# 平成26年度 東大院 物理学専攻 修士 数学 解答

> 平成26年度 修士課程 数学（全2問）の解答。線形1階方程式と連立系、熱方程式の境界値問題、ロジスティック型方程式、巡回シフト行列による巡回対称行列の対角化、2層系の固有値と摂動の次数を扱います。
> https://rikai.mugen-giken.com/exams/utokyo-physics/master-h26-math

:::caution[出典と、この解答の位置づけ]
本記事が扱う問題は、**東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の大学院入試問題**からの引用です（引用元: [https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/](https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/)）。

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- 本記事に**問題文は転載していません**。問題は上記の専攻公式サイトでご確認ください。
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この年度の数学は2問で、どちらにも解答します。第1問は微分方程式を5題並べたもので、個々の計算は軽い代わりに、解の符号、存在区間、境界条件の扱いといった解いた後の吟味に配点が寄っています。第2問は巡回シフト行列 $P$ を主役に据え、$P$ と可換な行列が離散フーリエ基底で対角化されることを組み立てさせ、最後に2層系の固有値へつなぐ構成です。最後の設問だけは、縮退があるかどうかで答えの $\lambda$ の次数が変わります。

| 問題 | 分野 | 主題 |
|---|---|---|
| 第1問 | 微分方程式 | 線形1階方程式、連立系の固有値解法、熱方程式の境界値問題、ロジスティック型方程式 |
| 第2問 | 線形代数・フーリエ解析 | 巡回シフト行列、巡回対称行列の対角化、2層系の固有値と $\lambda$ 依存性 |

## 第1問 微分方程式

### 設定

変数 $x$, $t$ は実数、$y$, $y_1$, $y_2$ は実関数です。独立な5題で、1階線形方程式、2成分の連立線形方程式（減衰の連鎖型と対称行列型）、1次元熱方程式の境界値問題、ロジスティック型の非線形方程式が並びます。

### 設問1

方程式 $\dfrac{dy}{dx}=-\alpha y$ の両辺に $e^{\alpha x}$ を掛けると、左辺が完全微分になります。

$$
\frac{d}{dx}\left(e^{\alpha x}y\right)=e^{\alpha x}\left(\frac{dy}{dx}+\alpha y\right)=0 .
$$

$\mathbb{R}$ は連結なので、導関数が恒等的に 0 の関数は定数です。よって $e^{\alpha x}y=C$（定数）であり、逆にこの形の関数はすべて方程式を満たします。この議論は $y$ の零点の有無を問わないので、$C^1$ 級の解をすべて捉えています。

$x=b$ で $y=A$ を課すと $C=Ae^{\alpha b}$ です。答えは

$$
y(x)=A\,e^{-\alpha(x-b)}
$$

で、これが唯一の解です。$\alpha>0$ なら $x\to+\infty$ で 0 へ減衰、$\alpha<0$ なら発散、$\alpha=0$ なら $y\equiv A$ と、$\alpha$ の符号で挙動が分かれます。

### 設問2

第1式 $\dfrac{dy_1}{dx}=-\alpha y_1$ は設問1で $b=0$ とした場合そのもので、$y_1(x)=Ae^{-\alpha x}$ です。これを第2式 $\dfrac{dy_2}{dx}=\beta y_1-\gamma y_2$ に入れ、$e^{\gamma x}$ を掛けます。

$$
\frac{d}{dx}\left(e^{\gamma x}y_2\right)=e^{\gamma x}\left(\frac{dy_2}{dx}+\gamma y_2\right)=\beta A\,e^{(\gamma-\alpha)x}.
$$

$\gamma\neq\alpha$ なので右辺の原始関数は $\beta A e^{(\gamma-\alpha)x}/(\gamma-\alpha)$ です。$0$ から $x$ まで積分して $y_2(0)=0$ を使うと $e^{\gamma x}y_2(x)=\dfrac{\beta A}{\gamma-\alpha}\left(e^{(\gamma-\alpha)x}-1\right)$ となり、答えは

$$
\begin{aligned}
y_1(x)&=A\,e^{-\alpha x},\\
y_2(x)&=\frac{\beta A}{\gamma-\alpha}\left(e^{-\alpha x}-e^{-\gamma x}\right)
\end{aligned}
$$

です。$y_2$ を元の式に代入すると $y_2'=\frac{\beta A}{\gamma-\alpha}(-\alpha e^{-\alpha x}+\gamma e^{-\gamma x})$ で、$\beta y_1-\gamma y_2$ を整理したものと一致します。

符号を調べます。$A>0$ なので $y_1(x)=Ae^{-\alpha x}>0$ が全域で成り立ちます。$y_2$ については、$s$ についての積分

$$
\int_{\alpha}^{\gamma}x\,e^{-sx}\,ds=\Big[-e^{-sx}\Big]_{s=\alpha}^{s=\gamma}=e^{-\alpha x}-e^{-\gamma x}
$$

（$x=0$ でも両辺 0 で成立）を使うと

$$
y_2(x)=\beta A\,x\cdot\frac{1}{\gamma-\alpha}\int_{\alpha}^{\gamma}e^{-sx}\,ds
$$

と書けます。最後の因子は、$\gamma>\alpha$ なら積分区間の向きと $\gamma-\alpha$ がともに正、$\gamma<\alpha$ ならともに負なので、どちらの場合も正です（被積分関数 $e^{-sx}$ は正）。したがって $y_2(x)$ の符号は $x$ の符号そのもので、

$$
y_1(x)>0\ (\forall x),\qquad
y_2(x)\begin{cases}>0 & (x>0)\\ =0 & (x=0)\\ <0 & (x<0)\end{cases}
$$

となります。$\alpha$ と $\gamma$ の大小関係には依存しません。$x>0$ を放射性崩壊の連鎖（親核 $y_1$ が娘核 $y_2$ を生む）と読めば、$y_2>0$ は当然の結論です。

検算として $\gamma\to\alpha$ の極限を見ると $\dfrac{e^{-\alpha x}-e^{-\gamma x}}{\gamma-\alpha}\to x\,e^{-\alpha x}$ で、$y_2\to\beta A\,x\,e^{-\alpha x}$ となります。これは $\gamma=\alpha$ の場合に直接解いた解（このとき右辺は $\beta A e^{-\alpha x}$、原始関数は $\beta A x$）と一致します。

### 設問3

連立系を行列で書きます。

$$
\frac{d}{dx}\begin{pmatrix}y_1\\y_2\end{pmatrix}=M\begin{pmatrix}y_1\\y_2\end{pmatrix},
\qquad
M=c\begin{pmatrix}-1&\sqrt{3}\\ \sqrt{3}&-3\end{pmatrix}.
$$

$M$ は実対称なので直交固有基底を持ちます。$\operatorname{tr}M=-4c$、$\det M=c^2\{(-1)(-3)-3\}=0$ より固有値は $0$ と $-4c$ です。固有値 $0$ の固有ベクトルは $-y_1+\sqrt{3}y_2=0$ から $(\sqrt{3},1)$ 方向、固有値 $-4c$ の固有ベクトルは $-y_1+\sqrt{3}y_2=-4y_1$ すなわち $3y_1+\sqrt{3}y_2=0$ から $(1,-\sqrt{3})$ 方向です。規格化して

$$
\boldsymbol{e}_1=\frac{1}{2}\begin{pmatrix}\sqrt{3}\\1\end{pmatrix},\qquad
\boldsymbol{e}_2=\frac{1}{2}\begin{pmatrix}1\\-\sqrt{3}\end{pmatrix}
$$

とすれば、これは正規直交系で $M\boldsymbol{e}_1=0$、$M\boldsymbol{e}_2=-4c\,\boldsymbol{e}_2$ です。

初期ベクトルを展開します。$\boldsymbol{y}(0)=\frac{1}{2}\begin{pmatrix}\sqrt{3}-1\\ \sqrt{3}+1\end{pmatrix}$ に対して

$$
\boldsymbol{e}_1\cdot\boldsymbol{y}(0)=\frac{1}{4}\left\{\sqrt{3}(\sqrt{3}-1)+(\sqrt{3}+1)\right\}=1,
\qquad
\boldsymbol{e}_2\cdot\boldsymbol{y}(0)=\frac{1}{4}\left\{(\sqrt{3}-1)-\sqrt{3}(\sqrt{3}+1)\right\}=-1
$$

なので $\boldsymbol{y}(0)=\boldsymbol{e}_1-\boldsymbol{e}_2$ です。固有基底では方程式が各成分で分離し、係数は $e^{0\cdot x}=1$ と $e^{-4cx}$ で時間発展します。定数係数線形系の初期値問題の解は一意なので

$$
\boldsymbol{y}(x)=\boldsymbol{e}_1-e^{-4cx}\,\boldsymbol{e}_2
$$

が答えで、成分に書き下すと

$$
y_1(x)=\frac{\sqrt{3}-e^{-4cx}}{2},\qquad
y_2(x)=\frac{1+\sqrt{3}\,e^{-4cx}}{2}
$$

です。$x=0$ で初期条件を再現し、代入すると $y_1'=2ce^{-4cx}$ と $-cy_1+\sqrt{3}cy_2=2ce^{-4cx}$、$y_2'=-2\sqrt{3}ce^{-4cx}$ と $\sqrt{3}cy_1-3cy_2=-2\sqrt{3}ce^{-4cx}$ が一致します。固有値 $0$ の方向は保存量を与え、実際 $\sqrt{3}y_1+y_2=2$ が $x$ に依らず成り立ちます。$c>0$ なら $x\to+\infty$ で $(y_1,y_2)\to(\sqrt{3}/2,\,1/2)$ とゼロモードに落ち着き、$c=0$ なら公式はそのまま初期値の定数解を与えます。

固有値は次のようにも読めます。$M=-2cI+c\begin{pmatrix}1&\sqrt{3}\\ \sqrt{3}&-1\end{pmatrix}$ で、第2項の行列の2乗は $4I$ なのでその固有値は $\pm2$、よって $M$ の固有値は $-2c\pm2c=0,\,-4c$ です。この行列はパウリ行列で書けば $\sigma_z\cos60^\circ+\sigma_x\sin60^\circ$ の2倍なので、固有ベクトルは $x$ 軸から $30^\circ$ と $120^\circ$ の方向、すなわち上の $\boldsymbol{e}_1$, $-\boldsymbol{e}_2$ です。

### 設問4

熱方程式 $\dfrac{\partial y}{\partial t}=\dfrac{\partial^2y}{\partial x^2}$ を変数分離で扱います。$y=X(x)T(t)$ と置いて代入すると $XT'=X''T$、すなわち $T'/T=X''/X$ です。左辺は $t$ のみ、右辺は $x$ のみの関数なので、両辺は共通の定数 $\mu$ に等しく

$$
X''=\mu X,\qquad T'=\mu T .
$$

境界条件は $x\le -a$ と $x\ge a$ で $y=0$ ですから、$x=\pm a$ を含めて $y$ が一つの関数として定まるには $X(a)=X(-a)=0$ が必要です。$\mu$ の符号で場合分けします。

$\mu=\nu^2>0$ のとき $X=c_+e^{\nu x}+c_-e^{-\nu x}$ で、$X(\pm a)=0$ は $c_\pm$ についての連立1次方程式になり、その係数行列の行列式は $e^{2\nu a}-e^{-2\nu a}=2\sinh(2\nu a)\neq0$（$\nu>0$, $a>0$）です。よって $c_\pm=0$ で自明解のみです。$\mu=0$ のとき $X=c_1+c_2x$ で、$X(\pm a)=0$ から $c_1=c_2=0$ です。したがって $\mu=-k^2$（$k>0$）でなければなりません。このとき $X=c_1\cos kx+c_2\sin kx$ で、境界条件の和と差を取ると

$$
X(a)+X(-a)=2c_1\cos ka=0,\qquad X(a)-X(-a)=2c_2\sin ka=0 .
$$

$\cos ka$ と $\sin ka$ が同時に 0 になることはないので、$\cos ka=0$（このとき $c_2=0$）または $\sin ka=0$（このとき $c_1=0$）です。前者は $k=(2m-1)\pi/(2a)$ で $X\propto\cos kx$、後者は $k=m\pi/a$ で $X\propto\sin kx$（$m=1,2,\dots$）で、両方をまとめると

$$
k=k_n\equiv\frac{n\pi}{2a}\ (n=1,2,\dots),\qquad X_n(x)=\sin\frac{n\pi(x+a)}{2a}
$$

となります。$T=e^{-k_n^2t}$ とあわせて、求める解の一つは

$$
y_n(x,t)=\exp\!\left(-\frac{n^2\pi^2}{4a^2}t\right)\sin\frac{n\pi(x+a)}{2a}\quad(-a<x<a),
\qquad y_n=0\quad(|x|\ge a)
$$

です。とくに $n=1$ は $\sin\left(\frac{\pi x}{2a}+\frac{\pi}{2}\right)=\cos\frac{\pi x}{2a}$ なので

$$
y(x,t)=\exp\!\left(-\frac{\pi^2}{4a^2}t\right)\cos\frac{\pi x}{2a}\quad(-a<x<a)
$$

が最も簡単な例になります。実際 $\partial y/\partial t=-\frac{\pi^2}{4a^2}y$、$\partial^2y/\partial x^2=-\frac{\pi^2}{4a^2}y$ で方程式を満たし、$x=\pm a$ で $y=0$、$-a<x<a$ で $C^\infty$ 級、かつ定数ではありません。線形性から有限和 $\sum_n c_ny_n$（$c_n$ は任意の実定数）もすべて解で、係数の減衰が十分速ければ無限級数も解になります。

$x=\pm a$ での接続について一言補うと、$n=1$ の解は $x\to a-0$ で $\partial y/\partial x\to-\frac{\pi}{2a}e^{-\pi^2t/(4a^2)}\neq0$ なので、外側の $y\equiv0$ と滑らかにはつながらず、$\mathbb{R}$ 全体で見ると $x=\pm a$ では微分可能ではありません。設問が微分可能性を $-a<x<a$ に限って要求しているのはこのためです。熱方程式の解は領域の内部で $x$ について解析的になるので、$x=\pm a$ をまたいで方程式を満たしたまま外側で恒等的に 0 とすることは、$y\equiv0$ 以外には不可能です。

### 設問5

$\dfrac{dy}{dx}=-\alpha(1-\beta y)y$ の右辺を展開すると $-\alpha y+\alpha\beta y^2$ で、$y$ について非線形なロジスティック型の方程式です。右辺は $y$ の多項式なので $y$ について局所リプシッツであり、初期値問題の解は一意です。$y=0$ と $y=1/\beta$ は定常解なので、一意性より他の解がこれらの値を有限の $x$ で取ることはありません。$A>0$ より、解は $0<y<1/\beta$、$y\equiv1/\beta$、$y>1/\beta$ のいずれかの領域に留まります。どの場合も $y(1-\beta y)\neq0$ なので変数分離ができます。

$$
\frac{1}{y(1-\beta y)}=\frac{1}{y}+\frac{\beta}{1-\beta y}
$$

を使うと $\dfrac{d}{dx}\ln\left\lvert\dfrac{y}{1-\beta y}\right\rvert=-\alpha$ となり、$\dfrac{y}{1-\beta y}=K e^{-\alpha x}$（$K$ は定数）を得ます。符号も含めてこの形で書けるのは、$y/(1-\beta y)$ が連続で符号を変えないためです。$x=0$ で $K=\dfrac{A}{1-\beta A}$ です。$y$ について解くと $y\left(1+\beta Ke^{-\alpha x}\right)=Ke^{-\alpha x}$、すなわち $y=\dfrac{K}{e^{\alpha x}+\beta K}$ で、$K$ を戻して

$$
y(x)=\frac{A}{\beta A+(1-\beta A)e^{\alpha x}}
$$

が答えです。$x=0$ で分母は $\beta A+1-\beta A=1$ となり $y(0)=A$ を再現します。代入して確かめると、分母を $D$ と書けば $y'=-A\alpha(1-\beta A)e^{\alpha x}/D^2$、一方 $-\alpha y(1-\beta y)=-\alpha A(D-\beta A)/D^2=-\alpha A(1-\beta A)e^{\alpha x}/D^2$ で一致します。$\beta\to0$ とすると $y\to Ae^{-\alpha x}$ で設問1の答えに帰着します。

存在区間は $A$ と $1/\beta$ の大小で変わります。$0<A<1/\beta$ のときは分母が正の2項の和なので $x$ によらず正で、解は $\mathbb{R}$ 全体で定義され、$x\to-\infty$ で $1/\beta$、$x\to+\infty$ で 0 へ単調減少します。$A=1/\beta$ のときは上式が $y\equiv1/\beta$ を与えます。$A>1/\beta$ のときは $1-\beta A<0$ で分母が

$$
x_*=\frac{1}{\alpha}\ln\frac{\beta A}{\beta A-1}>0
$$

で 0 になるので、解は $(-\infty,x_*)$ でのみ定義され、$x\to x_*-0$ で $+\infty$ に発散します（$x\to-\infty$ では $1/\beta$ に近づき、単調増加）。$y=1/\beta$ が不安定、$y=0$ が（$x$ を増やす向きに）安定な定常解であることと整合しています。

## 第2問 巡回シフト行列と巡回対称行列の対角化

### 設定

$n\ (\ge3)$ 次の実正方行列 $A(\epsilon,t)$ は、対角成分が $\epsilon$、隣接する非対角成分 $A_{i,i+1}=A_{i+1,i}$ が $t$、さらに角の $A_{1,n}=A_{n,1}$ も $t$、他はすべて 0 という行列です。$\epsilon$, $t$ は実数で $t>0$ とします。以下、添字は $1$ から $n$ までとし、$n+1$ を $1$、$0$ を $n$ と読む巡回的な約束（$\bmod n$）を使います。この約束のもとで成分は

$$
A_{ij}=\epsilon\,\delta_{ij}+t\left(\delta_{j,i+1}+\delta_{j,i-1}\right)
$$

とまとめられます。$n\ge3$ なので右辺の3種類の項が同じ成分に重なることはありません。$A_{ij}$ が $i-j$（$\bmod n$）だけで決まること、すなわち巡回行列であることが以下すべての鍵です。物理的には $n$ サイトの環状強束縛模型で、$\epsilon$ がサイトエネルギー、$t$ が飛び移り積分に対応します。

### 設問1(i)

条件は「第 $i$ 成分が入力の第 $i+1$ 成分になる」という要求ですから、$P_{ij}=\delta_{j,i+1}$（添字は $\bmod n$）です。成分で書けば $P_{i,i+1}=1$（$i=1,2,\dots,n-1$）、$P_{n,1}=1$、それ以外は 0 で、

$$
P=\begin{pmatrix}
0&1&0&\cdots&0\\
0&0&1&\cdots&0\\
\vdots&\vdots&\vdots&\ddots&\vdots\\
0&0&0&\cdots&1\\
1&0&0&\cdots&0
\end{pmatrix}
$$

です。実際 $(P\boldsymbol{x})_i=\sum_j P_{ij}x_j=x_{i+1}$（$i\le n-1$）、$(P\boldsymbol{x})_n=x_1$ となり要求を満たします。任意のベクトルに対する作用が指定されているので、$P$ はこれ以外にありません。$P$ は各行各列にちょうど一つ 1 を持つ置換行列なので実直交行列で、$P^{\mathsf{T}}P=I$、$P^{-1}=P^{\mathsf{T}}$、そして $n$ 回巡回させると元に戻るので $P^n=I$ です。

### 設問1(ii)

答えは零行列 $PA-AP=O$ です。成分で確かめます。$P_{ik}=\delta_{k,i+1}$ より

$$
(PA)_{ij}=\sum_k P_{ik}A_{kj}=A_{i+1,j},\qquad
(AP)_{ij}=\sum_k A_{ik}P_{kj}=\sum_k A_{ik}\delta_{j,k+1}=A_{i,j-1}
$$

です（添字はすべて $\bmod n$）。$A$ は巡回行列で $A_{kl}$ が $k-l\ (\bmod n)$ のみに依存し、$(i+1)-j=i-(j-1)$ ですから $A_{i+1,j}=A_{i,j-1}$、つまり $(PA)_{ij}=(AP)_{ij}$ が任意の $i,j$ で成り立ちます。

同じことを行列の言葉で見ておきます。$P^{-1}=P^{\mathsf{T}}$ の成分は $(P^{-1})_{ij}=P_{ji}=\delta_{i,j+1}$ なので、$P$ は $(i,i+1)$ 成分と $(n,1)$ 成分に、$P^{-1}$ は $(i+1,i)$ 成分と $(1,n)$ 成分に 1 を持ちます。これは $A$ の非対角成分の配置とちょうど一致するので

$$
A(\epsilon,t)=\epsilon I+t\left(P+P^{-1}\right)
$$

と書けます（$n\ge3$ が必要で、$n=2$ では角の成分と隣接成分が重なって成立しません）。$P$ は $I$, $P$, $P^{-1}$ のいずれとも可換ですから $A$ と可換で、$PA-AP=O$ です。この表示は設問(v)でそのまま使います。

### 設問1(iii)

$P\boldsymbol{u}=\lambda\boldsymbol{u}$ を成分で書くと $u_{i+1}=\lambda u_i$（$i=1,\dots,n-1$）と $u_1=\lambda u_n$ です。前者から $u_i=\lambda^{i-1}u_1$、これを後者に入れて $u_1=\lambda^n u_1$ を得ます。$u_1=0$ なら順に全成分が 0 になって固有ベクトルになりませんから $u_1\neq0$ で、$\lambda^n=1$ が必要です。逆に $\lambda^n=1$ ならこの $\boldsymbol{u}$ は固有ベクトルです。よって $\omega\equiv e^{2\pi i/n}$ として

$$
\lambda_k=\omega^{\,k-1}=e^{2\pi i(k-1)/n},\qquad
\boldsymbol{u}_k=\begin{pmatrix}1\\ \omega^{\,k-1}\\ \omega^{\,2(k-1)}\\ \vdots\\ \omega^{\,(n-1)(k-1)}\end{pmatrix}
\qquad(k=1,2,\dots,n)
$$

が $P$ の固有値と固有縦ベクトルです。$n$ 個の $\lambda_k$ は互いに異なる（$1$ の $n$ 乗根がすべて現れる）ので、異なる固有値に属する固有ベクトルは線形独立という一般論から $\boldsymbol{u}_1,\dots,\boldsymbol{u}_n$ は線形独立です。直接見ても、これらを並べた行列は節点 $\omega^{k-1}$ のファンデルモンド行列で、行列式が $\prod_{k<l}(\omega^{\,l-1}-\omega^{\,k-1})\neq0$ となり同じ結論になります。$n\ge3$ では $\lambda_k$ は一般に複素数なので、固有ベクトルも複素ベクトルです。

### 設問1(iv)

$P\boldsymbol{x}=\lambda\boldsymbol{x}$、$P\boldsymbol{y}=\mu\boldsymbol{y}$、$\lambda\neq\mu$ とします。設問(iii)より $\lambda^n=\mu^n=1$ なので $|\lambda|=|\mu|=1$、とくに $\lambda^*=\lambda^{-1}$ です。$P$ は実直交行列なので $P^{\dagger}P=P^{\mathsf{T}}P=I$ であり、設問(ii)の $AP=PA$ も使うと

$$
\boldsymbol{x}^{\dagger}A\boldsymbol{y}
=\boldsymbol{x}^{\dagger}P^{\dagger}PA\boldsymbol{y}
=(P\boldsymbol{x})^{\dagger}(AP\boldsymbol{y})
=(\lambda\boldsymbol{x})^{\dagger}(\mu A\boldsymbol{y})
=\lambda^{*}\mu\,\boldsymbol{x}^{\dagger}A\boldsymbol{y}
=\frac{\mu}{\lambda}\,\boldsymbol{x}^{\dagger}A\boldsymbol{y}
$$

となります。$\lambda\neq\mu$ かつ $\lambda,\mu\neq0$ より $\mu/\lambda\neq1$ ですから、$\boldsymbol{x}^{\dagger}A\boldsymbol{y}=0$ でなければなりません。証明終わりです。同じ計算で $A$ を $I$ に置き換えれば $\boldsymbol{x}^{\dagger}\boldsymbol{y}=0$ も従い、$P$ の固有ベクトルはエルミート内積について互いに直交します。使ったのは $P$ のユニタリ性、固有値が絶対値 1 であること、$A$ と $P$ の可換性の3点だけです。

### 設問1(v)

設問(iv)より $\boldsymbol{u}_k$ は互いに直交し、$\boldsymbol{u}_k^{\dagger}\boldsymbol{u}_k=\sum_{j=1}^{n}|\omega^{(j-1)(k-1)}|^2=n$ なので、規格化して並べた

$$
U=\frac{1}{\sqrt{n}}\left(\boldsymbol{u}_1\ \boldsymbol{u}_2\ \cdots\ \boldsymbol{u}_n\right),
\qquad
U_{jk}=\frac{1}{\sqrt{n}}\,\omega^{\,(j-1)(k-1)}
$$

はユニタリ行列です。直接確認すると、$l\neq k$ のとき等比数列の和が

$$
(U^{\dagger}U)_{kl}=\frac{1}{n}\sum_{j=1}^{n}\omega^{-(k-1)(j-1)}\omega^{(l-1)(j-1)}
=\frac{1}{n}\sum_{m=0}^{n-1}\omega^{(l-k)m}
=\frac{1}{n}\cdot\frac{1-\omega^{(l-k)n}}{1-\omega^{\,l-k}}=0
$$

となり（$\omega^{(l-k)n}=1$、分母は $l\neq k\ (\bmod n)$ で 0 でない）、$k=l$ では 1 です。これは離散フーリエ変換の行列です。

設問(ii)の表示 $A=\epsilon I+t(P+P^{-1})$ と $P\boldsymbol{u}_k=\omega^{k-1}\boldsymbol{u}_k$、$P^{-1}\boldsymbol{u}_k=\omega^{-(k-1)}\boldsymbol{u}_k$ から

$$
A\boldsymbol{u}_k=\left\{\epsilon+t\left(\omega^{\,k-1}+\omega^{-(k-1)}\right)\right\}\boldsymbol{u}_k
=\left\{\epsilon+2t\cos\frac{2\pi(k-1)}{n}\right\}\boldsymbol{u}_k
$$

なので、$U$ の列がすべて $A$ の固有ベクトルになり、$D=U^{\dagger}AU$ は対角行列です。答えは上の $U$ と

$$
D=\mathrm{diag}\left(d_1,d_2,\dots,d_n\right),
\qquad
d_k=\epsilon+2t\cos\frac{2\pi(k-1)}{n}
$$

です。$d_k$ が実数であることは $A$ が実対称であることと整合し、$\sum_{k=1}^{n}\cos\frac{2\pi(k-1)}{n}=0$ より $\operatorname{tr}D=n\epsilon=\operatorname{tr}A$ も合っています。$t>0$ なので最大固有値は $k=1$ の $\epsilon+2t$（固有ベクトルは全成分が等しいベクトル）です。$k-1$ と $n-(k-1)$ で $\cos$ が同じ値になるため、固有値は $k=1$ と（$n$ が偶数のときの）$k=n/2+1$ を除いて2重に縮退します。

### 設問2(i)

対象は $n$ 次のブロックを2行2列に並べた $2n$ 次の実対称行列

$$
B=\begin{pmatrix}A(0,t)&\lambda I\\ \lambda I&A(0,2t)\end{pmatrix}
$$

（$I$ は $n$ 次単位行列、$\lambda$ は正の実数）です。$S\equiv P+P^{-1}$ と置くと $A(0,t)=tS$、$A(0,2t)=2tS$ で、$B$ の4つのブロックはすべて $S$ と $I$ だけで書けます。設問1(v) より $S\boldsymbol{u}_k=2\cos\theta_k\,\boldsymbol{u}_k$、ここで

$$
\theta_k\equiv\frac{2\pi(k-1)}{n},\qquad c_k\equiv\cos\theta_k\qquad(k=1,2,\dots,n)
$$

です。$2n$ 次元ベクトルを上半分 $\boldsymbol{p}$ と下半分 $\boldsymbol{q}$（ともに $n$ 次元）に分けて書くと

$$
B\begin{pmatrix}\boldsymbol{p}\\ \boldsymbol{q}\end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}tS\boldsymbol{p}+\lambda\boldsymbol{q}\\ \lambda\boldsymbol{p}+2tS\boldsymbol{q}\end{pmatrix}
$$

なので、$\boldsymbol{p}=a\,\boldsymbol{u}_k$, $\boldsymbol{q}=b\,\boldsymbol{u}_k$ という形（同じ $k$ を上下で使う）を代入すると

$$
B\begin{pmatrix}a\,\boldsymbol{u}_k\\ b\,\boldsymbol{u}_k\end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}\left(2tc_ka+\lambda b\right)\boldsymbol{u}_k\\ \left(\lambda a+4tc_kb\right)\boldsymbol{u}_k\end{pmatrix}
$$

となり、$\boldsymbol{u}_k$ の係数だけの問題に落ちます。つまり $2\times2$ 行列

$$
B_k=\begin{pmatrix}2tc_k & \lambda\\ \lambda & 4tc_k\end{pmatrix}
$$

の固有値が $B$ の固有値です。$\det(B_k-\mu I)=\mu^2-6tc_k\mu+8t^2c_k^2-\lambda^2=0$ を解くと

$$
\mu=3tc_k\pm\sqrt{9t^2c_k^2-8t^2c_k^2+\lambda^2}=3tc_k\pm\sqrt{t^2c_k^2+\lambda^2}
$$

です。よって $B$ の $2n$ 個の固有値は

$$
\mu_k^{\pm}=3t\cos\theta_k\pm\sqrt{t^2\cos^2\theta_k+\lambda^2},
\qquad \theta_k=\frac{2\pi(k-1)}{n},\quad k=1,2,\dots,n
$$

です。これで全部であることを確認します。$W=\begin{pmatrix}U&0\\0&U\end{pmatrix}$ は $2n$ 次のユニタリ行列で、設問1(v) の $U^{\dagger}SU=2C$（$C=\mathrm{diag}(c_1,\dots,c_n)$）を使うと

$$
W^{\dagger}BW=\begin{pmatrix}2tC&\lambda I\\ \lambda I&4tC\end{pmatrix}
$$

となり、4つのブロックがすべて対角行列になります。基底を並べ替えて上半分と下半分の第 $k$ 成分を隣同士に置く置換（これもユニタリ変換）を施すと、これは $B_1,B_2,\dots,B_n$ を対角に並べたブロック対角行列そのものです。ユニタリ相似は固有値を重複度も込めて変えないので、$B$ の固有値は各 $B_k$ の固有値を全部集めたものに等しく、$\lambda>0$ より判別式 $t^2c_k^2+\lambda^2$ は正で各 $B_k$ が相異なる2つの固有値を持つことから、上の $2n$ 個が求める固有値です。固有ベクトルは $B_k$ の固有ベクトル $(a,b)$ を使った $(a\,\boldsymbol{u}_k,\,b\,\boldsymbol{u}_k)$ で与えられます。

検算します。$B$ は実対称なので固有値は実数で、上式も実数です。$\sum_{k}(\mu_k^++\mu_k^-)=6t\sum_kc_k=0$ で、$B$ の対角成分がすべて 0 であること（$\operatorname{tr}B=0$）と一致します。また $\mu_k^+\mu_k^-=8t^2c_k^2-\lambda^2=\det B_k$ も合っています。$\lambda=0$ とすると $\mu=3tc_k\pm t|c_k|$、すなわち $\{2tc_k,\,4tc_k\}$ となり、$A(0,t)$ と $A(0,2t)$ の固有値（設問1(v) で $\epsilon=0$ とおいたもの）を並べたものに戻ります。

### 設問2(ii)

$\lambda=0$ のときの固有値は、上の検算のとおり $A(0,t)$ の固有値 $2tc_k$ と $A(0,2t)$ の固有値 $4tc_k$ を合わせた $2n$ 個です。$\lambda\neq0$ にすると、同じ $k$ に属するこの2個だけが混ざり合い（$\lambda I$ はフーリエ添字 $k$ について対角なので、異なる $k$ の間には結合を作りません）、

$$
\mu_k^++\mu_k^-=6tc_k,\qquad
\mu_k^+-\mu_k^-=2\sqrt{t^2c_k^2+\lambda^2}\ \ge\ 2t|c_k|
$$

となります。2個の和は $\lambda$ に依らず保たれ、間隔は必ず広がります。上の準位は上へ、下の準位は下へ動く反発です。

$0<\lambda\ll t$ での変化の大きさを見ます。$c_k\neq0$ のとき、$\lambda\ll t|c_k|$ を仮定して平方根を展開すると

$$
\sqrt{t^2c_k^2+\lambda^2}=t|c_k|\left(1+\frac{\lambda^2}{2t^2c_k^2}+O\!\left(\frac{\lambda^4}{t^4c_k^4}\right)\right)
$$

なので、$c_k$ の符号によらず

$$
\mu\simeq2tc_k-\frac{\lambda^2}{2tc_k},
\qquad
\mu\simeq4tc_k+\frac{\lambda^2}{2tc_k}
$$

の2本になります。つまり固有値の微小な変化は $\lambda$ の2乗に比例し、大きさは $\lambda^2/(2t|c_k|)$ です。これは非対角要素 $\lambda$ による2次摂動 $\lambda^2/(E-E')$ そのもので、$E-E'=2tc_k-4tc_k=-2tc_k$ を入れた式と一致します。

例外は $c_k=0$、すなわち $\cos\dfrac{2\pi(k-1)}{n}=0$ の場合です。これは $n$ が 4 の倍数のときに限り起こり、$k-1=n/4$ と $k-1=3n/4$ の2つの $k$ が該当します。このとき $\lambda=0$ で2本の固有値が 0 に縮退しており、厳密な固有値は

$$
\mu^{\pm}=\pm\lambda
$$

となって、変化は $\lambda$ の1乗に比例します。縮退した2準位が結合すると分裂が結合の強さそのものの大きさになる、という縮退摂動論の標準的な結果です。

答えを整理します。$\lambda$ による固有値の微小変化は、対応する $\lambda=0$ の2準位 $2tc_k$ と $4tc_k$ が縮退していなければ $\lambda$ の2乗に比例し、縮退している（$c_k=0$、$n$ が 4 の倍数のときのみ存在）場合は $\lambda$ の1乗に比例します。より正確には $\lambda$ と $t|c_k|$ の比が効いていて、$\lambda\ll t|c_k|$ なら2乗、$\lambda\gg t|c_k|$ なら $\mu^\pm\simeq3tc_k\pm\lambda$ で1乗に移ります。なお $\lambda=0$ の固有値には $c_k=c_{k'}$ による縮退や、$2tc_k=4tc_{k'}$（$k\neq k'$）という偶然の一致も起こり得ますが、これらは異なる $k$ の間の縮退なので $\lambda I$ が結合せず、変化は2乗のままです。物理的には、飛び移り積分が $t$ と $2t$ の2本の環（2つのバンド）を層間結合 $\lambda$ でつないだ模型で、バンドが交差する点（$c_k=0$、両バンドのエネルギーが 0 で一致する点）だけ $\lambda$ に比例したギャップが開き、それ以外では $\lambda^2$ の準位反発が起きる、という描像になります。

出典: 東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 平成26年度 修士課程 入学試験問題 数学。問題文は要約して引用しています。
