# 令和6年度 東大院 物理学専攻 修士 物理学 解答

> 令和6年度 修士課程 専門科目（全4問）の解答。逆さ調和振動子とスクイーズド状態、理想気体とラングミュア吸着、レイリー散乱と光ピンセット、フーリエ変換と3次行列の固有値を扱います。
> https://rikai.mugen-giken.com/exams/utokyo-physics/master-r6-phys

:::caution[出典と、この解答の位置づけ]
本記事が扱う問題は、**東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の大学院入試問題**からの引用です（引用元: [https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/](https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/)）。

- 掲載している**解答・解説は東京大学が公表したものではなく**、夢現技研合同会社が独自に作成したものです。誤りが含まれる可能性があります。
- 本記事に**問題文は転載していません**。問題は上記の専攻公式サイトでご確認ください。
- 本記事の内容について、東京大学および同専攻へのお問い合わせはご遠慮ください。誤りのご指摘は[お問い合わせ](/contact)までお願いします。
:::

この年度は4問すべてが必答で、試験時間は4時間です。第1問は逆さ調和振動子という一見奇妙な系を古典・量子の両側から見て、古典的作用関数とスクイーズド状態の波動関数の位相が同じ $q^2/2$ に落ち着くことを見せる構成になっています。第2問と第3問は、理想気体からラングミュア吸着へ、双極子放射から光ピンセットへ、と定番の題材を二段構えにした問題で、計算量はあるものの方針で迷う箇所は少ないです。第4問は留数計算とたたみ込み定理、3次行列の固有値という基礎問題ですが、設問2(d) の対角化可能性と設問2(e) の半正定値性の扱いで差がつきます。

| 問題 | 分野 | 主題 |
|---|---|---|
| 第1問 | 解析力学・量子光学 | 逆さ調和振動子とスクイーズド状態 |
| 第2問 | 統計力学 | 理想気体とラングミュア吸着 |
| 第3問 | 電磁気学 | レイリー散乱と光ピンセット |
| 第4問 | 複素解析・線形代数 | フーリエ変換と3次行列の固有値 |

## 第1問 逆さ調和振動子とスクイーズド状態

### 設定

一般化座標 $q$ とその共役運動量 $p$ について、ハミルトニアンが

$$
H=\frac{1}{2}p^{2}+V(q),\qquad V(q)=-\frac{1}{2}q^{2}
$$

で与えられる系を考えます。質量と振動数を 1 とした逆さ調和振動子（不安定な放物型ポテンシャル）です。前半は古典論、後半は正準量子化した系を扱います。量子化では $p,q$ を演算子 $\hat p,\hat q$ とし、$[\hat q,\hat p]=i\hbar$ を課します。

生成消滅演算子は

$$
\hat a=\frac{1}{\sqrt{2\hbar}}(\hat q+i\hat p),\qquad \hat a^{\dagger}=\frac{1}{\sqrt{2\hbar}}(\hat q-i\hat p)
$$

で定義され、実数 $r,\phi$ を引数とするスクイーズ演算子

$$
\hat S(r,\phi)=\exp\!\left[\frac{r}{2}\left(\hat a^{2}e^{-2i\phi}-(\hat a^{\dagger})^{2}e^{2i\phi}\right)\right]
$$

については

$$
\begin{aligned}
\hat S^{\dagger}(r,\phi)\,\hat a\,\hat S(r,\phi)&=\hat a\cosh r-\hat a^{\dagger}e^{2i\phi}\sinh r,\\
\hat S^{\dagger}(r,\phi)\,\hat a^{\dagger}\,\hat S(r,\phi)&=\hat a^{\dagger}\cosh r-\hat a\,e^{-2i\phi}\sinh r,\\
\hat S^{\dagger}(r,\phi)\,\hat S(r,\phi)&=1
\end{aligned}
$$

が与えられています。$\hat a|0\rangle=0$ で定まる真空 $|0\rangle$ から $|(r,\phi)\rangle=\hat S(r,\phi)|0\rangle$ をスクイーズド状態と呼びます。

### 設問1

ハミルトンの運動方程式は

$$
\dot q=\frac{\partial H}{\partial p}=p,\qquad \dot p=-\frac{\partial H}{\partial q}=-V'(q)=q
$$

です。和と差をとると変数が分離します。

$$
\frac{d}{dt}(p+q)=p+q,\qquad \frac{d}{dt}(p-q)=-(p-q)
$$

したがって

$$
(p+q)(t)=(p+q)(0)\,e^{t},\qquad (p-q)(t)=(p-q)(0)\,e^{-t}
$$

です。答えは、$p+q$ と $p-q$ が互いに独立な指数関数として振る舞い、$p+q$ は時定数 1 で指数関数的に増大し、$p-q$ は同じ時定数で指数関数的に減衰する、というものです。$p+q$ の初期値がゼロでないという仮定のもとで、$p+q$ は決してゼロにならず、増大する方が必ず生き残ります。位相空間で言えば、直線 $p=q$ が不安定方向、直線 $p=-q$ が安定方向であり、双曲線的な流れになっています。

### 設問2

設問1 より $p-q=(p-q)(0)e^{-t}\to 0$ なので、十分時間が経つと $p\to q$ となります。すなわち軌道は不安定方向 $p=q$ に漸近し、$q$ の関数として $p(q)\simeq q$ と書けます。これを作用関数に代入すると

$$
S(q)=\int^{q}p(q')\,dq'\simeq\int^{q}q'\,dq'=\frac{q^{2}}{2}+\text{const.}
$$

答えは、$S(q)$ が $q$ の 2 次関数 $S(q)\to q^{2}/2$（積分定数を除く）に漸近する、というものです。$p=\partial S/\partial q=q$ が設問1 の漸近関係を再現していることが整合性の確認になります。

### 設問3

定義を代入して展開します。一般に $[A+iB,\,A-iB]=-2i[A,B]$ なので、

$$
[\hat a,\hat a^{\dagger}]=\frac{1}{2\hbar}\,[\hat q+i\hat p,\ \hat q-i\hat p]=\frac{-2i}{2\hbar}[\hat q,\hat p]=\frac{-2i}{2\hbar}\cdot i\hbar=1
$$

答えは $[\hat a,\hat a^{\dagger}]=1$ です。$\hbar$ の因子が定義の $1/\sqrt{2\hbar}$ とちょうど打ち消し、無次元の標準形になります。

### 設問4

定義式を逆に解くと

$$
\hat q=\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\,(\hat a+\hat a^{\dagger}),\qquad \hat p=-i\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\,(\hat a-\hat a^{\dagger})
$$

です。これを代入して交差項の様子を見ます。

$$
\begin{aligned}
\hat p^{2}&=-\frac{\hbar}{2}\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}-\hat a\hat a^{\dagger}-\hat a^{\dagger}\hat a\right),\\
\hat q^{2}&=\ \ \frac{\hbar}{2}\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}+\hat a\hat a^{\dagger}+\hat a^{\dagger}\hat a\right)
\end{aligned}
$$

差をとると $\hat a\hat a^{\dagger}+\hat a^{\dagger}\hat a$ の項が消え、

$$
\hat H=\frac{1}{2}\hat p^{2}-\frac{1}{2}\hat q^{2}=-\frac{\hbar}{2}\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}\right)
$$

が答えです。検算として $\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}=(\hat q^{2}-\hat p^{2})/\hbar$ を直接計算すると、上式が確かに $(\hat p^{2}-\hat q^{2})/2$ に戻ります。通常の調和振動子と違い、零点エネルギーに相当する定数項が現れないことが特徴です。

### 設問5

真空の時間発展は $|\psi(t)\rangle=e^{-i\hat Ht/\hbar}|0\rangle$ です。設問4 の結果を使うと

$$
e^{-i\hat Ht/\hbar}=\exp\!\left[-\frac{it}{\hbar}\cdot\left(-\frac{\hbar}{2}\right)\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}\right)\right]=\exp\!\left[\frac{it}{2}\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}\right)\right]
$$

となります。一方、スクイーズ演算子の定義で $r=t$、$\phi=-\pi/4$ とすると $e^{-2i\phi}=e^{i\pi/2}=i$、$e^{2i\phi}=e^{-i\pi/2}=-i$ なので

$$
\hat S\!\left(t,-\frac{\pi}{4}\right)=\exp\!\left[\frac{t}{2}\left(i\,\hat a^{2}-(-i)(\hat a^{\dagger})^{2}\right)\right]=\exp\!\left[\frac{it}{2}\left(\hat a^{2}+(\hat a^{\dagger})^{2}\right)\right]
$$

です。二つの指数演算子は指数の中身まで完全に一致します。したがって

$$
|\psi(t)\rangle=e^{-i\hat Ht/\hbar}|0\rangle=\hat S\!\left(t,-\frac{\pi}{4}\right)|0\rangle=\left|\left(t,-\frac{\pi}{4}\right)\right\rangle
$$

が示されました。スクイーズパラメータ $r$ が時間そのものになっている点が、この系の特徴です。

### 設問6

$\hat q,\hat p$ を $\hat a,\hat a^{\dagger}$ で書いた設問4 の表式に、与えられた変換公式を適用します。表記を簡単にするため引数 $(r,\phi)$ を省き、$c=\cosh r$、$s=\sinh r$ と置きます。

$$
\begin{aligned}
\hat S^{\dagger}\hat q\,\hat S&=\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left(\hat S^{\dagger}\hat a\hat S+\hat S^{\dagger}\hat a^{\dagger}\hat S\right)
=\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left[\hat a\left(c-e^{-2i\phi}s\right)+\hat a^{\dagger}\left(c-e^{2i\phi}s\right)\right],\\
\hat S^{\dagger}\hat p\,\hat S&=-i\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left(\hat S^{\dagger}\hat a\hat S-\hat S^{\dagger}\hat a^{\dagger}\hat S\right)
=-i\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left[\hat a\left(c+e^{-2i\phi}s\right)-\hat a^{\dagger}\left(c+e^{2i\phi}s\right)\right]
\end{aligned}
$$

これを真空に作用させます。$\hat a|0\rangle=0$ なので $\hat a$ の項が落ちて

$$
\hat S^{\dagger}\hat q\,\hat S|0\rangle=\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left(c-e^{2i\phi}s\right)\hat a^{\dagger}|0\rangle,\qquad
\hat S^{\dagger}\hat p\,\hat S|0\rangle=i\sqrt{\frac{\hbar}{2}}\left(c+e^{2i\phi}s\right)\hat a^{\dagger}|0\rangle
$$

となります。両者は同じベクトル $\hat a^{\dagger}|0\rangle$ の定数倍なので、$c-e^{2i\phi}s\neq0$ のもとで比をとることができ、

$$
\hat S^{\dagger}\hat p\,\hat S|0\rangle=i\,\frac{\cosh r+e^{2i\phi}\sinh r}{\cosh r-e^{2i\phi}\sinh r}\ \hat S^{\dagger}\hat q\,\hat S|0\rangle=\alpha(r,\phi)\,\hat S^{\dagger}\hat q\,\hat S|0\rangle
$$

が得られます。$\hat S$ は反エルミートな演算子の指数なのでユニタリであり、$\hat S\hat S^{\dagger}=\hat S^{\dagger}\hat S=1$ が成り立ちます。そこで両辺に左から $\hat S$ を掛けると

$$
\hat p\,\hat S|0\rangle=\alpha(r,\phi)\,\hat q\,\hat S|0\rangle
\quad\Longleftrightarrow\quad
\hat p\,|(r,\phi)\rangle=\alpha(r,\phi)\,\hat q\,|(r,\phi)\rangle
$$

となり、示すべき等式が得られました。使った仮定は、与えられた公式 (5)(6)(7)、$\hat a|0\rangle=0$、および分母 $\cosh r-e^{2i\phi}\sinh r\neq0$ です。最後の条件は $e^{2i\phi}=\coth r$ となる場合を除くという意味で、$|\coth r|>1$ なので有限の $r$ では常に満たされます。

### 設問7

設問5 より $|\psi(t)\rangle$ は $r=t$、$\phi=-\pi/4$ のスクイーズド状態です。$e^{2i\phi}=-i$ を代入すると

$$
\alpha\!\left(t,-\frac{\pi}{4}\right)=i\,\frac{\cosh t-i\sinh t}{\cosh t+i\sinh t}
=i\,\frac{(\cosh t-i\sinh t)^{2}}{\cosh^{2}t+\sinh^{2}t}
=i\,\frac{1-i\sinh 2t}{\cosh 2t}
=\tanh 2t+\frac{i}{\cosh 2t}
$$

となります（$\cosh^{2}t-\sinh^{2}t=1$、$2\cosh t\sinh t=\sinh 2t$、$\cosh^{2}t+\sinh^{2}t=\cosh 2t$ を使いました）。座標表示では $\hat q\to q$、$\hat p\to-i\hbar\,d/dq$ なので、設問6 の等式は 1 階の常微分方程式

$$
-i\hbar\frac{d\psi}{dq}=\alpha\,q\,\psi
\qquad\Longleftrightarrow\qquad
\frac{1}{\psi}\frac{d\psi}{dq}=\frac{i\alpha}{\hbar}\,q
$$

になります。積分して

$$
\psi(q,t)=N(t)\exp\!\left[\frac{i\alpha(t)}{2\hbar}q^{2}\right],\qquad \alpha(t)=\tanh 2t+\frac{i}{\cosh 2t}
$$

です。$i\alpha=-1/\cosh 2t+i\tanh 2t$ なので、実部と虚部を分けると

$$
\psi(q,t)=N(t)\,\exp\!\left[-\frac{q^{2}}{2\hbar\cosh 2t}\right]\exp\!\left[\frac{i\,q^{2}\tanh 2t}{2\hbar}\right]
$$

が答えです（$N(t)$ は規格化定数で、指示により計算しません）。ガウス因子の指数の実部は $\cosh 2t>0$ より常に負で、波動関数は規格化可能です。$t=0$ とすると $\alpha=i$ から $\psi\propto e^{-q^{2}/2\hbar}$ となり、$\hat a|0\rangle=0$ すなわち $(q+\hbar\, d/dq)\psi=0$ の解である真空の波動関数に一致します。

### 設問8

得られた波動関数は、実のガウス包絡線と 2 次の位相の積です。位相の部分を $t\to\infty$ で見ると $\tanh 2t\to1$ より

$$
\frac{q^{2}\tanh 2t}{2\hbar}\ \longrightarrow\ \frac{1}{\hbar}\cdot\frac{q^{2}}{2}=\frac{S(q)}{\hbar}
$$

となり、設問2 で求めた古典的作用関数 $S(q)\to q^{2}/2$ がそのまま量子的位相として現れます。つまり $\psi\simeq A(q,t)\,e^{iS(q)/\hbar}$（$A$ は $q$ についてゆるやかに変わるガウス振幅）という半古典（WKB）形になり、局所的な運動量は $\hat p\psi\simeq(\partial S/\partial q)\psi=q\psi$、すなわち古典軌道 $p=q$ の上に乗ります。スクイーズド状態は、不安定方向へ張り付いた古典軌道を再現する状態だということです。

一方、包絡線 $\exp[-q^{2}/(2\hbar\cosh 2t)]$ の幅は $\sqrt{\cosh 2t}$ に比例して広がり、$t$ が大きいところでは $e^{t}$ で増大します。実際、上の波動関数から

$$
\langle q^{2}\rangle=\langle p^{2}\rangle=\frac{\hbar}{2}\cosh 2t,\qquad
\frac{1}{2}\langle \hat q\hat p+\hat p\hat q\rangle=\frac{\hbar}{2}\sinh 2t
$$

が得られ、$45^{\circ}$ 回転した直交する組み合わせの分散は

$$
\left\langle\left(\frac{\hat p+\hat q}{\sqrt2}\right)^{2}\right\rangle=\frac{\hbar}{2}e^{2t},\qquad
\left\langle\left(\frac{\hat p-\hat q}{\sqrt2}\right)^{2}\right\rangle=\frac{\hbar}{2}e^{-2t}
$$

となります。積は $(\hbar/2)^{2}$ で時間に依存せず、最小不確定性を保ったままです。

以上をまとめると、スクイーズド状態は次の性質を持ちます。位相空間上の最小不確定性ガウス分布であって、その誤差楕円が不安定方向 $p+q$ には $e^{t}$ で伸び、安定方向 $p-q$ には $e^{-t}$ で縮む、という変形（スクイーズ）を受けます。これは設問1 で見た古典的な指数増大・指数減衰とまったく同じ振る舞いです。座標分布が指数関数的に広がるため位置は次々に不確定になりますが、そのぶん $p-q$ 方向は鋭く決まり、波動関数の位相は古典的作用関数に収束していきます。

## 第2問 理想気体とラングミュア吸着

### 設定

ピストン付きの容器に、質量 $m$ の同種単原子分子 $N\ (\gg1)$ 個からなる理想気体が入っています。分子は互いに区別できません。古典統計力学で扱い、プランク定数を $h$、ボルツマン定数を $k$ とします。ガウス積分 $\int_{-\infty}^{\infty}e^{-ax^{2}}dx=\sqrt{\pi/a}$ とスターリングの公式 $\log N!\simeq N\log N-N$、および略記

$$
\alpha=\left(\frac{2\pi m}{h^{2}}\right)^{3/2}
$$

を使います。前半は温度 $T$ と体積 $V$ を保った平衡状態、次に温度 $T$ と圧力 $p$ を保った状態を扱い、最後に容器底面の $M$ 個の吸着サイト（$N\gg M\gg1$）を考えます。1 サイトは高々 1 分子を吸着し、吸着時のエネルギーは $-\epsilon\ (\epsilon>0)$、非吸着時は $0$ で、各サイトは独立です。以下 $\beta=1/kT$ と書きます。

### 設問1

1 分子の分配関数は位相空間積分を $h^{3}$ で割ったものです。

$$
z_{1}(T,V)=\frac{1}{h^{3}}\int_{V}d^{3}r\int d^{3}p\ \exp\!\left(-\frac{\boldsymbol{p}^{2}}{2mkT}\right)
=\frac{V}{h^{3}}\left(\sqrt{2\pi mkT}\right)^{3}
=\alpha V (kT)^{3/2}
$$

運動量積分は 3 方向それぞれにガウス積分 $\int_{-\infty}^{\infty} e^{-p^{2}/(2mkT)}\,dp=\sqrt{2\pi mkT}$ を使いました。答えは $z_{1}(T,V)=\alpha V(kT)^{3/2}$ です。$N$ 個の分子は相互作用せず、かつ互いに区別できないので、同じ配置を $N!$ 通り重複して数えた分を割ります。

$$
Z(T,V,N)=\frac{1}{N!}\,z_{1}(T,V)^{N}
$$

### 設問2

$F=-kT\log Z$ にスターリングの公式を使います。

$$
F=-kT\left(N\log z_{1}-\log N!\right)\simeq-kT\left(N\log z_{1}-N\log N+N\right)
$$

整理すると

$$
F(T,V,N)=-NkT\left[\log\frac{\alpha V (kT)^{3/2}}{N}+1\right]
$$

が答えです。

### 設問3

示量性とは、$T$ を固定して $V\to\lambda V$、$N\to\lambda N$ としたとき $F\to\lambda F$ となることです。設問2 の $F$ では $V$ と $N$ が比 $V/N$ の形でしか現れていない点が鍵で、

$$
F(T,\lambda V,\lambda N)=-\lambda NkT\left[\log\frac{\alpha (\lambda V)(kT)^{3/2}}{\lambda N}+1\right]
=\lambda\cdot\left(-NkT\left[\log\frac{\alpha V(kT)^{3/2}}{N}+1\right]\right)=\lambda F(T,V,N)
$$

となります。よって $F$ は $(V,N)$ について 1 次の同次関数であり、示量的です。$\log$ の中の $\lambda$ が分子と分母で相殺したことが本質で、これは設問1 で分配関数に $1/N!$ を入れたおかげです。$1/N!$ を落として $Z=z_{1}^{N}$ とすると $F=-NkT\log(\alpha V(kT)^{3/2})$ となり、$\log V$ の項が示量性を破ります（ギブスのパラドックス）。

### 設問4

$\log Z=N\log z_{1}-\log N!$ で、$z_{1}\propto\beta^{-3/2}$ より $\log z_{1}=\log(\alpha V)-\tfrac32\log\beta$ です。エネルギーの期待値は

$$
\langle E\rangle=-\frac{\partial \log Z}{\partial\beta}=\frac{3N}{2\beta}=\frac{3}{2}NkT
$$

となり、単原子理想気体のエネルギー等分配則を再現します。ゆらぎは $\log Z$ の 2 階微分です。

$$
\langle (E-\langle E\rangle)^{2}\rangle=\frac{\partial^{2}\log Z}{\partial\beta^{2}}=\frac{3N}{2\beta^{2}}=\frac{3}{2}N(kT)^{2}
$$

これは $kT^{2}C_{V}=kT^{2}\cdot\tfrac32Nk$ と一致します。比をとると

$$
\frac{\langle (E-\langle E\rangle)^{2}\rangle}{\langle E\rangle^{2}}=\frac{\tfrac32 N(kT)^{2}}{\left(\tfrac32NkT\right)^{2}}=\frac{2}{3N}
$$

答えは $2/(3N)$ で、$N^{-1}$ のオーダーです。相対的なゆらぎの大きさ自体は $\sqrt{2/3N}\sim N^{-1/2}$ で、$N\gg1$ では無視できます。これがカノニカル分布とミクロカノニカル分布が熱力学的極限で等価になる理由です。

### 設問5

$S=-(\partial F/\partial T)_{V,N}$ を計算します。$F=-NkT\left[\log(\alpha V/N)+\tfrac32\log(kT)+1\right]$ と書き直すと

$$
\frac{\partial F}{\partial T}=-Nk\left[\log\frac{\alpha V(kT)^{3/2}}{N}+1\right]-NkT\cdot\frac{3}{2T}
$$

なので

$$
S=Nk\left[\log\frac{\alpha V(kT)^{3/2}}{N}+\frac{5}{2}\right]
=Nk\left[\log\left\{\frac{V}{N}\left(\frac{2\pi mkT}{h^{2}}\right)^{3/2}\right\}+\frac{5}{2}\right]
$$

が答えです。これはザックール・テトロードの式です。検算として $S=(\langle E\rangle-F)/T$ を使うと、$\tfrac32Nk+Nk[\log(z_1/N)+1]=Nk[\log(z_1/N)+\tfrac52]$ となり一致します。

### 設問6

圧力は $p=-(\partial F/\partial V)_{T,N}$ です。設問2 の $F$ で $V$ 依存性は $-NkT\log V$ の項だけなので

$$
p=-\frac{\partial F}{\partial V}=\frac{NkT}{V}
\qquad\Longrightarrow\qquad
V=\frac{NkT}{p}
$$

が答えです。理想気体の状態方程式そのものです。

### 設問7

化学ポテンシャルは $\mu=(\partial F/\partial N)_{T,V}$ です。$F=-NkT\left[\log(\alpha V(kT)^{3/2})-\log N+1\right]$ を $N$ で微分すると、$-\log N$ の微分から $+kT$ が出て括弧内の $+1$ を打ち消します。

$$
\mu=-kT\left[\log\frac{\alpha V(kT)^{3/2}}{N}+1\right]+kT=-kT\log\frac{\alpha V(kT)^{3/2}}{N}
$$

ここに設問6 の $V/N=kT/p$ を代入すると

$$
\mu(T,p)=-kT\log\frac{\alpha (kT)^{5/2}}{p}=kT\log\frac{p}{\alpha (kT)^{5/2}}
$$

が答えです。検算を二つ挙げます。ギブスの自由エネルギーが $G=F+pV=N\mu$ を満たすことは $(F+pV)/N=-kT[\log(\alpha V(kT)^{3/2}/N)+1]+kT$ から直ちに確認できます。次元も合っています。熱的ドブロイ波長 $\lambda_{T}=h/\sqrt{2\pi mkT}$ を使うと $\alpha(kT)^{3/2}=\lambda_{T}^{-3}$、$\alpha(kT)^{5/2}=kT/\lambda_{T}^{3}$ なので $\alpha(kT)^{5/2}$ は圧力の次元を持ち、$\log$ の引数は無次元です。すなわち $\mu=kT\log(p\lambda_{T}^{3}/kT)$ と書けます。

### 設問8

吸着サイト 1 個の状態は「空（エネルギー $0$、粒子数 $0$）」と「占有（エネルギー $-\epsilon$、粒子数 $1$）」の 2 通りだけです。グランドカノニカルの重み $e^{-\beta(E-\mu n)}$ はそれぞれ $1$ と $e^{\beta(\mu+\epsilon)}$ なので、1 サイトの大分配関数は $\xi=1+e^{\beta(\mu+\epsilon)}$ です。各サイトは独立なので

$$
\Xi(T,\mu,M)=\left[1+e^{(\mu+\epsilon)/kT}\right]^{M}
$$

が答えです。

### 設問9

1 サイトあたりの平均粒子数がそのまま占有率 $\theta$ です。

$$
\theta=\frac{kT}{M}\frac{\partial\log\Xi}{\partial\mu}
=\frac{e^{\beta(\mu+\epsilon)}}{1+e^{\beta(\mu+\epsilon)}}
=\frac{1}{e^{-(\mu+\epsilon)/kT}+1}
$$

答えは $\theta(T,\mu)=\left[e^{-(\mu+\epsilon)/kT}+1\right]^{-1}$ です。占有数が $0$ か $1$ に限られるため、$-\epsilon$ を 1 粒子エネルギーとするフェルミ分布の形になります。$\mu\to-\infty$ で $\theta\to0$、$\mu\to+\infty$ で $\theta\to1$、$\mu=-\epsilon$ で $\theta=1/2$ です。

### 設問10

気体と吸着サイトは平衡にあるので化学ポテンシャルが共通です。設問7 より $e^{\beta\mu}=p/\left[\alpha(kT)^{5/2}\right]$ なので、これを設問9 に代入します。

$$
\theta=\frac{e^{\beta\mu}e^{\beta\epsilon}}{1+e^{\beta\mu}e^{\beta\epsilon}}
=\frac{p}{p_{0}(T)+p},\qquad
p_{0}(T)=\alpha (kT)^{5/2}e^{-\epsilon/kT}
$$

これがラングミュアの吸着等温式です。$p_{0}$ は圧力の次元を持つ温度だけの量です。$T$ 一定でのグラフの特徴を確定させます。

原点を通ります（$\theta(0)=0$）。原点での傾きは $\theta'(0)=1/p_{0}$ で有限、$p\ll p_{0}$ では $\theta\simeq p/p_{0}$ と圧力に比例します。導関数は $\theta'(p)=p_{0}/(p_{0}+p)^{2}>0$ なので単調増加、2 階導関数は $\theta''(p)=-2p_{0}/(p_{0}+p)^{3}<0$ なので $p\ge0$ の全域で上に凸（凹関数）です。$p=p_{0}$ で $\theta=1/2$ を通ります。$p\to\infty$ で $\theta\to1$ に下から漸近し、$\theta=1$ が水平漸近線です。$\theta$ が $1$ を超えないのは 1 サイトに 1 分子までという制約の直接の帰結で、高圧側では飽和します。

<svg viewBox="0 0 420 250" style="width:100%;max-width:640px;height:auto" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg">
  <g stroke="currentColor" stroke-width="1" fill="none">
    <line x1="40" y1="210" x2="400" y2="210"/>
    <line x1="40" y1="210" x2="40" y2="28"/>
    <line x1="40" y1="45" x2="400" y2="45" stroke-dasharray="4 4"/>
    <line x1="40" y1="127.5" x2="105" y2="127.5" stroke-dasharray="4 4"/>
    <line x1="105" y1="127.5" x2="105" y2="210" stroke-dasharray="4 4"/>
    <polyline stroke-width="1.8" points="40,210 45,198.2 50,188.0 55,179.1 62,168.3 70,157.9 78,149.1 85,142.5 95,134.4 105,127.5 117,120.4 130,114.2 145,108.1 160,103 175,98.6 190,94.9 205,91.7 220,88.8 235,86.3 250,84 270,81.3 290,79 315,76.5 340,74.4 365,72.5 390,70.8"/>
  </g>
  <g fill="currentColor" font-size="12">
    <text x="404" y="215">p</text>
    <text x="32" y="24">θ</text>
    <text x="28" y="49">1</text>
    <text x="16" y="131">1/2</text>
    <text x="28" y="225">O</text>
    <text x="98" y="225">p₀</text>
  </g>
</svg>

## 第3問 レイリー散乱と光ピンセット

### 設定

荷電粒子や微小誘電体は $x$ 軸上のみを運動し、$x$ 軸上の電場は $\boldsymbol{E}=(E(x,t),0,0)$ と表されるものとします。粒子の速さは光速に比べて十分小さく、磁場の影響は無視します。粒子の大きさは電磁波の波長より十分小さいものとします。

前半では、質量 $m$、電荷 $q$ の荷電粒子に、電場による力と原点からの変位に比例する復元力 $-kx$（$k>0$）がはたらく場合のレイリー散乱を扱います。後半では、位置 $x$ にある微小誘電体に電気双極子モーメント $p=\alpha E(x,t)$（$\alpha>0$）が誘起される場合の光ピンセットを扱います。

### 設問1

$x$ 軸方向にはたらく力は、電場による力 $qE(x,t)$ と復元力 $-kx$ です。減衰項は無視するので、ニュートンの運動方程式は

$$
m\frac{d^{2}x}{dt^{2}}=qE(x,t)-kx
$$

です。粒子の大きさおよび振動振幅が波長より十分小さいので、$E$ は粒子の位置における値として評価してよく、実質的に時間だけの関数として扱えます。

### 設問2

粒子の位置で $E=E_{0}\sin(\omega t)$ なので、運動方程式は強制振動の式

$$
m\ddot x+kx=qE_{0}\sin(\omega t)
$$

になります。角周波数 $\omega$ で振動する解を $x(t)=A\sin(\omega t)$ と置いて代入すると $(-m\omega^{2}+k)A=qE_{0}$ となり、$\omega_{0}^{2}=k/m$ と書けば

$$
x(t)=\frac{qE_{0}}{m\left(\omega_{0}^{2}-\omega^{2}\right)}\sin(\omega t),
\qquad \omega_{0}=\sqrt{\frac{k}{m}}
$$

が答えです。$\omega\to\omega_{0}$ で振幅が発散するので、共振の角周波数は $\omega_{0}=\sqrt{k/m}$ です。$\omega\ll\omega_{0}$ では $x\simeq(qE_{0}/k)\sin\omega t$ と静的な釣り合いに近づき、$\omega\gg\omega_{0}$ では振幅が $\omega^{-2}$ で小さくなり、電場と逆位相になります。

### 設問3

加速度は上の解を 2 回微分して

$$
\boldsymbol{a}=\ddot x\,\hat{\boldsymbol{e}}_{x}=-\omega^{2}x\,\hat{\boldsymbol{e}}_{x}
=-\frac{q E_{0}\,\omega^{2}}{m\left(\omega_{0}^{2}-\omega^{2}\right)}\sin(\omega t)\,\hat{\boldsymbol{e}}_{x}
$$

です。散乱断面積は $|\boldsymbol{n}\times(\boldsymbol{n}\times\boldsymbol{a})|^{2}$ に比例し、入射強度は $E_{0}^{2}$ に比例するので、断面積の $\omega$ 依存性は

$$
\sigma\ \propto\ \frac{|\boldsymbol{a}|^{2}}{E_{0}^{2}}\ \propto\ \frac{\omega^{4}}{\left(\omega_{0}^{2}-\omega^{2}\right)^{2}}
\ \xrightarrow[\ \omega\ll\omega_{0}\ ]{}\ \frac{\omega^{4}}{\omega_{0}^{4}}
$$

となります。すなわち $\sigma\propto\omega^{4}\propto\lambda^{-4}$ で、これがレイリー散乱の $\lambda^{-4}$ 則です。青い光は赤い光より角周波数が大きいので、青い光のほうが散乱されやすいです。波長を赤 $700\,\mathrm{nm}$、青 $450\,\mathrm{nm}$ とすると比は $(700/450)^{4}\approx6$ 倍程度になります。空が青いのはこの効果です。

方向依存性は幾何因子で決まります。$\boldsymbol{a}$ が $x$ 軸方向を向いていることを使うと、$\boldsymbol{n}$ と $x$ 軸のなす角を $\Theta$ として

$$
|\boldsymbol{n}\times(\boldsymbol{n}\times\boldsymbol{a})|^{2}=|\boldsymbol{a}|^{2}-(\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{a})^{2}=|\boldsymbol{a}|^{2}\sin^{2}\Theta
$$

です。$x$ 軸方向（$\Theta=0$）では $\boldsymbol{n}\parallel\boldsymbol{a}$ なので外積が消えて放射はゼロ、$z$ 軸方向（$\Theta=\pi/2$）では $\boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{a}$ で $\sin^{2}\Theta=1$ となり最大です。したがって $z$ 軸方向のほうが散乱されやすいです。理由は、双極子放射の振幅が加速度の視線に垂直な成分だけで決まるためで、振動方向（ここでは $x$ 軸）に沿った方向には輻射が出ません。散乱光が振動方向に垂直な面内で強くなり、しかも直線偏光しているという、青空の偏光の起源でもあります。

### 設問4

$E(x,t)=E_{0}\exp(-x^{2}/\sigma^{2})\sin(\omega t)$ を $x=b$ のまわりで 1 次まで展開します。振幅部分の微分は

$$
\frac{d}{dx}E_{0}e^{-x^{2}/\sigma^{2}}\bigg|_{x=b}=-\frac{2b}{\sigma^{2}}E_{0}e^{-b^{2}/\sigma^{2}}
$$

なので

$$
E(x,t)\simeq E_{0}e^{-b^{2}/\sigma^{2}}\left\{1-\frac{2b}{\sigma^{2}}(x-b)\right\}\sin(\omega t)
$$

となります。与えられた形と比べて

$$
E_{1}=E_{0}\exp\!\left(-\frac{b^{2}}{\sigma^{2}}\right),\qquad
\beta=-\frac{2b}{\sigma^{2}}
$$

が答えです。$\beta$ は長さの逆数の次元を持ち、相対的な電場勾配 $E'/E$ を $x=b$ で評価したものです。$b>0$ なら $\beta<0$、$b<0$ なら $\beta>0$ で、$\beta$ の符号は常に「中心軸に向かう側で電場が強くなる」向きを示しています。

### 設問5

電荷 $+q$ は $x=b+d/2$、電荷 $-q$ は $x=b-d/2$ にあります。それぞれに式 (2) の電場による力が独立にはたらくとすると、和は

$$
\begin{aligned}
F&=qE\!\left(b+\frac{d}{2},t\right)+(-q)E\!\left(b-\frac{d}{2},t\right)\\
&=qE_{1}\left\{1+\beta\frac{d}{2}\right\}\sin(\omega t)-qE_{1}\left\{1-\beta\frac{d}{2}\right\}\sin(\omega t)
\end{aligned}
$$

です。$1$ の項が打ち消し、勾配の項だけが 2 倍で残ります。

$$
F=q\,d\,\beta\,E_{1}\sin(\omega t)
$$

が答えです。一様電場の部分は正負の電荷に逆向きに同じ大きさではたらくので消え、電場勾配 $\beta$ に比例した力だけが生き残ります。

### 設問6

$|\beta d|\ll1$ とすると双極子の内部では電場をほぼ一定とみなせるので、誘起される双極子モーメントは双極子中心 $x=b$ での電場で決まり、$q d=p=\alpha E(b,t)=\alpha E_{1}\sin(\omega t)$ です。これを設問5 に代入します。

$$
F=\beta E_{1}\sin(\omega t)\cdot\alpha E_{1}\sin(\omega t)=\alpha\beta E_{1}^{2}\sin^{2}(\omega t)
=\frac{\alpha\beta E_{1}^{2}}{2}\left\{1-\cos(2\omega t)\right\}
$$

が答えです。この力が電場について 2 次であることが決定的です。$\sin^{2}(\omega t)\ge0$ なので、力の符号は $\alpha\beta$ の符号だけで決まり、1 周期のあいだ向きを変えません。したがって時間平均は残ります。

$$
\langle F\rangle=\frac{\alpha\beta E_{1}^{2}}{2}
=-\frac{\alpha b}{\sigma^{2}}E_{0}^{2}\exp\!\left(-\frac{2b^{2}}{\sigma^{2}}\right)
$$

$\alpha>0$ なので、$b>0$ では $\langle F\rangle<0$、$b<0$ では $\langle F\rangle>0$ となり、力は常に $x=0$ を向きます。$|b|\ll\sigma$ では $\langle F\rangle\simeq-(\alpha E_{0}^{2}/\sigma^{2})\,b$ とばね定数 $\alpha E_{0}^{2}/\sigma^{2}$ の復元力になり、中心軸は安定な釣り合い点です。これが誘電体がレーザー光の中心軸付近に引き込まれ、そこにトラップされる理由です。誘電体が中心軸から外れると、軸に近い側の電場のほうが強いため、そちら側に引く力が勝つ、と言い換えることもできます。

### 設問7

分極率 $\alpha$ の微小誘電体を電場 $E$ の中に置くと、双極子 $p=\alpha E$ が誘起され、系のエネルギーは

$$
U=-\frac{1}{2}pE=-\frac{1}{2}\alpha E^{2}
$$

だけ下がります。係数 $1/2$ は、双極子が外から与えられたものではなく電場自身によって誘起されるため、分極させる仕事の分だけ利得が半分になることによります。$\alpha>0$ なので $U<0$、つまり誘電体を電場の強い領域に置くほど電場のエネルギーは低くなります。時間平均をとると $\langle\sin^{2}\omega t\rangle=1/2$ より

$$
\langle U(x)\rangle=-\frac{\alpha}{4}E_{0}^{2}\exp\!\left(-\frac{2x^{2}}{\sigma^{2}}\right)
$$

で、これは $x=0$ を最小点とするポテンシャル井戸です。レーザー光の強度は中心軸上で最大なので、誘電体はエネルギーを最も下げられる位置、すなわち中心軸上に落ち込みます。これが光ピンセットの機構です。実際 $-d\langle U\rangle/dx$ を計算すると $-(\alpha x/\sigma^{2})E_{0}^{2}e^{-2x^{2}/\sigma^{2}}$ となり、$x=b$ とおけば設問6 の時間平均した力に一致します。

## 第4問 フーリエ変換と3次行列の固有値

### 設定

前半はローレンツ型関数のフーリエ変換を留数計算で求め、たたみ込み定理を使って積分方程式を解く問題です。フーリエ変換は

$$
\hat f(\omega)=\int_{-\infty}^{\infty}e^{-i\omega x}f(x)\,dx
$$

で定義され、$\alpha>0$ に対して $g_{\alpha}(x)=\dfrac{1}{\pi}\dfrac{\alpha}{x^{2}+\alpha^{2}}$ を扱います。後半は $z\neq0$、$0\le\arg z<\pi/2$ を満たす複素数 $z$ をパラメータとする 3 次正方行列

$$
A(z)=\begin{pmatrix} z & 1 & 0 \\ 1 & 0 & 1 \\ 0 & 1 & z^{-1}\end{pmatrix}
$$

の固有値問題です。

### 設問1(a)

$g_{\alpha}(x)$ は実関数で、かつ $x$ について偶関数です。したがって

$$
\hat g_{\alpha}(\omega)=\int_{-\infty}^{\infty}\left(\cos\omega x-i\sin\omega x\right)g_{\alpha}(x)\,dx=\int_{-\infty}^{\infty}\cos(\omega x)\,g_{\alpha}(x)\,dx
$$

となります（$\sin(\omega x)g_{\alpha}(x)$ は $x$ の奇関数なので積分がゼロ）。残った積分は実数で、$\omega\to-\omega$ で不変です。答えは、$\hat g_{\alpha}(\omega)$ は $\omega$ の実関数であって偶関数です。

### 設問1(b)

$e^{-i\omega z}$ は全平面で正則なので、極は $g_{\alpha}(z)$ の極だけです。

$$
g_{\alpha}(z)=\frac{\alpha}{\pi}\frac{1}{z^{2}+\alpha^{2}}=\frac{\alpha}{\pi}\frac{1}{(z-i\alpha)(z+i\alpha)}
$$

答えは $z=i\alpha$ と $z=-i\alpha$ の 2 個で、$\alpha>0$ よりこれらは異なる点であり、どちらも 1 位の極です。

### 設問1(c)

$C_{R}$ は実軸上を $z=-R$ から $z=R$ へ進み、続いて上半平面の半円周を通って $z=-R$ に戻る閉曲線です。したがって向きは反時計回りで、図の矢印もそうなっています。$R>\alpha$ とすると、内部に含まれる極は $z=i\alpha$ のみです。$z=-i\alpha$ は下半平面にあるので入りません。留数は

$$
\operatorname*{Res}_{z=i\alpha}e^{-i\omega z}g_{\alpha}(z)
=e^{-i\omega(i\alpha)}\cdot\frac{\alpha}{\pi}\cdot\frac{1}{2i\alpha}
=\frac{e^{\alpha\omega}}{2\pi i}
$$

です。留数定理より

$$
\int_{C_{R}}e^{-i\omega z}g_{\alpha}(z)\,dz=2\pi i\cdot\frac{e^{\alpha\omega}}{2\pi i}=e^{\alpha\omega}
$$

となり、これは $R$ に依らないので $R\to\infty$ の極限もこの値です。よって $\omega\le0$ に対して $\hat g_{\alpha}(\omega)=e^{\alpha\omega}$ です。

なお、$\hat g_{\alpha}(\omega)$ が $C_{R}$ 上の積分の極限に等しいのは、半円周の寄与が消えるからです。$z=x+iy$ とすると $|e^{-i\omega z}|=e^{\omega y}$ で、上半平面 $y\ge0$ かつ $\omega\le0$ では $e^{\omega y}\le1$ と有界です。半円周上では $|g_{\alpha}(z)|\le(\alpha/\pi)/(R^{2}-\alpha^{2})$、経路長は $\pi R$ なので、寄与の絶対値は $\pi R\cdot(\alpha/\pi)/(R^{2}-\alpha^{2})\to0$ となります。ここで $\omega\le0$ という条件が使われていて、$\omega>0$ なら上半平面で $e^{\omega y}$ が発散するため下半平面に閉じる必要があります。

設問1(a) の偶関数性を使って $\omega>0$ に拡張すると

$$
\hat g_{\alpha}(\omega)=e^{-\alpha|\omega|}
$$

が答えです。検算として $\hat g_{\alpha}(0)=1$ は $\int g_{\alpha}(x)dx=1$（規格化されたローレンツ関数）と一致します。また $\alpha\to0$ で $\hat g_{\alpha}\to1$ となり、$\delta(x)$ のフーリエ変換が $1$ であることと整合します。

### 設問1(d)

成り立つ関係は

$$
\widehat{g_{1}*f}(\omega)=\hat g_{1}(\omega)\,\hat f(\omega)
$$

です。理由は次のとおりです。定義に従って書き、積分順序を交換します。

$$
\widehat{g_{1}*f}(\omega)=\int_{-\infty}^{\infty}dx\,e^{-i\omega x}\int_{-\infty}^{\infty}dy\,g_{1}(x-y)f(y)
=\int_{-\infty}^{\infty}dy\,f(y)\int_{-\infty}^{\infty}dx\,e^{-i\omega x}g_{1}(x-y)
$$

内側の積分で $u=x-y$ と置換すると $e^{-i\omega x}=e^{-i\omega u}e^{-i\omega y}$ と分離するので

$$
=\int_{-\infty}^{\infty}dy\,f(y)e^{-i\omega y}\int_{-\infty}^{\infty}du\,e^{-i\omega u}g_{1}(u)=\hat f(\omega)\,\hat g_{1}(\omega)
$$

となります。使った仮定は、二重積分が絶対収束して積分順序の交換（フビニの定理）が許されることと、平行移動の不変性です。たたみ込みがフーリエ変換で単なる積になる、というこの性質が次の設問の鍵になります。

### 設問1(e)

積分方程式 $f=g_{1}*f+\delta-g_{2}$ の両辺をフーリエ変換します。設問1(d) と $\hat\delta(\omega)=\int e^{-i\omega x}\delta(x)dx=1$、および設問1(c) の $\hat g_{1}(\omega)=e^{-|\omega|}$、$\hat g_{2}(\omega)=e^{-2|\omega|}$ を使うと

$$
\hat f(\omega)=e^{-|\omega|}\hat f(\omega)+1-e^{-2|\omega|}
$$

すなわち

$$
\left(1-e^{-|\omega|}\right)\hat f(\omega)=1-e^{-2|\omega|}=\left(1-e^{-|\omega|}\right)\left(1+e^{-|\omega|}\right)
$$

です。$\omega\neq0$ では $1-e^{-|\omega|}\neq0$ なので割ることができ、$\hat f(\omega)=1+e^{-|\omega|}$ を得ます。右辺は $\omega=0$ で連続なので、$\hat f(0)=2$ と定めます。$1$ の逆変換が $\delta(x)$、$e^{-|\omega|}=\hat g_{1}(\omega)$ の逆変換が $g_{1}(x)$ なので

$$
f(x)=\delta(x)+g_{1}(x)=\delta(x)+\frac{1}{\pi}\frac{1}{x^{2}+1}
$$

が答えです。元の方程式に直接代入して検算します。$g_{1}*\delta=g_{1}$、また $g_{1}*g_{1}$ のフーリエ変換は $e^{-|\omega|}\cdot e^{-|\omega|}=e^{-2|\omega|}=\hat g_{2}$ なので $g_{1}*g_{1}=g_{2}$ です。よって

$$
g_{1}*f+\delta-g_{2}=\left(g_{1}+g_{1}*g_{1}\right)+\delta-g_{2}=g_{1}+g_{2}+\delta-g_{2}=\delta+g_{1}=f
$$

となり、確かに解です。なお $\omega=0$ での不定性は定数の自由度に対応し、任意の定数 $c$ を加えた $f+c$ も方程式を満たします（$g_{1}*c=c\int g_{1}=c$ だからです）。ここでは無限遠で消える解を採りました。

### 設問2(a)

トレースは対角成分の和です。

$$
\operatorname{tr}A(z)=z+0+z^{-1}=z+\frac{1}{z}
$$

行列式は第 1 行で余因子展開します。

$$
\det A(z)=z\left(0\cdot z^{-1}-1\cdot1\right)-1\left(1\cdot z^{-1}-1\cdot0\right)+0=-z-\frac{1}{z}
$$

答えは $\operatorname{tr}A(z)=z+z^{-1}$、$\det A(z)=-\left(z+z^{-1}\right)$ です。両者が符号だけ違うのは偶然ではなく、設問2(c) で固有値が $1,-1,z+z^{-1}$ となることの反映です。$\det A(z)=-(z^{2}+1)/z$ なので、$z=\pm i$ でのみ特異ですが、これらは $0\le\arg z<\pi/2$ の範囲外です。したがって与えられた範囲で $A(z)$ は常に正則です。

### 設問2(b)

余因子行列を作って転置し、行列式で割ります。結果を $z$ 倍して分母を整理すると

$$
A(z)^{-1}=\frac{1}{z^{2}+1}
\begin{pmatrix}
z & 1 & -z\\
1 & -z & z^{2}\\
-z & z^{2} & z
\end{pmatrix}
$$

が答えです。設問2(a) で見たように、$0\le\arg z<\pi/2$ では $z^{2}+1\neq0$ なので分母は消えません。検算として $A(z)A(z)^{-1}$ を計算すると、対角成分はいずれも $(z^{2}+1)/(z^{2}+1)=1$、非対角成分はたとえば第 1 行と第 2 列で $z\cdot1+1\cdot(-z)+0\cdot z^{2}=0$、第 3 行と第 1 列で $0\cdot z+1\cdot1+z^{-1}(-z)=0$ のように、すべてゼロになります。$A(z)$ が対称行列なので $A(z)^{-1}$ も対称になっていることも確認できます。

### 設問2(c)

固有方程式を作ります。

$$
\det\left(A(z)-\lambda I\right)
=(z-\lambda)\left(\lambda^{2}-\frac{\lambda}{z}-1\right)-\left(\frac{1}{z}-\lambda\right)
$$

展開して $t\equiv z+z^{-1}$ と置くと

$$
\det\left(A(z)-\lambda I\right)=-\lambda^{3}+t\lambda^{2}+\lambda-t=-\left(\lambda-t\right)\left(\lambda^{2}-1\right)
$$

と因数分解できます（$\lambda^{3}-t\lambda^{2}-\lambda+t=\lambda^{2}(\lambda-t)-(\lambda-t)$ と見るのが早いです）。したがって固有値は

$$
\lambda=1,\qquad \lambda=-1,\qquad \lambda=z+\frac{1}{z}
$$

の 3 つです。和が $t$、積が $-t$ となって設問2(a) と合っています。

これらがすべて実数になる条件は $z+z^{-1}\in\mathbb{R}$ です。$z=x+iy$ と書くと $z^{-1}=\bar z/|z|^{2}$ なので

$$
z+\frac{1}{z}=x\left(1+\frac{1}{|z|^{2}}\right)+iy\left(1-\frac{1}{|z|^{2}}\right)
$$

で、虚部がゼロになる条件は $y\left(1-|z|^{-2}\right)=0$、すなわち $y=0$ または $|z|=1$ です。

与えられた領域 $z\neq0$、$0\le\arg z<\pi/2$ は複素平面の第 1 象限のうち $x>0$、$y\ge0$ の部分（正の虚軸と原点は除く）です。この中で条件を書き下すと、$y=0$ は正の実軸 $\{z=x:x>0\}$、$|z|=1$ は単位円の第 1 象限側の四分円弧 $\{e^{i\theta}:0\le\theta<\pi/2\}$ です。$z=i$ は $\arg z=\pi/2$ なので除かれます。答えは、正の実半直線と、$z=1$ を含み $z=i$ を含まない単位円上の四分円弧との和集合です。両者は $z=1$ で交わります。

<svg viewBox="0 0 340 250" style="width:100%;max-width:640px;height:auto" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg">
  <g stroke="currentColor" stroke-width="1" fill="none">
    <line x1="20" y1="200" x2="325" y2="200"/>
    <line x1="60" y1="235" x2="60" y2="25"/>
    <line x1="150" y1="200" x2="150" y2="196"/>
    <line x1="60" y1="110" x2="64" y2="110"/>
  </g>
  <g stroke="currentColor" stroke-width="3" fill="none">
    <line x1="60" y1="200" x2="305" y2="200"/>
    <path d="M 150 200 A 90 90 0 0 0 60 110"/>
  </g>
  <g stroke="currentColor" stroke-width="1" fill="none">
    <circle cx="60" cy="110" r="4.5"/>
  </g>
  <g fill="currentColor" font-size="12">
    <text x="296" y="220">Re z</text>
    <text x="68" y="24">Im z</text>
    <text x="46" y="218">O</text>
    <text x="146" y="220">1</text>
    <text x="44" y="114">i</text>
  </g>
</svg>

太線が求める範囲で、$z=i$ を表す白丸はその点が除かれることを示しています。

### 設問2(d)

固有値 $1$ と $-1$ は常に異なるので、重複が起きるのは $z+z^{-1}=1$ または $z+z^{-1}=-1$ のときだけです。

$z+z^{-1}=1$ は $z^{2}-z+1=0$ すなわち $z=\dfrac{1\pm i\sqrt3}{2}=e^{\pm i\pi/3}$ です。このうち $0\le\arg z<\pi/2$ を満たすのは $\arg z=\pi/3$ の方だけです。$z+z^{-1}=-1$ は $z^{2}+z+1=0$ すなわち $z=e^{\pm2\pi i/3}$ で、$\arg z=2\pi/3$ も $\arg z=4\pi/3$ も範囲外です。したがって

$$
z=e^{i\pi/3}=\frac{1+i\sqrt3}{2}
$$

が答えで、このとき固有値は $1$（重複度 2）と $-1$ です。実際 $e^{i\pi/3}+e^{-i\pi/3}=2\cos(\pi/3)=1$ です。

このとき $A(z)$ は対角化できません。理由を述べます。特性多項式は $-(\lambda-1)^{2}(\lambda+1)$ で、$\lambda=1$ の代数的重複度は 2 です。一方 $z=e^{i\pi/3}$ では $z-1=e^{2\pi i/3}$、$z^{-1}-1=e^{-2\pi i/3}$ なので

$$
A(z)-I=\begin{pmatrix} e^{2\pi i/3} & 1 & 0\\ 1 & -1 & 1\\ 0 & 1 & e^{-2\pi i/3}\end{pmatrix}
$$

です。第 1 行と第 2 行は、第 3 成分がそれぞれ $0$ と $1$ なので明らかに 1 次独立であり、階数は 2 以上です。他方 $\lambda=1$ は固有値なので $\det(A-I)=0$ から階数は 2 以下です。よって $\operatorname{rank}(A-I)=2$、固有空間の次元は $3-2=1$ となり、幾何的重複度 1 が代数的重複度 2 より小さくなります。固有ベクトルが 2 本とれないので対角化不可能で、ジョルダン標準形は $\lambda=1$ に対する 2 次のジョルダン細胞と $\lambda=-1$ の 1 次細胞からなります。念のため固有空間を具体的に求めると、$(A-I)\boldsymbol{v}=0$ の第 1 行と第 2 行から $v_{2}=-e^{2\pi i/3}v_{1}$、$v_{3}=v_{2}-v_{1}=-\left(1+e^{2\pi i/3}\right)v_{1}=-e^{i\pi/3}v_{1}$ となり、第 3 行の条件は $v_{2}+e^{-2\pi i/3}v_{3}=-\left(e^{2\pi i/3}+e^{-i\pi/3}\right)v_{1}=0$（$e^{-i\pi/3}=-e^{2\pi i/3}$ より）と自動的に満たされます。固有ベクトルは $\boldsymbol{v}\propto\left(1,\,-e^{2\pi i/3},\,-e^{i\pi/3}\right)^{\mathrm{T}}$ の 1 方向だけです。

### 設問2(e)

$z=1$ は $\arg z=0$ なので許される値です。設問2(c) の結果に $t=1+1=2$ を入れると $A(1)$ の固有値は $2,\,1,\,-1$ で、

$$
A(1)+I=\begin{pmatrix} 2 & 1 & 0\\ 1 & 1 & 1\\ 0 & 1 & 2\end{pmatrix}
$$

の固有値は $3,\,2,\,0$ となり、いずれも $0$ 以上です。したがって $A(1)+I$ は半正定値です。これを固有値を使わずに示すこともできます。実列ベクトル $\vec x=(x_{1},x_{2},x_{3})^{\mathrm{T}}$ に対し

$$
\vec x^{\mathrm{T}}\left(A(1)+I\right)\vec x=2x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+2x_{3}^{2}+2x_{1}x_{2}+2x_{2}x_{3}
=\left(x_{1}+x_{2}+x_{3}\right)^{2}+\left(x_{1}-x_{3}\right)^{2}\ \ge\ 0
$$

と平方の和に書けます（右辺を展開すれば左辺に戻ります）。等号は $x_{1}=x_{3}$ かつ $x_{1}+x_{2}+x_{3}=0$、すなわち $\vec x\propto(1,-2,1)^{\mathrm{T}}$ のときで、これが固有値 $0$ の固有ベクトルです。

また $\vec v\,\vec v^{\mathrm{T}}$ については

$$
\vec x^{\mathrm{T}}\left(\vec v\,\vec v^{\mathrm{T}}\right)\vec x=\left(\vec v^{\mathrm{T}}\vec x\right)^{2}\ \ge\ 0
$$

なので、これも半正定値です。$A(1)$、$I$、$\vec v\,\vec v^{\mathrm{T}}$ はすべて実対称なので $B=A(1)+I+\vec v\,\vec v^{\mathrm{T}}$ も実対称で、固有値は実数です。実対称行列の最小固有値はレイリー商の最小値として与えられるので、

$$
\lambda_{\min}(B)=\min_{\vec x\neq0}\frac{\vec x^{\mathrm{T}}B\vec x}{\vec x^{\mathrm{T}}\vec x}
=\min_{\vec x\neq0}\frac{\left(x_{1}+x_{2}+x_{3}\right)^{2}+\left(x_{1}-x_{3}\right)^{2}+\left(\vec v^{\mathrm{T}}\vec x\right)^{2}}{\vec x^{\mathrm{T}}\vec x}\ \ge\ 0
$$

となります。よって $B$ の最小固有値は $0$ 以上です。使った仮定は $\vec v$ が実ベクトルであることだけで、$\vec v$ の値には依りません。なお等号が成り立つのは $\vec v^{\mathrm{T}}(1,-2,1)^{\mathrm{T}}=v_{1}-2v_{2}+v_{3}=0$ のときで、そうでなければ $B$ は正定値になります。

出典: 東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 令和6年度 修士課程 入学試験問題 専門科目。問題文は要約して引用しています。
