**という。
</Definition>

記号 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は、級数という対象そのものと、収束する場合の和の値の両方を表す慣用があります。添字の出発点は $1$ でなくてもよく、$\sum_{n \ge 0}$ や $\sum_{n \ge 2}$ も同じ流儀で定義します。

<Remark id="rem-finite-change">
有限個の項を変更・削除・追加しても、級数の収束・発散は変わりません（和の値は変わります）。実際、$n \ge n_0$ で $a_n = b_n$ ならば、$N \ge n_0$ に対し $\sum_{n \le N} a_n - \sum_{n \le N} b_n$ は $N$ によらない定数なので、一方の部分和が収束することと他方が収束することは同値です。また $\lambda \ne 0$ のとき $\sum \lambda a_n$ の部分和は $\lambda S_N$ なので、$\sum \lambda a_n$ が収束することと $\sum a_n$ が収束することは同値で、$\sum \lambda a_n = \lambda \sum a_n$ です。同様に、$\sum a_n$ と $\sum b_n$ がともに収束すれば $\sum (a_n + b_n)$ も収束し、和は和の和になります（部分和が $S_N + T_N$ だから）。
</Remark>

<Example id="ex-geometric" title="等比級数とグランディ級数">
$r \ne 1$ のとき、$\sum_{n=0}^{N} r^n = \dfrac{1 - r^{N+1}}{1-r}$ です（両辺に $1-r$ を掛ければ確かめられます）。

$|r| < 1$ のとき $r^{N+1} \to 0$ なので、部分和は $\dfrac{1}{1-r}$ に収束します。すなわち
$$
\sum_{n=0}^{\infty} r^n = \frac{1}{1-r} \qquad (|r| < 1).
$$
$|r| \ge 1$ のときは $|r^n| \ge 1$ なので一般項は $0$ に収束せず、後述の <Ref to="prop-term-to-zero" /> より発散します（$r = 1$ なら部分和は $N+1$ で、実際に $+\infty$ に発散します）。

したがってグランディ級数（$r = -1$）は発散し、「和は $0$ か $1$ か $\frac12$ か」という §1 の問いには「どれでもない、和は存在しない」が答えです。オイラーの $1 + 2 + 4 + \cdots = -1$ も、$|r| < 1$ でしか成り立たない公式に $r = 2$ を形式的に代入したものにすぎません。
</Example>

<Proposition id="prop-term-to-zero" title="一般項の必要条件">
級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が収束するならば $\lim_{n\to\infty} a_n = 0$ である。対偶を取れば、$a_n$ が $0$ に収束しない級数は発散する。
</Proposition>

<Proof of="prop-term-to-zero">
和を $S$ とすると、定義（<Ref to="def-series" />）より $S_N \to S$ です。$N \ge 2$ に対して $a_N = S_N - S_{N-1}$ であり、$N \to \infty$ のとき右辺は $S - S = 0$ に収束します。よって $a_N \to 0$ です。
</Proof>

この命題は**発散を示すためだけ**に使えます。逆は成り立ちません。それを見るのが次の例で、級数論で最も重要な反例です。

<Example id="ex-harmonic" title="調和級数は発散する">
$\sum_{n=1}^{\infty} \frac1n$ を考えます。一般項は $0$ に収束しますが、この級数は発散します。$14$ 世紀のオレームによる論法を書きます。$H_N = \sum_{n=1}^{N} \frac1n$ とおき、$N = 2^k$ での部分和を項数 $1, 1, 2, 4, 8, \ldots$ の塊に分けます。$j \ge 1$ について、$2^{j-1} < n \le 2^j$ を満たす $n$ は $2^{j-1}$ 個あり、そのそれぞれで $\frac1n \ge \frac{1}{2^j}$ ですから
$$
\sum_{n = 2^{j-1}+1}^{2^{j}} \frac{1}{n} \;\ge\; 2^{j-1} \cdot \frac{1}{2^{j}} = \frac12 .
$$
これを $j = 1, \ldots, k$ について足すと
$$
H_{2^k} \;=\; 1 + \sum_{j=1}^{k} \sum_{n=2^{j-1}+1}^{2^{j}} \frac1n \;\ge\; 1 + \frac{k}{2}
$$
となり、部分和はいくらでも大きくなります。収束する数列は有界ですから、$(H_N)$ は収束しません。

発散はしますが極めて遅い。上の評価は $H_N$ が $10$ を超えるのに $2^{18}$ 項程度でよいと言っていますが、実際には $H_N \approx \log N$ なので、$H_N$ が $10$ を超えるのは $N$ が $1$ 万 $2$ 千を超えてからです。「計算機で足してみて増えなくなったから収束」という判断が危険なのは、このためです。
</Example>

<Theorem id="thm-cauchy-criterion" title="級数のコーシーの判定条件">
級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が収束するための必要十分条件は、任意の $\varepsilon > 0$ に対してある番号 $N$ が存在して、$m > n \ge N$ を満たすすべての $m, n$ について
$$
\left| \sum_{k=n+1}^{m} a_k \right| < \varepsilon
$$
が成り立つことである。
</Theorem>

<Proof of="thm-cauchy-criterion">
$\sum_{k=n+1}^{m} a_k = S_m - S_n$ ですから、条件は「数列 $(S_N)$ がコーシー列である」ことと同じ主張です。<Ref to="def-series" /> より級数の収束は $(S_N)$ の収束のことであり、$\mathbb{R}$ の完備性（§2）より数列については収束とコーシー列であることが同値です。よって主張が従います。
</Proof>

## 4. 正項級数：すべては有界性に帰着する

すべての項が $0$ 以上である級数を**正項級数**と呼びます。正項級数では部分和が単調増加するので、収束の問題が有界性の問題に化けます。この節の内容は、そのたった一つの観察の応用です。

<Proposition id="prop-positive-bounded" title="正項級数の収束と有界性">
すべての $n$ で $a_n \ge 0$ とする。このとき $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が収束することと、部分和の列 $(S_N)$ が上に有界であることは同値である。収束する場合、$\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \sup_{N \ge 1} S_N$ である。
</Proposition>

<Proof of="prop-positive-bounded">
$S_{N+1} - S_N = a_{N+1} \ge 0$ なので $(S_N)$ は単調増加です。上に有界ならば <Ref to="thm-monotone" /> より収束し、極限は $\sup_N S_N$ に一致します。逆に収束すれば、収束する数列は有界ですから、特に上に有界です。
</Proof>

正項級数の部分和は上に有界か $+\infty$ に発散するかのどちらかなので、正項級数について「$\sum a_n < \infty$」（収束の意味）、「$\sum a_n = \infty$」（発散の意味）という書き方が使えます。以下ではこの記法も用います。

<Theorem id="thm-comparison" title="比較判定法">
ある番号 $n_0$ が存在して、$n \ge n_0$ を満たすすべての $n$ で $0 \le a_n \le b_n$ が成り立つとする。このとき、

1. $\sum_{n=1}^{\infty} b_n$ が収束すれば $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ も収束する。
2. $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が発散すれば $\sum_{n=1}^{\infty} b_n$ も発散する。
</Theorem>

<Proof of="thm-comparison">
(2) は (1) の対偶なので、(1) を示せば十分です。<Ref to="rem-finite-change" /> より最初の $n_0 - 1$ 項は収束・発散に影響しないので、はじめから $n_0 = 1$、すなわちすべての $n$ で $0 \le a_n \le b_n$ としてよい。

$T = \sum_{n=1}^{\infty} b_n$ とおきます。$b_n \ge a_n \ge 0$ なので $\sum b_n$ は正項級数であり、<Ref to="prop-positive-bounded" /> よりその部分和 $T_N$ はすべて $T$ 以下です。したがって任意の $N$ で
$$
S_N = \sum_{n=1}^{N} a_n \le \sum_{n=1}^{N} b_n = T_N \le T
$$
となり、$\sum a_n$ の部分和は $T$ で上から押さえられます。再び <Ref to="prop-positive-bounded" />（今度は逆向き）より $\sum a_n$ は収束します。
</Proof>

比較判定法を使うには不等式を自分で見つけなければなりません。項の**比**の極限だけで判定できる形にしておくと実用的です。

<Corollary id="cor-limit-comparison" title="極限比較判定法">
すべての $n$ で $a_n \ge 0$、$b_n > 0$ とし、$c = \lim_{n\to\infty} \dfrac{a_n}{b_n}$ が（$+\infty$ も許して）存在するとする。

1. $0 < c < \infty$ ならば、$\sum a_n$ と $\sum b_n$ は同時に収束し同時に発散する。
2. $c = 0$ で $\sum b_n$ が収束すれば、$\sum a_n$ も収束する。
3. $c = \infty$ で $\sum b_n$ が発散すれば、$\sum a_n$ も発散する。
</Corollary>

<Proof of="cor-limit-comparison">
(1) 極限の定義で $\varepsilon = \frac{c}{2} > 0$ と取ると、ある $n_0$ があって $n \ge n_0$ のとき $\left| \frac{a_n}{b_n} - c \right| < \frac c2$、すなわち
$$
\frac{c}{2} b_n < a_n < \frac{3c}{2} b_n \qquad (n \ge n_0)
$$
です（$b_n > 0$ を掛けました）。右の不等式と <Ref to="thm-comparison" />(1) より、$\sum b_n$ が収束すれば $\sum \frac{3c}{2} b_n$ も収束し（<Ref to="rem-finite-change" /> の定数倍）、$\sum a_n$ が収束します。左の不等式と <Ref to="thm-comparison" />(1) より、$\sum a_n$ が収束すれば $\sum \frac{c}{2} b_n$ が収束し、したがって $\sum b_n$ が収束します。

(2) $c = 0$ なら $\varepsilon = 1$ に対しある $n_0$ があって $n \ge n_0$ で $a_n < b_n$ となるので、<Ref to="thm-comparison" />(1) から従います。(3) $c = \infty$ なら、ある $n_0$ があって $n \ge n_0$ で $a_n > b_n$ となるので、<Ref to="thm-comparison" />(2) から従います。
</Proof>

## 5. 積分判定法：和を面積で挟む

$\sum \frac{1}{n^2}$ のように「$n$ の有理式」や $\log n$ を含む級数は、比較する相手を探すより、対応する広義積分（[積分の基本定理と定積分](/mathematics/calculus/integration-and-ftc)）と比べるほうが速い。単調減少関数に対して、和は面積で上下から挟めます。

<Figure caption="積分判定法：破線の長方形（高さ f(n)）が曲線を上から押さえ、塗りつぶした長方形（高さ f(n+1)）が下から押さえる">
<svg viewBox="0 0 640 300" width="100%" role="img" aria-label="単調減少する曲線と、それを上下から挟む長方形の列">
  <g stroke="currentColor" stroke-width="1.5" fill="none">
    <path d="M70 250 H620" />
    <path d="M70 40 V250" />
    <path d="M100 250 v6 M180 250 v6 M260 250 v6 M340 250 v6 M420 250 v6 M500 250 v6 M580 250 v6" />
  </g>
  <g fill="var(--sl-color-accent)" fill-opacity="0.22">
    <rect x="100" y="160" width="80" height="90" />
    <rect x="180" y="190" width="80" height="60" />
    <rect x="260" y="205" width="80" height="45" />
    <rect x="340" y="214" width="80" height="36" />
    <rect x="420" y="220" width="80" height="30" />
  </g>
  <g stroke="currentColor" stroke-width="1" stroke-dasharray="5 4" fill="none">
    <rect x="100" y="70" width="80" height="180" />
    <rect x="180" y="160" width="80" height="90" />
    <rect x="260" y="190" width="80" height="60" />
    <rect x="340" y="205" width="80" height="45" />
    <rect x="420" y="214" width="80" height="36" />
  </g>
  <path d="M100 70 L120 106 L140 130 L160 147 L180 160 L200 170 L220 178 L240 185 L260 190 L280 195 L300 199 L320 202 L340 205 L360 208 L380 210 L400 212 L420 214 L440 216 L460 217 L480 219 L500 220 L520 221 L540 222 L560 223 L580 224" fill="none" stroke="var(--sl-color-accent)" stroke-width="2.5" />
  <path d="M300 116 L326 198" stroke="var(--sl-color-accent)" stroke-width="1" fill="none" />
  <g fill="currentColor" font-size="14">
    <text x="278" y="110">y = f(x)</text>
  </g>
  <g fill="currentColor" font-size="13" text-anchor="middle">
    <text x="100" y="270">1</text>
    <text x="180" y="270">2</text>
    <text x="260" y="270">3</text>
    <text x="340" y="270">4</text>
    <text x="420" y="270">5</text>
    <text x="500" y="270">6</text>
    <text x="580" y="270">7</text>
  </g>
</svg>
</Figure>

<Theorem id="thm-integral-test" title="コーシーの積分判定法">
関数 $f : [1, \infty) \to \mathbb{R}$ が、すべての $x \ge 1$ で $f(x) \ge 0$ を満たし、単調減少（$x \le y$ ならば $f(x) \ge f(y)$）であるとする。このとき、

1. 級数 $\sum_{n=1}^{\infty} f(n)$ が収束することと、広義積分 $\displaystyle\int_1^{\infty} f(x)\,dx = \lim_{b \to \infty} \int_1^{b} f(x)\,dx$ が有限の値に収束することは同値である。
2. 収束する場合、任意の $N \ge 1$ について尾部が
$$
\int_{N+1}^{\infty} f(x)\,dx \;\le\; \sum_{n=N+1}^{\infty} f(n) \;\le\; \int_{N}^{\infty} f(x)\,dx
$$
で評価される。
</Theorem>

<Proof of="thm-integral-test">
まず $f$ は単調なので任意の有界閉区間でリーマン可積分であり（<Ref to="mathematics/calculus/integration-and-ftc#def-integral" text="リーマン可積分性の定義" />）、以下の積分はすべて意味を持ちます。

$n \le x \le n+1$ のとき、単調減少性より $f(n+1) \le f(x) \le f(n)$ です。この不等式を区間 $[n, n+1]$（長さ $1$）で積分すると、積分の単調性（<Ref to="mathematics/calculus/integration-and-ftc#prop-basic" text="定積分の基本性質" />）から
$$
f(n+1) \;\le\; \int_{n}^{n+1} f(x)\,dx \;\le\; f(n) \qquad (n \ge 1)
$$
を得ます。これが証明のすべての土台です。

**(1)** 上の右側の不等式を $n = 1, \ldots, M-1$ で足すと $\int_1^{M} f \le \sum_{n=1}^{M-1} f(n)$、左側を $n = 1, \ldots, M-1$ で足すと $\sum_{n=2}^{M} f(n) \le \int_1^{M} f$ となります。すなわち
$$
\sum_{n=2}^{M} f(n) \;\le\; \int_1^{M} f(x)\,dx \;\le\; \sum_{n=1}^{M-1} f(n).
$$
$f \ge 0$ なので $F(b) = \int_1^b f$ は $b$ について単調増加であり、部分和 $S_M = \sum_{n \le M} f(n)$ も単調増加です。右の不等式より、$(S_M)$ が上に有界なら $(F(M))$ も上に有界、左の不等式より、$(F(M))$ が上に有界なら $(S_M)$ も上に有界です。よって「$(S_M)$ が上に有界」と「$(F(M))$ が上に有界」は同値。前者は <Ref to="prop-positive-bounded" /> より級数の収束と同値です。後者については、$F$ が単調増加なので、上に有界ならば <Ref to="thm-monotone" /> と同じ議論（数列 $F(M)$ の極限が $\sup_b F(b)$ に等しく、$F$ の単調性から $b \to \infty$ の極限もその値になる）で広義積分が収束し、上に有界でなければ $F(b) \to \infty$ です。以上で (1) が示されました。

**(2)** 上の基本不等式の右側を $n = N+1, \ldots, M$ で足すと $\sum_{n=N+1}^{M} f(n) \le \int_{N}^{M} f$ の形、正確には
$$
\sum_{n=N+1}^{M} f(n) \le \sum_{n=N+1}^{M} \int_{n-1}^{n} f(x)\,dx = \int_{N}^{M} f(x)\,dx \le \int_N^{\infty} f(x)\,dx
$$
となり（最後の不等号は $f \ge 0$）、$M \to \infty$ として右側の評価を得ます。左側は
$$
\sum_{n=N+1}^{M} f(n) \ge \sum_{n=N+1}^{M} \int_{n}^{n+1} f(x)\,dx = \int_{N+1}^{M+1} f(x)\,dx
$$
で $M \to \infty$ とすればよい。
</Proof>

<Corollary id="cor-p-series" title="p 級数">
実数 $s$ に対し、$\sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n^{s}}$ は $s > 1$ のとき収束し、$s \le 1$ のとき発散する。
</Corollary>

<Proof of="cor-p-series">
$s \le 0$ のとき $n^{-s} \ge 1$ なので一般項は $0$ に収束せず、<Ref to="prop-term-to-zero" /> より発散します。

$s > 0$ とします。$f(x) = x^{-s}$ は $[1,\infty)$ で正の値を取り単調減少なので <Ref to="thm-integral-test" /> が使えます。$s \ne 1$ のとき
$$
\int_1^{b} x^{-s}\,dx = \left[ \frac{x^{1-s}}{1-s} \right]_1^{b} = \frac{b^{1-s} - 1}{1-s},
$$
$s = 1$ のとき $\int_1^b x^{-1}dx = \log b$ です。$s > 1$ なら $1 - s < 0$ より $b^{1-s} \to 0$ なので積分は $\frac{1}{s-1}$ に収束し、級数は収束します。$0 < s < 1$ なら $1-s > 0$ より $b^{1-s} \to \infty$ で積分は発散し、$s = 1$ でも $\log b \to \infty$ で発散します。よって級数も発散します。
</Proof>

$s = 1$ が発散側にあることは <Ref to="ex-harmonic" /> と整合しています。境界がどれほど微妙かを、対数を挟んだ級数で見ます。

<Example id="ex-log-series" title="対数を含む級数の境界">
実数 $s$ に対し $\displaystyle\sum_{n=2}^{\infty} \frac{1}{n (\log n)^{s}}$ を調べます。まず $s > 0$ とします。このとき $f(x) = \dfrac{1}{x(\log x)^{s}}$ は $[2,\infty)$ で正であり、$x (\log x)^s$ が増加するので単調減少です（<Ref to="thm-integral-test" /> は出発点が $1$ でなくても、$[2,\infty)$ 上で同じ証明が通ります）。$u = \log x$、$du = dx/x$ と置換すると（<Ref to="mathematics/calculus/integration-and-ftc#thm-substitution" text="置換積分" />）
$$
\int_2^{b} \frac{dx}{x (\log x)^{s}} = \int_{\log 2}^{\log b} \frac{du}{u^{s}}
$$
であり、$\log b \to \infty$ なので、これは <Ref to="cor-p-series" /> の証明と同じ計算により $s > 1$ のとき $\frac{(\log 2)^{1-s}}{s-1}$ に収束し、$s \le 1$ のとき発散します。$s \le 0$ のときは $\frac{1}{n(\log n)^s} \ge \frac1n$（$n \ge 3$）と <Ref to="thm-comparison" />(2)、<Ref to="ex-harmonic" /> から発散します。

まとめると、この級数は $s > 1$ のときだけ収束します。つまり $\sum \frac{1}{n}$（発散）と $\sum \frac{1}{n^{1+\varepsilon}}$（収束）の間には、$\frac{1}{n\log n}$（発散）、$\frac{1}{n(\log n)^2}$（収束）という細かい階層があります。次節の比判定法・根判定法はこれらすべてに対して「判定不能」を返します。判定法には守備範囲があるということです。
</Example>

## 6. ダランベールの比判定法とコーシーの根判定法

<Ref to="ex-geometric" /> の等比級数は、収束・発散が完全にわかっている数少ない級数です。この節の二つの判定法は、いずれも「与えられた級数を等比級数と比べる」ための仕掛けで、階乗や $n$ 乗を含む級数に強い。

<Theorem id="thm-root" title="コーシーの根判定法">
数列 $(a_n)$ に対し $\alpha = \limsup_{n\to\infty} |a_n|^{1/n}$ とおく（<Ref to="def-limsup" />）。

1. $\alpha < 1$ ならば $\sum_{n=1}^{\infty} |a_n|$ は収束する（したがって <Ref to="thm-abs-convergence" /> より $\sum a_n$ も収束する）。
2. $\alpha > 1$ ならば $a_n$ は $0$ に収束せず、$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は発散する。
3. $\alpha = 1$ のときは、収束することも発散することもあり、この判定法だけでは決まらない。
</Theorem>

<Proof of="thm-root">
**(1)** $\alpha < r < 1$ となる実数 $r$ を取ります。<Ref to="rem-limsup" />(a) より、ある $N$ があって $n \ge N$ のとき $|a_n|^{1/n} < r$、すなわち $|a_n| < r^n$ です。$0 < r < 1$ なので $\sum_{n} r^n$ は収束し（<Ref to="ex-geometric" />）、<Ref to="thm-comparison" />(1) より $\sum |a_n|$ が収束します。

**(2)** $1 < \alpha$ なので <Ref to="rem-limsup" />(b) を $r = 1$ に適用すると、$|a_n|^{1/n} > 1$ すなわち $|a_n| > 1$ となる $n$ が無限個あります（$\alpha = +\infty$ のときも同じ結論です）。よって $a_n \to 0$ ではなく、<Ref to="prop-term-to-zero" /> より級数は発散します。

**(3)** $\lim_{n\to\infty} n^{1/n} = 1$ を使います。$t > 0$ で $\log t \le t - 1$ が成り立つので（$g(t) = t - 1 - \log t$ は $g(1) = 0$、$g'(t) = 1 - 1/t$ より $t=1$ で最小）、$t = \sqrt n$ とおけば $\frac12 \log n \le \sqrt n - 1 \le \sqrt n$、したがって $0 \le \frac{\log n}{n} \le \frac{2}{\sqrt n} \to 0$ です。よって $n^{1/n} = e^{(\log n)/n} \to e^0 = 1$ となります。これより $a_n = \frac1n$ でも $a_n = \frac{1}{n^2}$ でも $\alpha = 1$ ですが、前者は発散し後者は収束します（<Ref to="cor-p-series" />）。
</Proof>

<Theorem id="thm-ratio" title="ダランベールの比判定法">
ある $n_0$ 以上のすべての $n$ で $a_n \ne 0$ とする。

1. $\limsup_{n\to\infty} \left| \dfrac{a_{n+1}}{a_n} \right| < 1$ ならば $\sum_{n=1}^{\infty} |a_n|$ は収束する。
2. ある $n_1 \ge n_0$ が存在して $n \ge n_1$ のすべてで $\left| \dfrac{a_{n+1}}{a_n} \right| \ge 1$ ならば、$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は発散する。特に $\liminf_{n\to\infty} \left| \dfrac{a_{n+1}}{a_n} \right| > 1$ ならば発散する。
3. $\left| \dfrac{a_{n+1}}{a_n} \right| \to 1$ のときは、この判定法だけでは決まらない。
</Theorem>

<Proof of="thm-ratio">
**(1)** $\limsup |a_{n+1}/a_n| < r < 1$ となる $r$ を取ると、<Ref to="rem-limsup" />(a) よりある $N \ge n_0$ があって $n \ge N$ で $|a_{n+1}| \le r |a_n|$ です。これを $n = N, N+1, \ldots$ と繰り返して（$n$ についての帰納法）
$$
|a_n| \le r^{\,n-N} |a_N| = \left( |a_N| r^{-N} \right) r^{n} \qquad (n \ge N)
$$
を得ます。$C = |a_N| r^{-N}$ は $n$ によらない定数で、$\sum C r^n$ は収束します（<Ref to="ex-geometric" /> と <Ref to="rem-finite-change" /> の定数倍）。よって <Ref to="thm-comparison" />(1) より $\sum |a_n|$ が収束します。

**(2)** 仮定より $n \ge n_1$ で $|a_{n+1}| \ge |a_n|$ なので、$|a_n| \ge |a_{n_1}| > 0$ が $n \ge n_1$ で成り立ちます。よって $a_n \to 0$ ではなく、<Ref to="prop-term-to-zero" /> より発散します。後半は、$\liminf |a_{n+1}/a_n| > 1$ ならば <Ref to="rem-limsup" /> の下極限版から、ある番号以降つねに比が $1$ を超えるからです。

**(3)** $a_n = \frac1n$ と $a_n = \frac{1}{n^2}$ ではどちらも比が $1$ に収束しますが、収束・発散は異なります（<Ref to="cor-p-series" />）。
</Proof>

<Remark id="rem-root-stronger">
根判定法は比判定法より真に強い、という関係があります。比判定法が収束を結論できたとしましょう。<Ref to="thm-ratio" /> の証明で得た $|a_n| \le C r^n$（$n \ge N$、$C > 0$、$r < 1$）から $|a_n|^{1/n} \le C^{1/n} r$ であり、$C^{1/n} = e^{(\log C)/n} \to 1$ なので $\limsup |a_n|^{1/n} \le r < 1$ となって、根判定法も収束を結論します。逆は成り立ちません（<Ref to="ex-root-vs-ratio" />）。それでも実務では比のほうが計算しやすいことが多いので、まず比判定法を試し、駄目なら根判定法に移るのが順序としては自然だと思います。
</Remark>

<Example id="ex-root-vs-ratio" title="根判定法は効くが比判定法は効かない級数">
$a_n = 2^{-n + (-1)^n}$（$n \ge 1$）とします。$n$ が偶数なら $a_n = 2^{-n+1}$、奇数なら $a_n = 2^{-n-1}$ です。

**根判定法**：$|a_n|^{1/n} = 2^{-1 + (-1)^n/n}$ であり、指数は $-1$ に収束するので $\alpha = \frac12 < 1$。<Ref to="thm-root" />(1) より収束します。

**比判定法**：$\dfrac{a_{n+1}}{a_n} = 2^{-1 + (-1)^{n+1} - (-1)^n}$ なので、$n$ が偶数なら $2^{-1-2} = \frac18$、奇数なら $2^{-1+2} = 2$ です。よって $\limsup = 2 > 1$、$\liminf = \frac18 < 1$ となり、<Ref to="thm-ratio" /> の (1) も (2) も適用できません。判定不能です。

和も求まります。奇数番号の項の和は $\sum_{k \ge 0} 2^{-(2k+1)-1} = \frac14 \sum_{k\ge0} 4^{-k} = \frac14 \cdot \frac{1}{1 - 1/4} = \frac13$、偶数番号の項の和は $\sum_{k\ge1} 2^{-2k+1} = 2 \sum_{k \ge 1} 4^{-k} = 2 \cdot \frac{1/4}{1-1/4} = \frac23$ です（正項級数なので、この二つに分けて足してよい）。合わせて $\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \frac13 + \frac23 = 1$ です。
</Example>

<Example id="ex-exp-series" title="指数級数と打ち切り誤差">
任意の実数 $x$ について $\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty} \frac{x^n}{n!}$ は絶対収束します。$x \ne 0$ のとき $a_n = \frac{x^n}{n!} \ne 0$ で
$$
\left| \frac{a_{n+1}}{a_n} \right| = \left| \frac{x^{n+1}}{(n+1)!} \cdot \frac{n!}{x^{n}} \right| = \frac{|x|}{n+1} \longrightarrow 0 < 1
$$
なので <Ref to="thm-ratio" />(1) から従います（$x = 0$ なら第 $0$ 項以外が $0$）。この和が $e^{x}$ に等しいことは、テイラーの定理の剰余項評価から出ます（[平均値の定理とテイラーの定理](/mathematics/calculus/mean-value-and-taylor) の <Ref to="mathematics/calculus/mean-value-and-taylor#ex-exp-maclaurin" text="e^x のマクローリン展開" />）。

$x = 1$ での打ち切り誤差を評価します。$n > N$ のとき $\frac{1}{n!} = \frac{1}{(N+1)!}\cdot\frac{1}{(N+2)\cdots n} \le \frac{1}{(N+1)!}\cdot\frac{1}{(N+1)^{\,n-N-1}}$ なので
$$
\sum_{n > N} \frac{1}{n!} \;\le\; \frac{1}{(N+1)!} \sum_{j \ge 0} \frac{1}{(N+1)^{j}} = \frac{1}{(N+1)!}\cdot \frac{N+1}{N} = \frac{1}{N! \, N}.
$$
$N = 10$ なら $\frac{1}{10! \cdot 10} = \frac{1}{36288000} \approx 2.8 \times 10^{-8}$ です。$11$ 項で $e$ が小数第 $7$ 位まで正しく求まります。<Ref to="ex-harmonic" /> の調和級数とは対照的な速さです。
</Example>

## 7. 絶対収束と条件収束

ここまでの判定法（比較・積分・比・根）は、いずれも $|a_n|$ の級数を扱っていました。符号が入り混じる級数を扱うには、絶対値を付けた級数との関係を整理する必要があります。

<Definition id="def-absolute-convergence" title="絶対収束と条件収束">
級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ について、$\sum_{n=1}^{\infty} |a_n|$ が収束するとき $\sum a_n$ は**絶対収束する**という。$\sum a_n$ は収束するが $\sum |a_n|$ は発散するとき、$\sum a_n$ は**条件収束する**という。
</Definition>

<Theorem id="thm-abs-convergence" title="絶対収束すれば収束する">
$\sum_{n=1}^{\infty} |a_n|$ が収束するならば $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ も収束し、さらに
$$
\left| \sum_{n=1}^{\infty} a_n \right| \le \sum_{n=1}^{\infty} |a_n|
$$
が成り立つ。
</Theorem>

<Proof of="thm-abs-convergence">
$\varepsilon > 0$ とします。$\sum |a_n|$ は収束するので、<Ref to="thm-cauchy-criterion" /> より、ある $N$ があって $m > n \ge N$ のとき $\sum_{k=n+1}^{m} |a_k| < \varepsilon$ です（$|a_k| \ge 0$ なので絶対値記号は外れています）。三角不等式より
$$
\left| \sum_{k=n+1}^{m} a_k \right| \le \sum_{k=n+1}^{m} |a_k| < \varepsilon
$$
となるので、$\sum a_n$ もコーシーの判定条件を満たし、<Ref to="thm-cauchy-criterion" /> より収束します。

不等式については、各 $N$ で $|S_N| = \left| \sum_{n \le N} a_n \right| \le \sum_{n \le N} |a_n| \le \sum_{n=1}^{\infty} |a_n|$（最後は <Ref to="prop-positive-bounded" /> より部分和が和以下）であり、$N \to \infty$ とすると絶対値の連続性から $|S_N| \to \left| \sum a_n \right|$、不等号は極限で保たれるので結論を得ます。
</Proof>

逆は成り立ちません。それが条件収束であり、典型例は交項級数です。

<Theorem id="thm-leibniz" title="ライプニッツの交項級数判定法">
数列 $(b_n)_{n \ge 1}$ が、すべての $n$ で $b_n \ge 0$、単調減少（$b_{n+1} \le b_n$）、かつ $\lim_{n\to\infty} b_n = 0$ を満たすとする。このとき交項級数
$$
\sum_{n=1}^{\infty} (-1)^{n-1} b_n = b_1 - b_2 + b_3 - b_4 + \cdots
$$
は収束する。さらにその和を $S$、第 $N$ 部分和を $S_N$ とすると、すべての $N$ について
$$
|S - S_N| \le b_{N+1}
$$
が成り立ち、$S$ は $S_N$ と $S_{N+1}$ の間にある。
</Theorem>

<Proof of="thm-leibniz">
偶数番目と奇数番目の部分和を別々に見ます。
$$
S_{2m+2} - S_{2m} = b_{2m+1} - b_{2m+2} \ge 0, \qquad S_{2m+1} - S_{2m-1} = -b_{2m} + b_{2m+1} \le 0
$$
（どちらも単調減少性 $b_{n+1} \le b_n$ を使いました）。よって $(S_{2m})_m$ は単調増加、$(S_{2m-1})_m$ は単調減少です。また $S_{2m+1} - S_{2m} = b_{2m+1} \ge 0$ なので
$$
S_2 \le S_4 \le \cdots \le S_{2m} \le S_{2m+1} \le \cdots \le S_3 \le S_1
$$
となり、$(S_{2m})$ は $S_1$ で上に有界、$(S_{2m-1})$ は $S_2$ で下に有界です。<Ref to="thm-monotone" />（下に有界な単調減少列については符号を変えて適用）より両者は収束します。極限をそれぞれ $S'$、$S''$ とすると、$S_{2m+1} - S_{2m} = b_{2m+1} \to 0$ より $S'' - S' = 0$、すなわち $S' = S''=: S$ です。偶数番と奇数番の部分和が同じ値に収束するので、$(S_N)$ 全体が $S$ に収束します。

誤差評価を示します。上の並びから、$S$ は任意の $m$ について $S_{2m}$ と $S_{2m+1}$ の間にあり、また $S_{2m+1}$ と $S_{2m+2}$ の間にあります。一般に $S$ は $S_N$ と $S_{N+1}$ の間にあるので
$$
|S - S_N| \le |S_{N+1} - S_N| = b_{N+1}
$$
です。
</Proof>

<Example id="ex-alternating-harmonic" title="交項調和級数は条件収束する">
$\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1 - \frac12 + \frac13 - \frac14 + \cdots$ を考えます。$b_n = \frac1n$ は正で単調減少、$0$ に収束するので <Ref to="thm-leibniz" /> より収束します。一方 $\sum \left| \frac{(-1)^{n-1}}{n} \right| = \sum \frac1n$ は発散します（<Ref to="ex-harmonic" />）。したがってこの級数は条件収束します。<Ref to="thm-abs-convergence" /> の逆が成り立たないことの実例です。

和は $\log 2$ です。偶数番の部分和を調和数 $H_N = \sum_{n \le N} \frac1n$ で書くと
$$
S_{2m} = \sum_{n=1}^{2m} \frac1n - 2\sum_{k=1}^{m} \frac{1}{2k} = H_{2m} - H_m
$$
であり（負の項をいったん足してから $2$ 倍を引きました）、$H_N = \log N + \gamma + o(1)$ を使えば $S_{2m} \to \log 2$ です。テイラー展開 $\log(1+x) = \sum_{n\ge1} \frac{(-1)^{n-1}}{n} x^n$（<Ref to="mathematics/calculus/mean-value-and-taylor#ex-log-maclaurin" text="log(1+x) のマクローリン展開" />）に $x = 1$ を代入した値でもあります。

収束は遅い。$m = 5$ すなわち $N = 10$ では $S_{10} = H_{10} - H_5 = 2.9289\ldots - 2.2833\ldots = 0.64563\ldots$ で、$\log 2 = 0.69314\ldots$ との差は約 $0.0475$。<Ref to="thm-leibniz" /> の評価 $|S - S_{10}| \le b_{11} = \frac{1}{11} = 0.0909$ と整合しています。誤差を $10^{-6}$ 以下にするには $\frac{1}{N+1} \le 10^{-6}$、つまり $10^6 - 1$ 項が必要です。
</Example>

<Aside type="tip">
判定法は収束・発散を言うだけの道具ではありません。<Ref to="thm-integral-test" />(2) は正項級数の尾部を積分で押さえ、<Ref to="thm-leibniz" /> は交項級数の誤差を次の 1 項で押さえます。どちらもそのまま数値計算の打ち切り基準に使えます。
</Aside>

条件収束の級数は、絶対収束の級数とは質的に違います。その違いが最もはっきり出るのが、項の並べ替えです。

<Definition id="def-rearrangement" title="級数の並べ替え">
$\sigma : \mathbb{N} \to \mathbb{N}$ を全単射とするとき、級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_{\sigma(n)}$ を $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ の**並べ替え**（再配列）という。ここで $\mathbb{N} = \{1, 2, \ldots\}$ とする。
</Definition>

<Theorem id="thm-riemann-rearrangement" title="リーマンの再配列定理">
$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が条件収束するとする。このとき任意の実数 $\alpha$ に対して、ある全単射 $\sigma : \mathbb{N} \to \mathbb{N}$ が存在して
$$
\sum_{n=1}^{\infty} a_{\sigma(n)} = \alpha
$$
となる。$\alpha = +\infty$、$\alpha = -\infty$ に発散させる並べ替えや、部分和が振動する並べ替えも存在する。
</Theorem>

<Remark id="rem-riemann">
証明は長さの都合で Appendix に置きました。対になる事実として、**絶対収束する級数はどのように並べ替えても収束し、和が変わらない**（ディリクレの定理）が知られています。証明は Rudin『Principles of Mathematical Analysis』第 3 章にあります。この二つを合わせると、「足す順序を変えてよい」という有限和では当たり前の性質は、絶対収束を仮定して初めて無限和に持ち越せる、と言えます。<Ref to="def-absolute-convergence" /> で絶対収束にわざわざ名前を付けた理由がここにあります。
</Remark>

最後に、判定法の使い分けを一枚にまとめます。上から順に試すのが標準的な段取りです。

<Figure caption="収束判定の段取り">
<Mermaid code={`flowchart TD
  A["級数の収束を判定したい"] --> B&#123;"一般項は 0 に収束するか"&#125;
  B -->|いいえ| X["発散（一般項の必要条件）"]
  B -->|はい| C["絶対値を付けた正項級数を調べる"]
  C --> D&#123;"階乗や n 乗を含むか"&#125;
  D -->|はい| E["比判定法・根判定法"]
  D -->|いいえ| F["比較判定法・積分判定法"]
  E --> G&#123;"正項級数は収束するか"&#125;
  F --> G
  G -->|収束| H["絶対収束、したがって収束"]
  G -->|発散| I&#123;"符号が交互で絶対値が単調減少か"&#125;
  I -->|はい| J["ライプニッツの判定法で条件収束"]
  I -->|いいえ| K["部分和を直接評価する"]`} />
</Figure>

## 8. 演習

<Exercise id="exr-n-over-2n" difficulty="易">
級数 $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} \frac{n}{2^{n}}$ が収束することを示し、その和を求めよ。
<Solution>
**収束**：$a_n = \frac{n}{2^n} > 0$ で
$$
\frac{a_{n+1}}{a_n} = \frac{n+1}{2^{n+1}} \cdot \frac{2^n}{n} = \frac{n+1}{2n} \longrightarrow \frac12 < 1
$$
なので、<Ref to="thm-ratio" />(1) より収束します。

**和**：部分和 $S_N = \sum_{n=1}^{N} \frac{n}{2^n}$ について
$$
S_N - \frac12 S_N = \sum_{n=1}^{N} \frac{n}{2^{n}} - \sum_{n=2}^{N+1} \frac{n-1}{2^{n}} = \frac12 + \sum_{n=2}^{N} \frac{n - (n-1)}{2^{n}} - \frac{N}{2^{N+1}} = \sum_{n=1}^{N} \frac{1}{2^{n}} - \frac{N}{2^{N+1}}
$$
です。右辺の第 1 項は $1 - 2^{-N}$（等比数列の和）、第 2 項は $N \to \infty$ で $0$ に収束します（$2^{N+1} \ge \frac{(N+1)N}{2}$ より $\frac{N}{2^{N+1}} \le \frac{2}{N+1}$）。よって $\frac12 S_N \to 1$、すなわち $\sum_{n=1}^{\infty} \frac{n}{2^n} = 2$ です。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-log-over-n2" difficulty="標準">
級数 $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} \frac{\log n}{n^{2}}$ の収束・発散を判定せよ。
<Solution>
収束します。$t > 0$ で $\log t \le t - 1 \le t$ が成り立つので（<Ref to="thm-root" /> の証明で確認しました）、$t = \sqrt n$ とおくと $\log n = 2 \log \sqrt n \le 2\sqrt n$ です。したがって $n \ge 1$ で
$$
0 \le \frac{\log n}{n^{2}} \le \frac{2\sqrt n}{n^{2}} = \frac{2}{n^{3/2}} .
$$
$\sum n^{-3/2}$ は <Ref to="cor-p-series" /> より $s = \frac32 > 1$ なので収束し、定数倍しても収束します（<Ref to="rem-finite-change" />）。よって <Ref to="thm-comparison" />(1) より与えられた級数は収束します。

なお比判定法では $\frac{a_{n+1}}{a_n} = \frac{\log(n+1)}{\log n}\cdot\frac{n^2}{(n+1)^2} \to 1$ となって判定できません。$\log$ を含む級数で比判定法が無力なのは <Ref to="ex-log-series" /> と同じ事情です。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-alternating-sqrt" difficulty="標準">
級数 $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n-1}}{\sqrt n}$ が条件収束することを示せ。また、和 $S$ を部分和 $S_N$ で誤差 $10^{-2}$ 以内に近似するために <Ref to="thm-leibniz" /> の評価が要求する $N$ の最小値を求めよ。
<Solution>
**収束**：$b_n = \frac{1}{\sqrt n}$ は正、単調減少（$\sqrt n$ が増加するから）、$0$ に収束するので、<Ref to="thm-leibniz" /> より収束します。

**絶対収束しないこと**：$\sum \left| \frac{(-1)^{n-1}}{\sqrt n} \right| = \sum \frac{1}{n^{1/2}}$ は <Ref to="cor-p-series" /> で $s = \frac12 \le 1$ なので発散します。よって <Ref to="def-absolute-convergence" /> の意味で条件収束です。

**項数**：<Ref to="thm-leibniz" /> より $|S - S_N| \le b_{N+1} = \frac{1}{\sqrt{N+1}}$ です。これが $10^{-2}$ 以下であるためには $\sqrt{N+1} \ge 10^{2}$、すなわち $N + 1 \ge 10^{4}$ ですから、$N \ge 9999$。最小値は $N = 9999$ です。小数第 2 位を保証するのに 1 万項というのが条件収束級数の実情で、実際の数値計算では加速法（オイラー変換など）を併用します。
</Solution>
</Exercise>

<Exercise id="exr-olivier" difficulty="難">
$(a_n)$ は単調減少で、すべての $n$ で $a_n \ge 0$ とする。$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ が収束するならば $\lim_{n\to\infty} n\, a_n = 0$ であることを示せ。また、単調減少の仮定を外すと結論が成り立たないことを反例で示せ。
<Solution>
$\varepsilon > 0$ を任意に取ります。$\sum a_n$ は収束するので <Ref to="thm-cauchy-criterion" /> より、ある $N_1$ があって $m > n \ge N_1$ のとき $\sum_{k=n+1}^{m} a_k < \frac{\varepsilon}{3}$ です。また <Ref to="prop-term-to-zero" /> より $a_n \to 0$ なので、ある $N_2$ があって $n \ge N_2$ で $a_n < \frac{\varepsilon}{3}$ です。$N = \max(N_1, N_2)$ とします。

$n \ge N$ を取り、$m = 2n$ とします。区間 $n+1 \le k \le 2n$ には $n$ 個の項があり、単調減少性よりそのいずれも $a_{2n}$ 以上ですから
$$
n\, a_{2n} \le \sum_{k=n+1}^{2n} a_k < \frac{\varepsilon}{3}, \qquad \text{したがって} \quad 2n\, a_{2n} < \frac{2\varepsilon}{3} < \varepsilon .
$$
奇数番号については、$a_{2n+1} \le a_{2n}$ を使って
$$
(2n+1) a_{2n+1} \le (2n+1) a_{2n} = 2n\, a_{2n} + a_{2n} < \frac{2\varepsilon}{3} + \frac{\varepsilon}{3} = \varepsilon
$$
となります。$m \ge 2N$ なる任意の $m$ は $m = 2n$ または $m = 2n+1$（$n \ge N$）と書けるので、$m \ge 2N$ のとき $0 \le m\, a_m < \varepsilon$。$\varepsilon$ は任意だったので $n a_n \to 0$ です。

**反例**：$a_n = \frac{1}{n}$（$n$ が平方数のとき）、$a_n = 0$（それ以外）と定めます。このとき $\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^{2}}$ は <Ref to="cor-p-series" /> より収束しますが、$n = k^2$ に対して $n a_n = 1$ なので $n a_n$ は $0$ に収束しません。$(a_n)$ は単調減少ではありません。
</Solution>
</Exercise>

## 参考文献

- W. Rudin, *Principles of Mathematical Analysis*, 3rd ed., McGraw-Hill, 1976 — 第 3 章（数列と級数）。根判定法・比判定法の上極限による定式化、上極限と比の関係、再配列定理はこの章にまとまっています。
- T. M. Apostol, *Mathematical Analysis*, 2nd ed., Addison-Wesley, 1974 — 第 8 章（無限級数と無限積）。
- 高木貞治『解析概論』改訂第 3 版、岩波書店 — 無限級数・一様収束の章。日本語で書かれた古典で、判定法の扱いが詳しい。
- 杉浦光夫『解析入門 I』東京大学出版会、1980 — 実数の連続性から級数までを、ε-δ 論法を省かずに展開しています。
- A.-L. Cauchy, *Cours d'analyse de l'École Royale Polytechnique*, 1821 — 第 6 章。級数の和を部分和の極限として定義し、比判定法・根判定法を与えた原典です。
- B. Riemann, "Ueber die Darstellbarkeit einer Function durch eine trigonometrische Reihe", 1854 年執筆・1867 年公刊 — 条件収束級数の再配列に関する定理が述べられています。

## Appendix: リーマンの再配列定理の証明

<Ref to="thm-riemann-rearrangement" /> を、$\alpha$ が実数の場合について証明します。

**準備**：$p_n = \max(a_n, 0)$、$q_n = \max(-a_n, 0)$ とおくと、$p_n, q_n \ge 0$ で
$$
a_n = p_n - q_n, \qquad |a_n| = p_n + q_n
$$
です。まず $\sum p_n = \sum q_n = \infty$ を示します。もし両方収束すれば $\sum |a_n| = \sum (p_n + q_n)$ が収束してしまい、条件収束の仮定（<Ref to="def-absolute-convergence" />）に反します。もし片方だけ、たとえば $\sum p_n$ が収束し $\sum q_n$ が発散したとすると、部分和について $\sum_{n \le N} a_n = \sum_{n\le N} p_n - \sum_{n \le N} q_n$ の右辺は（有限の極限を持つ量）$-$（$+\infty$ に発散する量）となって $-\infty$ に発散し、$\sum a_n$ の収束に反します。$\sum q_n$ だけが収束する場合も同様です。よって両方発散します。

また $\sum a_n$ は収束するので <Ref to="prop-term-to-zero" /> より $a_n \to 0$ であり、$0 \le p_n, q_n \le |a_n|$ から $p_n \to 0$、$q_n \to 0$ です。

**構成**：$a_n > 0$ となる項を番号の順に $P_1, P_2, \ldots$ と並べ、$a_n \le 0$ となる項の絶対値を番号の順に $Q_1, Q_2, \ldots$ と並べます。$\sum_k P_k = \sum_n p_n = \infty$、$\sum_k Q_k = \sum_n q_n = \infty$ なので、どちらの列も無限列です。

次のように交互に取り出します。まず $P_1 + \cdots + P_{m_1} > \alpha$ となる最小の $m_1$ を取ります（$\sum P_k = \infty$ なので存在します）。次に
$$
P_1 + \cdots + P_{m_1} - Q_1 - \cdots - Q_{k_1} < \alpha
$$
となる最小の $k_1$ を取ります（$\sum Q_k = \infty$ なので存在します）。以下、$P$ 側を $\alpha$ を超えるまで、$Q$ 側を $\alpha$ を下回るまで、最小個数ずつ交互に足していきます。この操作は各項をちょうど一度ずつ使うので、全単射 $\sigma$ を定めます。

**収束の証明**：この並べ替えの部分和を $T_j$ と書きます。$j$ 番目の切り替え直後の部分和を $U_j$ とします。$U_j$ が $P$ 側の切り替え（$\alpha$ を超えた瞬間）なら、$m_j$ の最小性より一つ手前の部分和は $\alpha$ 以下ですから
$$
0 < U_j - \alpha \le P_{m_j}
$$
です。$Q$ 側の切り替えなら同様に $0 < \alpha - U_j \le Q_{k_j}$。いずれにせよ $|U_j - \alpha| \le \max(P_{m_j}, Q_{k_j})$ です。

さらに、$U_j$ と $U_{j+1}$ の間の部分和は単調に $U_j$ から $U_{j+1}$ へ動く（$P$ 側の区間では増加、$Q$ 側の区間では減少）ので、その区間のすべての部分和は $U_j$ と $U_{j+1}$ の間、特に $\alpha$ からの距離が $\max(|U_j - \alpha|, |U_{j+1}-\alpha|)$ 以下の範囲にあります。

$j \to \infty$ のとき使われる添字 $m_j, k_j$ は無限大に向かい、$P_k \to 0$、$Q_k \to 0$（準備で示しました）なので $|U_j - \alpha| \to 0$ です。したがって部分和 $T_n$ は $\alpha$ に収束します。すなわち $\sum_{n=1}^{\infty} a_{\sigma(n)} = \alpha$ です。

$\alpha = +\infty$ の場合は、目標値を $1, 2, 3, \ldots$ と動かしながら同じ操作を行えばよく、振動させたい場合は二つの目標値を交互に狙えばよい。以上で証明が終わります。


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